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長島伸子のミューズ・サロン(クラシックの楽しみW)    (2005.02.20)
    − ハープの妙なる調べ −
ソプラノの長島伸子さんが、「気楽にクラシック」というコンセプトで開いているミニコンサート。今年で5年目にもなるそうですが、今回は、「ハープの妙なる調べとともの」という題で、ゲストのハープの伴奏による曲を含め、イタリアの古典歌曲とアヴェマリアの数々というプログラムでした。
いつもの通り、会場は定員50名ほどの小さなマンションの一室。いつもはピアノの伴奏なのですが、 今回は、ハープの伴奏。ハープの演奏をこんなに近くで聞いたのは初めてでしたが、シンプルな音色が、清らかな長島さんの声と調和して、とても良い感じでした。 後半には、バイオリンの伴奏も加わり、さらに、出演者とのティータイムも設けられ、打ち解けたサロンのようで雰囲気でした。 今回、第3部は、「アヴェ・マリア」の特集でしたが、長島さんが、十数年前に撮られた、ダヴィッド・ハミルトンの映像詩「メロディー」の 中で歌われた曲も入っており、また、この撮影の興味深いお話も加わって、とても楽しいコンサートでした。この時の赤い舞台衣装は、「メロディ」で使ったものだそうです。 コンサートが終わって家路についたとき、もう一度、無性に「メロディー」を見たくなり、家に帰って真っ先に、「メロディー」のレーザーディスクを再生しました。  
第1部は、イタリア古典歌曲集。カッチーニ、ローザ、チェスティの歌曲。
第2部は、ゲストの土井利紀氏のハープの伴奏で、グリーンスリーブス、トネリコの森といったイギリス民謡の独唱。
第3部は、天野英彦氏のヴァイオリン3曲を含む6曲のアヴェ・マリア。
 
それにしても、長島伸子さんの歌声もトークも、なんて心を和ませてくれることでしょう。 丁寧な、心のこもった歌声に加え、司会進行や場の作り方の上手なこと。お会いした誰もがファンになってしまうような人なつっこさと、慎ましやかなお人柄。 コンサートが終わって帰る私たち一人一人に、声をかけ見送って下さった気の配り方と優しさ。長島さんが「歌のお姉さん」を志した原点は、子供の頃、虜になっていた、テレビ番組「おとぎの部屋」のシャーリー・テンプルとのこと。 「出演者とお客様が同じウェイトで作り上げていくようなサロン・コンサートを目指したい」と言われるとおりの、とても楽しい魅力的なコンサートでした。この夢を与えてくれる自主企画、いつまでも続けて欲しいものです。

長島伸子(ソプラノ)、土井利紀(ハープ)、天野英彦(ヴァイオリン)
2005年2月19日(土)、ミュージックサロン・デュオ(東京・代々木)
長島伸子さんのサイト
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