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愛車「新型(50型)プリウス」       (2017.3.10)

6年間乗った3代目プリウス(30型)から4代目の新型プリウス(50型)に乗り換えてから半年が過ぎました。 旧型は「移動の道具」としては、とてもよく出来ているけれど、インテリアやエクステリアには手を抜いていると感じた箇所が見られ、乗用車としての完成度がいまいちと感じられた車でしたが、新型では、これがかなり改善されたというのが実感です。 「ドライブが気持ちよくて、しかも地球に優しい」、トヨタはそんなクルマを目指してプリウスを作ったそうですが、 30型は「地球に優しかった」けれど「気持ちよい」という点では?と感じたところもありました。文字通り「ドライブが気持ちよい」は50型になって初めて達成できたと言えるのではないでしょうか。

30型プリウスは故障などの不具合は全くなく、まだ十分使える状態だったし、家庭で充電できる新型のPHV(プラグインハイブリッド)のプリウスが2017年初に発売されることもあり、 最初は50型を積極的に買おうとは思わなかったのですが、30型の走行距離が110,000キロ近くになり、バッテリー・モーターや制御用コンピュータ等の電気系統の部品の劣化に一抹の不安を感じていたし、 これ以上走行距離が増えると下取り価格がかなり減るということもあって買い換えることにしました。 注文は2010年8月初でしたが、納車は10月になりました。

旧型(30型)プリウスの購入時と同様、今回の50型プリウスも、付属品は可能な限りメーカーオプション(MOP)パーツを装着しました。 ハイブリッドカーは、単なる自動車というより、ガソリンのアシストで動く電気自動車のようなものでしょう。モーター、バッテリー、マイコン等の電子部品と、エンジン駆動系の部品が一体で組み立てられ、性能を最大限発揮できるよう調整されて出荷されます。 普通の自動車を、適宜ペリフェラルを追加して好みの製品に仕上げて楽しめるデスクトップパソコンに例えれば、プリウスは工場で最適な部品を装着して出荷されるノートパソコンというところでしょうか。
私がプリウスを買うとき、特に電気系パーツは、工場出荷のメーカーオプションに拘るのはこの為です。 工場が責任をもって送り出すメーカーオプションパーツは安心感があり、その分が車両本体価格に上乗せになり税金も高くなりますが、それなりの満足感を得られます。 サードベンダーのパーツを装着すれば価格は抑えられますが、信頼性と保守性に一抹の不安が残ります。このため走行に関係するパーツは極力メーカーオプション、メーカーオプションが無い場合はディーラーオプションから選ぶようにしています。 その意味でカーナビもメーカーオプションのものを付けたかったのですが、プリウス50型には30型や20型のようにMOPナビが選択できなかったので、仕方なくディーラーオプション(DOP)のナビを付けました。


●気に入っているところ
  1ヶ月半ほど乗って、プリウス30型と比べて良くなって、気に入っているところを以下に記述します。

1.四輪駆動の威力
50型プリウスの中で特に実感したのが四輪駆動の威力です。 以前の車の時は、交差点をエコモードで発進する時、併走する車にかなり遅れ、アクセルを強く踏む必要がありました。 この車は、エコモードでも軽くアクセルを踏んだだけで、後方からグッと押される感じで、併走する車に遅れません。 これからは、常時エコモードにしておこうと思います。
また、以前の車は屋根の後部に重いソーラーパネルを乗せていたので、坂道発進時に前輪が浮き上がりぎみになるのか、スリップ警告灯が点き発進をやり直す事がありました。 この車では、この現象はまだ一度も発生しておらず、坂道発進がとてもスムーズです。 後輪のアシストが良く効いているようで、坂の多い自宅周辺の道には打ってつけです。E-Fourを選んで良かった。

2.便利なオートマチック・ハイビームと自動防眩ルームミラー
新たに「Toyota Safty Sence P」の機能として備わったオートマチック・ハイビームはとても便利。カーブの坂道やトンネルの続く自宅周辺の道では、対向車が来る度にライトの操作が必要でしたが、これが自動的に行われるのは有り難い。 ただ、周囲にヘッドランプや尾灯などに似た光があるときや、前方に標識やミラーのように光を反射するものがあるとき等は、うまく切り替わらないこともあるようで、これに頼りすぎるのは良くないので、必要に応じて従来通りの手動切り替えも併用しようと思います。
また、後続車のヘッドライトの眩しさに応じて反射光を自動的に減少させる自動防眩ミラーの機能も標準で備わりました。 ルームミラーの表裏にセンサーが付いていて、感知した光に応じて、無断階に反射率を変化させることで、眩しさを抑えてくれます。 今までは、眩しいときはレバーを操作してミラーを傾けていましたが、これをする必要が無くなったのは有り難いです。

3.低速でもレーダークルーズコントロールが使えるようになった。
レーダークルーズコントロールはとても便利で、30型プリウスでも高速道で愛用していました。但し、30型プリウスでは、車速が約40キロに落ちると解除されるので一般道では使えませんでした。 新しい車では、全車速追従機能が付き、先行車が居さえすれば、車速が40キロより下がっても解除されず、一般道でも先行車に追随して走れるようになりました。これは嬉しい改善です。 ただ、レーダークルーズコントロールもプリクラッシュセイフティシステムも、前方の車や歩行者を全て検知できるとは限りません。あくまで運転を支援する機能なので、これを過信せず、従来どおり自ら安全の判断をする必要があるでしょう。

4.ヘッドライトが明るくなった。
プリウス(30型)の最大の弱点は「ヘッドライトの暗さ」でした。 標準装備のハロゲンヘッドランプは、街燈の少ない暗い夜道での走行は、通行人を確認し難く、怖くて最悪でした。 とても我慢できなくて、早々にディーラーに相談し、ロービームのヘッドランプをHIDに交換しました。 50型のヘッドライトはロービームもハイビームもLEDで、HIDよりも明るく夜道の走行も楽になりました。

5.後方視界が幾分良くなった。
30型のリアウィンドーは、左右後方の窓の支柱が太く、ルームミラーで後方を見る時の死角になり、車の後方の横の至近距離の景色が見難く、特に左後方を併行する車を確認しずらく、 左側のレーンへの車線変更が危険で、恐怖を感じました。 50型はリアウィンドーの左右が横に回り込むように広がったので、後方の視界は、旧30型比べると改善している印象です。とはいえ、車庫入れや、狭い場所での駐車には、バックモニターを使用しないと難儀するし、上方ウィンドーのガラス面を雨のしずくが流れず、ワイパーをかけないと後方がほとんど見えません。
旧30型のリアウィンドー
横の至近距離の視界が悪い。
50型のリアウィンドー
左右が横に回り込んで広がり、視界が改善された。

6.車内の騒音が減り、ドアの閉まり音が静かになった。
旧型は、風切り音など車外の音の遮音が十分でない上、リアハッチのガタつきによるカタカタ音もあり、「エーモンの静音計画」や「VAB ドアプロテクターキット」等の対策を施しました。新型ではこれらの不具合が全くなく、車内はとても静かです。 また旧型はドアを閉めた時、「バァ〜ン」といういかにも安っぽい音でしたが、新型はやや重厚で高級感のある音になりました。

7.舗装道路の継ぎ目の通過が気にならなくなった。
旧型は、首都高羽田線などの古い舗装の道路を通過するとき、道路の突き上げ感やゴツゴツ感をかなり感じました。 COXボディダンパー」という製品を付けて、やや緩和されましたが、それでも結構感じました。 新型プリウスは、助手席の妻が「滑らかな乗り心地になって疲れない」と言っていたように、路面のピッチやアスファルトの継ぎ目の通過時のゴトンというショックがかなり減り、良い乗り心地になりました。 リヤサスペンションが、ダブルウィッシュボーンになったことが効いているのかもしれません。

8.エコドライブモードの運転で、燃費は26キロ/リッター
燃費は旧型は約25km/Lでしたが、新型は、旧型を若干上回り、約26km/Lとなりました。 カタログ値は34.0km/Lなので、もう少し走っても良い気もしますが、車体重量が重くなった上、自宅周辺に坂道が多くE-Fourのアシストが頻繁に行われ、充電のための燃料消費が多いので、仕方がないでしょう。


●一層の改善が望まれるところ
  50型プリウスは旧型より高品質で使いやすくなったものの、さらに改善して欲しい点もあるので挙げておきます。

@「応急タイヤ」が装備されていない。
最近はタイヤパンク応急修理セットを付けて応急タイヤ(テンポラリタイヤ)を付けない車が増えているようです。この車も、E-Fourのモーターがトランク底部に設置されているため、応急タイヤがありません。 タイヤパンク応急修理セットは付いていますが、万一の場合に不安なので、別途応急タイヤを購入しました。このためトランクが狭くなってしまいました。 昔乗っていたスバル1000がボンネット内に応急タイヤを入れていたように、ボンネット内へ設置するなど、トランクが狭くならないような設置方法を検討して欲しいものです。

A「車両接近音装置」の音は相変わらず小さい。
プリウスは、低速走行時に電気モーターだけで走るため、周囲に走行音が聞こえにくい。このため、市街地などで低速走行する際に、歩行者が車の接近に気付かないことがあります。 かと言ってクラクションを鳴らして驚かしたくないし・・・。 この為、人工で音を発生させ、一定の車速に達しすると音が止まる、車両接近音装置が付いているのですが、 2〜3メートルまで近づけば歩行者が振り向いてくれたので、それなりの効果はあるようですが、住宅地での使用に配慮したせいか控えめの音量です。 せめて5メートル手前から歩行者が気づくよう、もう少し大きな音にしてもらいたい気がします。 折りしも、2018年以降のHV・EVは車接近音を義務化し、手動で音を消せなくし、音量も現在のものより大きなものにするという記事が載っていました。 こちら→

B「車速連動オートドアロック」が付いていない。
30型プリウスもそうでしたが、この50型にも、走り出して一定のスピードになると全部の扉が自動的にロックする車速連動オートドアロックが付いていません。 もしもの時に、ロックした状態でドアが開かなくて逃げられないことがないようというためだそうですが・・・。 最近、幼い孫を乗せることが多くなり、ロックを忘れると危険なので、やむを得ず純正ではないけれど、サードメーカーKIRAMEKのSCIBORG Safty Speed Lock(SL50V)という製品をディーラーで取り付けてもらいました。 是非、純正オプションにして欲しいところです。

Cクラクションの音が貧弱
プリウスのクラクション(警音器:Horn)は先進のハイブリッド車には似つかわしくない「ビィーッ」というチープな音です。 標準装備のホーンは、1,600円ほどの安価な平型ホーンだそうで、これでは良い音が出るわけはありません。 30型プリウスには純正オプションでプレミアムホーンという渦巻き型のホーンがあったのですが、50型にはありません。 そこで、やむを得ず純正ではないサードメーカーPIAAのスレンダーホーン HO-12という製品をディーラーで取り付けてもらいました。 保安基準適合品なので車検には問題ないし、「ファーン」という音で、標準装備のホーンよりはるかに良い音です。

D時計は相変わらずクオーツ
30型もクオーツでしたが、50型も電波時計でなくクオーツです。 地下やパーキングタワーの駐車場に長く置いておくと、電波が届きにくく、時計が狂ってしまうからでしょうが、 一般の駐車場では電波は届きますから、全てクオーツというのではなく、電波時計をオプションとして付けて欲しかった。

E使いやすかったMOPのカーナビが選べなくなった。
20型プリウスも30型プリウスもプリウス専用に作られたメーカーオプション(MOP)のカーナビを付けていましたが、 50型プリウスではメーカーオプションのナビが選べなくり、仕方なく画面が9インチのDSZT-YC4Tというディーラーオプション(DOP)のナビを付けました。 メーカーオプションのナビに慣れていた私には、このディーラーオプション(DOP)のナビが使いづらい。 以前のMOPナビは、画面の左右にプッシュボタンがあり、常時使う機能は殆どこれで間に合い、運転中でも操作できました。 メカニカルなスィッチですから、目で見なくても手探りだけで操作できたのです。 新しいナビは、スマホのようにメカニカルなプッシュボタンが無くなり、その分画面はと大きくなったけれど、手探りでの操作は出来ず、画面を見つめなければならず、運転中の操作はできません。 ステアリングスィッチで幾つかの機能の操作はできるものの限りがあり、旧ナビのメカニカルなプッシュボタンの方がはるかに楽です。 それなら音声認識で・・・としようとしても、ナビに登録されている言葉はごく少量で、トークスィッチを3秒程度長押してT-CONECTの「エージェント」を呼び出して、それに向けて喋るという仕組み。 まどろっこしくて、これも運転中には使えない。 その上運転中に重宝した「あとどれ位で着くの?」とか「この先渋滞はありますか?」といった「知りたいインフォ」や、「テレビを点けて」とか「CDに替えて」といった「オーディオ切り替え」などの、コマンドが無くなってしまった。 これは早急に組み込んで欲しいところです。
新型プリウスのDOPカーナビ。
スマホのように画面に触れて操作する。
旧型プリウスのMOPナビ(左:プリウス30型、右:プリウス20型)
いずれも両側にプッシュボタンがあり、手探りでも操作できた。


    トヨタプリウス E-Four Aグレード 主要諸元

    ■車両型式 DAA-ZVW55-AHXGB
    車両重量  1,360kg、車両総重量 1,635kg、最小回転半径 5.1m
    燃料消費率 JC08モード走行(国土交通省審査値) 37.2km/L、JC08モード走行(国土交通省審査値) 30.4km/L
    ■エンジン 型式 2ZR-FXE
    総排気量 1.797L、種類 水冷直列4気筒DOHC、使用燃料 無鉛レギュラーガソリン、内径×行程 80.5×88.3mm 圧縮比 13.0
    最高出力<ネット>72(98)kW(PS)/5,200r.p.m.、最大トルク<ネット>142(14.5)N・m(kgf・m)/3,600r.p.m.
    燃料供給装置 電子制御式燃料噴射装置(EFI)、燃料タンク容量  43L
    ■モーター 型式 フロント:1NM、 リア:1MM
    種類 交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター)、
    ■動力用主電池 
    種類 ニッケル水素電池、個数 28、接続方式 直列、容量 6.5Ah(3時間率容量)
    ■寸法・定員 
    全長 4,460mm、全幅 1,745mm、全高 1,490mm、ホイールベース 2,700mm、トレッド フロント 1,525mm、リヤ 1,52mm
    最低地上高  140mm、室内 長 1,905mm、幅 1,470mm、高  1,225mm、乗車定員 5名
    ■走行装置 
    ステアリング ラック&ピニオン
    サスペンション フロント:ストラット式コイルスプリング、リヤ:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
    ブレーキ フロント/リア フロント:ベンチレーテッドディスク、リヤ:ディスク、作動方式 油圧・回生ブレーキ協調式
    トランスミッション 電気式無段変速機、減速比 フロント:2.834/リア:10.487

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