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「サウンド・オブ・ミュージック」と言えば、ジュリー・アンドリュース主演の映画が有名です。
もう十年以上も前になりますが、モーツァルトの生地ザルツブルグ〜ウィーンを訪れた時、ミラベル宮殿やザルツカンマーグートの観光スポットが映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地として案内されました。ザルツブルグが、天才モーツァルトゆかりの地というよりも、映画「サウンド・オブ・ミュージック」が撮影された地として、世界的に有名になってしまっている感じでした。
「サウンド・オブ・ミュージック」は、もとはブロードウェイの舞台で上演されたミュージカルです。
オーストリアのザルツブルクを舞台にトラップ一家とその家庭教師としてやってきたマリアとの生活をマリア自身が綴った実話に基づいて書かれた
「トラップ・ファミリー合唱団物語」をミュージカル化した作品が「サウンド・オブ・ミュージック」で、1959年にリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世の
コンビが音楽を担当、ブロードウェイで初演され、大ヒットしました。その時主役マリアを演じたのが、メリー・マーティンでした。
このメリー・マーティン、当時エセル・マーマンとミュージカル界で女王の座を競っていました。
後に映画「サウンド・オブ・ミュージック」でマリアを演じアカデミー賞を獲得したジュリー・アンドリュースは、その頃まだ新進でブロードウェイの「マイ・フェア・レディ」(1956年初演)の舞台で主役のイライザを演じていました。
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メリー・マーティンが主役を演じたブロードウェイ版の録音が、オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤です。
最初は1966年頃LPレコードで発売されましたが、CDになってからも幾度か再発売され、ボーナストラック3曲を含め21曲を収録した50周年記念版が最新のようです。
1959年のブロードウェイ初演から50周年の2009年に発売されたものです。メリー・マーティンの歌い方はストレートで気負いがありません。
それに比べると、ジュリー・アンドリュースの歌い方はクセがあるというか、わざとらしい抑揚があり、私はメリーマーチンの方が好きです。
しかし映画がヒットしてから、ジュリー・アンドリュースの歌に慣れてしまっているので、メリー・マーティンのオーソドックスな歌い方は淡白に聞こえるかもしれません。
| LPレコード |
CD(50周年記念版) |
サウンド・オブ・ミュージック オリジナル・ブロードウェイ・キャスト50周年記念盤
1. 第一幕:前奏曲、2. サウンド・オブ・ミュージック、3. マリア、4. 私のお気に入り、5. ドレミの歌、
6. もうすぐ17才、7. ひとりぼっちの羊飼い、8. 恋の行方は、9. サウンド・オブ・ミュージック(リプライズ)、
10. レントラー舞曲、11. さようなら、ごきげんよう、12. すべての山に登れ、13. 第二幕:誰も止められない、
14. 普通の夫婦、15. 行列聖歌、16. もうすぐ17才(リプライズ)、17. エーデルワイス、
18. すべての山に登れ(リプライズ)、19. フロム・スウィツァランド:ザ・プラット・ファミリー、
20. エーデルワイス(ドイツ語ヴァージョン)、21. すべての山に登れ(スウェーデン語ヴァージョン)
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なお、マリア・アウグストの自叙伝「トラップ・ファミリー合唱団物語」の前編(オーストリア編)は、「サウンド・オブ・ミュージック」より前、
1956年に西ドイツで「菩提樹」という名で映画化されました。
修道女から男爵夫人となり、七人の子供とともにトラップ合唱隊を作るまでを描いています。
映画の原題は「Die Trapp-Familie」ですが、日本での題名は「菩提樹」。なぜこの題名になったのかは映画の最後で分かります。
出演者 ルート・ロイヴェリク/ハンス・ホルト/ヨゼフ・マインラート/マリア・ホルスト 監督 ヴォルフガング・リーベンアイナー ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」は、この「菩提樹」を見て感動した作者が、ミュージカルにしようと思いついたということです。 さらに、1958年には自叙伝の後編に基づくアメリカでの生活を描いた「続・菩提樹」も作られました。 |
菩提樹のDVD |
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