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1990年のチャイコフスキーコンクールで第1位を獲得して鮮烈なデビューをかざった諏訪内晶子さんが、更なる研鑽を積み、その11年後に弾いた、
パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番の感動的な美しいDVDがあります。
管弦楽は、イタリア放送交響楽団、指揮はペーター・シュナイダー。2001年1月にイタリアのトリノで行われた、同オーケストラのコンサートのライブです。
ペーター・シュナイダーは、ウィーンやドイツのオーケストラを指揮することが多いそうですが、この時はイタリアのオーケストラを指揮しています。イタリアのお国柄でしょうか、
このオーケストラ、ドイツのオーケストラに比べ、溌剌とした明るい演奏です。
この演奏会では、パガニーニの協奏曲を含め以下の曲が演奏されました。
シンフォニア(序曲)〜歌劇「セミラーミデ」より(ロッシーニ)
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 作品6(パガニーニ)
交響曲第8番へ長調作品93(ベートーヴェン)
諏訪内さんは、安定したテクニックで、超絶技巧の超難曲と言われるパガニーニの名曲を、鮮やかに演奏し、観客の大きな拍手を誘っていました。
それもそのはず、この曲は、1988年のパガニーニ・コンクールで第2位に入賞した彼女の得意の作品だそうです。
肩と背中が大きく開いた真っ赤なドレスの諏訪内さんは、モデルとも見まがうほどの艶やかさ。「シンフォニア」の演奏が終わり、彼女が現れたとたん、ステージがパッと明るくなりました。
にこやかな笑顔を振りまいているものの、どことなく不安そうな面持ち。でも、ひとたび演奏が開始されると、この不安が喜びに変わっていったのでしょう、彼女の芸術にぐいぐいと引き込まれていきました。
特に、第三楽章、彼女のテクニックが光ります。
時折、眉間にしわを寄せながら、真剣な眼差しでひたむきに演奏する姿は実に感動的ですし、弾き終えての笑顔が素敵です。カメラは、そんな彼女の姿を鮮明に捉えています。全体を通じて、独奏者のアップが多く、彼女の表情や腕の動きが良くわかります。
彼女の演奏を教科書的と評されるむきもあるようですが、それが何。教科書通りに正確に弾く、これも魅力の一つではないでしょうか。
世界的プリマバレリーナ、故マーゴ・フォンティーンの踊りも、そんなふうに言われていました・・・・。
彼女の使用楽器は、日本音楽財団より貸与されている1714年製のストラディヴァリウス「ドルフィン」とのこと。この名器を見られるのも一つの楽しみではないでしょうか。映像は鮮明で、ヴァイオリンの木目もはっきり視認できます。
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デビュー当時の諏訪内さんの映像には、彼女がチャイコフスキーコンクールで優勝したときのライブ(LD)がありますが、
このパガニーニの協奏曲は、プロとして活躍されてから初めての本格的なDVDということになります。
演奏 諏訪内晶子(ヴァイオリン)
管弦楽 イタリア国立放送交響楽団
指揮 ペーター・シュナイダー
2001年1月 ジョバンニ・アニエリ・ホール
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