無鉛銀半田 オーディオには最適です。はんだの良否が故障につながります。

某メーカーより無鉛オーディオ用半田ということで発売されたときに、飛びついたオーディオマニアは、多かったはずです。某電線屋にいた友人も、その半田でピンコードを作ると良く売れたと言っていました。しかしその作業性、仕上がりの悪さに、自作オーディオ愛好家の間では普通の錫、鉛系半田が今でも人気があります。私も最近まで敬遠していました。ところが世の中全て、無鉛の方向に向かっていて、RoHS指令に従い各部品メーカーが対応しているため、使用するはんだは無鉛半田RMA指定の部品(抵抗でさえ)などもあり、対応する方向で進めてきました。実験を進めた結果、アマチュア製作でも対応可能となりました。そして今まできれいに、半田できず悩んでいたのが、千住金属M705エコソルダーや石川金属で試してみるとそれほど作業性が悪くないことが、確認できました。半田ゴテもそんなに特殊なものを使う必要も無く、これなら行けると確信しました。若干温度は高めにする必要はありますが、以前試したときのようにコテ先の酸化の心配も不要でした。無鉛化をお勧めする理由は、音質比較検討で基板全て無鉛半田にしたのと、従来の錫鉛半田とでは、はっきりとした音質差が確認できたからです。数百から千点に及ぶ半田点数では差が出て当たり前ですが、接続点1点だけ鉛半田と無鉛半田で比較しても音の違いは分からないです。半田そのものに銀が3%も入っているため非常に高価です。最近出回り始めた安い無鉛半田はコスト対策で銀が少ないので注意が必要です。無鉛はんだですが無鉛でも銀の入っているものは、あえて無鉛銀半田としています。ここで注意が必要なのは、鉛はんだメッキとの混在です。新しい部品はRoHS対応で、鉛はんだを使用すると合金層の形成で不具合が生じ、古い鉛はんだメッキに無鉛はんだを使うと同様の現象が生じ信頼性が低下するといわれています。この過渡期の対応には悩みますが、量産品ではないので仕方なしとするしかありません。音質面での効果優先で若干矛盾はありますが、これだけは仕方ありません。今入手できる抵抗のほとんどは無鉛はんだメッキのため、数量の多いものに合わせるといったところです。今から10年後に半田不良で故障したら負けといったところです。

無鉛半田といえば千住金属 エコソルダー

オークションなどで安く買える場合もあるので要チェックです。まともに買うと1Kg1万円位です。RMAタイプはフラックス無洗浄タイプでお勧めです。ちなみに1.6φでは、真空管アンプを2台ほど組立ました。ボンコート30Wの温度調整なしの半田ごてと57Wのグットの普通のニクロムヒーターでもOKでした。真空管アンプでもM705なら使えます。
世の中の景気が思わしくないので、銀入りの半田に代わって銀の入らないものが出ています。大手ホームセンターなどでも無鉛はんだとして売っていますが、銀は入っていませんでした。

半田ゴテは選んで使いましょう。


色々試しましたが、やはり昔から量産工場で使われている高千穂コテペンがプリント基板の半田付けでは、使いやすいです。ネットで検索してセラコート工業という会社から購入できます。日本ボンコートもお勧めです。コテ台も高千穂が使い勝手では、ピカイチです。多くの皆さんの、お好きなあのメーカーのコテはありません。単に好みに合わないだけです。自動温度調整タイプの写真ですが、普通の高千穂のコテペン〜コテペンUでも部品交換で無鉛対応可能です。日本ボンコートの30Wタイプでは、球アンプの大きいラグ端子も余裕で無鉛半田可能です。熱容量が一番の問題です。
とりあえずPb混入禁止シールは貼ってみたもののPbは、どこにでもある。
高千穂のコテペンステーションは温度設定375度で使っています。黒い先端の太いチップは無鉛用従来用の先でも問題なく使えます。先端クリーニングも水を含んだクリーナーでOK。並んでホーザンのマイクロソルだリング用に買ったコテがありますが、高い温度で使うとこのように酸化して使えなくなります。
無鉛に移行するときにコテ先酸化問題があり、使ってみたTipリプレッサー(太陽電機産業)と今では使っていない水を使わないクリーナー。こて先をTipリフレクサーに、熱いまま差すだけで、きれいにスズメッキされるので有効活用できる。無鉛化に向けて試行錯誤した成果です。ここには写っていませんが、こて先酸化問題で大量にこて先を準備してひどい目に会いました。これを見ていただいた皆さんは、そのような失敗はありません。安心して無鉛化に取り組んでください。
ちなみに実際のこて先温度を測定してみるとしっかり合っている。370℃は無鉛の上限温度であるが、一般こて先を使用しているので、熱安定度からこうなる。鉛フリー用のこて先を使う場合350℃で使える。温度管理と熱容量の安定が無鉛はんだでは重要。温度は、重要な項目であり、半導体のみならず、ラジアルリードのポリプロピレンコンデンサー、樹脂製のスイッチなど部品を壊さないように短時間で半田することが重要。このようにまじめに、無鉛化対応に取り組んだ結果温度計まで用意してしまったということです。