高密度感光剤(現行)になってからのプリント基板作り(また新しい感光基板が発売になりましたが基本は同じ)

サンハヤトの感光基板がさらに新しい感光剤になってから、失敗は減りました。なんとか太陽光で焼き付け出来ないものかとトライしましたが無理のようです。
フィルムはサンハヤトから出ている専用のインクjジェットフィルムを使い、印刷ムラの出ないインクジェットプリンターを用意します。CADデータで印刷すれば良いのですが、パソコンと適正プリンターが無いと先に進みません。今は部品の小型化で生基板に直接手書きの作成方法では無理があります。専用フィルムもA4サイズ3枚で1500円程しますので、あまり失敗できません。フィルムが出来たら次は感光基板に焼き付けますが、この焼き付け時間のさば読みが結構、今回の基板から不要になりました。適当な露光時間を掴めば前作のものより製造月日を気にする必要はないようです。

従来と異なるのは焼き付け現像にかかわる部分です。


絶対守ること
@指定フィルムを使って印刷の仕上がりが良いパターンフィルムを作るA適切な露光時間B部屋の温度、この3点を守ればきれいに基板を焼付けできます。次に大事なのが現像温度です。従来基板より高く(戻り)温度は30℃くらいにします。温度が低いと時間がかかります。高すぎると失敗します。精細なパターンが可能になった分、焼き付け現像は注意点が増えました。まさか基板1枚作るのに設備投資はきついです。かといって業者発注するのも面倒だし、小ロットでは割高だし・・・・世の中に無いものを製作するのですからそのくらいの覚悟も必要です。穴あき(ユニバーサル)基板ではどうも納得できないそんな方はプリント配線基板を作りましょう。メーカーの基板のようには行きませんが、昭和の時代のプロ級くらいには、出来ると思います。
尚、フィルム等の説明は共通なので旧基板製作を流用します。サンハヤト推奨の製作手順と異なる部分がありますのでご注意ください。30年以上サンハヤトの製品でプリント配線板を製作していますので、作業性を優先しています。

必ず純正のさんハヤトの純正のフィルムを使います。
写真は印刷したパターン図
印刷面はこれくらい濃く完全遮光できないとNG
サンハヤトではエプソンプリンター推奨
私の実験したところでは、PM-970C頃のものが濃く印刷できた。
キャノンはインクが極少のせいか薄いので、普通紙設定で印刷すると良い。
以前の感光基板では使えた第二原図フィルムはもう使えません
印刷面は反対側にしているがこの程度のコントラストでも使えない。
印刷面の遮光はかなり濃いがNG。きもとの高価なフィルムを在庫したのに残念。
専用のライトボックスが失敗が少ないです。手のひらに乗らない大きさの基板はこのライトボックスが必要。この上の機種は、法人でないとちょっと買えないかもしれません。
現行の基板の焼き時間は手持ちのこれでは2分50秒がベスト。きっと紫外線蛍光灯が昔のものなので、そのためだと思う。現行品は1年経っても時間にあまり変化がない。あまり新しいものは、かえって失敗することもある。
パターンフィルムと感光基板を合わせてテープで抑える
バキュームクランプで強力に吸引して密着させる。このため軽くテープで留めています。
青い線がフレームに引いてあるのは、裏技用。焼きむらが蛍光灯の間隔で出る場合があるので、余裕がある基板サイズの場合奥にセットして、数分おきに手前に引き出して、数分後また戻すことで均一に焼ける。
ライトボックスを点灯して焼きつけ開始。タイマーの精度がいまいちなのでクッキングタイマーでアラームを鳴らすと良い。
これが現像前の現行の基板ほとんどパターンが分からない。
従来はカメレオン基板という愛称で色がはっきり変わっていた。
現行基板は30℃で現像します。現像材10gを溶けやすいように少し高めのお湯200ccで溶かします。
現行基板は30℃で現像します。広い容器に移し温度が合ったところで、感光済み基板を投入します。
現像液に入れるとすぐにパターンが現れる
くっきり見えてきているが、溶けだしているうちはまだ終わっていないのでバットをゆすりながらころ合いを待つ。
現像が終わる直前。以前の基板よりオーバー現像にはなりにくい
終わるときれいに銅箔が見える
ほぼ中央に薄く現像斑がある。使う範囲外だから気にしなくてよいがパターン内にあるとエッチング時にこの程度でも溶けないので注意する。
精細パターン対応になったので皮膜は強力だ。
現像完了後はため水で洗った方がよい。
現像材が取れた後は、流水で洗っても大丈夫なようだ。
現像した基板を乾燥してパターン切れや現像不良を確認します。
現像不良は、分かりにくいので明るいところで注意して確認します。
溶解しなくても良い捨てる部分は、ビニールテープでマスキングしておきます。エッチング液を無駄にしないで済みます。
つるす部分にドリルで穴をあけておきます。
つるす線は専用のチタンの針金以外に、ユニバーサル基板の配線に使う潤フロン線が使る。
サンハヤトのエッチング液は、廃液処理剤が一式付いているので助かる。溶解能力のあるうちは繰り返し使える。試薬の塩化第二鉄は薬局で買えるが固形なので溶かすのが大変なのと使用後の処理だ。絶対に廃液は下水に流してはならない。
エッチング中の写真失念
十分チェックしても現像不良だとこのようなこともある
銅の色がはっきり見えているのに薄い膜があってエッチング出来なかった。特に基板の隅で起きやすい。
今回は基板カッター押し切りタイプを使用した。ベークライトの基板は十分に熱してから切断する。ガラスエポキシは加熱不要。
一発で切断出来るので騒音も切粉もなく便利だが、普通はプラカッター(アクリルカッター)で十分。さすがにガラエポでは刃がすぐに丸くなるのでこの専用の切断機は助かる他にダイヤモンドの基板カッターもあるが大量の切粉に悩む。
切りシロ不要で切断可能