皆様からアンケートをとって、2001年に読んだ中で最も面白かった本を1冊選んでいただきました(新刊・既刊問わず)。おかげさまで、45通もの回答をいただきました。メールをくださった皆様、ありがとうございました。さて、お待ちかねの結果です!(メール到着順に並べさせていただきました)
『読んだはしからすぐ腐る』/松尾スズキ、河井克夫/実業之日本社
コメント:今年は松尾スズキ最大の当たり年だったと思いますし、一番面白かったという基準で選べばこの本です。もう、笑いっぱなし。最高にくだらねー。いま、活字でいちばん笑いをとれるのはこの人です。
お名前:φ本恵二
サイト名:WEB φ VILLAGE VANGUARD FREAKS http://homepage1.nifty.com/FAIMOTO/index.html
※次点
モンスターフルーツの熟れる時/小林恭二/新潮社
『死物学の観察ノート』/川口 敏/PHP新書
コメント: まず、「死物学」という耳慣れない分野にもかかわらず読む人の興味をそらさない著者の文章がすばらしいです。
それに添えられた著者自身の描いた挿し絵がたくさんあって、それがとても上手で、あっという間に読み終わりました。
生き物には、ペット以外は興味をもたずにきたのですが、ふ〜んと思うことばかりで、目から鱗が落ちる心地でした。
それで、私のなかではいきなりのトップ1に躍り出たという本です。
お名前: 平山 啓子
『神戸在住』第三巻/木村紺/講談社アフタヌーンコミックス
コメント:
読んだ直後は「阪神淡路大震災」を体験していない自分がこの漫画の価値を正しく評価できるかどうか自信が持てなかった。
しかし2001年の秋からのテロ/戦争関係の扇情的な報道を見ていて、良質なフィクションのほうが人々の苦しみや悲しみを正しく伝えることもある、と思うようになった。今は確信を持って本書を2001年のベストワンに挙げる。
お名前:湯川光之
サイト名:「だめじゃんゆかわさん!」 http://www.hi-ho.ne.jp/one7/diary.htm
『椿山』/乙川優三郎/文藝春秋
コメント:先月、文庫で発売されて読みました。魅力は一言では語れませんが、忘れていた何かを思い出させてくれた(または、自分の弱気な心に警告を受けた)ようで、終盤は涙が止まりませんでした。
お名前:BUREN
サイト名:生き方に地図なんかないけど http://www.h2.dion.ne.jp/~buren/
『ぬかるんでから』/佐藤哲也/文藝春秋
コメント:二位はマチルダです。
お名前:匿名希望さん
『ぬかるんでから』/佐藤哲也/文芸春秋
コメント:愛と絶望がつまった短編集。21世紀最初の傑作です。お名前:おおた
サイト名(お持ちの方のみ):mouming morning http://www10.xdsl.ne.jp/~uporeke/
『魔王・上下』/ミシェル・トゥルニエ/みすず書房
コメント:圧倒的筆力の怒涛のファンタジー
お名前:浅暮三文
サイト名(お持ちの方のみ)浅暮魂 http://www.geocities.co.jp/Hollywood/7653/
『村上昭夫詩集』/村上昭夫/思潮社・現代詩文庫
コメント:
「五億年の雨が降り/五億年の雪が降り/それから私は/何処にもいなくなる」(「五億年」)
1999年に出た本だが、紹介しておきたい。
村上昭夫は昭和2年、岩手県の生まれ。18歳で満州に渡るも、敗戦により内地へ引き揚げる。このときの無理がたたって結核を病み、以後闘病生活を余儀なくされる。サナトリウムで知り合った仲間と詩作を始め、村野四郎に師事する。病勢が悪化してからは般若心経を「心の支え」(年譜)としたという。42年、第一詩集『動物哀歌』を刊行、土井晩翠賞、H氏賞を受賞するなど高い評価を得るが、結核はますます嵩じ、翌43年に死去する。41歳の若さだった。岩手県生まれ、結核、仏教への傾倒とくれば、どうしても宮澤賢治を連想してしまうが、じじつ村上は賢治の影響を受け(「賢治の星」という詩もある)、宇宙的なスケールの作品を数多く残している。たとえば、「太陽系」。
「太陽系が炎のかたまりのままに/ぼくたちの大きな意思の/ひとつの分子だとしたなら//
ぼくたちの体のなかにも/大きな意思を持った分子が/きっとある//
そのようにして極大にも極小にも/生命が無限に続くということは/ぼくたちもまた/無限に続くということなのだ」
あるいは「雁の声」。
「雁の声を聞いた/雁の渡ってゆく声は/あの涯のない宇宙の涯の深さと/おんなじだ//
私は治らない病気を持っているから/それで/雁の声が聞こえるのだ//
治らない人の病は/あの涯のない宇宙の涯の深さと/おんなじだ」しかし一読者として個人的な感想を言わせてもらうのなら、賢治が「一人の修羅」としての凄まじい情念を詩に書きつけているのに対し、村上の作品には、どこか宇宙の永遠の前に己をゆだねるような、静謐な感覚がある。5億年の雨と雪が降ったあとの世界では、「私」は「何処にもいな」い。結核という宿痾は「涯のない宇宙の涯の深さと」等価なものとして感知される。
本書の中で特に私が好きなのは、引き揚げ時の経験を題材とした「兄弟」と、星のイメージに託して深い喪失感を詠った「ひとつの星」の2篇である。引き揚げ。結核。過酷な運命にさらされながら、呪詛するではなくなお祈るとしたらどのような言葉によってなのか。本書から受ける感動に近いものをあえて探すと、小松左京の『果しなき流れの果に』のラストシーンになるのではないかと思う。賢治の激しさと比べてどちらがいい悪いとは言えないが、そこには間違いなく読む者の胸をうつ何かが存在している。
お名前:鈴木 力
『スノウ・クラッシュ(上・下)』/ニール・スティーヴンスン/ハヤカワ文庫
コメント:
私はSFをよく読みますが、中でも近未来を描いた作品が好きです。
「ニューロマンサー」、「月は無慈悲な夜の女王」、「夏への扉」などなど。
ハヤカワ文庫作品を中心に読んでいますが、久しぶりに「夏への扉」を読んで、おもわず溜息。
作中描かれている近未来は20世紀。すでに、前世紀なのです。
昭和生まれの私にとって、21世紀は未来。
サイバースペースにジャックインし、月への旅行を楽しみ、宇宙遊泳に興じる。
21エモンのホテルに泊まり、宇宙人と遭遇し、なぜか超能力まで使えると。
しかし、この現実。
ネコ型ロボットがタイムマシンでやってくる代わりが、よくわからん動きをする某ソニーの愛玩ロボット。
ようやく登場したアンドロイドは、やはり訳の判らんダンスが精一杯。
いや、たしかにすごい技術だとは思います。
しかし、三つ子の魂百まで、SFを読み耽っていた私にとって、まだまだ「未来」がやってくるのは先のようです。
そんな私はSF小説で未来に飛んでいくわけですが、どうも最近、SF、特に近未来が元気がないように思えて仕方がありません。
「今更SF、サイバーパンクかよ」
友人の台詞です。
「もう21世紀だぜ。電脳世界?インターネットで充分だろ」
「SFなんて、ファンタジーより夢物語だ」
確かに、今、「新技術」だの「近未来」だの叫んでも、嘘に聞こえてしまうのは仕方の無い事かもしれません。
結局宇宙旅行は当分お預けです。
でも、そんな時代だからこそ、頑張れSFです。夢物語?上等!
長くなって申し訳ありません、「スノウ・クラッシュ」です。
この作品、サイバーパンクSFです。
かなり滅茶苦茶な。
そこに登場する、「近未来」と「新技術」。
完全に新しい世界を構築しているわけではありませんが、今まで書かれたサイバーパンクを、上手い具合にアレンジしてます。
主人公はハッカーであり、剣士であり、そして・・・ピザ屋!
なんでピザ!?
読み易いとは言いませんが、サイバーパンクが好きな人なら楽しめる作品だと思います。
あと、ファンタジー好きと、格闘ゲーム好きと、インターネット好きも。
あぁ、お笑い好きもかな。
お名前:一二三
『秘密』/東野圭吾/文春文庫
映画が公開されたときはノーマークだったんだけど、地上波でちょっち見たときに、「あ、こういう話だったのか」と興味を持ち出してから、読みました。
(※注 あっしは短期集中型の熱中症でのめり込む傾向アリ)
泣きましたよ。マジで。三十路超えたオヤジが…
でもあれはなんか、凄く共感しちゃいましたよ。平ちゃんに(字ちがったっけ?)
その後は、当然のようにレンタルでビデオ借りてきてまた泣いてましたよ。
お名前:やぎだんな
yagiyagiほーむぺーじ http://homepage1.nifty.com/yagiyagi
『暗黒童話』/乙一/集英社
コメント:
読んでいるときは、あまりのスプラッタに腰が引けてしまったけれど、主人公が巻き込まれる事件の犯人が、予想外(というか、あっさりだまされただけ?)だったので、ミステリとしてもなかなか楽しめた。
ちょっとせつない感じのラストは、乙一ならでは。グロいわりに、さわやかに終わったと思う。
あ〜、それにしても、犯人当てにはだまされたな〜。くやしい。お名前:みゆき
『模倣犯』/宮部みゆき/小学館
コメント:
やっぱこれですよ!他にも良い小説はあるかもしれませんが、あの分厚い2冊の本を一気に読ませる宮部みゆきさんの力はすごいです。正直読むのがツライ場所もありましたが、加害者、被害者の家族の痛みが、伝わり、胸が痛くなりました。
R.P.G.もあっさり騙された私(^^;武上刑事(でしたよね?)に再会できてうれしかったです。
お名前: キノ
サイト名:キノの読書日記 http://www2.diary.ne.jp/user/123458/
『ミドリノツキ(上中下)』/岩本隆雄/ソノラマ文庫
コメント:
非常に迷いました。恩田陸にするか、十二国記も新刊出たし、エマノンシリーズもぶたぶたもイリヤも良かったし、皇国の守護者も何度か読み返したし、エンダーシリーズやヴォルコシガンも楽しかったし、チョーモンインもVシリーズもハーラン・コーベンも面白かったです。しかし面白さや印象深さよりも、再読回数の一番多い本を今年のベストに選びたいと思います。それが「ミドリノツキ」。
ミドリノツキはたぶん4〜5回は読み返し、かなり擦り切れています。ピュンという緑の小鳥(ロボット)がだんだんと人間くさくなっていくところが、とても気に入っているのだと思います。旧「星虫」からのファンですが、ようやく出た新作ということに贔屓的な感情があるのかもしれません。
お名前:ぜっと
『模倣犯(上、下)』/宮部みゆき/小学館
本当は、コレ以外の本にしたかったんですよ。だって、きっと多くの人がベスト1に選ぶであろう作品だし、どうせなら「お!、なかなか渋いのを選んでいるな」なんて思ってもらいたかったりして……
でも、そんなスケベ心も、この傑作の前にしぼんでしまいました。
はい、これが私のベスト1です。ぶっち切りの1位です。
お名前:ヒゲうんちく
よせ鍋フォーラム http://www5a.biglobe.ne.jp/~yosenabe/
『今はもうない』/森博嗣/講談社
コメント:S&Mシリーズ中一番面白かったです(封印再度も捨てがたいけど)。
作者の罠に完全に引っかかってしまいましたが気持ちよく騙された感じ。
この作品の終り方、特に最後の一文はすごく好きです。
お名前:沖田
サイト名(お持ちの方のみ)、サイトのアドレス:
http://www.h3.dion.ne.jp/~reading/
『イリヤの空、UFOの夏 その1』『イリヤの空、UFOの夏 その2』/秋山瑞人/電撃文庫
コメント:
『猫の地球儀』の秋山さんの本という事で読んでみたんですが、この本にはほとんどの男が(最近の子供がどうかは知りませんが)子供の頃には必ず持っていたバカっぽさというか、どんなくだらない事にでも一生懸命になれるエネルギーが詰まっている気がしました。
大人になると「くだらない」とか「意味が無い」と言ってやらなかったり、手を抜いてしまうような事にも子供は、特にクソガキとかワルガキって呼ばれるような子供は一生懸命になります。彼らには秘密基地を作ってみたり、立ち入り禁止にされているような場所を探検してみたりというのが面白くて仕方が無いんです。彼らの「一生懸命さ」というか「泥臭さ」って本当は皆が持っていたのに年を重ねる毎に「カッコ悪い」とか「ダサい」とかって体面ばかり気にするようになってしまいますよね。その内にほとんどの人がこういうエネルギーが自分の中にもあったっていう事を忘れたり、心の奥底の方にしまってしまったりして大人になってしまいます。でも、この作品に出てくるキャラクター達は大人も子供も皆このエネルギーに満ち溢れていて、読んでいてそれが凄く羨ましくなってくるんです。(女性読者には失礼ですが、この作品の面白さに本当に共感できるのは男だけじゃないかなと思っていたりします。)
こんなにワクワクしながら読んだのは久し振りだったんで今年のベスト1はこれかなって思いました。お名前:スー
『神狩り』/山田正紀/角川春樹事務所
コメント:
恥ずかしながら,山田正紀氏の本を今年になって初めて読んだ。で,この本読んで,ブッ飛びました。すごい,すごい,すごすぎる!
息をもつかせぬテンポで,ぐいぐいひきつけられ,一気に読み終えました。
そして来年,その続編が出ると言う。あの世界にもう一度ひたれるならば,何も惜しくはない。
お名前:広島保生
『ピュア・ダイナマイト』/ダイナマイト・キッド/エンターブレイン
コメント:初代タイガーマスクの最高のライバル、ダイナマイト・キッドの自伝です。
体を張った試合の裏側の日々の生活とか、キッドという名前ぴったりのやんちゃ振りなどが分かります。
タイガーマスクとの数々の試合はリアルタイムで見ていたので、非常に思い入れのあるレスラーであり、彼が本を出すことなど滅多にないので、判官贔屓ではありましょうが私の今年のベスト1にしたいです。
自慢気な文体はちょっと鼻につきますが。
お名前:林りんのすけ
『ΑΩ』/小林泰三/角川書店
コメント:本当は『祈りの海』と書きたいところだけど、他にいるでしょう。
やはりウルトラマンで育った世代にはこの「ジュワッ」とか「ヘアッ」とかの感覚がたまりません。ウルトラマンのリアル版というオマージュとして成功してると思います。なんか絵があたまに浮かぶんですよね。主人公、<ガ>の本当の名前にもびっくりしたし、これで決まりッス。
お名前:u-ki
サイト名「私立東鳩学園No.6」 http://homepage1.nifty.com/u-ki6/index.html
『人生を変える80対20の法則』/リチャード・コッチ〔著〕 仁平和夫(訳)/TBSブリタニカ
また今年もビジネス書。今年読んだ中ではザ・ゴールと並んでベストです。全てのビジネス書は自己啓発書であると私は考えますが、このようなタイトルからしていかにも自己啓発書というのはえてして読むに耐えないものが多い中、これは白眉。
自分の会社に数字を当てはめてみて納得。説得力ありました。
お名前:相澤 健一
HONのLINK http://www.geocities.co.jp/Bookend/4420/index.html
『ぶたぶた』シリーズ/矢崎存美/徳間デュアル文庫
面白かったでは、矢崎存美「ぶたぶた」徳間デュアル文庫および、漫画版しかないですワ。単行本ももってるけど、読んだのはこっちだから、今年だから。いろんな女性に貸して、大いに喜ばれました。これで、女性とのお付き合いがかなり滑らかに行くようになりました。これから、「ぶたぶた」は、また貸し出しです。凄かった、では三浦雅士「青春の終焉」講談社とかいろいろあるけどね。
お名前:こしぬま
サイト名:K美術館 http://k-artmuseum.hoops.ne.jp/
『翼はいつまでも』/川上健一/集英社
夜中に読んでて5回泣きました。40歳を過ぎて感性の鈍った私をこんなに泣かせてくれるなんて、この本、最高です。内容は、東北の中学生が主人公の青春もので、ビートルズの曲と共にお話がすすみます。読後感はとてもさわやかでしたが、エピローグの部分はなくてもよかったのでは。この本をよんだ方の感想をききたいものです。
お名前:さとう
サイト名: http://www5.ocn.ne.jp/~xxx/mama1.html
『外れ馬券に雨が降る』/藤代三郎/ミデアム出版
【理由】・スリルとサスペンス 満載(ある意味で)
・007に匹敵する冒険 (ある意味で)
・涙なくしては読めな い、かつ書けない話 (涙の質は異なりま しょうが…^.^;)
そして何より、父(56才)が私(2?才)の勧めで読んだ最初の本なんです。親子のコミニュケーションも出来る一冊。いかがっすか?
願わくば、このシリーズが末永く続いてくれるよう…藤代師匠に幸あれ!ぐっどらっく!!お名前:どら吉_●_
『センチメンタル・ブルー』/篠田 真由美/?
コメント:桜井京介のそっけなさもいいのですが、1冊選ぶとなるとかわいい蒼君に1票!いろいろあった蒼君が 京介や見晴、教授以外の人たちと出会い成長していく姿に、泣けちゃいます。天然と思われる素っ頓狂さも、蒼君なら許せます。
お名前:すずこ
『翼はいつまでも』/川上健一/集英社
コメント:
たった今(12/31に日付が変わった深夜)読み終えた本です。
こんなにギリギリに読んだ本が、私の今年のベスト1になるなんてほんとわからないもんですね。
川上健一の「翼はいつまでも」、傑作です。
中学の野球部に所属する主人公が、ビートルズと出会い、友情を深め、淡い恋愛を体験する物語なんですが、このぎこちなく幼い恋愛のなんて美しいこと!
今、まだ余韻に浸っているので、あまりごちゃごちゃ語りたくありません。
まだ、彼と彼女に心が奪われたままですから…。
感動しました。そして、泣きました。
いいです。ほんとにいいです。
今年の「ピュアな恋愛ものベスト1」は文句なしに「トリツカレ男」に決定と思ってましたが、本書にはかないません。
誰もが感動するわけじゃないと思うけど、気に入る人は宝物にしたくなるような、そんなお話です。
お名前:姫川みかげ
サイト名:「姫川みかげの しゃんぶろう通信」 http://www.cc.rim.or.jp/~mikage/
ベスト、決定しました。
ベスト「ワン」になりませんでした。
1.『百年の孤独』 ガルシア・マルケス
1.『夜ごとのサーカス』 アンジェラ・カーター
1."The Amber Spyglass" フィリップ・プルマン
三者いずれも譲らずだ。
以下は今日の日記に書きました。
あー一冊に決めろなんて、ムリだよー!!(毎年のことだが)
お名前:ニム
サイト名:ニムの木かげの家 http://www.mars.dti.ne.jp/~gmotaku/index.htm
『プラネテス』/幸村誠/講談社
コメント:
21世紀になったからかどうか判らないが、「プラネテス」に始まり、「なつのロケット」等、宇宙関係の作品が気になった年でした。
今年は「日本独自の有人宇宙船構想」、始動の年となって欲しいなぁ。
他、気になった作品として
海外:「占星師アフサンの遠見鏡」(ロバート・J・ソウヤー:ハヤカワ文庫)
去年の前半Myブームだったソウヤー作品、続刊希望!
国内:「アイ・アム」(菅浩江:祥伝社文庫)
泣けました、そして考えさせられました。
新人:「戦略拠点32098 楽園」(長谷川敏司:スニーカー文庫)
読み終わった後、オビの文を見たらジーンと来ちゃいました。
秋山端人の作品が好きな人、読んでみて下さい。
お名前:山崎
1.魅惑のビーム(こがわみさき、エニックス)
2.恋愛ディストーション 1〜2(犬上すくね、少年画報社)
3.チキタ☆GUGU 1〜2(TONO、朝日ソノラマ)
4.大青山ワンダーランド(倉阪鬼一郎、集英社)
5.あかりをください(紺野キタ、ソニーマガジンズ)
コメント:
今年は小説に代わって、漫画三昧な日々でした。とにかく、どうしてこんなに面白い物を私は今まで読み逃していたの!と叫びたくなるような作品がごろごろごろ。そういう意味では、常に新しい楽しみと出逢えた、嬉しい一年であったと言えましょう。あ、ちなみに小説では番外で『ありがとう』(川上弘美、新潮社)もよかったです。また、お正月がきますから、"あの"作品の出番もきます。読み返そうっと。
名前:ちはら
サイト:http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2371/
『藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版』全8巻/藤子・F・不二雄/小学館
コメント:構成に色々と言いたいこともあれど、この出版は喜ばしい。
自分のサイトと別の結果になっているのは、藤子者として、これはもう、別枠だからです。
お名前:πR
サイト名:the Poetastar Is a Romanticist http://homepage2.nifty.com/pi-r/index.html
『BLOODLINK 赤い誓約』/山下卓/ファミ通文庫
コメント:
シリーズ2作目(1作目は 「BLOODLINK 獣と神と人」)。まだ完結していない作品です。
ライトノベルではよくあるパターンの伝奇物ですけれど、この2巻ラストで描かれる重たさにはたまらないものがありました。
2001年で一番衝撃を受けた作品です。
瀬名さんの「虹の天象儀」とどちらをベストにしようか迷いましたが、あちらは誰かが投票してくれそうな気がしたので(←?)、マイナーっぽいこちらの作品を選んでみました。
お名前:くろっくはち
『鳥類学者のファンタジア』/奥泉光/集英社
私は奥泉氏の本を読むのはこれが初めてでした。最初はどこで息継ぎをしたらよいのかわからない文章に翻弄され最後まで読めるのか・・・?と不安に思う程でしたが、意外にも慣れてくるとそれがくせになってしまうんですねえ。ラストは大盛り上がりでした。
あと、読んでいる間はものすごくのめり込んでいても読み終えるとわりに早く忘れてしまう本もある中、これは時間が経っても読後の印象が色褪せないんですよ。それがこの本を選んだ大きな理由です。
名前: 凍月
サイト名:今宵、月の裏側で。 http://www2.wbs.ne.jp/~tsukiura/index.htm
第一位:『永遠の野原』/逢坂みえこ/集英社コミック文庫
すいません、こんな超・傑作少女漫画がある事に気づきませんでした。
これはもう読んでくれとしか言いようのない作品。
個人的には六巻の「あーあ、とうとう夢から醒めちゃった」と言うセリフがたまらんです。
また部屋に少女漫画が増えちゃったよ。第二位:講談社漫画文庫版・天才柳沢教授の生活 第六巻第九十九話「あなたが知りたい」
名作が多い「天才柳沢教授の生活」の中でも、屈指の傑作。
この話を読むだけでも、全巻揃える価値があると思います。
二十ページ程度の人間関係にまつわる話ですが、その中で実に大切な事を教えてくれます。
他の話はいいから(よくないけど)コレだけは是非とも読んで欲しい。
注・多分に独断と偏見が入っています。「何だコレ」と思う人もいるかもしれません。第三位:[『血と骨 (上・下)』/梁石日/幻冬舎文庫
今年読んだ小説の中では一番面白かった。感動する話ではない。笑えるわけでもない。むしろ読み進めるのが嫌になる内容だ。
でも、読まずにはいられなくなる不思議な力を持った熱い小説。
特筆すべき点は、登場人物の命がそこらの羽虫と同じ価値しか持っていないこと。
そしてそれが、誰であろうと例外がないことである。
特に最後の数十ページの展開は圧巻。唖然呆然。すごいよこれ・・・ちなみに三冊漫画なのも気が引けて入れられなかったのですが、白泉社の「目隠しの国(作者忘れた)」も、かなりツボに入りました。(既出でしたっけ?)
お名前:ゆう
『アイ・アム』/菅浩江/祥伝社
コメント:
今年の菅さんは短編を10編ほど発表され、本は1月に「メルサスの少年」、9月に「鬼女の都」が再版され、10月には異形コレクションに掲載されたものを中心としたホラー短編集「夜陰譚」、11月に書き下ろしの「アイ・アム」が出版されました。ファンとしては嬉しい1年でした。
そんな中から「アイ・アム」。
最初で結末がわかろうと、その結末が予想と外れていなくとも、それでもほろりとさせられる、そんな1冊でした。
お名前:えんど
サイト名:終翁邸 http://mirage.pobox.ne.jp/orange/
『ドミノ』/恩田陸/角川書店
コメント:
久しぶりに恩田陸を「楽しく」読めたという意味でとても好きな1冊。そして、これまでのどの恩田作品とも違う面白さだったという意味でも感慨深い1冊でもあった。
その他では『サムライ・レンズマン』(古橋秀之/徳間デュエル文庫)
『20世紀SF』(河出書房新社)が印象に残った。
お名前:大熊健朗
サイト名:BookMeter http://ww7.cds.ne.jp/~nactor/
『火よ燃えろ!』/ジョン・ディクスン・カー/早川書房
コメント:
今から、はるか昔の、小学生のときに、子供版の魔女のかくれがそして、曲がった蝶番を読んでから、ファンになり、高校生のころくらいまで、カーは、大好きだったのですが、それが、ずっとごぶさた状態でした。どちらかというと、もっとほかのタイプの推理小説が読みたくなってしまい、何年も、別なものばかり読んでいましたが・・
それが、またまた、最近、いろいろとカーの本が復刻されたりして・・
あの私の大好きだった、カーのよさを、あらためて考えたりしました。
そして、お友達から、今年、SFとして紹介されたこともあるというこの本をいただきました。なぜかカーが、SFなのかしらと、思いましたが、読んでいて、なるほど思うこともあり、昔はきづかなかったのですが、なんだか、私の好きなエドガー・ライス・バローズにつながるおもしろさのようなものを感じたのです。
安心して読めて・・・でも、はらはらどきどき・・
主人公は、とてもたよりになり・・ へんなトラウマなんかはもっていないし・・・
なにより、ユーモアと、ロマンスと、そして最後のオチ!!
よかったなーー、おもしろかったなと、素直に読める作品。
そういうふうに感じました。
昔、もっていなかった作品を集めはじめています。
お名前:おかぴー
サイト名;http://homepage2.nifty.com/okappey/index.htm
『スティームタイガーの死走』/霞流一/ケイブンンシャノベルスに一票。
コメント:『とむらい機関車』『銀座幽霊』に涙した大阪圭吉ファンに送る一冊。
「このミス」国内第4位はダテじゃない。
バカミスキングの仕掛けた罠をアナタは見破れるか?お名前:奈良苦王
『戦闘妖精・雪風』/神林長平/早川書房(ハヤカワ文庫)
コメント:
す、すみません、今ごろになって読みました。でも、もしも10年前に読んだとしても、きっと私にはピンと来なかったでしょう。機械化が進んだ今の時代に読んだ方が、発売当時より恐怖に近い衝撃を受けると思います。
最近文庫化された続編「グッドラック」の続きもぜひ書いてほしいです。
名前:しもつき
『ミドリノツキ(上・中・下)』/岩本隆雄/ソノラマ文庫
コメント:
やはりこの作家の作品はとても面白いです。
最初の予定の上下巻が上中下の3冊に変更になって焦らされたのも結果的に続きを読みたい気分をより盛り上げる効果になって、評価を上げたのかもしれません。
それはともかく、非常に入り組んでいて、もう一度読み返してみないと分からないようなところもある作品ですが、そういった些細な問題にこだわらないで、最後まで二転三転して息もつかせぬ展開の物語を楽しんで読みおえることができました。「男の意地」の結末・・・、やっぱり岩本作品はこうでなくちゃあ、と言う大団円が、非常に好きです。
何より主人公、告白される日が来るのを祈ってます。
お名前:ローリー
サイト名:和菓子工房松栄堂 http://www3.ocn.ne.jp/~syoueido/
『エンダ−のゲ−ム』
『死者の代弁者』
『ゼノサイト』
『エンダ−の子どもたち』
『エンダ−ズ・シャドウ』
投資顧問(『遥かなる地平』より短編)/オ−スン・スコット・カ−ド/ハヤカワ文庫
コメント:冊数が多くなってしまいましたが、どうしても切り離しては考えられなくて、ごめんなさい。心の深いところに、エンダ−が住み着いてしまったようです。読みながらいろいろ考えてしまった本でした。
お名前:MAKI
サイト名:MAKI’S HOME http://www2u.biglobe.ne.jp/macomo/
『ぬかるんでから』/佐藤哲也/文藝春秋
コメント:
冒頭の表題作を読み終えて、しばらくは虚脱状態だった。
まったく動けなかった。
どうすればいいのか。
どうしようもない。言葉もない。ひたすら物語に圧倒され、その終わりに囚われてしまっていた。
絞りカスの思考力をかき集めて、無力で抜け殻のような自分を自覚したとき、ようやく感情が動きはじめた。
凄い。
凄まじい。
これがわずか17ページだ。信じられない。
もういちど用心して身構えながら読み返してみた。恐る恐る。
だがやはり固唾を呑んでしまった。とてもではないが冷静ではいられない。
なんということだろう。
カーテンを引き、窓を開けた。丘を見たかった。
もちろんそんなものはありはしなかったが、この空の下のどこかには泥に沈んだ町があるのだと一瞬信じそうになるくらい、そこはまだ物語の続きだった。
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北野勇作『昔、火星のあった場所』とどちらを選ぶか真剣に迷いましたが、すでに第三長編、第四長編、第二短編集を完成させている著者にいっそうの期待を込めて、『ぬかるんでから』を2001年のベスト1に挙げます。
お名前:十夜
サイト名:空想風景 http://www14.big.or.jp/~touya/
『かめくん』/北野勇作/徳間書店
コメント:ほんわかとした作品なのに、非常にシビアなものを感じさせます。詳細はこちらhttp://live.pobox.ne.jp/books/200101.htm#22_t1
お名前:青木みや
サイト名 Life and Diet http://live.pobox.ne.jp/
『瞳子』/吉野朔実/小学館
面白さではダントツだった『デルフィニア戦記』か、
これを巡って、いろんな人と知り合えることになった『ぶたぶた』シリーズか、
今年の新刊にこだわって、やっぱり『模倣犯』か、どれにしようか迷いましたが・・・
銀河通信向けのベスト1って考えたら、やっぱり『瞳子』が最もふさわしいと。
この作品で吉野さんを知って、他の吉野作品も読み、私にとって大事な作家になったということもありますが、
何と言っても、ママさんが吉野さんのファンであったということが、私がこのサイトに居着いた大きな理由でしたから(^^
もちろん、内容に関しては、言うことがありません。
装丁も含めて、上質な短編集を読んでるかのように、読んでる間、とても贅沢なしあわせな気分になれます。
本好き、ロック好きには、思わずニヤリとさせられるところもあるし、吉野作品ならではの珠玉のセリフも満載。
「理想の異性の友達関係」を描いた作品でもあります。
普段、漫画を読まない人にも、自信をもってお勧めできる作品です。
今日は昨日の続きじゃない・・・
だから・・・明日も今日の続きじゃない
最終ページの言葉は、今も心に響いています。
お名前:トト
『黄昏の岸 暁の天』/小野不由美/講談社文庫
コメント:
しばらく読書からとおざかっていたので、面白い!と思った本は殆ど2001年に読んだものなのです。。。
参考までに去年の結果などを見せていただくと、もうとっくに挙げられていたり(^^;
あー。遅れをとってるなあ・・・とひしひし思いました(^^;
で、読書から遠ざかっていた私を、ぐいっと引き戻してくれたのが、小野さんの「十二国記」シリーズなのです。
これを勧められて読み、あまりの面白さにネットで色々情報を検索したりしたことで、
(いわゆる)書評系サイトなども見るようになり、気づいてみれば面白い本は巷に溢れていた!と、ガンガン読むようになりました。
「十二国記」知るのが遅かった分、新刊を数ヶ月しか待たずにすんだ。。。というのはある意味、幸せなことかもしれない!?と思いつつ、もっと早くに知りたかったのに、自分はナニをしていたのだ!?と歯がゆくもあり。。。
ま、それはさておき、自分を本の世界に呼び戻してくれた作品として、これを挙げます。
小野さん、早く続き書いてくださいね・・・!
お名前:瑛里
サイト名:CROSS-ROADー音楽的交差点(・・・本のサイトではないんですが) http://boat.zero.ad.jp/cross-road/
『百年の孤独』/ガルシア・マルケス /新潮社
コメント:
南米のマコンドという架空の街と、その街の創始者であるブエンディア家の歴史を描いた年代記とも言うべき物語。
それは歴史小説でもあり、幻想小説でもあり、風刺小説でもあり、純文学でもある。
そして特徴的なのは魔術的リアリズムで、非日常的なこと(超自然的なこと)と日常的なことが違和感無く溶け合い、一つの世界を作り上げている。
この小説の中でもUFO(らしきもの)は出るわ、宇宙人(らしきもの)は出るわ、空飛ぶじゅうたんは出るわ、超能力者は出るわ、幽霊は出るわで、その超自然的な要素は枚挙に暇が無い。しかしその一方ではアメリカの植民地主義に飲み込まれそうになったり、内戦が猛威を振るったり、現実的な時の歩みも確実に描かれている。
要は、それらの要素が全て同一平面状に描かれることによって、読むものに全く荒唐無稽と思わせないところが驚異なのである。
とにかく著者の想像力には舌を巻くばかりであり、物語を読んでいるという充実感と喜びがこみ上げてくる、驚異的な作品。
ぼくらは日本産の「魔術的リアリズム」に驚く前に、本家本元の作品に触れなければならないのではないだろうか。
お名前:土田裕之
サイト名:幻想文学館/www.02.246.ne.jp/~pooh
『百年の孤独』/ガブリエル・ガルシア=マルケス/新潮社(旧版と新版があり、新版の方)
コメント:ノーベル賞作家ということとカバーのためか、敷居が高いと思っていましたが、読んでみると意外にも読みやすかったです。エンターティメントとしても抜群。
お名前:H2
サイト名:Tea Garden http://www2.ocn.ne.jp/~h2tea/
『評伝・SFの先駆者 今日泊亜蘭』/峯島正行 /青蛙房
コメント:国産本格SF長編の戦後第一作である『光の塔』を発表、という経歴を持ちながら、
常に異端であり続ける今日泊亜蘭を探った、渾身の評伝。
日本SF草創期を知る上で、従来とは異なる視点の新たな歴史像を提出した本書は、
もうひとつの基本文献として評価を高めていくに違いあるまい。
また、戦前戦中の今日泊の生き様と交友の数々も興味深く、
我々がよく知る初期の宇宙塵例会以前の今日泊亜蘭を、初めて垣間見ることができた。
いやはや、「よく出たなあ」と最も驚かされた一冊。
……と思ったら、他にも驚くような本が出た。
『中国科学幻想文学館』上・下/武田雅哉・林久之 /大修館書店あじあブックス
中国におけるSF(科幻小説)の歴史を、古代から現代最新事情まで総まくりした恐るべき書。
英米以外の国のSF通史が出版される機会など、そうそうあるものでは無かろう。
図版も豊富に添えられた文面からは、ジャンルが成熟に向かう際特有の昂揚さえ、感じ取ることができる。
どちらも全くもって、出たばかりの新刊にして稀覯本への道まっしぐら、かもしれない(笑)。
いわゆるジャンルの専門出版社外ゆえ見落としがちだが、今ここでちょっとでも引っ掛かった御仁がおられたら、
明日ダッシュで買いに行かれることをお勧めする。名前:ダイジマン
サイト名:ダイジマンのSF出たトコ勝負! http://www2s.biglobe.ne.jp/~yasumama/daijiman.htm
『トリツカレ男』/いしいしんじ/ビリケン出版
今年読んだ本の中で、とにもかくにも一番「好き」な本。心の芯から幸福になれる本。
読んでて、うれしさのあまりに笑みがこぼれてしまう。それでいてきゅうっと切なくて、哀しい。
童話のような、寓話のような、なんとも不思議でとてつもなくピュアなラブストーリー。
無駄のない、シンプルな文章の美しさにも感動。珠玉の傑作。超イチオシ!名前:安田ママ
サイト名:銀河通信オンライン http://www2s.biglobe.ne.jp/~yasumama/
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