《銀河通信恒例企画 2002年ベスト1アンケート結果》

 皆様からアンケートをとって、2002年に読んだ中で最も面白かった本を1冊選んでいただきました(新刊・既刊問わず)。おかげさまで、41通もの回答をいただきました。メールをくださった皆様、ありがとうございました。さて、お待ちかねの結果です!(メール到着順に並べさせていただきました)

 

『クビシメロマンチスト』/西尾維新/講談社 

コメント:すごいおもしろかったです。

お名前:夜を視るもの


『最終兵器彼女』/高橋しん/小学館

コメント:遅ればせながら、某古書店で1巻を立ち読みしたら、止まらなくなってそこにあった1〜3を買って帰り、
翌日は自分の棚から続きを買って行った(^^;) そんな勢いで揃えた。
 なんというか、「なぜ? 主人公のひとりであるちせは、あんな風になってしまったのか」
「どうして戦争になっているのか」という説明が一切なかったのに、まるで気にならないで話に引き込まれたです。
アニメも観てみたかった・・・。DVD行くかなー。

お名前:さくらざわぞう
サイト名アドレス http://www.h4.dion.ne.jp/~atramoon


『文章読本さん江』/斉藤美奈子/筑摩書房

コメント:小林秀雄賞受賞。いっぱい目からウロコが落ちます。そのうえ大変面白いのです。
しかも大変地道で綿密な研究です。最近のある意味安易な「日本語」ブームに喝!なのです。

お名前:keiko


『聖なる黒夜』/柴田よしき/角川書店

コメント:今年も、たくさんの本(ミステリー多し)を読みましたが、これを読んだ
後では、何を読んでも、インパクトがありませんでした。内容的に苦手な方もきっと
大勢いると思いますが、私はこの本が一番、印象に残っているし、哀しかったし、きれいだった。
でも、本当は、倉知淳だって(今年は)出たし、恩田陸もたくさん出たし、加納朋子
も、読みかけだし、薄井ゆうじも買ったし、そのほかにもたくさんたくさんタイトルを挙げたいんですけど。

お名前:TOKO


『文豪春秋』/いしいひさいち/東京創元社 

コメント:何もいうことは、ありません。読めばわかる面白さってとこでしょうか。

お名前:大島なえ

サイト名、アドレス:目黒考ニファンクラブ通信 http://www.joy.hi-ho.ne.jp/yamao/


『リベンジ・ゲーム』/谷川哀 /角川書店

コメント:角川Next賞受賞作の一作
 エグイ!エグイ!!エグスギル!!!毒入危険本
 読後ピンときたんですが、この作品「角川ホラー大賞」応募作で
 編集部が自主規制したというアノ作品なのでは?
 (「ミステリマガジン」通巻530号 池上冬樹氏のコラムより)
 しかし、作者名がちがうんだよねェ。

お名前:奈良苦王


『黄色い本』/高野文子/講談社

コメント:1冊まるまる読み飛ばしてしまうと「ふ〜ん。」で終わりですが、
ちゃんと読み解くと表現の実験室的な作品ですよね。

例えるなら、宮崎駿「もののけ姫」に描かれた妖怪も神も本当は全て"人間"。
略奪と侵略で成立した多民族国家・日本の混沌とした時代の素顔を
エンターテイメントとして描いたアニメ作品がアレになった訳ですが、

高野文子先生の作品は、孤高の役者の『 パントマイム 』に似ていると思う。
演技者の動きを観客が空気さえも読み取ろうとする
尋常ではない緊張感をコミックで伝え描いてる作家は少数でしょう?

自分のベストは、黄色い本です。
あと、ユリイカ・高野文子特集号も併せて宜しくお願いします。

お名前: ちばたかし


『グラン・ヴァカンス』/飛浩隆/早川書房

コメント:川端裕人『竜とわれらの時代』と最後まで競ったのですが、やはりこちらに軍配が上がりました。
 異論のある方もそれなりにいるとわかってはいるのですが、まさに「傑作」と形容してよい作品であろうと思います。
何より初読時のあの鮮烈な印象は、何ものにも換えがたいものがありました。

お名前:向井 淳


『キスしたいのはおまえだけ』(キスおま)/マキシム・ジャクボヴスキー/扶桑社

コメント:某所で「(バカ)エロノワール(ファンタジィー)」と命名いただいたサスペンス・スリラー。

お名前:小太郎


『倫敦巴里』/和田誠/話の特集

コメント:和田誠の絵と文によるパロディ集。本業の絵よりも、文章のほうが面白かったりします。
殺しに創意工夫を(マンドリンで撲るとか、死体をタルに入れて移動させるとか)と説く「殺しの手帖」。
世界の映画監督たちによる様々な「兎と亀」(「兎は亀に負けたのではない。自分に負けたのだ」)。
圧巻は30人以上の有名作家の文体模写による「雪国」。
1ページで終わってしまう星新一版「雪国」。島村と駅長が銃で撃ち合う大藪春彦版「雪国」。
トンネルに入るといけないことを連想してしまう宇能鴻一郎版「雪国」。
惨劇を予感させる横溝正史版「雪国」等、抱腹絶倒でした。

お名前:河合恭


『殺人症候群』/貫井徳郎/双葉社

似たテーマを持つ、宮部みゆきの「クロス・ファイア」や「模倣犯」よりも
この貫井徳郎の「殺人症候群」の方が扱いづらい題材とエンタテインメント性の
融合という点で上を行っているようにわたしは感じます。
正直、(本格)ミステリとしての面で不満点が無くは無いのですが、
そういった印象を吹き飛ばす“チカラ”がこの作品にはあると思います。
「失踪」「誘拐」から続くシリーズの完結編としての面白さもありますが、
この1冊だけで十分に高く評価できるものだと感じました。

お名前:boo


『イリヤの空、UFOの夏 その3』/秋山瑞人/電撃文庫  

コメント:未完のシリーズの途中1冊がベストというのはどうよ。
とセルフツッコミを入れるだけの良識は私にもある。あるのだけれど1冊だけとなる
とやはりこうなってしまう。本書が私にもたらした戦慄は2002年に刊行された他の書では得られない質のものだった。

 本書を読んで考えさせられるのはコトバのチカラということである。著者が畏るべき
コトバの使い手なのは本書に番外編として収録された「ESPの冬」を一読すれば明
らかだ。ここでは大学の科学哲学といった講義で取り上げられるような議論が中学生
同士の与太話の水準に変換されている。それだけでも大変なものだ。

 読者はおそらく本書を読みながらカクササツとかラチモンダイとかインドヨーハケン
とかいま現実に漂うきな臭い空気との照応を感じてしまうだろう。しかし著者はそう
した現実に触発されて書いているのではない。それは「その1」にあたる部分があの
ビルの炎上崩壊とその後の空爆に先んじて書かれていたことを指摘すれば証明でき
る。事情はまったく逆で極度に研ぎ澄まされたコトバがそれ自体の鋭さゆえにいま現
実に潜むコトバ化されていない何ものかを掘り当ててしまったのである。

 平易。明晰。は娯楽小説に求められるコトバに必須の仕様でありだからこそ「ESP
の冬」のような作品も可能になるわけだがそのチカラを限界まで引き出した先にはど
んな光景があったのか。娯楽に徹することでかえって娯楽を超えてしまうこと。これ
は一個の逆説であり私の感じた戦慄もそこに由来している。だが思うに小説とは社会
的思潮や通俗道徳には回収されえない個としての人間のありようを言い換えればそれ
らに対する逆説を常に示し続けてきたのではなかったか。逆説つまり「通常の把握に
反する形で、事の真相を表そうとする言説」(大辞林)こそコトバのチカラでなくてなんであろう。

 だとしたら。存在自体がすでに逆説である本書とは。
コトバのチカラを十全に発揮したまごうかたなき正真正銘の小説なのである。

お名前:鈴木力


『星を継ぐ者』/ジェイムズ・P・ホーガン/創元SF文庫

コメント: サイバーパンクSFが好きで、「ニューロマンサー」を何度繰り返して読み、
「マトリックス」は娯楽映画としては良いけどサイバーパンクSFとしてはどうなんよ?」
などと偉そうに言っている私の好きなSF小説は、「夏への扉」と「たった一つの冴えたやり方」。
 ヌルい!と言われようがなんだろうが、好きなのだから仕方がないのです、ハイ。

 その後に続くのが「ニューロマンサー」や「スノウ・クラッシュ」、「記憶屋ジョニー」などのサイバーパンクSF。
 今のところ、好きな作品ベスト10では、サイバーパンクが優位を占めているので、
サイバーパンク好きを自称しているわけですが、その情勢が危くなってしまいました。

 もし少年期にこの作品を読んでいたら、間違いなく学者を目指していたであろう、
それほど「未知の存在を解明する」という行為を、魅力的に描いています。
 派手なアクションシーンも、お涙頂戴の感動シーンも、艶っぽさもなにもありませ
んが、「人間」という存在の魅力が溢れ出しています。
 主人公である二人の学者の対照的な個性がぶつかり合いながら、やがて宇宙から与
えられた大きな謎を解き明かす。
 SFがフィクションではなくなりつつある今、それでも読者に千億の昼と百億の夜
を思い起こさせる、こんな作品があれば、SF小説と言うジャンルは続いていく筈。

 読み終わったとき、少しほっとした作品でした。

 問題は、本作がシリーズ最初の作品である事。
 まだ読んでいない3作を読んだ時、サイバーパンク好きの自称を続ける事が出来るのか?

 ※「千億の昼と百億の夜」は光瀬龍氏作品のタイトルから流用させていただきました。

お名前:一二三


『毛布おばけと金曜日の階段』/橋本紡/メディアワークス(電撃文庫)

 コメント:交通事故で父が死に、母は心の病院に入ってしまった。
 でも、ほんとうに悲惨なのは母よりもむしろ、妹のあたし
から見ても外見も中身も完璧、といえるお姉ちゃんだ。
 ふだんは大学生として、そして家長としてしっかり生きてる
お姉ちゃんが、金曜日の夜のわが家では汚い毛布をかぶった壊れた人、
「毛布おばけ」になってしまう……そして土曜の朝にはその時の記憶を
なくしていつものお姉ちゃんに戻るのだ。

 と、まあ、こんなヘヴィーな状況ながら、そういうお姉ちゃんの姿を
逃げずに受け止め、まっすぐに生きる主人公やお姉ちゃんの彼氏の姿が清々しい。

お名前:湯川光之
サイト名:サイト名は変更検討中ですので、とりあえず「名無しさん」ってことで。
http://cgi28.plala.or.jp/one7/index.htm


『貴門胤裔』(「キモンインエイ」と読みます)/イエ・グワンチン(本当は漢字なのですが、表示できないのでカタカナ)
/中央公論新社,上下巻  

コメント:稀にみる名作。将来の古典!中国の小説というと漢字が読みづらかったり、
風習がわからないと思うかもしれませんが、この本は全然大丈夫。
作者は満州貴族の末裔で、葉赫那拉(エホナラ)氏。
その作者による満州貴族の家族が、悲喜交々書かれています。ユーモアと哀歓のバランスがいいです。

お名前:H2

サイト名、アドレス:http://www2.ocn.ne.jp/~h2tea/


『指輪物語』/J・R・R・トールキン/評論社

コメント:実をいうと、カードの書いたエンダーズ・シャドウも、最近読んだせいか、印象が強
く、かなりよくって・・迷ったのですが、やはり、今年はこれかなーと思いました。
まず、映画化されなかったら、私はこの本、読んだかどうかということもありますし・・・
映画を見る前に読みおえましたが、この本を読むきっかけが、映画化ということでしたからね。
さらに、読んでいて、フロドたちの旅、彼らも大変だったですが、私にとっても苦し
いものと感じました。いったい、どうなっていくのかーと、もう旅の最後のほうは、読んでいて辛くて辛くて・・・
そして、目的地についての衝撃シーン。まさに、ああ、こうなるのかーと・・
すべての生きとし生けるものには存在意義というものが、あると思っていましたが、
そうか、このために・・というか・・思いもよりませんでした。
そしてそのシーンおよび、その直後のあたり、胸にぐっとくるものがありました。
また、そのあと、エンディングにいたるまで、今まで登場した人物たちについて、そ
うか、そうなるのかと・・・思い、感じました。
全編をとおして、指輪の魔力、悪の恐ろしさも、ものすごく強く感じました。

この先は、蛇足になりますが、今年ははからずも、本の指輪物語だけでなくて、ワー
グナーのニーベルングの指輪のオペラも見ることができました。世界をすべて手に入
れることにできる恐ろしい魔力の指輪が題材で、大作で、大変ですが最初から順を
おってこそ、最後の感動がすごいーという、指輪物語と同じような共通点があり、私
にとって、指輪は今年のキーワードだったでしょうか。

お名前:おかぴー

サイト名、アドレス:Something Joyful  http://homepage2.nifty.com/okappey/index.htm

公式日本語版 ERBリスト要約プロジェクト http://erb_japan.tripod.co.jp/index.html


『きみに会いたい』/芝田勝茂/あかね書房

コメント: プロローグのつぶやきからエピローグで主人公が先生に語る言葉まで、
会えない人への切ない想いにあふれた話でした。シンプルで無駄のないすばらしい作品だと思いました。
 安田ママさんの感想にも後押しされたので感謝です。

お名前:うたたねこ

サイト名、アドレス:うたたねこや http://homepage3.nifty.com/utata/


『七王国の玉座』/ジョージ・R・R・マーティン/早川書房

コメント:「(架空)戦国大河ロマン」であり、
「大人のためのファンタジー」である大長編の第一部。
「キャラ萌え」のない『デル戦』『銀英伝』、
あるいは、異世界での『三国志』って言ってもいいですね。

もちろん、魅力的なキャラはいっぱい出てきますし、
誰が敵で誰が味方か、先の読めない展開に、
最後までハラハラ・ドキドキさせられて・・・え〜、ここで終わるの〜!

波乱万丈の大河ロマンであり、わくわくする冒険小説であり、
少年少女の成長物語でもあり、異世界ファンタジーでもある。
そんなのが好きな人には、文句なくお勧めします!

あえて欠点を挙げると・・・登場人物が多すぎて、
誰が誰だか、なかなか覚えられないってことと、
いつ完結するかわからない、ってことくらいですね(^^

とにかく、早く続きを読ませてくれ〜!

お名前:トト


『おおきくなりません』/白倉由美/講談社

コメント:題名そのままに大人になれないでいるヒロイン麻巳美を通して、
読者が大人になって失ってしまったものを見せてくれたのではないかと思います。
大人になるために必要な事は、彼女自身が一人じゃないと思えるようになり、
現実世界を違和感なく受け入れる事だと書かれています。
子供の純粋さを失う事が大人になるという事ではないのです。
大人になれない人が増えていると言われている現代に足りない何かが感じられました。

お名前:スー


『君の夢 僕の思考』/森博嗣/PHP研究所

コメント:森さんの鋭敏なフレーズが刺激的でした。
書き下ろしのコメントがありきたりじゃなく、新しさを感じます。
一番の感動は、写真のタイトル。邦題と英訳と写真の関係がとってもスリリングかつミステリィ。
切り取られた風景は不可思議ですが、それに森さんのタイトルが付くとぽんと
膝をたたきたくなります。
今年は200冊が目標でしたが、残念ながら160ぐらいかな。ママ様のおかげで、
菅浩江さん、加納朋子さん、高里椎名さんなどの作品と出会うことができました。
来年もどうぞよろしくお願いします。

お名前:すずか


『交通事故鑑定人 鑑定歴五〇年・駒沢幹也の事件ファイル』/柳原三佳/角川書店  

コメント:(お好きに熱い思いをお書きください(^^))
   俺の熱い感想は以下のところにあります。
   http://lovelovedog.cool.ne.jp/memonifty/memo200211.html#memo20021115
   イチローのヒットのように、さりげなく感動的です。

お名前もしくはハンドルネーム:愛・蔵太

サイト名、アドレス:ヘイ・ブルドッグ http://lovelovedog.cool.ne.jp/


『半落ち』/横山秀夫/講談社

コメント:この作品に出会うまでは、今年豊作の恩田陸や岩本隆雄、「水の時計」の初野晴も
素晴らしいと思っていたんですが、ラジオで書店員さんがお薦めの本を紹介する
コーナーでこの作品を知って、そして読んでみたら・・・、最初の章の書き出しから
あっけなく作品に引き込まれていきました。どっぷりはまりました。

私まだ28歳なんですが、この作品に登場するそれぞれの章ごとの語り手たちは
50代の前後の人たちばかりで、酸いも甘いもかみ分けてきた人生の先輩たちで
あるのですが、その辛い心境がいたいほどによく分かって、どうしてか応援したく
なってしまいます。梶を取り巻く人たちが自分の人生を絡めて物語を進め、語って
いきます。その皆がみんな、今現在の人生につらさを抱えていて、それ故に梶に
親近感を抱く者、反発する者と様々あって、自分は途中まで、裁判官・藤林の印象に
非常に近かったんです。一人息子が急性白血病で死んでいるという点などが
作中でしつこく語られているので、おそらくこれが動機の一部、そして歌舞伎町に
行ったというのは、そう言った団体の本部もしくは連絡先などがあるのではなかろうか
と、そう思っていたんですが・・・最終章ではその想像をはるかに超える結末が準備されていました。

もう最後のヒトケタ台のページでは涙が止まりませんでした。いかに息子の死が
あったとは言え、そしてその力になれなかったとは言え、梶の考え方、死の直前まで
行きながら生き恥をさらしてまでも、そして今まで共に仕事をしてきた人たちに
迷惑をかけてでも生き続ける事を選択したその思考は、自分には真似出来ない思考だと思います。

お名前:ローリー
サイト名、アドレス:http://www3.ocn.ne.jp/~syoueido/index2.htm


(国内篇)『ガンバの冒険』/斎藤惇夫/岩波少年文庫

コメント:  物語で活躍する動物にもいろいろあるが、ミッキーマウスをはじめとして、ネズミが
何故か多い。これは犬や猫の次くらいに人間になじみがあるということなのだろうか。
ちょっと考えてみても、ネズミのシャーロックホームズもあるし、SFでもブラ
ウンの有名な短編があるし、アルジャーノンでは重要な役割を果たしている。
ハーバートの「鼠」などは例外で、たいていはいい役回りのようだ。
有名な作品なのでストーリーは省略するけれども、正直、こんなに面白いとは思わなかった。
前作「グリックの冒険」が旅の物語とすれば、本書は戦いの物語だ。前作の
クマネズミとドブネズミの戦いでも感じたことだが、ちっぽけなネズミと強大で邪悪
なイタチとの戦いは、弱者と強者の戦いであり、革命の香りすら漂う。また後半仲間
がノロイに殺されるところや、13匹が自らの生を賭けた最後の戦いを決意し、ノロイ
に立ち向かうところなど、思わず目頭が熱くなるほどの感動を覚える名場面も多い。
登場人物?はネズミなのだが、これは間違いなく男たちの、真に「冒険者たち」の物
語である。いままで未読であったことが恥ずかしい必読の傑作。

(海外篇)『山椒魚戦争』/カレル・チャペック/岩波文庫

コメント:  古典中の古典SF。著者は言わずと知れたチェコの文豪。ストーリーは「R・U・
R」のロボットを山椒魚に置き換えたもので、人間が知性のある家畜として利用し始
めた山椒魚がやがて人間に反旗を翻すというもの。無論ストーリー自体は「猿の惑
星」とかでも使われたモティーフで、目新しさはない。しかしこれが無類に面白いのだ。
まずはその手法であるが、新聞記事、パンフレットその他あらゆる活字媒体をス
トーリーの中に組み込んでストーリーを組み立てているところ。今でこそ珍しくはな
いのだろうが、書かれたのはナチス台頭前夜のチェコである。これが形式としての面
白さ。そしてその中で語られることによって効果的に浮かび上がる著者の政治的、モ
ラル的にリベラルな主張。(これはナチス崩壊後も出版にあたっては一部削除や禁書
扱いなど数奇な運命をたどっていることからも伺える)そしてScience Fictionであ
るとともにSociology Fictionとも言えそうな社会学的なアプローチによるストー
リー展開。これはテーマ的な面白さ。いずれにしてもとてもじゃないが半世紀以上前
に書かれた書とは思えない面白い本である。究極的にはかなりペシミスティックな本
ではあるが、きな臭い現代でこそ読まれる必要があるのではないだろうか。さすが文
豪、チャペック侮り難し。真の名作(SF小説としてもジャンルを超えた小説として
も)と思う。なにをいまさらではあるが必読。

お名前:土田裕之

サイト名、アドレス:幻想文学館 http://www.02.246.ne.jp/~pooh


・ ほしのこえDVDBOOK (新海誠、徳間書店)
・ ふたつのスピカ (柳沼行、メディアファクトリー)

コメント: 去年から引き続き、活字から遠いところで一人ひっそりと
漫画を読みふけった一年になりました。その中で今年の
ベストに挙げた二作品は、面白さはもちろん、自分の中で
人との縁をつなげてくれた大事な作品として残ったので、同点にしました。
活字のほうでは『世界音痴』(穂村弘、小学館)に出会えたのが何よりでした。
この人のエッセイが、来年もまた読めればいいなあと思います。

お名前: ちはら


『ヤーンの時の時』/栗本薫/ハヤカワ文庫

コメント アルド・ナリスの死の場面。。
     あのシーン、かってヤン・ウェンリーが逝くシーン
     を読んで以来の緊迫感だった。

お名前:史仙

サイト名、アドレス:http://www5b.biglobe.ne.jp/~akura001/


『フェッセンデンの宇宙』/エドモンド・ハミルトン/早川書房

コメント:最初に読んだSFは何だったかもう忘れたけど,最初期に読んだ
SFは思い出せる。表題作は,その中で一番印象に残っていた作品。
といっても,当時読んだのは児童向けの本。その後,ハヤカワSFシリーズで
この本が出ていたことを知って,手に入らないものかと思っていた。そして今年,憧れの本が僕の手に。
確かに,ここに収められた作品は,今となっては古臭い面があるのは
否めないけれど,好きなんだからしょうがない。
ハミルトンといえば,SF史的にはスペース・オペラの文脈で
語られることが多いけど(キャプテン・フューチャーは大好きだが),
彼の短篇群はもっと評価されていいんじゃないかと思う。
ちなみにこの本は絶版。復刊ドットコムでの票数を見れば,何らかの形での復刊は,ありうるかも。

お名前:広島保生


『竜とわれらの時代』/川端 裕人/徳間書店

コメント:物語に引き込まれて読む手が止まらなくなってしました。
様々な要素を内包し、複雑に入り組んだストーリーで、ジャンルわけ
すると、どこにはいるか微妙なのですが、私好みの快作です。
単純に対決話で終わらないところが良い!

お名前:青木みや

サイト名、アドレス:Live Love Life http://live.pobox.ne.jp/


『夏のロケット』/川端裕人/文芸春秋社(文春文庫)

コメント:この歳になると、夢を追いつづけるわけにはなかなかいかないのだが、
せめてその気持ちだけは忘れないようにしたいものです。

お名前もしくはハンドルネーム:Hirayan

サイト名、アドレス:Hirayan's Sci-fi page http://www.asahi-net.or.jp/~fq4h-hrym/scifi/index


『天象儀の星』/秋山 完/朝日ソノラマ(ソノラマ文庫)

コメント:きれいな、(気恥ずかしくなるほど)きれいな、短編集です。
「天象儀の星」、個人的に応援中
http://hw001.gate01.com/athena/ko7do/02zb/swa2002.html
なんてページを作り、
星雲賞がねらえるかも、とドキドキしました。

お名前もしくはハンドルネーム: 七里 紫

サイト名、アドレス:七里が森 http://homepage2.nifty.com/7ri/


『妻の帝国』/佐藤哲也/早川書房

コメント:これまでの佐藤哲也からがらりと変わった一作。
本当の世界と面したときの恐れととまどいが凝縮されていました。
2003年にも著作が出ることを初詣でお祈りしてきます。

お名前:おおた

サイト名、アドレス:http://www.max.hi-ho.ne.jp/~uporeke/


『新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち』/山形浩生/アスキー

コメント:コンピュータについて、単なるハウツーものになることなく、その根底にある
思想や歴史、そして、オタクについて述べた本。作者が持つ豊富な教養がよく出て
いて、幅広い人達が、様々なレベルで読めるような内容になっている。
ただ、個人的にすごく気に入ったのは、コンピュータそのものの話題ではなくて、
「番外編」として収録されている著作権についての話。著作権や知的財産権が
持つ本来の思想やありかたについて、とても丁寧に、かつ、熱く語っている。
これを読めるだけでも本書を買う意義はあると言ってよいほどだ。数々の優れた翻
訳、著作を有し、同時にプロジェクト杉田玄白主催でもある山形浩生の面目躍如の一冊。

お名前:大熊健朗

サイト名、アドレス:http://www7.cds.ne.jp/~nactor/


『天国への階段』/白川道/幻冬舎 

コメント:簡単に言ってしまえば現代版”金色夜叉”ですが、その運命に引きずら
れる主人公たちの気持ちにぐっと引き込まれてしまいました。この引き込まれ感
は近年にないもので、読後も一週間くらい引きずっていました。
そして題になったレッドツェッペリンの曲の歌詞を懸命にネットで探したのですが、
それも記憶に残っています。

お名前:田崎

サイト名、アドレス:1B3C  http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/5256


『英辞郎』/道端秀樹 監修/アルク  

コメント:完成度、企画、コストパフォーマンス、使いやすさ、
発展性、どれをとっても申し分ないです。脱帽です。ビッグファットキャット
をはじめ英語本がずいぶん話題になりましたが実用的にはダントツにこの本が
抜きんでていると思います。本じゃないけど。一応ISBNついてるんで。

お名前:あいざわ

サイト名、アドレス:HONのLINK http://members.jcom.home.ne.jp/0133463501/index.html


『グラン・ヴァカンス』/飛浩隆/早川書房

コメント:今年は小説はこんな企画に参加できるほど読んでいないのですが。
この作品は新しい国内SFの可能性を見せてくれた気がします。
ハヤカワSFシリーズJコレクションというレーベルにも期待してしまいます。

お名前もしくはハンドルネーム:u-ki

サイト名、アドレス:私立東鳩学園No.6 http://homepage1.nifty.com/u-ki6/index.html


『望楼館追想』/エドワード・ケアリー(訳:古屋美登里)/文藝春秋

コメント:誰がなんと言おうと私の偏愛度は変わりません。この中でフランシスが見せる
ほかの人への「もの」へのこだわりのように、私もまたこの物語に拘り続けるのです。
この物語は「眠れる森の美女」のひとつの亜種と見ることができると思います。
偽涙館とフランシスの家の崩壊とともに茨で建物が閉ざされ、外界との接触を絶っ
てしまうのです。王子様の立場になるアンナもまた、心の傷を抱えた存在。
みんなかたくなに自分の殻を守ろうとするのですが好むと好まざると関係なく次第に
人と人との関わりを持つようになるのです。
万人に受けるとは思いません。でも、これがいつの間にか心に染み入り、離れな
くなる人が多分、どこかにはいるものと私は思っています。
ラストの、フランシスのコレクションリストを見ているだけでも沢山の物語が脳裏に浮かんでくると思います。

お名前:青月にじむ

サイト名、アドレス:http://bm.que.ne.jp/


『七王国の玉座 氷と炎の歌1』/ジョージ・R・R・マーティン/早川書房

コメント:この本を買うために、清水の舞台の端から助走をつけて飛び降りるような
気持ちではたいた約6000円、無駄ではなかったです。
物語の舞台は、夏と冬が不規則に訪れる中世イギリス風の<七王国>。
王位を簒奪したものの堕落した王、国を牛耳ろうとする王妃とその兄、矮小
な体ゆえに疎まれ、独自の道を進む王妃の弟、国を立て直そうとしたために、
王妃たちの陰謀に巻き込まれる王の親友と家族、王位奪還を狙って<七王国>
の外で力を蓄える旧王族の王女、冬の訪れとともに北方にあらわれた不気味
な謎の勢力……などなど、たくさんの登場人物で大戦乱の予感。この先いったいどうなるんだ!?
ハラハラドキドキワクワクする展開に、読みながら心の中で「こういうのを
読みたかったんだよー!!」と大喝采をあげてしまいました。
「値段が高いから」とか、ネットの一部でも話題になったある理由(わかる
人にはわかるでしょう ^^;)で読むのをためらっている人にもぜひ読んでほしいです。
特に後者の人にこそオススメですよ。

お名前:しもつき


『末枯れの花守り』/菅浩江/角川書店

コメント:投票3回目の今年も「菅浩江」総括で(^^;
本は新刊で「五人姉妹」、再刊で「末枯れの花守り」が出版され、短編は12編ほど発表され、
週刊連載(20回)が1つありました。来年はきっと短編「歌の翼に」と週刊連載
「プレシャス・ライアー」が纏まって本になり、遅れているらしいJコレクションもきっとでてくれることでしょう。
#かなり希望が入ってます(^^)

今年はやっぱり新刊の「五人姉妹」を、と思って読書記を溯ってみると……読んでない。
既に各短編発表時にタイムリーに読んでいたので通しては読んでなかったようです(^^;。
ということで、今年は再刊ですが「末枯れの花守り」をあげます。
97年にスニーカーブックスからでていたものの、スニーカー文庫ではなく角川文庫での文
庫化で、連作短編5話で構成されています。花へ想いを託す女性たち。その想いを花に閉
じこめ自らの手慰みにしようとする永世姫・常世姫。それを阻止しようとする青葉時実。
異界の者たちの争いが幻想的に描かれ、菅さんお得意の和ものでありながら、SFテイスト
も感じられる作品です。この作品を読んで、和の良さを見直しましょう。といいつつ、自
分に和もの知識がないので、それがとても悔しく思われてしかたありません。
5編のなかで一押しは「老松」でしょうか。登場するおばあちゃんがなんともいえぬ良い
味をだしています。時間SF的なところもあって(手元に本がないけど、あったはず)、この
話が一番好きです。
全体を通して解決してない謎が残っているので、続編を望みたいところですが、このまま
終わってしまうのもいいかなと思ったり。難しいところです。

お名前:えんど

サイト名:終翁邸 http://mirage.pobox.ne.jp/orange/


『樹上のゆりかご』/荻原規子/理論社

コメント:「都立高生とかつて都立高生だったすべてのひとへ」とでも名付けたい作品です。
 この作品は現代が舞台なのですが、登場人物たちは「学校群制度」によって、自分
の意志では選びきらないままこの学校に入学してきた、ということになっている。
 これは高校入試を2つか3つの高校をひとまとめにした「学校群」単位で行い、
どの高校に入るかは抽選で決める、という制度で、 作者の時代に行われていた制度で
ある。わたしが高校受験したとき(80年代半ば)にはすでに過去のものになっていた。
数年前からは近隣学区の高校を受験することが可能になり、そして現在では学区
制そのものが撤廃されようとしている。
 だから、この作品はある種の「レトロ趣味」古き良き高校生たちの生態を描いたも
のでしかない、と思われてしまうかもしれないが、わたしは必ずしもそうではないと思う。
 今時の高校生というと、どうしても突出した風俗が注目されがちですが、マスコミ
やニュースの文脈に乗らないところではどうなっているかは、なかなか知る機会がありません。
 21世紀の現在に都立高校に通っている少年少女たちも、作中人物のようなことを
思いながら学校行事や日々の生活を送っているのかもしれない。
著者のサイトの掲示板を読むと、そんなことを思ってしまう。
「変わるものと変わらないもの」について考えさせてくれる作品です。

お名前:谷田貝和男

サイト名、アドレス:鈴木権左衛門のSF大衆(仮称) http://www.asahi-net.or.jp/~gp4k-ytgi/


『NHKにようこそ!』/滝本竜彦/角川書店

コメント: 本書はひきこもりの男性の視点から書かれているが、
実は作者の滝本竜彦も、こもりにこもって二十数年の大ベテランの現役
ひきこもりなのだ。うそうそ。二十数年がうそ。多分四年かそこら。
でも本人の実体験もあるせいかびっくりするぐらい丁寧に普通の人と
顔を合わせるのが怖くてできないひきこもり青年の内心が描かれている。
初めて読んだときはびっくりした。これはぼくだ。ぼくが知らないうちに
書いてしまったに違いない。と思って自分がしらない内に多重人格者に
なってしまったのではないかと不安になるくらいに主人公の青年の心理
が人事とは思えかった。こういう人はぼくだけじゃなかったみたいで、
少なくない数の人がこの作品から衝撃を受けたみたいだった。
ということはここで描かれているようなおたく青年の内心は誰もが
感じていることだったのかもしれない。

これを最初に描いたのはとても偉い!!
滝本にとってとっても大変な作業だったろう。
あとがきにもこの作品についての複雑な気持ちがつづられている。

順調に版を重ねて、複数の雑誌からインタビューされても、滝本自身は
自分の本が好まれて読まれているということに確信が持てないでいるみたいだ。

その自分に自信が持てない心理というのも他人事ではないので、
この場をお借りして滝本にエールを送りたいと思う。

滝本!君は天才だ!いや、ひょっとしなくても天性のあふれでてくる才能の
おもむくままに書いたんじゃなくて、むちゃくちゃ悩みながら自分の中から
引きずりだすように書いたのかもしれないけれど、これを書いた君は自信を
もっていいと思う。
明るいお日様のしたで朗らかに笑ったり歌を歌ったりできるように
なるにはもう少し時間がかかるかもしれないけれど、君は絶対大丈夫だ!
大丈夫だったら!次回作以降もがんばれ!

お名前:タカアキラ ウ

サイト名、アドレス: http://www.hoehoe-net.com/takaakira/


『女王陛下のユリシーズ号』/アリステア・マクリーン/ハヤカワ文庫NV

コメント:あれこれ好きな新刊もあったのだけれど、けっきょくは久しぶりに再読した
この作品が2002年の私のベスト1となりました。
というか、2002年に限らず、我が生涯のベスト1じゃないかと思うのですが。

お名前:よしだ まさし

サイト名、アドレス:ガラクタ風雲 http://homepage2.nifty.com/GARAKUTA/ 


★SF:
アーシュラ・ル=グィン『言の葉の樹』
次点 コニー・ウィリス『航路』
ル=グィンの大きな優しさとみずみずしさに心打たれた。
どちらの作品にも人間というものに寄せる信頼を感じる。

★それ以外の海外:
バリー・ヒューガート『鳥姫伝』
次点 エドワード・ケアリー『望楼館追想』
いずれも引きつけて放さない力を持っている。
どちらにも異なる形ではあるが抗しがたい美しさを感じた。

★日本:
西崎憲『世界の果ての庭』
次点 稲生平太郎『アクアリウムの夜』
アンソロジスト、翻訳家として知られてきた西崎憲さんの、作家としてのスタートを祝う。

★児童
ローズマリー・サトクリフ『辺境のオオカミ』
次点 高楼方子『ココの詩』
サトクリフのローマンブリテン4部作(『第九軍団のワシ』『銀の枝』『ともし
びをかかげて』)の残された1作がやっと翻訳された。今更ながらサトクリフの
素晴らしさを感じる。これも筆力を持った高楼方子は、長編が待たれる。

★別格:『指輪物語』
映画化をきっかけに再読、映画のおかげで地図などの資料も出版され楽しみ方が
増えた。映画によっても決して損なわれない素晴らしさ!オールタイムベスト。

お名前:ニム

サイト名:ニムの木かげの家 http://www.mars.dti.ne.jp/~gmotaku/index.htm



『ジャングルの国のアリス』/メアリー・H・ブラッドリー/未知谷

コメント:もはや昔のことは覚えていないんだけど、一番最近で驚いた本がコレ。
『たったひとつの冴えたやりかた』浅倉久志訳者あとがきで「ホホウ」と思い、
〈本の雑誌〉の古沢嘉通エッセイに「フムム」と唸った人間にとっては、
まさかまさかの邦訳出版である。
図版が完全ではないのが決定的にマイナスだが、
将来的にはラインバーガー博士の『心理戦争』のような地位を獲得するかもしれない。
訳者宮坂宏美と特異な版元未知谷を称えたい。

名前:ダイジマン

サイト名:ダイジマンのSF出たトコ勝負! http://www2s.biglobe.ne.jp/~yasumama/daijiman.htm


『指輪物語』/J・R・R・トールキン/評論社(文庫)

コメント:これほど豊饒な読書のひとときを持てたことは、
近年では実に久しぶりのことだったかもしれません。
9巻を読み終わるまで、とにかく朝の出勤前も昼休みも夜も、
ただひたすらに読みふけりました。ああ、今思い出してもなんと幸せだったことか!

自分がすっぽり本の中に入り込み、フロドたち一行と共に旅をしていたような気がします。
荒涼と広がる風景、森の匂い、楽しい食事、出会いと別れ、そして苦しく長い旅路。
波乱万丈の壮大なストーリーを心行くまで楽しみました。
まさに生涯のオールタイムベストに入る傑作。出会えて本当によかった。
映画化に感謝。

名前:安田ママ

サイト名:銀河通信オンライン http://www2s.biglobe.ne.jp/~yasumama/

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