第23号 1999年8月
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しかし、慣習は著しく違う。やはり、イスラム教徒のお国なのである。断食のシステムやトルコ風呂、結婚式の様子、羊だらけの食事など、初めて知ることばかりで、「へーえ!」と思うことしきりであった。
情に厚く、ジョーク好きの人々の国。ううっ、行ってみたい!
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プログラムを見て気付いたこと。通常だと1日目・2日目のスケジュールが組まれる所を、合宿ってことは2日間とはいえ、夕方から朝に渡るひとつのタイム・テーブルしかない。それぞれの企画も小部屋で行われたし、とてもこじんまりとした印象。そうだ、極端なこと言えばこの感覚、SFセミナー合宿の拡大版という感じ。ま、ド派手じゃないけど、ぼくとしては密度の高い時を過ごせました。
異例の受付早期締切りによって、リピーター以外の参加が困難になるという弊害もあったが、食事を含め移動に時間を取られる心配が無く、一体となって満喫できるSF大会というのは悪くない。
それじゃあ、ぼくが参加した企画を辿ってみよう! あ、今年もベースキャンプは『SFセミナーオールナイト』だからね。まずはその1コマ目、「『日本SF論争史』出版予告プロモーションスピーチ」からスタート。10月に勁草書房より刊行予定の同書を踏まえ、編者の巽孝之がSF論争の歴史を概括した(聞き手/小谷真理)。収録された21篇は、それぞれ時代を代表する論客の優れたSF論であり、その意味で本書は、歴史的背景を視野に納めながら「SF」を理解・再考する作業の基本ツールとなろう。刮目して待て!
続く「『グリンプス』を聴く」(DJ/小川隆、SE/浜田玲)では、ビデオを活用しながら60年代ロックの紹介。いろんな手を使って、ドラッグ(LSD)のアナグラムを取り入れていたこととか、面白い話が聞けました。
途中で抜けて夕食ののち、「祝 野田昌宏さんペンネーム30周年―SF美術館から人間大学まで―」(ゲスト/野田昌宏、司会/牧眞司)に行く。野田さんのSFに対する純粋な情熱に触れるだけで、聞く価値があるというもの。毎度のことだが四方山話に花が咲く!
セミナー部屋に戻って「SFコレクターのつくり方」へ。北原尚彦・日下三蔵・牧眞司という、ご存じ「ほんとひみつ」のレギュラー陣が織り成す古本魔境の冒険譚! 但し問題は、ぼくが司会を仰せつかっていることだ!! 牧さんがお声を掛けて下さったのだが、さてどうなることやら…。途中で「これはキミを鍛えるための企画なんだから(笑)」というウラの意図が明らかに。なぬっ!おいドン知らんかったバイ。ンならハラ括るタイ。どすこいドスコ〜イ!(>誰?)
でも、そうと分かればかえって気が楽。気負う必要ないじゃん。お客さんも含めて(ここ重要)ガンガンしゃべる方ばかりなので助かりました。むしろ話題を取り戻さねばならないんだけど、本筋と異なるウンチク(暴走とも言う)を、ぼくが「へえ〜」とか一番感心しながら聞いてるようじゃいけません(笑)。楽しんだモン勝ち!?
しかし皆さん、とにかくマメ。日下さんはドシャ降り(!)なのに、途中で漁ったダンボール箱ぎっしりの古本を抱えて会場入りしたし、それを聞いたギャラリーは、「もうダメじゃん」と落胆の声を響かせるし(笑)。そして北原さんと牧さんは、毎週の古書展でしばしば顔を合わすらしいし(笑)。地道な積重ねがモノを言うのですね。
ツボを突かれたのが、牧さんの「まず〈SFマガジン〉と銀背(ハヤカワ・SF・シリーズ)を全部揃える」発言。曰く、「コレクターうんぬんと言う以前に、ファンとしてごくごく当然の行為とぼくは思った」そうです(注 中学生の頃か?)。良い子のみんなは決してマネしちゃダメだよ(笑)。あ、でも「そのうち…」とか思ってるぼくは、もはやフツーの人ではないのか? それにしても、これが前提条件とはハードルが高い…。
まあこんな風に、まったりと濃い仕上がりに。出演者の方々には逆にフォローを頂いていた感もあったけど、よい経験をしました。またの機会では…ってヤル気か!?
なお、この時の模様をアップした、〈SFオンライン〉7月26日号(29号)掲載の牧眞司「自己中心的やねこんレポート」、および林哲矢@不純粋科学研究所の大会レポートを参考にどうぞ。特に林さんには、その好意的なレポートに感謝感謝であります。
終了直後、三村美衣さんに「あんた、この人知らなきゃダメだよ」と、客席で一際異彩を放っていた若尾天星さんを紹介してもらう。各種大会でオークショニアを20年やっていて、「牧眞司は高校生の頃に、凄い迫力でかぶりつきにいたのを覚えている」と言うのだから年季が違う。スゲー濃い。また、梶田俊哉さんには各種文庫の絶版リストを頂いちゃいました。
急いで「ライブ版SFスキャナー」へ。間に合ったのは第2部、初心者のためのSF翻訳Q&Aの途中から(司会/小浜徹也)。翻訳家・編集者交えての座談会で、カタカナ表記の語尾処理についてとか、少し突っ込んだ話も出てましたね。
同じ部屋で続いて行われた「SFクイズとビンゴの部屋」では、プロの方が解答者として前に出ている形式。山岸真と大森望が2強か。大森さんはさすが「ださこん大将」(笑)。でもクイズはやっぱり山岸さんが強かったのだ。驚異的。ビンゴでは解答者の持ち寄った景品、中でも大森さんのクラークサイン本(スリランカ土産)に注目が集まったが、ぼくは全然ダメ。ていうか最後までリーチ止りじゃ、惜しくも何ともないジャン(笑)。
また駆け足で「真夜中のオークション」に途中から。凄い熱気に包まれた会場の主、オークショニアはもちろん若尾天星。その見事な芸を観るだけで、ぼくは何も落とさず。意外に堅実派なのだ(笑)。
セミナー部屋に戻ると、最終企画の「どっぷりSF絵の話をしましょう」(主催/牧紀子)に腰を落ち着ける。SFイラストのトレーディングカードを肴に、ワイワイする企画。しかし聞けば聞くほど泥沼な世界かも(笑)。とっても奇麗だし、みんな楽しそうなんだけど、ハマッたらマジやばいな、きっと。と言いつつ、田中光イラストの3枚組特製オリジナルカードを頂いた上に、すかさず(笑)サインをお願いする、しっかり者のぼくなのでした。ウラヤマシイだろ〜。
おお、なんか空が明るくなってきた! 寝て起きて食ったらもうエンディングだよ〜、という濃密な(しかもこの隙間に、ディーラーズで柴野ご夫妻と水鏡子師匠にご挨拶)空間が「やねこん」の正体だ!
あとがきまたしても発行が遅れまして申し訳ありません。今回も増ページ。なんと、和泉澤まゆみ嬢がデビュー致しました。私なぞより遥かに年期の入った(失礼)彼女のSFものぶりをトクとお楽しみ下さいませ。(安田ママ) |