《TOPICS》
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』予約開始! amazon/bk1 04.3.16
どちらも特典がいろいろあるようです。9月1日発売、4000円。 amazonハリー・ポッターストア
4月中旬に、河出書房新社より『バリー・トロッターと誰も望まない続編』発売予定。(ハリポタパロディ本^^)
『文学賞メッタ斬り!』(PARCO出版) 公式サイト 4/1に青山ブックセンターにてトークショーあり
エキサイト・ブックスの「文学賞メッタ斬り!フォーラム」《フェア》
「イノセンス」押井守フェア amazon/bk1 04.3.18
本屋大賞 ノミネート作10点フェア 04.4.13 大賞は『博士の愛した数式』(小川洋子)に決定!!
ハヤカワ文庫読者アンコールフェア 04.3.17
ハヤカワ文庫JA 日本人作家フェア(bk1)
SFが読みたい!2004年版フェア(bk1)
矢崎存美『ぶたぶた』新作発売希望キャンペーンフェア 04.3.15《常設棚》
小説その他のオススメ! (『スイートリトルライズ』江國香織、幻冬舎ほか) 04.3.28
SFのオススメ! 『』(『SF雑誌の歴史』ほか) 04.3.28
コミックのオススメ! 『サトラレ』6巻 他 04.3.23
bk1 本日の新入荷一覧 〈単行本〉 〈文庫・新書・マンガ〉『ささら さや』 加納朋子 幻冬舎文庫 ISBN:4344405048 (2004/4/10)
解説−「やさしい魔法使いのベビー布団」を書かせていただきました。amazon/bk1
本書に☆4つ半をつけるのは、自分の境遇とのシンクロ度が高過ぎるせいかもしれない。とにかく、加納朋子版「ゴースト」という、この設定はもろにツボ。もう、思いっきり心のアキレス腱直撃。泣けて泣けて…。いや、著者は決してウエットに書いてるわけじゃなく、むしろあまり重たくならないよう、軽めにジョークを交えつつ書いている。でも、でも私はこのテの話にはめっぽう弱いのだ。
妻と生まれたばかりの赤ちゃんを残して、夫が突然の事故で亡くなる。でも彼は妻のサヤがあまりに心配で、サヤに何かトラブルがあった時に、彼女の周りの人間に憑依して姿を現す。彼のつらさ、悔しさはいかほどか。サヤの悲しさ、寂しさ、心細さはいかほどか。それを思うだけでもう…。そしてまた、この著者のみずみずしく柔らかな文章がとてもいい。
ミステリとしても、やっぱり日常の謎路線。何も入ってない宅配便の意味は?とか、隣宅のいつもぼうっと玄関の外を見ているおばあさんはいったい?といった謎。そして、赤ちゃんにしのびよる影…。
何よりサヤの無垢な優しさと、だんだんと仲良くなっていく彼女の周囲の人々の、ぶっきらぼうな温かさが心にしみる。彼らに支えられて、徐々に強くなっていくサヤ。そして夫との永遠の別れ。心あたたまる、でもとてもとても切なく愛しい物語。
『文学賞メッタ斬り!』 大森望、豊崎由美 PARCO出版 ISBN: 4891946822 (2004/03/18)
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いやいや、めちゃめちゃ面白い!(FUNNYの方)読みながら突然「ぶはははは!」と笑うので、家族がいちいちビビるほど。
テルちゃんやジュンちゃんが最高ですよ!(宮本輝と渡辺淳一ね)伏字じゃないし。津本陽もスゴイ。しかし読めば読むほど、大作家だからって、彼らが良い批評家とは限らないのでは?という気になってきますね。王や長島が必ずしも名監督ではないように。もう、ホント、芥川や直木の選評の引用がおっかしくておかしくて!(笑)マジでこんなこと書いてあるのかよ!?ってくらい。考えてみりゃ、将来的に自分の地位を脅かしかねない若手の同業者に賞をあげるわけでしょ?そりゃあ、いろいろと複雑なものがあるかも、などと思ってしまいますね。直木賞受賞作なんて、素人の私が見ても、いつも「おかしいですよ」ボタン連打だもんなあ。「直木賞は、賞を与えるタイミングを間違えている」には超納得。
とにかく、大森さんと豊崎さんのなんと健全な批評!ホンネ炸裂!言いたいこと思いっきり言ってくれて、スッキリ!溜飲が下がるとはまさにこのこと。裏話も満載で、文の下にある注釈がまたえらく面白い。鈴木力くんの「恥を知れ、中島梓」が出てます。「新潮ミステリー倶楽部」の装丁の指紋は、それぞれ著者ご本人のものだったとか、トリビア的ネタもてんこ盛り。
どの章も大変興味深いのだけど、特に芥川・直木のところと、メフィスト賞のところが面白かった。最近ネットで盛り上がってる、ライトノベルに関する記述・賞の紹介もあり。豊崎さんもおっしゃってますが、今一番注目の賞はメフィスト賞と日本ファンタジーノベル大賞かも。おふたりとも、舞城王太郎絶賛なのがとてもうれしい〜。特に『煙か土か食い物』(講談社ノベルス)。
SFの賞に関しては、堀晃『太陽交風点』事件(宇宙法廷ノート)のあたりが12へえくらい。星雲賞の流れで、SF大会についてもずいぶん詳しく解説されてます。SFファンは、角川春樹氏には足を向けて寝られないということもよくわかりました(笑)。
書店員必読書!特に文芸書担当!大変勉強になるし、とにかく面白いので読むべし!!ネットにもすごく関係が深い内容なんで、ネット本読みさんも必読かも。そしてもちろん、小説家志望の方。文学賞応募の傾向と対策を練るのに役立つでしょう。それにしても、改めて、文学賞って多いのねえ!とオドロキ。元書店員の私でさえ、知らない賞もありましたよ。分厚いと聞いてたけど、全然そんなことないです。ごく普通の厚さ。巻末の「’03〜’04年版・文学賞の値打ち」もグー。かなり納得できる点数。
エキサイト・ブックスの「文学賞メッタ斬り!フォーラム」。こちらは「文学賞メッタ斬り!」公式サイト。
4/1に青山ブックセンターにてトークショーあり(04.3.21)
『エロチカ』 e-NOVELS編、講談社 ISBN:4062122898 (2004/3)
amazon/bk1収録作の、北野勇作「あの穴」にコメントを書かせていただきました。
e-NOVELSにて特集されていたエロティック・アンソロジーを1冊にまとめたもので、8人の著者にそれぞれネットの人がコメントをつけています。スズキトモユさん、kashiba@猟奇の鉄人さん、カメヤマさん、郭公亭さん、よしだまさしさん、フクさん、おーかわさん。恥ずかしながら、私も北野勇作「あの穴」についてコメントを書かせていただきました。しかしやっぱり、このアンソロジーの中で、北野さんのが一番異色だと思うです(笑)。いつものマイペース北野勇作どうぶつSFだし!でもちゃんとエロなのだ!(04.3.15)
『黄昏の百合の骨』 恩田陸、講談社 ISBN: 4062123320 (2004/03)
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☆☆☆☆1/2。☆5つでもいいくらい。個人的に超好みの話!恩田陸はこうでなくちゃ!もう、出だしからうれしくて、ぞくぞくしながら読みました。『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)、『麦の海に沈む果実』(講談社文庫)の続編。『三月〜』はまあともかく、『麦〜』は必ず事前に読んでおくこと。そうしないと「これ誰?」ってことになると思います。
『麦〜』を読んだ方ならおわかりいただけると思いますが、あの主人公だった女子高生、理瀬が今回も主人公。話のトーンもあのまんま。今回の舞台は学園でなく、近所では「魔女の館」と噂されている「白百合荘」という古い洋館。伯母ふたりとここに住むことになった理瀬。読者の前に、次から次へと出てくる魅惑的な謎。ミステリアスな雰囲気、少女漫画のようなキャラ、お芝居のようなタッチ。北見隆の装画がまたぴったり。「お昼寝宮・お散歩宮」のCDジャケットの刷り込みもあるんだろうけど(これも北見さん)、どことなく谷山浩子風の、毒の入ったメルヘンのよう。「そう。善など悪の上澄みの一すくい。悪の魅力に比べれば、早朝の儚い霧のようなもの。」とにかく私の好きなもの、てんこ盛り。もう、たまりません!
なんとなく、続刊が出てもおかしくなさそうな終わり方。恩田さん、ぜひ続き書いて〜!(04.3.15)
『エースをねらえ!』全10巻セット
山本鈴美香 ISBN: 4834279022 (2003/08)
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今更でお恥ずかしいですが、本当に志の高い漫画です。ほぼ30年前の作品ですが、今読んでも全然古びてない。とにかくネームが素晴らしい。ほぼ全てのページに名言があると言っても過言ではない。そのたびに胸を打たれてしまう。ただのテニス漫画じゃなかったんだ!
これはテニスへの愛、師弟愛、親子の愛などの、さまざまな愛を描いた漫画だったんだ。男女の恋愛にしても、自分の情熱をがむしゃらにぶつけるのでなく、皆、本当に相手を思いやって行動してる。そのなんと清らかで気高いことよ。ひろみのひたむきさ、お蝶夫人の優しさ(もっとヤなヤツかと思ってた、ごめん)、藤堂さんの心の広さ、そして何より宗方コーチの素晴らしさ!あなた人間できすぎ!27歳にして悟りの境地、ってこの重い過去&先のない未来ではそうならざるを得ないのか。ひろみへの助言がもう全部、実に深い言葉ばかり。テニスの教えでありながら、人生の教えでもあるという。登場人物たちの、ひたすらに高みを目指す生き方に、ただただ圧倒されました。全巻は高かったけど、買って&読んで本当によかったです。(04.3.15)