SFセミナー2003レポート その1

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 2003年5月3日(土)、東京・御茶ノ水の全電通労働会館ホールにて、SFセミナー2003が開催されました。当日は晴れてよい天気。11時半にJR御茶ノ水駅で、ださこんな人々と待ち合わせてお昼、12時半過ぎに会場入り。『北野勇作どうぶつ図鑑その3 かえる』『その4 ねこ』が先行販売されてました。おおっ、「カメリその2」が載ってる〜!

 :以下のレポは、すべて私の手書きメモから起こしたもので、発言をテープにとったりは一切してません。あくまで自分の記憶から書いてますので、確実にこのとおりにしゃべったというわけではありません。まあこんな感じでした、という程度に会場の雰囲気だけ受け取めてくだされば幸いです。


  13:00、井手さんの司会挨拶ののち、1コマ目「SFラジオドラマの世界」スタート。出演は舞台左から門倉純一氏、真銅健嗣氏。門倉氏はNHKの「ラジオSFコーナー」のメインパーソナリティーを勤めるなど、特に「耳で聴くSF」に大変興味のあるお方だそう(牧眞司さんとも古くからのSF仲間だとか)。真銅氏は、NHKラジオドラマのディレクターで、現在第一線でSFラジオドラマを制作なさってるそう。

 始まるや否や、かの有名なオーソン・ウェルズの「宇宙戦争」の放送テープが会場に流れる。門倉さんはプロなだけに非常に流暢な話っぷりで、まるでラジオの公開番組のようでした。

 真銅さんはここ2年ほどで「封神演義」や「妖異金瓶梅」などをラジオドラマ化。ラジオなんて中高年のメディアと思われがちだが、実は意外と中高校生の反響が多いそう。ラジオドラマはなんといってもコストが安い、10万人の軍勢でも、10万光年の宇宙の彼方でもコストは同じ(笑)。特にSF、ホラー、ファンタジーは想像力を膨らませやすいので、ラジオにはうってつけのジャンルだとか。いっぽう、苦手なのはミステリだそうで、たとえばラストの謎解きで、過去にカットバックして説明しても「だからナニ?」ってことになりがちだとか。

 真銅さんの読書歴としては、学生時代に筒井康隆にハマったそうで、非日常的なことが起こる話はとても面白くて好きだったとか。漫画は全然読まなかったそうで、今になって『鉄腕アトム』を読んだりしてるそう。

 門倉さんの「NHKが過去の作品をどのように管理しているのか」との質問に真銅さんが回答。紙面での記録は95%くらいは残っているが、音源としてはここ20年以内で”あるかどうか”という状態だとか。「これはとっておこう(再放送しよう)」というもの以外は、ない可能性も高いとか。そもそも「放送」というだけに「送りっ放し」という感覚で(会場笑)、保存するという意識はあまりなかったそう。当時はテープも高かったし、済んだテープは次の放送に上書きして使っちゃう、という時代だったとか。

 門倉さんは、テープがほとんど残ってないという事実にたいそう残念がっておられました。「SF図書館を作るべきだ」とも発言。本、映像、ラジオなどのメディアを含め、誰が何を持っているかというデータベースを作って管理・保存すべきだ、と。

 会場では、「1985年以降の主なSF関連ラジオドラマ」、「SFラジオドラマの歴史」という印刷物が配布されていたのですが、これを見るとすごいラインナップがずらり。残ってるものだけでもCDとして発売はできないのか?という門倉さんの質問には、著作権の問題があって難しいとのお答え。うーん、売ってたら買うのになあ。残念。 

門倉さんは、ラジオSFコーナーを担当していた時代、放送のあとに不要になったテープを全部自宅に持ち帰って保存しておいたそうです。それをCDに焼いた貴重なものを今回いろいろお持ちくださったそうで、夜企画で少しだけ聴かせていただきました。昼会場では、星新一と野田昌宏がラジオに出演したときのCDをかけてくださいました。おお、星さんてこんな声だったのか!大元帥は変わらないなあ。

 SFラジオドラマは、イマジネーションを喚起する非常に素晴らしいメディアなので、若い人たちにぜひ聴いて欲しい、というコメントで終了。


 14:15、2コマ目「微在汀線の彼方へー飛浩隆インタビュー」。聞き手は鈴木力氏。

鈴木:「長い沈黙ののち、昨年『グラン・ヴァカンス』で見事に復活した飛浩隆氏です」 

飛:「飛です。おかげさまで、今年でデビュー20周年を迎えました(笑)」

鈴木:「『グラン・ヴァカンス』が昨年の国内SFベスト2に選ばれたり、ネットで感想リンク集が作られたりと、リアルもネットも大反響ですが、この大きな反響についてどう思われますか?」

飛:「大変嬉しい。って当たり前か(笑)。最初に塩澤編集長に原稿を送ったときは怖かったですよ。間が10年もありましたから。とても心細かったです。幸い塩澤さんにも読者にも面白いといっていただけて、ホッとしました。ありがとうございます」

鈴木:「10年ぶりに、去年SFマガジンに『グラン・ヴァカンス』関連の短編が2本載って、今年1本載って、と半年ちょっとで合計4本もいきなり新作が読めてしまうというすごいことになりました」

飛:「あれをひとつ書くと、あととからいろいろ書かないと、と。考えてみたらこの1年で、1000枚発表してるんですよ。自分のこととはとても思えない(笑)。でも一生懸命書きました」

鈴木:「でもどうしていきなり10年ぶりに書き始めたんですか?」

飛:「いやずっと書いてますって(笑)。出雲のコンベンションなんかでも、ひとに「なんで書いてくれないんですか」と聞かれたりしてたんですが、「いや書いてます、今200枚目を」とか答えたり(笑)。『グラン・ヴァカンス』は、アメリカンニューウェーブSFのテイストを、仮想現実の形で書こうと思って。20枚で書こうと思って始めたら、いろいろ追加したら収まらなくて、100枚が200枚に、とどんどん長くなってしまって」

鈴木:「最初に浮かんだイメージとかあったんですか?」

飛:「第一章の風景を書こうと思ったんですよ。マンディアルグの小説で『満潮』というのがあって、あの感じで書こうと。それの男女をひっくりかえした形で書いてみました。硝視体のイメージは10年前にあって、でも今になると「これただのデジカメだね」と(笑)。困りました」

鈴木:「モチーフや、話のきっかけはどこから?」

飛:「作品によって変わると思いますが、まあひとつおかずが見つかれば、それにそって書くといいますか」

鈴木:「アニマ・ソラリスで飛さんがインタビューを受けてるんですが、それによると「すべて文字と文章で発想し組み立てます」とあるのですが、映像から言葉が出るのではなく、言葉自体のイメージから発想してるんでしょうか?」

飛:「インタビューのときはそう思ってたんですが、別に一貫してるわけでなく…そうだなあ…(困)。ネットの感想で、「視覚的イメージが喚起される」という評をいただいたのですが、映像からではなくて、もっと別なところに働きかけないとそういう強いイメージは出ないのではないか、と思いますね。皆さんよく「文章が美しい」とおっしゃいますが、落ち着いてよく読んでみてください、実はひどい文章なんです(笑)。綺麗な文章の書き方と褒められるようなものはほとんどないはずです。いつも四苦八苦してるんです。でも綺麗でないのに綺麗なイメージを持っていただけたのであれば、そこが私の頑張りどころだったと思ってください」

鈴木:「文章の手直しはよくされるんですか?」

飛:「推敲はします。読み心地を滑らかにしようとか、ここはわざとしないとか」

鈴木:「わりと耳慣れない漢語が多い気がしますが、あれは意識的に?」

飛:「そうですねー、『グラン〜』書いてるときに漢和辞典を買ったのでその影響かも(笑)。あとマックの変換でいろんな漢語が出てくるので、面白いのをホイホイと使って、あとから漢和辞典で確認しては「うんうん」とうなずいたり(笑)。ってもちろん冗談ですよ(笑)。難しい言葉を使うのは、そこで引っかかりが作ってあるんですよ。エッジをかけてあるというか。普通は漢字のところを無理矢理ひらがなで開いてあるところもわざと。そうやって読み手をコントロールしてるわけです、他の作家さんも皆やってらっしゃると思いますが」

鈴木:「話の構成は書きながら作っていくんですか?」

飛:「結末が最初から見えればラクなんですが(笑)。今は全然見えないですね。あのへんにゴールが見えるけど、果してそこへ向けて打ってちゃんと当たるのか、それともボコッて落ちるのか」

鈴木:「書いてるうちにどんどん凝っていくのですか?」

飛:「感覚としてそういうのはありますね。少しずつ書いては、その書いたものを読み込みながら進んでいくんですよ。すると「おお!オレはここでこんなうまい伏線を張っていたのか!なんてエライんだオレ!」などという発見をしたり(会場笑)。「どっかに付箋落ちてないかなあー」と、自分のそこまで書いた原稿の中からネタを拾ったり」

鈴木:「考えながら書いていくタイプですか?それとも指が勝手に動くタイプ?」

飛:「えっ、指が勝手に動く!?そんな人、ホントにいるの!?私がそうだったら10年もかからないですよ!(笑)考えて書いてます」

鈴木:「デビュー前から書いてらしたんですか?」

飛:「えーと、どんな作家でもそうだと思いますが、書いてたからデビューできたんですね(笑)。暴露しますと、実は子供の頃、近所でも有名な変わった子で。というのは、学校の帰り道とか、両手を振り回しつつ口で効果音を発しながら歩いていたらしいんですね。どうも父がアニメ映画に連れてった翌日からだとかで、おそらく自分の脳内映像に効果音をつけていたのではないかと(笑)。あとは小学校の頃、壁新聞に小説書いたりしてました」

鈴木:「中学・高校時代は?」

飛:「書いてませんでした」

鈴木:「本格デビューは、「異本・猿の手」でしたか」

飛:「大学SF研で小説書いてました。82年に三省堂の賞に投稿したり」

鈴木:「どうして三省堂?ハヤカワコンテストではないんですね?」

飛:「おそらく、100枚も書けなかったんでは。三省堂は30枚でしたから」

鈴木:「読書歴をお伺いしたいのですが。SFを読み始めたのはいつからですか?」

飛:「中学の頃、図書室に筒井康隆の『SF入門』があって、それに載ってた本をぽつぽつ追っかけたりしてましたね。星新一、筒井、小松あたりを中心に読んでました。高校のときに『追憶売ります』が月刊プレイボーイのレビューで紹介されてて、買って読みました。内藤陳さんだったのかな、あの頃はエンターテイメントのレビューはほとんどなくて。で、これで転んでしまった(笑)」

鈴木:「スターウォーズの影響は?」

飛:「映画としての興味で見てましたね。SFということでなく。そういえばスターログの1〜3号を持ってて、出雲のコンベンションで賭けの景品にしてたんですが、ずっと無敗だったんですけど3年目で取り上げられてしまいました」

鈴木:「先ほど裏で打ち合わせしてた時に、「仮面の忍者赤影」がルーツだとお聞きしたんですが」

飛:「そういうこともネタとして振っておこうかと(笑)。すごく印象に残ってるのは、赤影のキンメキョウ(?このあたり、筆者に知識がなくて不明)のエピソードですね。クグツジンナイ(?)という忍者がいて、人の顔を盗むんですよ。これが強烈で。「顔って、ビジュアルにペーストしてコピーできるものなんだ!」と(笑)。あとは自分の体を紙吹雪にして、風に飛ばして遠くに移動する忍術とか。ドットにして転送するわけですね(このあたりから飛氏の独壇場^^)。私はどうも「溶ける」系に弱いらしくて、仮面ライダーなんかも怪人がやられたあとに溶けて消滅するのが好きでした」

鈴木:「『夜と泥の』にも赤影の影響があったんですか?」

飛:「そのように読んでいただいてもかまいません(笑)」

鈴木:「話は飛びますが、出雲のコンベンションに関わるようになったのは?」

飛:「島根に有名な作家がふたりいまして、そのひとりに、「コンベンションをやりたい」というモチベーションが強くありまして。「せめてコンパにしましょう」とさとして、「山陽SFコンパ」というのを開催したんです。大学卒業してすぐの頃、23歳くらいだったでしょうか」

鈴木:「ファン活動などは?」

飛:「この会場の最前列にいらっしゃるような方たちのようなことはとてもとても(笑)。大学在学中に作った同人誌くらいですね」

鈴木:「また話は飛びますが、とある記事で、飛さんが「文章のほうもテクノロジーをあげなければいけないのではないか」とおっしゃっているのを読んだのですが」

飛:「硝視体を使って構築したネットワーク、というのは映画のテクノロジーの向上にあわせて自分が工夫して書いたとこです」

鈴木:「野尻抱介の『太陽の簒奪者』はとても評価の高い作品ですが、あれを「文章がうまい」と褒めているのは飛さんだけなんですが、言葉とSFについてお聞かせいただけますか」

飛:「『太陽〜』はすごく文章うまいですよ。あれを短いとか物足りないとかいう感想をよく聞きますが、最上のすまし汁を「これはけんちん汁じゃない」といってるようなもんですよ。言葉じゃないものを書こうとしてるのが「文・芸」です。私が文にする前に書こうとしてるのが、自分が今この世界のここにいる「おり心地」、居心地や存在し心地なんです。これはそれぞれみんな違うと思う。そして、私は私の「おり心地」を持っているわけなんですね。『グラン・〜』で、人間は情報を代謝する動物であると書いたんですが、とにかく私は「おり心地」について何か書きたい、それがモチーフというかモチベーションがあって、だからSFしか書けない。そういったことを書くにあたって、SFはすごくいいんですね。他のメディアと比較しても、文章で書くというのは自分に向いてると思います。それでお金が戴けるものとして、「文・芸」であろう、と」

鈴木:「飛さんの場合、言葉が起動してドライブするんでしょうか、それとも言葉でないものを言葉にしようとしてるんでしょうか?言葉って2種類あって、言葉が勝手にドライブしていくのと、言葉にならないものを無理矢理言葉に落とし込んでいくのとあると思うんですが。飛さんは後者かな、と思うんですが」

飛:「言葉が主なオブジェではないですね。世界と自分の擦れ合ったところに生まれてくるものとして書いていくんです。それをどういうふうに面白く書けるか、言葉をチョイスして書いていくんです」

鈴木:「『グラン〜』のあとがきに「ただ、清新であること、残酷であること、美しくあることだけは心がけたつもりだ。飛にとってSFとはそのような文芸だからである。」とありますが」

飛:「あれは目を惹こうと思って書いたの(笑)。つまりは電卓好きでないほうのSF読みの方々のために、と。別に、机の上にこの3つの言葉を半紙に墨で書いて貼ってたわけではありません(笑)」

鈴木:「第2部はどのくらいまで書けました?」

飛:「書いてますよ。でも今また仕事がちょっと忙しくなってしまって、でも書いてます!」

鈴木:「実は、次は学園モノとお聞きしてびっくりしてるんですが(会場、どよめき)」

飛:「塩澤さんをびっくりさせようと思って(笑)。女子高生の超能力SFバトルです(会場、どよめき)。私は『グラン〜』をシリーズと言った覚えは1度もなくて、例えていうなら映画の「プリティ・ウーマン」と「プリティ・プリンセス」と「プリティ・ブライド」が話ぜんぜん違うけど20世紀フォックスが「三部作」と言ってるんだからあれは三部作だ、みたいな(会場、笑)。昭和50年代の高校生が舞台です。なぜその時代にしたかというと、つまりは自分が高校生だった頃だから、取材しなくてすむかなと(笑)。CDはまだなくて、スターウォーズもまだだったのかな」

鈴木:「昔の角川映画みたいですね」

飛:「もうちょっと前の学園ジュブナイルって感じですか。でもどんどん変わってきてます。まあ、仮想空間の区界のひとつなんで、なんでもアリなんですよ(笑)。できるだけ、読者の予想をうっちゃろうというのが目的ですね。前と全然違ったものをお出ししようと」

 このあと、会場からの質問コーナー。『グラン・ヴァカンス』のあとがきにあった、ごみ焼却炉の掃除の謎が解けましたがヒミツ(笑)。とにかく飛さんのお答えが実にふるっていて、会場は爆笑の渦でした。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 飛さんのユーモアのセンスが冴える、とても面白いインタビューでした。話のかわし方、受け方が絶妙で、インタビュアーの鈴木氏がたじたじとなったり、カクッとコケたりする様がなんとも(笑)。次回の学園モノ、期待しております!

 このあと、会場で『グラン・ヴァカンス』サイン会。私もサインをいただきました。ありがとうございます。


  15:45、3コマ目「SFの海・レムの海ースタニスワフ・レムを語ろう」。出演は舞台右から巽孝之氏、翻訳家の芝田さん、国書刊行会の島田和俊氏、司会の野田令子さん。

 まずは6月公開予定の映画「ソラリス」の予告編が上映される。うーん、原作読んでないからわかんないけど、こういう話なのか?レムのコメントによると、ご本人は気に入ってないらしいですが(笑)。

 芝田さんによると、レムは日本ではハードSF作家という評価だが、本国ポーランドでは国民的作家で、3冊ほどが学校の課題図書に指定されており、それが毎年学生用に廉価版として、装丁を変えて大量に発売されるんだとか。現在もレム全集全40冊(!)が刊行中とのことで、現物を見せていただきました。箱入りの立派な装丁。とにかく現在進行形で読まれており、本屋では棚1本分が全部レムで、新刊本屋だけでなく古本屋にもいっぱい並んでるそうな。

 ウケたのは、先日出たというレムの新刊。昔、彼が甥っ子に書き取りの練習をさせるために、自分で物語を創作して口述筆記をやらせていたノートが出てきたとか。これが「水たまりに死体が落ちていた」などというとんでもない話で(笑)、ミステリ仕立てで子供の気をひくように面白く、なおかつつづりが難しい単語をちりばめながら書かれているとか。

 あとは巽氏が、米国での彼の評価についてコメント。これが実に爆笑モノ。「レム事件」というそうで、アメリカSF作家協会に彼を名誉会員で迎えようとしたところ、レムがどこかでアメリカSFを痛烈に批判してたのが発覚。アメリカのほうでは激怒して、名誉会員を剥奪して普通の(会費を払う)会員としてなら迎え入れるとかなんとか。これにも大反対がおきて、でもレムはそんなのに入る気もなく。ここでなんとディックがレム批判の手紙を、超意外な方面に送ったことが明かされ、会場大爆笑。ディック、おかしすぎ!やっぱ狂ってる!(笑)

 それにしてもなぜいきなり「レム・コレクション」が今、国書刊行会から?という問いには、編集の島田氏が「自分が好きだったから」というコメントだけでしたかしら。ちょっとうろ覚え。なんにせよ、第1回配本の「ソラリス」は読んでみないと。野田さんも「皆様この機会に、ぜひぜひレムを読んで下さい!!」と強く訴えておられました。


 17:00、4コマ目「SFをBuchiのめせ!−出渕裕参上」。聞き手は牧眞司氏。 

 おふたりは昔からのご友人だそうで、和やかな雰囲気で楽しいトークでした。「ラーゼフォン」、私は映画もテレビも見てないのでアレなんですが、巽孝之氏から、”これは出渕版「美亜へ贈る真珠」ではないか”というご指摘があったとか。出渕氏ご本人は「たんぽぽ娘」を意識していたそう。そして「ラーゼフォン」を撮り終わったあと、ジェニファー・ジョーンズ主演の『ジェニーの肖像」をビデオで久しぶりに観て、「ああ! これは無意識に刷りこまれていたんだな」と驚いたということです。ふむふむ、だいたい想像がつきますね。ていうかすごく面白そうじゃないですか!つまりは時間テーマにラブストーリーを絡めたSF、ということですね。

 牧さんが面白いと思ったのは、「ラーゼフォン」はさらに、観測問題(量子論のヤツですね)と恋愛が分かちがたく結びついているところだとか。こんなの、グレッグ・イーガンだってやってないぞ、と。

 ラーゼフォン制作の裏話など、いろいろと楽しいお話が聞けましたが、なにせ筆者の知識がないので割愛。すみません。

(以下、まだ続きます。間違いなどのツッコミがあればお知らせくだされば幸いです。 03.5.7 安田ママ)