正直、陰陽師だとか良くわからん人?が斬られてもなかなか死ななかったり、果ては蘇ったりする殺陣に“もう新感線はいいかな。。。”なんて飽き気味だった昨今、逆転満塁ホームラン!これ今年一番の出来じゃないですか?(まだ2月だけど)
歌舞伎を見たければ歌舞伎座に行けばいい訳だし、いのうえ歌舞伎と銘打つものが
イマイチわからなかった、模索中の感があった前作までに比べて明らかに光明が射す道が見えた気が。
まず史実を調るにつけ、青木さんの脚本が秀逸。
エピソードとして見せる事で当時の土佐の事情や時代背景が予備知識が無くても難なく理解できるし、一人ひとりの人物描写が丁寧でキャラが立ってる。
演出も新感線のフォーメーション美を生かしつつ、回り舞台や映像を駆使してまるで映画やテレビを見ているようにスピーディーに話しに入り込める。
そして何と言っても特筆すべきは俳優陣でしょ!
今までの以蔵像を根本から覆して余りある、岡田以蔵は本当にこういう人だったんじゃないか?と唯一無二のIZO像を創り上げた森田剛!
ものすごく事も無げにやっているのでどんだけ大変かがわかりずらいけど、
猛烈に動いた後でも全然ぜーぜーしない持久力、膨大な台詞量、土佐弁、そういった努力はもちろん。何かこう持って生まれた努力ではどうにも身につかない何かを持っている。
人斬りテロリストが愛おしく、後半のボロボロの姿の方がカッコイイ!と思わせるのは
森田くんが元々持っている「何か」が大きいように思う。
自称演劇通・新感線通みたいな人が一生懸命汚点を探そう(もしくは池鉄や山圭をもち上げて)ジャニーズというだけでコキ下ろそうと必死で、この「何か」に気がつかないのを見るにつけ。。。「まっことアホじゃのう〜」と思うぜよ。
これは悲劇ではない。
確かに哀しい話ではあるけれど、これから最も屈辱的な方法で処刑されるというのに、IZOの後姿に清々しささえ感じる。
はたしてIZOさんが侍を辞めてみっちゃんと平穏無事に生きていたら幸せだったか?
生き抜いて世の中に侍がいなくなる様を傍観していたら幸せだったか?
それに遠い昔の島国の話でもない。
信じるもの(天)の為に殺戮を繰り返すのは今も世界のどこかでくりかえされているのだし。
大阪の盆は回らないんですよね?
いのうえさんの演出がまたどのように昇華するのか楽しみです。
って観に行けないので、ヤスオウさんレポートよろしくお願いします。
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