目 次  二十四節気と太陽黄経 月相カレンダー / 明け六つ暮れ六つ 計算 月の呼び名と月齢 今月の朔弦望と潮の満ち引きの仕組み メコンの旧正月とインドのホーリー祭 月の錯視

月の軌道 
 
   月が約27.32日かけて通る天球上の道を白道 ( moon's path ) という。
  地球の公転軌道面に対して月の公転軌道(平均傾斜角)は約5度 ( 5度7分47.41秒 ) 傾いており、白道も黄道に対して
  約5度傾いている。この傾きがあることで日食、月食が起る。月の交点 (node)は、黄道を南から北へ横切るのを昇交点、
  北から南へ横切るのを降交点という。白道と黄道との交点が黄道上を一周する歳差の周期は、約18.6年である。
  月は自転周期と公転周期が同じ ( 約27.32日 ) ため、地球に同じ面を向け続けている。( 自転と公転の同期 )
  
  
  
   地球は太陽を回り、月はその地球を回っている。( 月と地球は、双方の重心を結ぶ直線上の共通重心を中心として
  回転運動をしている。この共通重心は、地球の内部にあるため、地球重心を中心として回っているように見える。)
  地球から見ると、太陽も月も太陽系の惑星も星座の貼り付いた、地球を中心とした天球を動いているように見える。
  太陽系内の天体の位置を現すのに用いられるのが黄道座標 ( 地心黄道座標 ) で黄緯と黄経で現す。
  黄道北極、黄道南極は天の北極南極とは傾いている。地球は太陽の回りを1年かけて一周するが、この傾きがあることで
  季節がある。また地球からみると太陽が1年かけて天球を一周するようにみえる。
  地球を回る月の軌道は、楕円軌道であり地球の重心から最も離れた地点を"遠地点"、最も近い地点を"近地点"という。
  近地点 ( Perigee ) 362,570 km / 225,291 miles (0.0024 AU)
  遠地点 ( Apogee ) 405,410 km / 251,910 miles (0.0027 AU)
  公転周期 ( orbital period ) 27日7時間43.1分 / 27.321582日
  近点月 ( anomalistic month ) 平均27.554 5505 / 27日13時18分33.16秒
  

 月の黄緯と黄経 月の天球上の位置
 
  天球上の太陽の通り道である黄道は、地球の公転面の天球上への投影である。黄緯は黄道を0度、黄道に平行な方向を
 +−90度で表す。黄緯+90度の位置を黄道北極、黄緯-90度の位置を黄道南極とする。
 黄経は黄道と直角に交わり、春分点を0度として、太陽の黄道上の見かけの運動方向と同じ方向に向かい360度まで数える。
 夏至点は黄経90度、秋分点は黄経180度、冬至点は黄経270度である。
 地球の歳差運動によって春分点の位置は黄道上を移動しており、黄経の値は変化していく。
 
 
 
  月齢 月相 黄緯 黄経 計算
 
 
 
月齢 : 月相 :
距離 : 倍 ( 地球半径 )  平均距離 : 60.27倍
 黄緯 : 度 (β)
 黄経 : 度 (λ)  サイン:
 
 
 New moon(新月)>>> Waxing crescent moon(新月から上弦)>>> First quarter moon(上弦)>>>
 Waxing gibbous moon(上弦から満月)>>> Full moon(満月)>>>Waning gibbous moon(満月から下弦)>>>
 Third (last) quarter moon(下弦)>>> Waning crescent moon(下弦から新月)>>> Dark moon(新月)
 
 月との距離は、月の軌道が楕円なので楕円軌道には近点と遠点(Perigee and Apogee)がある。
 近づいたり遠ざかったりしている。この件は任意の日の月相を調べる (月の遠地点と近地点)に書いた。
 さらに月は少しづつ地球から遠ざかっている。 / 遠ざかる月 - Google 検索 / 
 
 サインは黄径が決まれば自動的に決まるのでご愛嬌である。
 地球は1年かけて太陽を回るので、サインは1年で一巡するが、月は 1朔望月 で地球を回るので1朔望月で 一巡する。
 1朔望月の周期はおよそ29.27日から29.83日である。これを平均した平均朔望月は約29.530 6日である。
 さらに徐々に(100年あたり0.000 004 13日)短くなっている。
 
 
 
 
 黄道座標 ecliptic coordinate
 
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  黄道座標は、惑星や月など太陽系内の天体の軌道や位置を表す際に使われる。
 座標の原点を太陽の中心にしたものを日心黄道座標、地球の中心にしたものを地心黄道座標と言う。
 黄道は、地球からみた太陽の天の通り道。地球の地軸は、公転面に対して66.5度、公転面の垂線に
 対しては23度26分傾いている。このために黄道は天の赤道に対して23度26分傾いている。
 天の赤道と黄道は2点で交わるが、この点をそれぞれ春分点、秋分点と言う。
 
 (β)は、黄緯 ( ecliptic latitude ) 。(λ)は、黄経 ( ecliptic longitude )。
 (ε)は、黄道傾斜角 、約23度26分とされるが、地球の。歳差と章動という基準軸の変動で年々値が変わる。
 平均春分点が黄経0゜黄緯0゜。夏至が黄経90゜、秋分が黄経180゜、冬至が黄経270゜。
 15度きざみで黄道を24分割したのが、24節気。12分割したのが、黄道12宮。
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 月までの距離 
 
  地球中心から月の中心までの距離は近地点で約35万6400km、遠地点で約40万6700km。
 平均距離は38万4,403km、地球の赤道半径 ( 6 378 137 m ) の約 60.27倍。
 近地点は3232.606日 ( 8.85年 ) で月軌道を公転と同じ方向に移動している。
 月が近地点から近地点へ戻るまでの周期(近点月)は27.554550日。公転周期27.32日より長い。
 月の公転速度も近地点では遅く、遠地点では速くなる。
 また、月は平均して毎年3.8cmの速さで地球から遠ざかっている。
 
 ファイル: 月面の地名(表)3 tsukino-omote3.jpg
  Size:96KB width:750px height:750px Mime Type :jpg     拡大して見る
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 月の軌道
 平均公転半径 ( Semi-major axis ) 384,400 km
 近地点距離 ( Distance at perigee ) 363,304km
 遠地点距離 ( Distance at apogee ) 405,495km
 平均距離 ( Mean distance ) 385000 km
 離心率 ( Mean eccentricity ) 0.0548799
 平均軌道速度 ( Mean Orbital speed ) 1.022 km/s
 軌道傾斜角 ( Mean inclination of orbit to ecliptic )   5.1454 度
 恒星月 ( sidereal month ) 27.32166155日 ( 27日7時間43分11.51秒 )
 朔望月 ( synodic month ) 29.53058886日 ( 29日12時間44分3秒 )
 分点月 ( tropical month ) 27.321582日 ( 27日07時間43分04.66秒 )
 近点月 ( anomalistic month ) 27.554550日 ( 27日13時18分33.16秒 )
 交点月 ( draconic (nodical) month )  27.212220815日 ( 27日5時間5分35.81秒 )  
 
 【離心率】 軌道離心率 は、天体の軌道の形がどれだけ円から離れているかを表す値。
 【恒星月】月が地球を回る公転周期。
 【朔望月】月の満ち欠けの周期。29.27日から29.83日の幅がありこの平均を平均朔望月と呼ぶ。
 【分点月】白道上の月が、黄経が 0゜から一周して再び 0゜になるまでの時間。
 【近点月】月が公転軌道上の地球に最も近い点 ( 近地点 ) から一周して再び近地点に戻るまでの期間。
 【交点月】月が軌道上の昇交点から、一周して再び昇交点に戻るまでの時間。
 【恒星年】(sidereal year)太陽が天球を一周する時間。すなわち、地球が太陽の周りを1周する時間(地球の公転周期)。
 【太陽年】(solar year, tropical year)太陽が黄経が 0゜から一周して再び 0゜になるまでの時間。(春分回帰年)
  平均太陽年(回帰年)は時点によって異なる。
  春分点(黄経 0度、昇交点) は、地球の歳差運動で約2万5800年の周期で黄道上を移動している。
  月の近地点は約8.85年(対恒星近点順行周期)の周期で月軌道を移動している。
  月の交点は、歳差により黄道上を18.5996年の周期で移動している。
  
 
 
 
 
 
 太陽を回る月の軌道  shape of the moons orbit around the sun
 
  月は地球を周回しているが、太陽から見たらどういう軌道になっているのか、
 こういうテーマの記事をWeb上で見つけたが、様々な相反する意見が 飛び交っていた。
 螺旋である。螺旋ではない。12角形ないし13角形様の曲線である(???)。十二弁の花紋状である。(図解まで載っている)
 外国のサイトも同様の状態であった。(2012年12月2日現在)
 月の軌跡 - 物理学 - 教えて!goo / The Moon  / shape of the moons orbit around the sun .google.search
 Does the Moon Orbit the Sun or the Earth? Wired Science  / 
 
 太陽の半径 69万6010 km
 地球の半径 6378 km
 月の半径 1737 km
 太陽を回る地球の軌道半径(軌道長半径)  1億4959万7871 km(=1AU )   
 月が地球を回る軌道半径(平均公転半径)  38万4400 km
 地球の平均軌道速度 (地球の公転速度) 29.78 km/s
 月の平均軌道速度 (月の公転速度) 1.022 km/s
 太陽と地球には圧倒的なスケールの差がある。
 
 月が地球を回っているのではなく、月と地球はその共通重心の回りを回っている。
 月と地球の共通重心は地球の中にあるため、月が地球を回っているように見える。
 同様に地球と太陽も、その共通重心の回りを回っている。共通重心はほぼ太陽の中心にあるため
 地球が太陽を回っているように見える。
 Q&A: 自転公転の速さ - Q&A - 月を知ろう - 月探査情報ステーション / 
 地球は半径が約1億4959万7870kmの円を約365.2424日(平均太陽年)で一周する。
 平均朔望月は、約29.530 6日、この一周の間に約12.3685回、月は地球を回る。
 
 Orbit of the Moon - Wikipedia
 
 
 
 一朔望月に於ける地球と月の軌道と月相
 
 
 
 
 
 
 「かぐや」が撮影した月面から見た地球の出。
 Who's Orbiting the Moon? - NASA Science 
 Credit: Japan's Kaguya lunar orbiter © JAXA / NHK
 月から見れば、地球も太陽も月を中心にして回っている。すべての運動は相対的であり選択した座標系に依存する。
 
 
 
 以上は、静止した太陽を中心に惑星が公転する太陽系のモデルだが、太陽もまた銀河の中心にある巨大なブラックホールを
 中心に時速7万キロ、約2億2600万年の周期で公転している。太陽系の公転を説明した映像がYouTube で出ている。
 
 The Helical Model − vortex solar system animation DjSadhu.com / 
 
 星々の測量からわかる天の川銀河の全体像 astroarts /  太陽系 - Wiki / 宇宙空間での速度(銀河系) -wiki / 
 国立天文台によると、太陽は 、約10万光年の直径を持つ"天の川銀河 "の中心から2万6100光年に位置しており
 約2000億個の恒星の中の一つである。銀河系の年齢は現在、約129億年と見積もられている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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