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  テル アブ フレイラ (シリア) 狩猟採集から農業への転換 

     テル アブ フレイラ( Tell Abu Hureyra ) は、シリアのユーフラテス上流にある先史時代の遺跡。
    この遺跡では、13,000 年から 9,000 年前の間の、放棄されていた時期を挟んで住居跡などが発掘された。
    前期アブ フレイラは、旧石器時代で、狩猟採集民の村であった。
    後期アブ フレイラ は、新石器時代で、ライ麦を栽培した跡があり、人類最古の農業の痕跡とされてきた。
    
    しかし農業の発祥を さらに1万年遡るとする発表があった。1989 年にガリラヤ湖の水位が大きく下がったときに
    発見された後期旧石器時代の水没遺跡オハロ II (Ohalo II)で約2万3000年前に植物の試験栽培が始まったとする
    研究成果が、2015 年、テルアビブ大学、ハーバード大学、バルイラン大学、ハイファ大学の研究者の共同研究で、
    発表された。 / Ohalo II -wiki / First evidence of farming in Mideast 23,000 years ago | ScienceDaily / 
    農業の歴史 - Wiki / Farming Had an Earlier Start, a Study Says - The New York Times 
    
     従来のテル アブ フレイラ農業発祥説では
    後期氷河期に、テル アブ フレイラ一帯は気候の大変動を経験している。 / ヤンガードリアス - Wiki
    河の水位が変わり、植生が変わり、獲物となる動物が激減した。環境の変化に適応できず
    多くの動植物が死滅した。この気候の大変動が、狩猟採集から農業への転換点になったとされる。
     テル アブ フレイラ遺跡からは、メルトグラス、ナノダイヤモンド、微小球体、木炭、および高濃度のイリジウム、
    プラチナ、ニッケル、コバルトなどが検出されており、これらは前期アブ フレイラを破壊した天体衝突に
    よるものであるとする論文が2012年頃から発表されている。
    アブ フレイラ は、現在ではユーフラテス川に建設された巨大ダム(タブカ・ダム)によりアサド湖に水没している。
    Tell_Abu_Hureyra -wiki /  テル・アブ・フレイラ -wiki /  肥沃な三日月地帯 -wiki /  レバント -wiki / 
    アル・タブカ・ダム Tabqa Dam -wiki / 
    
    
  テル アブ フレイラ  
    
 35.866,38.4 -google map/ 
    
   狩猟採集民は、おそらくヤンガードリアス期(1,000年以上続いた激しく突然の氷河気候状態への回帰)の影響か、
   もしかすると天体衝突のせいで、アブ・フレイラを放棄した。
   既存の食料源が破壊され、 住民は、ユーフラテス川の対岸、北東50kmのムレイベットに移住したと思われる。
   ムレイベット( muraybaṭ ) は、シリア北部、ラッカ県のユーフラテス川西岸に位置する遺跡。
   この遺跡は 1964 年から 1974 年にかけて発掘され、その後アサド湖の増水のため消失した。
   アブ・フレイラの発掘調査で農業の証拠が検出されたのはヤンガードリアス期の初期のことであったが、穀物自体は
   まだ野生種であった。ヤンガードリアス期の何世紀にもわたる乾燥寒冷の期間に、ムレイベットのような避難先で
   穀物の栽培品種が開発された。紀元前 9500 年頃に気候が和らぐと、この新しいバイオテクノロジーは中東全土に広がり、
   アブ フレイラは数千人が住む大きな村に成長した。安定した食料源を確保するために大規模な農地拡大と羊やヤギの
   家畜化が行われた。また、マメ科植物を栽培することで土壌の肥沃度が向上した。
   この大規模農業が原因と思われる、住民の骨の変形、穀物を挽く石臼の石片の混入が原因とみられる歯の磨耗などが
   遺跡から出土した人骨にみられる。  これがテル アブ フレイラ農業発祥説の概要であった。
   2万数千年前といえば、他にも色々話題がある。
   北米最古の足跡が見つかる、2万年超前、従来説覆す発見 | ナショナル ジオグラフィック / 
   人類の北米定住は2万3000年前? 足跡発見、通説覆す -AFPBB News / 
   2万数千年前に、シベリアと北海道の交流があった! | 夢ナビ講義  / 
   2万3千年前の赤 日本最古の着色ビーズ、洞遺跡で発見 :朝日新聞デジタル / 
   現代でも新たな発見があり、通説が覆されていく。
    
    
  アブ フレイラで出土した穀物を粉砕するための石。Ashmolean Museum.(アシュモレアン博物館)
    
  wikimedia commons / Tell Abu Hureyra -fr.wiki 
    
    
  オハロ II (Ohalo II)  
    
    
    ガリラヤ湖 (Sea of Galilee)。海抜マイナス215m ~ 209 m。これは地球上で最も標高が低い淡水湖である。
    また、イエスの布教活動のほとんどがガリラヤ湖周辺で行われたことで知られる。
    ガリラヤ湖 -wiki / 
    
    
    農業の起源
     世界最古と言っても、この西アジアが唯一の起源地というわけではない。
    氷河時代が間氷期に入り気候が穏やかになった時期に、東アジア、東南アジアでも穀物栽培が始まっていた。
    氷河時代の年表 -wiki /  Category:氷河時代 -wiki /  学術ニュース&トピックス20130808 |東京大学大気海洋研究所 / 
    これまでの気候の移り変わり(第五版) | 大阪府立大学  / 氷河期のタイムライン : 最新の百科事典 
    長江流域における世界最古の稲作農業-日本水土総合研究所 /  農耕・牧畜 -世界史用語解説 / 
    農業の起源と新石器革命: 経済学的視点【pdf】 成城大学- / 
    牧畜の世界への普及、最初期から多彩だった 同位体分析で解明 | Science Portal  / 
    農業起源の考古学―農耕牧畜はどのように始まり、世界に広まっていったか? | 名古屋大学大学院 地球史学講座 / 
    農業の起源 農業が始まった動機【pdf】信州大学 / 
    
  新石器革命 における農業のおおよその起源と先史時代の広がり  
    
  Centres of origin and spread of agriculture-wikimedia commons / 
    
    肥沃な三日月地帯 (11,000 年前)、 長江と黄河流域 (9,000 年前)、およびニューギニア高地 (9,000 ~ 6,000 年前)
    メキシコ中央部(5,000~4,000年前)、 南アメリカ北部(5,000年~4,000年前)、  
    サハラ以南のアフリカ(5,000年~4,000年前、正確な場所は不明)、 北米東部(4,000年~3,000年前)。
    History of agriculture -wiki /  Vavilov center -wiki / 
    
    
  肥沃な三日月地帯  
    
  modified by Fudaraku Voice 2023/12/25 / source : wikimedia commons
    
    
    
  ナトゥーフ文化  
    
modified by Fudaraku Voice 2024/1/19 / source : File:NatufianSpread.svg -wikimedia commons
    現在のイスラエル、パレスチナ、ヨルダンにわたるナトゥーフ地域と、レバノンとシリアに伸びるレバントの地図
    ナトゥーフ文化は、約15000年から 11500年前に レバントの後期旧石器時代 、西アジアの新石器時代から先史時代に
    存在し、定住または半定住の生活を維持していた。テル・アブ・フレイラはこのナトゥーフ文化圏に属する。
    ナトゥーフ文化 -wiki /  Natufian culture -wiki / 
    
    








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