奴隷船
年末最後の成田発のエアランカ、およそ12時間途中乗り継ぎありのフライトを終え、ドーニと呼ばれるボートに乗り込み、真っ暗闇の中その島へ着いた。
現地時間では、11時くらいだったとおもう、疲れ切った中、ドーニからボートへ招かれた。オーストラリアのヘイマン島ではボートの中でチェックインを済ますときいていたので、この島にもそんな気の利いたサービスがあるのかと少し頭を傾げながら、ボートに移った。
「英語はわかるか?」という相手の問いに少しだけと答えてふむふむ話を聞く、と、もう一組の夫婦の奥さんが(この島へ同じボートへ乗ってきたのはこの夫婦と我々夫婦4人のみ)怒りだした。「え?どうしたんですか?」ぼーっと適当に聞いていて状況を理解できていなかった。「オーバーブッキングで部屋がないから、このボートに2日間泊まれっていってるの。」「え゛〜っ?」(きいてないよ〜・・・古い)島流しの話は聞いていたし、オーバーブッキングについても、ほかの島へ移らされるということはきいていたが、まさか、ボートに泊まれとは。。
どんなボートかみてみなくてはわからないから、とりあえず、案内される、といっても泊まれという部屋?は、船底の傾斜に沿って作られた、寝台列車の寝台の1/2程の広さのベッドに人一人たっていられる程度のスペースとやはり一人たっていられる程のシャワー?プラストイレ?のついたエンジンのにおいと、汗と体臭のしみついた穴蔵だった。
もちろん、ただ黙っていた訳ではない、拒否したし、受付から旅行会社の他島にいる駐在員に電話をかけたり、喧嘩腰に文句を言ったり、努力はした。。。が、この夜はここに泊まるしかないことになった。。
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 (左は、穴蔵の中、右は穴蔵へはいろうと、めいっぱいドアを開くが一人通れる程にしか開かない。ベッドにぶつかってしまうから。)
(トイレは、アメリカ映画の監獄に備えつけてあるような丸い便座もないような便器が船底の斜面に沿って張り付いている、その斜面の底にひとが一人たって入れるほどの空間、床には板が水を通すように梯子状にはってあり、シャワーとおぼしきホースがある。石鹸、歯磨き、コップはもちろんなく、ぼろぼろの雑巾のようなバスタオルが各一枚あるのみ)。
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