■彦根・代理戦争篇■

2000年 8月17日(木)

お盆休み直前、急遽、職場の人の代理で彦根の工事現場への出張が決まりました。
右も左も分からないまま簡単な図面や資料だけ手渡されて当日を迎えましたが、タダで転ぶわけはありません。
なんとか業務もこなしたら、あとは、こっちのもの、おまんら!ナメたらあかんぜよ!(意味不明)
・・・とワケの分からないまま、偶然見かけたローカル線に乗り込む筆者なのでありました。^^;;)

道標
−みちしるべ−

駅名 発着時間 列車番号 コメント
新横浜 06:48 ひかり141
(141A)
眠い目をこすりながら始発電車で新横浜駅に向かいます。^^;;)
米原 08:50 同上 久々に300系ちゃんに乗車し、しばし熟睡します。^^;;)
彦根某所 09:15 タクシー 猛暑と集中豪雨に見舞われながら、彦根、栗東の工事現場に立ち会います。^^;;)
米原 15:20 自動車 現場の人に駅まで送迎して頂き、恒例の(?)自由時間のはじまりです。(バキドカ)
近江鉄道
米原駅
15:40 近江鉄道 JR米原駅の目と鼻の先に今回の舞台となる近江鉄道の米原駅があります。
八日市 16:47 同上 ここから貴生川を向かう列車に乗り換えます。
貴生川 17:33? 米原からの運賃を精算し、改札を出て、JR側の窓口で寝台急行・銀河ちゃんの急行券を購入します。
貴生川 17:51 信楽高原鐵道にも乗りたかったのですが、時間もお小遣いも有りません。我慢、ガマン!^^;;)
八日市 18:42 彦根城も見れない事が確定した以上、近江鉄道全線完全乗車を目指す覚悟を決めました。
近江八幡 18:59 あっという間に終点・近江八幡駅です。改札を出ずに折り返します。
高宮 19:47 ひなびた駅舎と古めかしい電気機関車に見とれシャッターを押す手が止まりません。(笑)
多賀大社前 20:24 運転手さんに確認したところ、高宮〜多賀大社前 間の運賃を払いました。
高宮 20:28 往路も復路も乗客は私だけ!貸し切り状態です。^^;;)
近江鉄道
彦根
20:37 駅員(駅長?)さんに交渉して、きっぷに無効印を押して頂き、記念にもらっちゃいました。^^)
JR彦根 22:30 4722M びわこライナー(485系)ちゃんで米原に向かいます。
米原 22:35 同上 時間があったので、さまざまな在来線を撮影します。
米原 23:52 102 いつもホームから眺めていた寝台急行・銀河ちゃんにはじめて乗り込みます。おっはー(笑)
横浜 翌07:24 同上 05:21 茅ヶ崎付近での事故の為、約40分遅れての到着です。

【 583系を改造した419系ちゃんです。 】 【 パン型電車と言われるゆえんですね。 】 【 かわった編成ですね。】 【 113系原型です。】
金沢行きの普通列車です。(419系ちゃん) 左の車両と同じ型式ですがまるで別物ですね。 485系・びわこライナーです。 デカ目113系
花博バージョンです。


乗る

  1. 近江鉄道グループ 近江鉄道ちゃん

    米原〜貴生川(きぶがわ)/八日市(ようかいち)〜近江八幡/高宮〜多賀大社前の3路線、総延長59.5Kmからなる私鉄です。

    タクシーで工事現場に向かう途中、色も形も編成も様々な車両が時折、国道8号線沿いから見えましたが
    どれも、かつて見かけた様な懐かしい車両ばかりなので今回乗車する事にしました。^^)

    【 木造の米原駅舎です。 】 【 西武鉄道の車両ですね。】 【 運転席です。】 【 まるで博物館です。】
    まさか長丁場の旅になろうとは。^^;;) さあ、出発です。 この先に何が有るのか
    ワクワクします。
    かつての西武鉄道の名優が勢揃いです。

    仕事帰り現場の人に米原駅まで送って頂き、階段をあがると、待合室の大きな古めかしい手書きの路線図に圧倒されてしまいました。
    待合室から少し下ったホームに目を向けると木造の屋根を縫う様に3両編成の列車が滑り込んだので改札を抜け、乗り込む事にします。
    米原駅での乗客は私を入れてわずか5名、車内はガラガラですが、扉もガラガラと閉まり、小さな旅の幕開けです。^^;;)

    【 高宮駅で撮影? 】 【 運転席です。】 【 快速用車両です。 】
    小さい頃にこれで西武球場に行った記憶が・・・ 東海道新幹線の脇をガチャコンと走ります。 モハ700系ちゃんです。(八日市駅にて)

    鳥居本、彦根と列車は過ぎ、彦根口駅、高宮駅辺り(?)で、懐かしい電車や電気機関車ちゃんズが勢揃いしています。^^)
    どれも西武鉄道ゆかりの車両ばかりが集まっています。
    遠い昔、遠足で埼玉の狭山湖(人工ダム)や所沢の西武球場などに向かう時に利用した車両が目白押しで気分はタラちゃんでしゅ〜(笑)
    列車は、尼子、豊郷、愛知川(えちがわ)、五箇荘と東海道新幹線に沿って直進しますが、台車が左右にガチャコンと揺れます。
    タラちゃんな乗客と列車は、やがて八日市駅に到着、連絡通路を渡り、貴生川(きぶがわ)行きのモハ220系(223号)ちゃんに乗り換えます。

    モハ220系ちゃんは、冷房化向上を目的に平成3年10月〜平成8年3月までに220号〜226号の計7台投入されたオリジナル車両です。
    尚、空調設備は、元・西武鉄道の401系ちゃんをJR東海道線経由で輸送し、そこから移植するなど大変な手間がかかっているそうです。

    【 八日市駅で乗り換えます。 】 【 人気の無い駅です。 】 【 また別の車両に乗ります。えへへ 】 【 車内は扇風機しかありません。 】
    八日市駅からモハ220系に乗り換えます。 田圃の中に技術の稲穂が(笑) 真打ち、非冷房車の登場です。^^;;) 扇風機が
    暑さを一刀両断です。

    永谷野〜大学前〜京セラ前〜桜川〜朝日大塚〜朝日野〜日野〜水口松尾〜水口〜水口石橋〜水口城南〜貴生川とまずは1路線を
    サクっと制覇し、「よっしゃ〜タマとったぜ〜姐さん〜!」と肩で風を切りながら一度、改札を出てJR駅舎に向かいます。
    奥のホームでは信楽高原鉄道ちゃんの車両が停車しておりましたが、時間もお小遣いも気力も無いので、今回は断念。(;_;)
    JRの窓口で銀河ちゃんの急行券・寝台券の購入のみにとどめ、再び、近江鉄道の改札をくぐります。^^;;)

    先程のモハ220系ちゃんで、八日市まで戻り、今度は近江八幡に向かうべく3番線ホームに入線したオレンジ色のにくいヤツに入ります。
    丁か?半か? 非冷房車両に当たりました!ラッキー!(笑)

    平成11年8月の時点で全線の冷房化率が75%、更に平成13年度の夏には100%を予定している中、貴重な存在になりつつあります。
    車内では、扇風機が全力稼働していますが、陽も落ちつつあったので、さほど暑くはありません。^^)
    ホームを出て、右にカーブし、新八日市〜太郎防宮前(たろぼうぐうまえ)〜市辺(いちのべ)〜平田〜武佐(むさ)〜近江八幡に辿り着き
    2つ目の路線を乗りつぶしました。

    【 太郎防宮前駅です。 】 【 近江八幡駅です。 】 【 時の流れを忘れてしまいます。 】 【 年代物の電気機関車です。 】 【 時の流れを忘れてしまいます。 】
    近年
    改名した模様です。
    2路線乗りつぶしました。
    (近江八幡駅)
    沿線の駅舎はどれも趣が有ります。 ED313ちゃんです。(たぶん) 最後の路線に乗ります。
    (昼間撮影した画像です。)

    残る本丸を制覇すべく、折り返し彦根行きとなった列車に、そのまま乗り続け、高宮まで戻ります。
    辺りは暗くなり、通勤・通学帰りの乗客がかなり増えた為に撮影を控えましたが、沿線の駅舎はどれも風雪に耐えた時の重みを感じます。
    え?雪?と思われるかも知れませんが、この辺は日本海まで大きな山脈も無く、実際に冬は雪が多いそうです。
    余談ですが阪神高速の彦根インターチェンジには除雪車などの積雪対策の車両にも力を入れ、一昨年の関東での記録的な大雪の
    際には、除雪車の少ない首都高速の除雪作業にも協力した事もあるそうです。

    この日、早朝からの起床の為、睡魔が襲い、危うく遭難しそうになるのをこらえると、なんとか高宮駅に到着しました。ふう〜 ^^;;)
    ふとホームの壁に眼を向けると木製の駅名標がお出迎えしてくれます。別のホームに渡ろうと線路に降りると
    電気機関車ED313ちゃんが優しい瞳で筆者を見守っています。ラブ〜!(笑)

    関東大震災のあった大正12年(1923年) 芝浦製作所(現・東芝?)、石川島造船所(現・石川島播磨重工?)にて5両製造され
    伊那電気鉄道(現・JR飯田線)にデキ1〜5として配備されましたが、昭和27年(1952年)国鉄(現・JR)に買収されたのを機に
    ED311〜ED315ちゃんと改称、間もなく昭和30年(1955年)から昭和32年(1957年)にかけてED313、ED315、ED314の順で廃車
    そのまま近江鉄道に払い下げられました。
    ED311、ED312ちゃんは昭和30年に西武鉄道に譲渡され、その後昭和35年(1960年)に近江鉄道に再譲渡され、全車が集結したのです。
    尚、ED313ちゃんは、武佐〜近江八幡の間を東洋カーボンの貨物牽引機として、新八日市〜近江八幡の間を一般貨物牽引機として
    運用され、昭和61年10月まで活躍していました。現在は定期貨物運行の任を解かれ、工事用車両として余命を全うしています。
    その他にもED14ちゃん(ED141〜ED144)、ED4001(元・東武鉄道ED10101)ちゃん、ロコ1101(元・阪和電気鉄道/現・JR阪和線)
    を所有しており、旅客だけでなく貨物車両の宝庫でもあり、目が離せません。^^;;)

    【 車両全てのドアが開いています。 】 【 遂に全線完乗しました。 】 【 さあ戻りましょう! 】 【 何故か おいちゃん によく声を掛けられます。 】
    全開バリバリだぜい!(扉が・・・) 運転手さんの休憩所
    になっています。
    次は多賀大社に行きたいですね。^^;;) 類は友を呼ぶ?
    (彦根駅にて)

    後ろ髪をひかれる想いで、多賀大社方面のホームに移動すると2両編成の車両には休憩中の運転手さんしかいません。^^;;)
    しかも、こちらも冷房が無い為、ホームと反対側の扉も全て開き、扇風機が大活躍しています。
    発車まで、時間が有るので車内や駅舎やED313を大量に撮影しますがストロボの光量不足で鮮明な画像が少なくて泣きそうになりました。
    放心状態で座席で休んでいると左右全ての扉が閉まり、わずか1駅・多賀大社前に向けて出発進行です。
    時既に遅く、辺りは漆黒の闇で何も見えないうちに終点です。運転手さんに貴生川〜彦根間の乗車券しか持っていない事を告げ
    高宮〜多賀大社前間の乗り越し料金(\160-×2=1往復分)を支払い精算します。(ホントは片道料金で良かったみたいですけどね。^^;)
    多賀大社前駅でも改札を出ずに駅構内の撮影だけ行い、いよいよ彦根に戻ります。
    彦根駅でも時刻表や駅舎の撮影をしていると

    「写真の勉強をしているのかね? 時刻表を眺める酔っぱらい という題材はどうかね? 構図はまかせるから。」

    ・・・と、見知らぬおいちゃんに声をかけられたので、関西おそるべしと感心しつつ、とりあえず撮ってみたのが右上の写真です。(笑)
    彦根駅の改札できっぷを記念に頂くべく無効印を押して頂き、夜の駅前に繰り出しましたが
    数時間後、さきほどのおいちゃんと以下同文になっていたのは、485系・びわこライナーちゃんだけが知っています。(笑)

  2. 寝台急行・銀河ちゃん

    東京〜大阪間を疾走する9両+電源車(カニ)1両の計10両編成の寝台急行です。
    大阪側からカニ+1号車(A寝台)+2〜9号車(B寝台)となっており、6、9号車のみが喫煙車両です。
    寝台特急=ブルートレインと同じ客車なのに急行扱いなので、料金が安いのが嬉しいですね。(急行料金\1,200-+寝台券\6,300-)
    今回は5号車3番下段(オハ25 74)を確保し、乗り込みます。
    JR西日本の車両なのでシートの布地も
    富士ちゃんのソニックの生地と違いオリジナルに近い状態です。
    彦根駅前の呑み屋で少し多めにおちゃけをたしなんだので、シオシオ状態です。さっそく寝ます。おやすみなさーい。(^ー^)

    【 待ちこがれた急行・銀河ちゃんです。】 【 初期の25系客車です。】 【 B寝台です。 】 【 朝です。(沼津付近?) 】
    酔い潰れて危うく乗り損ねるところでした。 B寝台・電動式ベッドです。 おやすみなさい。^^) 年寄りの朝は早い。作戦行動開始です。(笑)

    翌朝、沼津付近で目が覚め、暫く、駿河湾を眺めているうちにエンジンが ぽえぽえ と始動したので、いよいよ車内散策を開始します。
    B寝台の客車をいくつか眺めているうちに座席番号が16番までのものと17番まである車両がある事に気づきました。
    特に17番の座席は、向かい合わせの座席はなく、壁際で機密性が高いので、女性の一人旅にお薦めです。^^)

    【 A寝台に潜入します。 】 【 ブルマン式のA寝台です。】 【 キレイなA寝台の洗面台です。】 【 A寝台しか無い洋式便所です。】 【 なんと更衣室もあるんです。】
    開放式のA寝台です。 進行方向と同じ向きに寝台が配置されています。 A寝台の洗面台は
    豪華です。
    洋式トイレは
    A寝台だけです。
    女性も安心!
    更衣室付きです。

    一度、先頭の9号車まで突き進み、EF65 1107ちゃんを眺めたら敵は本能寺に有りぃ〜!とばかりに1号車・A寝台に転進します。
    早速、1号車の扉の前に来ると、あれ? 扉がB寝台と違い、車両中央部に配置されています。
    開けてビックリ、富士ちゃんの様な個室ではなく、中央通路を挟んで左右に寝台が並び、ベッドが進行方向に向いています。
    さすがA寝台、幅が広くゆったりとしています。更に空席に目を向けると白いサンダルがビニール袋に綺麗に包装されています。
    更にずずいと電源車側に足を運ぶと豪華な洗面台に、飲料用の水タンクに、列車唯一の洋式トイレと格の違いを見せつけます。
    これで黄門ちゃまと助さんがいればカンペキだなあ〜とため息をつきつつ5号車に戻ります。

    列車は茅ヶ崎手前まで順調に進撃しておりましたが、05:21に発生した辻堂〜茅ヶ崎間での事故により、茅ヶ崎駅にて緊急停車
    横浜には約40分遅れで到着、更に東京乗り入れを取りやめ品川・臨時ホームを終着駅に変更し上京物語に幕を下ろしたのでありました。


 参考資料:近江鉄道ホームページ

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