第3日目
9月11日(土)。曇りのち雨。 7時45分起床。 8時から活動開始。 夕べは「北の国から」のモデルになった「麓郷」にあるパーキングエリアに車を停めて寝ていた。 ここは、3年前には、全く携帯電話が使えなかったのだが、 今回は、携帯のインジケーターが3本とも立っている。 すごいねえ。時代は着々と進んでいるねえ。 あ、そーだ。 ボクの北海道の旅が、何故に「修行の旅」か言っておかねば。 「AD物語」のどこかに書いたと思うが、 ボクは北海道では「旅館」に泊まらないのである。  だってー、旅館に泊まるとお金かかるじゃないですか。  旅館のメリットって、布団と温泉ぐらいなもんでしょ?  旅館の冷めたご飯食べるくらいなら、市場とかでカニとかウニ食べた方がうまいし・・・・。  それに「北海道」には300〜500円で温泉使わせてくれるところたくさんあるし・・・。  寝るところさえ確保できれば、旅館に泊まることないじゃん。  そう、ボクにとって「北海道」とは、冒険の場所なんです。
 <AD物語第壱部「命の洗濯を」より抜粋>
人間、命ギリギリのせめぎ合いの瞬間に、「生きてる〜!」って実感がわくものだ。 故にボクは、北海道では旅館に泊まらないことにしている。 さて、今日はどこに行こう・・・。 お腹すいたな。 まずは、90キロ先の帯広に向かおう。 ここには、名物の「豚丼」がある。 おっと、その前に、新富良野プリンスホテルによって、 トイレを借りなきゃ。 ボクは我がままだから、トイレがきれいじゃないと、 落ち着かないのさ。 11時15分。 帯広着。 駅のすぐそばの豚丼屋さんに入る・・・と。 11時開店のはずなのに、もうお店の中は、満員状態だ。 必然的に相席となる。 一緒になったのは、 男2人、女1人、子供2人の5人のグループ。 最初は、旅行者かなと思ったのだが、どうも様子がおかしい。 あれ、ビールで乾杯らしいぞ。 こんな昼間っから。 「アニキ、お疲れっした。」 「おう。ありがとな。」 「乾杯。」 「乾杯。」 「きゅー。」 「きゅー。」 「うまいっすね。」 「おう、4年半ぶりだぜ。」 「俺も2年半入ってたことがありますから、分ります、分ります。」 「いやー、うめえな。」 ・・・なんの会話だよ? いや、問いかけるまでもなく、 「ムショ」からの「出所」についてのお話である。 うーむ。 本当にこんな映画のような会話が交わされるのだなあ。 おいおい、こんな落ち着いてる場合じゃないんだって。 「木更津の方の様子はどうだい。」 「いや、もう、ダメっす。」 「なにが?」 「なんか、若いチャラチャラした兄ちゃんたちが街をしきってて。」 「なんじゃそりゃ。だらしないのお。」 「申しわけ無いっす。」 「ワシが出てきたからにゃ、そんな奴等にゃ、でかい面させんぜ。」 「まったくです。ところで幕張と市原なんですが・・・。」 おいおい、なんで、俺の知ってる場所の名前がポンポン出てくるんだよ。 ここ、千葉・・・? で、ふと、隣のおじさんの手を見ると・・・・、 小指がありませんでした!! 「豚丼」を流し込むように食べ、速攻でお店出てきました。 いやー、たまげた。 でもでも、「豚丼」はおいしかった。 お腹いっぱいになったら、今度は、お風呂に入りたい。 時刻は11時40分。 このすぐそばだと・・・、 十勝川温泉がすぐそばだな。 ええと、あったあった。 「かんぽの温泉宿」があるじゃん。 「日帰り入浴OK」じゃないですか。 いやいや、いいですなー。 昼間っから温泉入ってるってのは。 極楽極楽。 その後、上士幌から、留辺蕊(るべしべ)を抜けて、 北見、美幌峠をこえて、今日は、屈斜路湖で寝る予定。 この屈斜路湖畔は、携帯電話が使えないのがちょっと難点。
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