AD物語II 第1話 「ブービートラップ」
さてさて、ボクのホームページ「残酷宣言」の、
一番人気(?)のこの「AD日記」のコーナーも、
「第2部」に突入することになりました。
・・・で、この「第2部」で何をやろーかなーと必死に考えてたところ、
ふいに、ボクの「お守り」にしている「ストップウォッチ」が目にとまりました。
「何故、ストップウォッチがお守りなのか」って?
この「ストップウォッチ」は、ボクがADになったとき、
秋葉原で買ったモノで、ま、言ってみれば、
ボクがADになってから苦楽をともにしてきた仲なんですな。
これが、今は、壊れちゃってて使いモノにならないんですよね。
メーカーに修理に出しても、
「こんな古いの持ってこられても、もう部品無いのよね。」
・・・と冷たくあしらわれちゃって、
もはやおしゃかです。
でもでも、なーんか、捨てられなくって、
「お守り」として大事にとってあるんですな、これが。
ところで・・・、
話はどんどん横道にそれていきますが、
放送局で「ディレクター」としてお仕事をするときの「必需品」ってのがいくつかありまして、
「ハサミ」
「デルマ」
「スプライシングテープ」
「アドレス帳」
「ストップウォッチ」
というのが「5種の神器」といったところでしょうか。
「ハサミ」
「デルマ」
「スプライシングテープ」
この3つは、「テープ編集の3点セット」です。
詳しくは以前お話ししたことがあるので、今回は割愛させていただきます(笑)。
まあ、この3つがないと確実に仕事になりません。
でも、これらを持ち歩かないディレクターさんもいます。
ディレクターとしての自覚がない人か、
テープ編集を若手に任せちゃう人です。
どっちにしてもスチャラカな人です。
「アドレス帳」
各事務所や、レコード会社の担当者の連絡先はもちろん、
タレントさんの自宅の住所や電話番号なんかも書き込んであったりします。
また、よく打ち合わせなんかで使う「食べ物屋さん」の電話番号ももちろん書き込んでありますな。
これが無くなっちゃうと、しばらくお仕事になりません。
アニメガの神田ディレクターは、
アドレス帳を無くしたときが
縁の切れ目
という名言を残されており、
「一度無くした電話番号は、そのまんま。」
・・・だそうです。
スチャラカな人なのかしら。
「ストップウォッチ」
ラジオディレクターの持っているストップウォッチは、
市販のモノとは違い、パネルにテンキーがついていて、
時間計算ができちゃいます。
すごいですねー。
SEIKOの「サウンドプロデューサー」という機種で、
「ストップウォッチ機能」はもちろんのコト、
「時計機能」
「タイマー機能」
「時間計算機能」
・・・と、機能満載です。
この「サウンドプロデューサー」は、1回生産中止になってしまったのですが、
プロダクション「サウンドマン」の「時計Oチガイ」のディレクターさんが、
「復活してくれ〜。」
と、ラブコールを送り続けた結果、
ウルトラ兄弟のごとく、見事に復活したのであります。
ところが、復活後の「サウンドプロデューサー」は、更に機能を増やしちゃったので、
本体が、生産中止になる前のモデルに比べて、倍近くでかくなっちゃいました。
クビからぶら下げてると、
肩が凝っちゃいます。
・・・というわけで、ディレクター仲間では、
「前期型」の「サウンドプロデューサー」は貴重な存在となっています。
さあ、この「5種の神器」の中で、何が一番なくしやすいかというと、
ダントツで「ストップウォッチ」です。
スタジオを開けると、「ストップウォッチ」がほったらかしになってることは、
日常茶飯事です。
ニッポン放送の場合、
「持ち主を一生懸命探してあげよう。」
なんていう奇特な人はまずいません。
名前の書いてないモノは、
みんなのモノ
・・・が、スローガンの会社なので(?)、
「拾われたストップウォッチ」は、その瞬間に、
「拾った人のモノ」にかわってしまいます。
前述したとおり、「前期型」の「サウンドプロデューサー」は、
ガンダムのエルメスのプラモデルと同じくらい
「レア」なアイテムですから、名前を書いておかないと、すぐにもっていかれてしまうのが実状です。
さあ、ここで、話が冒頭に戻ります。
いやー、脇道が長かった。
・・・ということで、ボクが「お守り」にしている「ストップウォッチ」も、
「前期型」の「サウンドプロデューサー」なので、
もちろんボクの名前が彫り込んであるんですが(盗まれないようにね)、
それ以外に、ボクがこれまでに「AD」を担当してきた、
「オールナイトニッポン」の歴代のパーソナリティの名前が刻んであるんですな。
その様は、まるで「耳無し芳一」(放送禁止用語)です。
ざっと、その名前を紹介してみますと、
「デーモン小暮」
「大槻ケンヂ」
「FUSEのTAKU」
「平松愛理」
「セピアンローゼス」
「さくらももこ」
「加藤いづみ」
「橘いずみ」
「久保こーじ」
「柿島伸次」
「松村邦洋」
「中居正広(SMAP)」
「山本シュウ」
「ぜんじろう」
「佐伯進とCHACK」
「つんく(シャ乱Q)」
なーんて感じです。結構やってるんですね。
ちなみにこれは、その番組が「終了」になると、
そのパーソナリティ名を彫り込むことにしてるので、
現在担当している「福山雅治」と「イマヤス(スキップカウズ)」の名前は、
まだ彫り込まれてません。
また、レギュラーパーソナリティの名前のみ彫り込んでいるので、
先日の「岩男潤子のオールナイトニッポン」のような、
「単発モノ」のパーソナリティの名前も彫り込まれてません。
さて、ここまできて、賢い方はすでに気づかれたと思いますが、
この「AD物語」の「第2部」は、しばらくの間、
僕が「AD」を担当した「歴代オールナイトニッポン」の話を、
書いていきたいと思います。
ああ、短絡的な企画!
(注)
この「AD物語/2部」のサブタイトルは、僕の好きなアニメ、
「超時空要塞マクロス」の各話の「サブタイトル」をそのまま使っています。
とゆーわけで「話の内容」と「サブタイトル」は全く関係ありません。
あしからず
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