AD物語II 第2話 「カウントダウン」



〜デーモン小暮のオールナイトニッポンの想い出〜
 すでに、数話にわたって書いてることですが、  ボクが「AD」になったのは、  「デーモン小暮のオールナイトニッポン(以下、ANN)」の  ハガキ職人として名前を覚えてもらい、  いつの間にかスタジオに遊びに行くようになったからなんですね。  そんなわけで、やっぱり、一番思い入れがあるのもこの番組です。  さて、今回は、このボクをニッポン放送にスタッフとして迎え入れてくれた、  デーモン小暮のANN・4代目ディレクター「Nさん」のお話です。  例によって、本人の許可を取らずにこの話を書いてしまうので、  ご当人からのお叱りがあった場合、すみやかに、今回の話は、 「削除」あるいは「改訂版」  ・・・となってしまうので、今これを読んでいるあなたは幸福者です。
 大学時代「ラグビー部」でならした「Nさん」は、  硬派な人なのです。  「スキー」などというナンパな(本人談)、  ちゃらちゃらしたスポーツ(本人談)は、  大嫌いなわけです。  しかし、大学生は冬になると「スキー」に行ってしまう生き物です。  「Nさん」も友人に誘われて渋々「スキー」についていくことになってしまいました。  ところが・・・・、さすが「硬派」な「Nさん」。  「スキー場」についても、宿を一歩も出ることなく、  昼間っから、酒を飲んでいたそうです。  なんせ、  「スキー」などというナンパな(本人談)、  ちゃらちゃらしたスポーツ(本人談)は、  大嫌いなんですから・・・。  夕方になり、友人達が宿に戻ってくると、  そこにはすっかりできあがった「Nさん」がいたのです。  「Nさん」は「硬派」であると同時に、  ものすごく「サービス精神」にあふれた人です。  夜になって始まった宴会を盛り上げないわけにはいきません。  「Nさん」は、やおら立ち上がり、窓を開けると、  そこにぶら下がっていたつららをむんずとつかみます。    「つらら」といっても、  熊谷真美のことじゃありません(by『北の国から』)。    「Nさん」は軽やかにズボンを脱ぐと、  その手にした「つらら」をケツの穴につっこむ、 「いそぎんちゃく」  ・・・という非常に爽快な一発芸を披露したそうです。  翌朝、酔いがさめ、トイレに向かう「Nさん」。  「やけにケツがいて〜な〜。」  ・・・などと思いつつ、ウOコをし終わり、  お尻を拭いたトイレットペーパーは、  鮮血で、真っ赤に染まっていたそうです。  おー痛て、おー痛て。
 「哲学科」だった「Nさん」は正義の人です。  「哲学」と「正義」がどう結びつくかって?  そんなの勝手に考えて下さい。  とにかく「Nさん」は「正義の人」です。  大学時代、友人達と飲んでいた「Nさん」。  事件は、その帰り道で起きました。  命知らずなチンピラが、「Nさん」にインネンをふっかけたのです。  「Nさん」は「正義の人」ですが、  やけに気の小さいところもある人です。  インネンをふっかけられた「Nさん」は、  恐怖のあまり、チンピラを、持っていた傘で、  めった刺しにしてしまったそうです。  そのまま、無我夢中で逃げ、  気づくと地下鉄に乗っていた「Nさん」。  まわりからの視線がやけに痛いので、  ふと自分の服を見ると・・・・、  チンピラを刺したときの返り血で全身真っ赤だったそうです。  おー痛て、おー痛て。
 「ディレクター」である「Nさん」は、「仕事熱心な人」です。  いいかげんに仕事をする人を許せません。  「デーモン小暮のANN」の打ち合わせで、「クラブ」に行ったスタッフ一同。  「クラブ」っていっても「ダンスミュージック」が流れてる「クラブ」じゃありません。  きれいなお姉さんが横についてくれて、一杯飲む「クラブ」です。  ところが、「Nさん」の横についたお姉さんは、  えらくやる気のない人でした。  「君、趣味は何なの?」  ・・・と、ほろ酔い気分でたずねる「Nさん」に対して、  こともあろうに、そのお姉さんは、投げやりに、 「別にぃ〜、無いわぁ。」  ・・・と、お答えあそばしたのでした。    ぶちぃ。    「Nさん」のこめかみの辺りで、血管の切れる音が、  「クラブ」の店内中に心地よく響きます。  「・・・んだと、コラぁ! 『別にぃ〜』だとお!」  「・・・?」  「こっちゃあ、別にオマエの趣味なんか知りたくねぇんだよ!」  「・・・?」  「でもオマエが『乗馬が趣味です』とか答えたとするだろ?」  「・・・?」  「そうしたら、それがもとで『なんで乗馬やってるの?』とか話が広がるだろーが!」  「・・・?」  「客を楽しませるのが『水商売』だろ〜が!」  「・・・?」  ・・・ここで、「Nさん」の一世一代の名ゼリフ。 「水商売の基礎を教えてやる〜!」  このあと「Nさん」が大暴れしたのはいうまでもありません。
「Nさん」と飲むときは、  細心の注意を払いましょう。  ニッポン放送・出入り業者『鉄の掟』より。
 続く  1997/11/12

戻る