AD物語II 第26話 「メッセンジャー」
〜 ラジオ中毒度チェック 〜
ラジオは非常に中毒性の高いメディアです。
一度このメディアの快楽を味わってしまうと、
ラジオ無しでは生きられない体になってしまい、
シンナー中毒患者や、麻薬中毒患者を治療するよりも、
その治療は困難と言われています。
また、この中毒は、自覚症状が全くないため、
まわりが気づいたときには、すでに手遅れということが多いようです。
これ以上、ラジオ中毒患者を出さないためにも、政府は、
ラジオを作らない、
ラジオを持たない、
ラジオを持ち込ませない。
という非ラジオ三原則を掲げ、
平和主義国家として、広く世界に訴えていく構えです。
夏は人格改造の季節です。長期休暇が終わった後、
脱色やパーマネントで、ヘヤースタイルが変わってしまったお子さんはいませんか?
前歯がとけてしまったお子さんはいませんか?
休み前に比べて、やけに女らしくなってしまったお子さんさんはいませんか?
そして、ラジオ中毒患者になってしまったお子さんはいませんか?
不良化を阻止するためには、一刻も早く手を打たなければいけません。
9月の今、この時期が大事なのです。
心の乱れは生活態度の乱れに如実に現れるものです。
我が子の不良化を防ぐためにも、
ラジオ中毒のサインを見逃すことの無いように、チェックしましょう。
・
CHECK1
夜更かしをしている。
夜いつまでも部屋に電気がついている。
電気をつけたまま寝てしまったのかな?と思っていると、時々、
『ふふふふふふ・・・。』というような、押し殺した笑い声が聞こえてくる。
これらの症状が確認された場合、
「純トロ」の深夜放送を服用している可能性があります。
非常に危険な状態です。
受験勉強の辛さからラジオに逃げてしまい、
いつの間にか中毒になってしまうケースが多いようです。
CHECK2
最近妙な集会に参加している。
休みになると、朝早くからフラリとどこかに出かけ、
夕方頃、疲れた顔をして戻ってくる。
カバンの中を密かにチェックしてみて、
代々木アニメーション学院のチラシや、
ラジオ局の番組表などが入っていた場合、
お子さんは放送局主催の集会に参加していると見て間違いありません。
集会の前には、放送局からお知らせのハガキが届くので、
これらがお子さんの手元に届くのを阻み、
集会参加を事前に阻止するよう心がけたいものです。
CHECK3
年賀状・暑中見舞の時期でもないのに、
ハガキを買ってくる。
郵便局への出入りは不良化の第1歩です。
どこに行くにもハガキを持ち歩くようになっている場合、
ハガキ職人への道にはまっていることが考えられます。
これは重度のラジオ中毒症状。
思いついたネタをすかさずメモる、というような行動を目にしたら、
何はともあれ、やめさせましょう。
CHECK4
最近、電話料金が増えた。
お友達との長電話なら安心です。
しかし、そんな様子もなく、あなたのお家にファクシミリがある場合、
お子さんが夜中に、「ネタ」を書いたFAXを、
放送局に送っているのかもしれません。
朝、ファクシミリや電話機のまわりに、
どうでもいいようなことが書かれた紙が落ちている場合、
非常に危険な状態です。
ファクシミリもないのに、電話代がかさんでいる場合、
それはラジオ中毒ではなく、通信中毒という、別の中毒の可能性が高いので、
こちらにも気をつけてあげてください。
CHECK5
部屋を勝手に掃除したら、キレた。
日記を読んでしまった、ベッドの下のエロ本を捨てた、
机の中のマイルドセブンライトを見つけてしまった。
・・・などの理由以外でお子さんがキレているのは、
あなたが捨ててしまったゴミに原因があるのではないでしょうか?
ゴミに見えたのは、放送局から送られてきた、
大事なノベルティグッズだった可能性があります。
CHECK6
友達と隠語で喋っているのを見た。
「完パケ」「ステブレ」「カウ・キャッチャー」「ヒッチ・ハイク」
「アゴ・アシ・マクラ付き」「白ネット・黒ネット」「NのBGM」
「160ワイド」「ニッポン放送21」「霞受け・新宿受けでOK」
「エアモニ」「赤本」「トヨ天」「銀スタ」「3ロビ」「ごぞんじ」
・・・のような聞き慣れない言葉を使い始めたら、
お子さんが悪の道に足を踏み入れた動かぬ証拠です。
CHECK7
「9」の加算減算がやたら早い。
AMラジオは、「9kHz」ごとに割り当てられています。
1242kHzの隣の局は、1251kHz、そのまたとなりは、1260kHzです。
このため、ラジオ中毒患者は「9」の足し算引き算が早くなるという特徴があります。
ちなみに「10」の足し算引き算がやたらに早い場合、
昭和30年代のラジオ中毒患者の可能性があります。
これは、昔、AM波の割り当てが、「10kHz」ごとだったためです。
CHECK8
「ミズホ」という女の影。
お子さんが「ミズホが・・・」「ミズホの・・・」と、
「ミズホ」という女の名前を口にしていたら、これはマズイです。
それは女の名前などではなく、
ループアンテナを作っている会社「ミズホ」のことだと思って間違いないでしょう。
「ミズホ」社製のループアンテナを用いて、
遠くの放送局を受信し始めたら、もうおしまいです。
お子さんはあなたの手には帰ってきません。
CHECK9
見たことのない女性が巻頭グラビアの雑誌を、
嬉々として買っている。
「おいおい、こいつぁ巻頭グラビア飾っちゃいかんだろ。」
・・・的な人が巻頭を飾ってしまっている雑誌がこの世にはあります。
そんな雑誌をお子さんが定期購読されているのは、
マズイです。非常にマズイです。
ラジオ中毒の中でも、末期症状の「ボールマンV型アニラジ症候群」です。
お子さんは、いつ、あっちの世界に行ってしまってもおかしくない状態です。
・
チェックの結果は?
●チェックが0〜1個の場合
特に心配は必要ありません。
お子さんは健全な道を歩まれています。
ていうか、そーいう人はもう、このホームページに来ないで下さい。
●チェックが2〜4個の場合
やや、あっちの世界に足を踏み入れてしまっています。
完全に中毒患者にならないうちにしかるべき場所に訴え出て、
お子さんをその手に取り戻しましょう。
このあたりで、中毒症状を克服できれば、
お子さんの後の人格形成に、逆にプラスになることも考えられます。
●チェックが5〜6個の場合
かなり中毒症状が進んでしまっています。
もはや、ラジオのない日常生活は考えられなくなっていることでしょう。
「初歩のラジオ」「ラジオの製作」などの雑誌を講読し、
自分でラジオを作り始めたりしたら、医師の相談を受けてください。
●チェックが7〜8個の場合
完全にジャンキーと化しています。
この状態から更正するのは難しいと考えたほうがいいでしょう。
「デジタルチューニング式のラジオでは微妙なチューニングができない」と、
ダイヤル式の、いわゆるアナログチューニング方式にこだわり始めるのがこの時期です。
音のクォリティーにもこだわり始めますので、
有線放送や、スカイパーフェクTVの衛星ラジオの契約をしないよう、
常に監視が必要でしょう。
●チェックがフル装備の場合
あのかわいかったコドモ時代は2度と戻ってきません。
あなたのお子さんはすでにまったく別の人間になってしまったといって良いでしょう。
親として毅然とした態度でのぞみたいものです。
うっかり気を許すと、
「ラジオ付き目覚し時計」「ラジオ付きテレビ」「ラジオ付き懐中電灯」
「ラジオ付き洗濯機」「ラジオ付き冷蔵庫」「ラジオ付きヘアドライヤー」
「ラジオ付きパソコン」「ラジオ付き空気清浄器」「ラジオ付きラジオ」
・・・など、家の中のありとあらゆる電化製品が、
「ラジオ付き」のものに変わっているかもしれません。
「ループアンテナ」と「八木アンテナ」を併用することを教えることも、
親として大切なことではないでしょうか。
<参考文献・「週刊アスキー」特集:あなたのコドモは大丈夫?>
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