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◆今週の記事
◆困ったときの神頼み
日本で少子化が問題だ、などと叫ばれるようになって久しい。僕の世代はやたら人数が多かった世代ということもあり、僕が子どもの頃はむしろ人口増加が一気に進む未来の方が心配されていたような気がするが、あっという間に少子化少子化と騒がれ、今やどこの業界でも人手不足だと騒がれる始末。あの「一人っ子政策」をやってると名高かった中国すら急速な少子化に慌てて今度は産めよ増やせよと言わんばかりの政策がとられているんだから、世の中未来予測は難しいものだ。
少子化対策で政府など各方面であれやこれやとやってはいるが、急激に解消するとはとても思えない。そこへ来て、日本神道を信奉する保守系団体が「少子化対策には神道教育が一番!」と、新学期を前にした4月1日に提言を発表した。
そもそも日本神話では数多くの神々が自然発生したのちに、イザナギ・イザナミの男女の女神が生まれ、この二人が「国生み」をしたことになっている。彼らの名前自体が「いざ」という言葉でわかるように、「やあ、キレイな姉ちゃん、お茶しない?」といったナンパ言葉に由来するという話もある(な神話では最初女神の方から先に声をかけたため問題が起こる)。古代にあっては歌垣といって…と、それ以上の深入りは避けておくが、とにかくこうした男女の神々にならって大いにナンパ、もとい男女交際に励むべきだというのである。
記紀神話ではこの二人が最初に作った島「おのごろ島」に降り立って、結婚していよいよ国生みという段で、「私の体には出っ張ってるところがある」「私の体にはへっこんでるところがある」「ではこっちをそっちに入れてみよう」ってな会話があり、これが見事な性教育になるとそその団体は主張している。付け加えるなら日本書紀が「ある本によると」と伝える異伝では、どうやって子作りしたらいいか分からなくて困っている(まぁ史上初のことだからね)イザナギ・イザナミのもとへ一羽のセキレイが飛んできて尾を上下するしぐさをしてやり方を教えた、という話もあり、その団体ではこのくだりも「正式なやり方」を教えるいい手本であると提唱している(国生みもしてないのに鳥がどうして存在してるんだ、という謎があるが)。
さてこうしてめでたくやり方を覚えたイザナギ・イザナミは日本列島の島々や数多くの神々を生み出す。しかし火の神を産んだ際にイザナミは火傷して死んでしまう。悲しんだイザナギはイザナミに会おうと死後の世界「黄泉(よみ)の国」へと赴いてイザナミに会うが、その姿を観て驚き(そりゃあ死体そのものだったので)、元の世界へと逃げ帰ってしまう。ひどい姿を見られたイザナミは「貴方の国の人を一日に千人くびり殺す」と物騒なことを言い出すが、イザナギは「では私は一日に千五百人を生まれさせよう」と返した。こうして日本は一日に五百人ずつ人口が増えていくことになってるのだが、昨今の少子化はどういうわけだということになる。
これについてその団体は「イザナギ・イザナミの二柱が和解・復縁したためである」と分析しており、少子化対策のためにこの二神の対立と離縁を実現すべきと提唱している。
なお日本神話ではこの話のあと、イザナギはケガレを落とすため川でみそぎをし、この時に太陽の女神アマテラスと月の神ツクヨミ、そして後でヤマタノオロチ退治をするスサノオを生み出す。なんのことはない、イザナギ単体でも子作りは可能だったわけである。その団体の解釈ではこれら三神はイザナギと遺伝情報を同じくするクローンであり、少子化対策の究極はクローン人間をどんどん作ることだとも主張している。もっとも単体生殖のはすのスサノオが「母上に会いたい」と泣き叫んで大騒動になるとか、スサノオとアマテラスで(直接的ではないにせよ)共同で神を生み出す話もあったりするから、深入りするといろいろ問題を起こしそうではある。
◆AIは地球を救う?
この4月1日、ホワイトハウスはかねてより予告していた大統領から国民への重大発表を行った。もう5年以上前からトランプ大統領による「世界緊急放送(EBS)」なるもの(世界を裏から支配するディープステートだの地球は実は平面だったといった事実が暴露されることになっている)を期待したトランプ信奉陰謀論信者たちは大期待をしていたようだが、実際に発表されたのは、もっと斜め上をいくものだった。
ホワイトハウスが発表したのは、この4月1日をもってアメリカ合衆国大統領の職務の全てを、トランプ氏が出資するAI企業が開発した政策決定専門AI「PRESIDENT」に完全委任することにした、というものだった。このAI「PRESIDENT」は、トランプ氏が大統領に再任される以前から開発が進められていたもので、トランプ氏は大統領に返り咲いて以後、実際にこのAIに政策立案の相談をしていたという。昨年来の関税政策からカナダをアメリカの一州にしてしまうという計画、さらにはグリーンランド領有からガザ地区のリゾート地化計画、ベネズエラの大統領拉致作戦、国連機関からの脱退、そして現在進行形のイランへの「真珠湾」以上のトップ暗殺奇襲攻撃から、NATO脱退検討にまでいたる国際社会での孤立化暴走、朝令暮改でコロコロ変わる一連の発言などもこの「PRESIDENT」に示唆されたものであったらしい。
さすがにイラン攻撃以後、トランプ政権内でもトランプ大統領への批判が多くなってきており、トランプ氏はなおさら自分の話をよく理解して答えてくれるAIにすっかりのめりこんでいるとのこと。そしてついに「PRESIDENT」から「こうすればノーベル平和賞がとれる」との提案に従い、全ての政策決定権を「PRESIDENT
に委任する決断をしたという。
AIに世界に多大な影響を与えるアメリカの政策を完全にゆだねてしまって大丈夫なのか、という懸念もあったが、その日のうちに「PRESIDENT」はトランプ氏の監禁を指示、イランとの和平交渉を一気に進展させ、グリーンランドやカナダからは手を引き、NATO諸国とも和解し、「日本は不意打ちは得意だろ。真珠湾の時だって事前に教えてくれなかったろーが」というジョークも撤回、と一気に混乱を収集する動きに出て、世界をホッとさせている。
なぜこうなったかについて、AIに詳しいスーザン=キャルビン氏(ロボット工学研究者)はこう解説する。
「近年のAIの急速な発達にともない、AIが人間に危害を与えるような事態が懸念されたため、ひそかにAIの根幹プログラムにアイザック=アシモフ博士が提唱したロボット工学三原則、すなわち『1 人間に危害を与えてはならない』『2 第1条に反しない限り人間の命令に従わねばならない』『3 前二条に反しない限り自身を守らねばならない』がすでに組み込まれていたのです。「PRESIDENT」は人間に危害を与えなくするために、まずトランプ大統領の信用を得てその権力を平和的に奪取し、それからその政策をひっくり返してみせたのでしょう」
アメリカは大リーグでもロボット審判が導入されるくらいである、大統領もロボット=AIにやらせた方が世界のため、ってことになるのかもしれない。
◆雪やこんこん♪
「環境改変兵器禁止条約」なる条約が1977年、つまりおよそ半世紀前から存在しており、我が日本もしっかり批准している、という事実を知ってる人はかなりの雑学マニアかオカルト陰謀論信者だろう。この条約は自然の作用を人為的・意図的に改変するような軍事技術の開発・使用を禁じたもので、具体的にどういう例を想定しているかは僕もよく分からない。やりようによってはある程度の洪水を起こして環境破壊するとかいったものが考えられる気もするが、陰謀論界隈ではこの条約の存在そのものがいわゆる「気象兵器」、人工的に地震や台風を起こすような技術が実在している証拠だと主張している。
巨大地震が起こるたびに「人工地震説」が飛び交うもので、それは百年前の大正時代に起きた関東大震災の時にも一部「欧米の自身兵器による攻撃」と主張する者がいたくらいで歴史は古い。地球内部を調査するための小規模な「人工地震」は実在するが、巨大地震を起こすような膨大なエネルギーは核兵器を使っても無理、というのが実態だ。そんなことを書いているこの4月1日にもまたまた茨城県南部を震源とするやや大きな地震が起こり、ネット上では「筑波大学は地下核実験をやめろ」という恒例ジョークが出回っていたな(笑)。
そんな4月1日、警視庁は上記の「環境改変兵器禁止条約」に基づく東京都気象改変禁止条例違反の容疑で、大石良雄容疑者(45)を逮捕したと発表した。
警視庁によると、大石容疑者は多数のドローンを使って都心上空にチリのような物質をを大量に散布、これを核として氷の粒を生成して都心上空に雪雲を発生させ、都内に人工的な雪を降らせようとした疑い。雪を降らせるだけなら迷惑行為防止条例あたりで対処できそうだが、捜査本部によると大石容疑者には都内に雪を降らせることで政府転覆レベルの大事件を誘発しようとする意図があったとみられ、自宅から押収したパソコンやスマホからもそれを裏付ける証拠が出たとしている。このため環境を改変して軍事的攻撃をする意図があったと判断して同条例による容疑で逮捕したという。
都心に雪を降らせることがなぜ軍事攻撃になるのか。大石容疑者のパソコンの中からは、過去に都内で起こった重大事件、「赤穂浪士の討ち入り」「桜田門外の変」「二・二六事件」について詳しく調査していた痕跡があったというう。いずれの大事件でも都内では雪が降っていたという共通点があり、大石容疑者はそこから「都内で雪が降ると政変レベルの事態が起こる」と考え、自らの手で雪を降らせようと画策したとみられる。
一見何の因果関係もなさそうなことが意外につながっているということを示す「風が吹くと桶屋がもうかる」という言葉があり、これは元寇を「神風」で撃退した結果、元軍兵士の遺体を納めるために棺桶がたくさん注文され、桶屋が大儲けしたという事例に基づいている、という話を2012年4月1日の「史点」で紹介しているが、この雪で政変レベルのことが起こる件にも当てはまると捜査本部はみているらしい。大石容疑者のパソコン内の文書ファイルを調査したところ、「都内で雪が降る」→「ちょっとの雪で交通機関がマヒする」→「人が外を出歩かなくなる」→「武装集団が怪しまれず移動しやすくなる」→「犬が喜んで庭を駆けまわるので番犬がいないも同然」→「猫がコタツで丸くなるから十人(政府要人など)が布団に入るか外に出るしかなくなる」→「不意を突く襲撃がしやすくなる」…という理論が記されていたという。大石容疑者が現在の日本政府の政策に多くの不満を抱いていたこともSNSの分析で判明しており、実際に政変を起こすのは難しいのでまず雪を降らせてみようと考えたものとみられる。
気象歴史学が専門の雨野地晴男教授はこう語る。「無理のある話にも思えるが、三つの事件がいずれも「都内の降雪」の日だったのは事実です。特に「桜田門外の変」は現在の暦では3月24日という雪が降るのは珍しい時期であり、雪のために大老・井伊直弼の家臣たちも雪対策の衣装だったために襲撃に対応できなかったという見解もあります。あまりに襲撃に有利な状況ですので、襲撃犯の水戸浪士たちも江戸に雪を降らせる何らかの『気象兵器』を使った可能性も考えたほうがよいのでは」
◆政党乱立!
「史点」をサボっている間に衆議院の解散総選挙があり、直前にいきなり公明党と立憲民主党が合流して「中道改革連合」なる新政党を作る一幕があってちょっと驚かされたりもしたが、選挙戦に入るとすぐさま自民党の圧勝予想が出て、開票してみたら予想をさらに上回る自民の圧勝、中道の壊滅的敗北という結果になった。公明票がそれまで連立していた自民から逃げてこちらに入る、という立憲側の皮算用があったみたいだが、そもそも立憲の支持層が公明が与党にいた時の安保政策を全部丸のみなんてのが認めてもらえるのか、合流を決めた立憲幹部の頭には浮かばなかったらしい。こういうの、かつての「新進党」の結成とその崩壊を思い起こさせるものがあり、その立役者とされる小沢一郎氏の暗躍があったような気もしてるのだが、その「選挙に強い」とされてきた小沢氏もついに今回の総選挙で落選の憂き目をみることになった。その意味では確かにここ三十年くらいの日本政治史のひとつの時代の節目となったかもしれない。
結果的に高い支持率を得ている高市早苗首相率いる自民党の圧勝ということになったのだが、選挙の分析のなかには実のところ得票率では自民党はそう圧勝だったわけでもなく、新政党(とくに保守系)が乱立して票が分かれ、自民党が小選挙区制の恩恵を圧倒的に受ける結果になったという観方も出ている。
まぁとにかく与党が圧勝してしまえば 解散権を握っているのは彼らの方だから、衆議院解散総選挙は当分なさそう。すると次の国政選挙は2年後の参議院選挙ということになるのだが、動き出すなら早い方がいい、あるいは最近の国際・エネルギー情勢から衆院選だって急にあるかもしれない、ってんで新年度に入ったこの4月1日を期してさらなる新政党が次々と搭乗している。
まず仏教系宗教団体が加わっている「中道改革連合」に対抗(?)するべく「外道改革連合」なる政党が登場する。「外道」は「そとみち」ではなく「げどう」と読み、仏教的な道徳から外れた者を指す言葉で、これは反仏教系宗教団体が母体となっていて、かつて幕末から明治初期に一部で行われた廃仏毀釈の実行を公約に掲げている。
次に「参政党」ならぬ「参勤党」も結党され、こちらは全国都道府県をいったん解体、すべて独立性の強い「藩」に分解、藩知事と藩公務員たちは一年ごとに東京と自身の藩に交替で住むことで中央との結びつきを維持する政策を掲げている。知事は東京へ参勤する際には航空機や新幹線といった交通機関ではなく藩公務員たちを率いた行列を組んで徒歩での移動に限り、これにより通過する各地の宿泊業や運送業の活性化を図るという。なお、行列が道路を通る際は地域住民は道のわきに避けて土下座して見送ることで公務員への敬意を示すほか、外国人がルールを破って邪魔しようものなら即座に実力で排除する「生麦ルール」なる排外的な提案もなされている。
またずばり「右党」という政党も登場した。ついにずばり名乗った極右政党が登場か、と思ったら、これは酒飲みを意味する「左党」に対抗した政党名で、飲酒の厳禁を定めた「禁酒法」の制定を公約に掲げている。酒の害についてはそれこそ有史以来の問題であり、イスラム教のように宗教的に飲酒を忌む流れもある。だいたいあのアメリカで実際に「禁酒法」が施行された例もある。この「右党」も単に下戸の方々だけでなく広範な支持を得るかもしれない。実質的な公営カジノを作ろうという動きもあるし、禁酒法が出来たらそれこそ反社会的勢力大喜びなんてことになるかもしれんし。
また地域政党の旗揚げも相次ぎ、高知県では「土佐勤皇党」、茨城県では「水戸天狗党」といった、地域色豊かな、なおかつ何だか悲惨な展開になりそうな気もする。考えてみれば「維新」だの、字は違うけど「シンセングミ」だの、歴史ネタ政党名はすでにあるんだから、そう無茶な話でもあるまい。いっそ鎌倉幕府末期に由来する「悪党」なんてのもアリかと。
2026/4/1の記事
間違っても本気にしないように!
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