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2021年4月1日

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◆五輪の行方は…

 「2020年のオリンピックは東京!」と決定したとき、大はしゃぎする人たちももちろんいたが、不吉を覚える人もそこそこいた。何が不吉って、2020年東京オリンピックといえば、アニメ「AKIRA」がまさにその直前という時代設定で、劇中で東京(東京湾に新設したネオ東京だけど)は超能力の大爆発で崩壊、まるごと廃墟と化してしまうのである。当然オリンピック開催どころではないと思うんだが…まぁ、「超能力災害に勝利したアピール」とか言って強引に開催するのかもしれませんけどね。

 現実はさすがにアニメのように劇的ではなく、コロナ禍という想定外の天災のせいで延期になったわけだが、それ以外でも東京五輪はまるで呪われたようにいろいろトラブルが続発した。新国立競技場のデザイン変更、ロゴマークの盗作問題、東京誘致への買収活動疑惑、そして近日では女性蔑視失言問題やら会長人選問題やら…なんだか不祥事のオリンピックをやってるんじゃないかと思うほどの有様で、聖火リレー走者が続々辞退しちゃうし、てんで盛り上がっていない。コロナも依然解決できないので外国人客も見送ることになっちゃったし、そもそも今年の開催も無理なんじゃないかと見る人も多い。今年やれなかったらまた来年ってわけにはいかないから、そのまま中止になっちゃうだろう。中止となると東京五輪は1940年以来、80年ぶり二度目の中止ということになるんだが…。もう聖火リレーも始めてしまい、日本政府としては国の威信もかけてなんとしても開催するつもりではあるようだ。

 そして来年、2022年には北京冬季五輪が予定されている。こちらもまた開催を危ぶむ声がある。東京と同様にコロナ収束が見えないからでもあるのだが、昨今の中国は香港やウイグルの人権問題で「西側」諸国の非難を浴びており、ことによっては大量のボイコット国が出るのでは、とまで言われている。中国だけに日本以上にオリンピック開催に国家の威信をかけており、この点非常に神経質になっているという。

 こうした状況のなか、日中両国政府が水面下で極秘に交渉をすすめ、IOCまで巻き込んで意表を突いた奇策を実行しようとしていることが4月1日に両国政府高官筋から明らかにされた。その奇策とは、次のオリンピックを日中合同、夏季も冬季も合同にした一つの大会で開催してしまうというもの。大会名も「東北京オリンピック」と両者を合体させたものとし、夏の競技も冬の競技も東京や北京の周辺に分散して実施することで「密」を避けるという。開会式は東京、閉会式は北京と分担をすることでコストもおさえられるし、聖火も使いまわしにしてギリシャでわざわざもう一度点火儀式をする手間が省けるなど出費をおさえる効果がいろいろと挙げられている。

 IOCにとって重要な収入源であるアメリカのテレビ放送にも配慮し、秋の間はオリンピックの「インターミッション」として大リーグなどアメリカスポーツイベントに配慮できるメリットもある。日本にとっては中国との共同開催で中国人観光客だけは呼び込めるメリットがあり、中国にとっては日本と共同開催ということで人権問題での批判をいくらかかわせる狙いもある。

 日本側が中国の人権問題について欧米諸国と微妙に歩調を合わせていないこと、中国側がパンダのシャンシャンの返還の延長を繰り返していることなど、こうした水面下の動きを反映したのとみられる。ただし全て順調に進んでいるわけでもなく、大会名称を「東北京オリンピック」にするか「北東京オリンピック」にするかでモメているとの情報もあり、予断を許さない。両国とも自国の都市名を前に(縦書きなら上に)出そうとして譲らないというあたりは漢字の国同士らしいところで、いっそのこと南京市や高麗時代に西京と呼ばれていた北朝鮮の平壌も会場にして「東西南北京オリンピック」という、なんだか麻雀大会みたいな名称にする案も出ているという。
 


◆聖書は現代も生きている?

 ただいま絶賛公開中のアニメ「シン・エヴァンゲリオン」。この作品でようやく、四半世紀にわたる「エヴァ」シリーズもきちんと完結することとなった。僕自身は特にこのシリーズのファンというわけでもないが、最初のテレビシリーズ放映終了後に騒ぎになってからレンタルビデオで見始め、一時は結構ハマったもので、2021年ねんてその当時でもSFな感じの年代(そもそも作中年代が2015年だもんね)に完結するとは、それなりに感慨深いものはある。

 今さら説明不要だが、「エヴァ」ワールドは説明されない謎がやたらに散りばめられ、それが見る側の憶測や考察を呼び、それが「エヴァ熱」をあおる大きな原動力となった。特にキリスト教、聖書に由来するネタがかなりあり、そちら方面の知識を深めてしまったファンも多い。

 有名どころで「死海文書」がある。「エヴァ」世界では人類や世界の未来に関わるアイテムとして登場するが、それとは全く無関係に「死海文書」というもの自体は実在している。現在のイスラエル、死海のほとりの洞窟から発見された文書群で、旧約聖書を構成する各種文献のもっとも古いテキストが含まれている。その内容が、実はキリスト教会の公式見解と異なる内容を含んでいるのでは、というオカルトじみた関心も一部で呼んでいて、「死海」という名前の不気味な響きもあって、それが「エヴァ」に名前だけ使われた理由なのだろう。
 ちょうどエヴァ最終作の公開直前に、新たな「死海文書」が発見される、という、なかなかグッドタイミングなニュースがあった。「死海文書」は偽物もよく出回ると聞くので今度のも大丈夫なのか、と心配したが、どうやら本物と認定されたらしい。まぁ「文書」といってもかなり状態は悪くて断片的なものらしいのだが。

 その死海から南に少々下ったエジプト国内に、スエズ運河がある。地中海と紅海を結ぶ大動脈であるが、このスエズ運河を通行していたコンテナ船(船主は愛媛県の会社だった)が座礁、運河をふさいで通行不能にしてしまうという事件が起きた。座礁してしまった巨大なコンテナ船はなかなか動かすことができず、下手するとこのまんま当分スエズ運河は使用不能とまで言われたのだが、3月30日になんとかコンテナ船を離礁させることに成功、思いのほか短時間でスエズ運河は運用再開となったのである。

 急にコンテナ船が動かせた事情については、一部報道でスーパームーンの満潮の水位を利用」といった興味深い話も流れているが、これとは別に漏れてきた情報として、エジプト政府が先日発見された「死海文書」を参考にしたとの話もある。なんのことかと言えば、発見された「死海文書」には旧約聖書の中の「出エジプト記」の内容が含まれており、そこにこれまで知られていなかった紅海を前にモーセが行った行動の記述があったというのだ。

 スエズ運河がこのまま使用不能になってしまうようでは、もはや「神頼み」しかないと考えたエジプト政府は、「死海文書」にあったとおりに紅海を前に杖を振りかざして神に祈ったところ、紅海がいきなり真っ二つに裂け、その勢いで一種の津波が発生、スエズ運河の水位を押し上げてコンテナ船を動かしたというのである。現在エジプトの多数を占めるイスラム教徒の間でもモーセは重要な預言者の一人とされているが、かつてエジプト軍を海に沈めたとされる事象が今度はエジプトを救った、と評判になっているという。

 聖書の記述が現代によみがえったことには驚かされるが、おりしも日本の佐世保市の動物園「森きらら」において、オスと隔離され一匹で暮らしていたシロテテナガザルのメスが突然赤ちゃんを産んで人々を驚かせている。いくつか可能性は論じられつつも他のオスと交尾するのは難しいとされ、「これは神様が2000年ぶりに「処女懐胎」を試みたのでは」と神学者で『サルでもわかるキリスト教』(民明書房刊)の著作もあるサルバドール=ダレ教授は推理する。「真相はまさに神のみぞ知る、ですが、神様としては新たな『神の子』は人間よりサルのほうがアテになるとお考えになったのでは。まぁダレでもよかったということでh」ともダレ教授は語った。



◆まわるまわるよ地球をまわる

 4月1日、国際宇宙ステーション(ISS)に小物体が衝突する事故が発生した。幸い損傷は軽微で、滞在中の宇宙飛行士や設備などに大きなトラブルは起こらなかったが、船外活動で衝突した物体を回収したところ、それが非常に不可解なしろものであることが判明した。
 当初は軌道上に多数ある故障した人工衛星などの「スペースデブリ(宇宙ごみ)」だと思われていたが、回収された物体は、どう見てもミイラ化した人間の形をしていたのである。それもその体を椅子状のものに縛り付けた形になっており、回収したISS滞在者たちも首をかしげているという。

 この謎の回収物について、「もしかしてそれはワン・フーの遺骸ではないか」との声が宇宙開発史研究者の間から上がった。「ワン・フー」とは、1500年ごろ、中国・明の役人であったとされる人物で、「人類史上初の宇宙飛行士」の異名をもつ。20世紀初頭にアメリカ人によって書かれた書籍でこのワン・フーの事跡が紹介されているが、それによるとワン・フーは星の世界へ行こうと決意して椅子に47本の小型ロケットをとりつけ、その椅子に座ってロケットに一斉に点火させた。直後に大爆発が起こり、ワン・フーも椅子も影も形もなくなってしまっていた…という伝説である。

 まぁ普通に考えればワン・フーは空へ飛ぶどころかロケットの大爆発で椅子もろとも木っ端みじんになったものと思われるが、その宇宙を目指して命を投げうった精神が「人類初の宇宙飛行士」として賞賛され、月面裏側のクレーターにもその名がつけられて宇宙開発史上にその名を遺すこととなった。
 だが不思議なことに、この話は中国側には一切記録や伝承が確認されておらず、まさに「フー(だれ)?」という状態。「ワン・フー」という中国名も英語のスペルで表記されているだけで、中国側ではやむなく「万戸」もしくは「万虎」という字をあてている。中国人にとっては名誉なことではあろうが、そもそもその話自体アメリカ人の作り話ではないか、と疑念を抱かれてきたのも確かである。

 今回回収された「椅子に座ったミイラ」はまさしく伝承されたワン・フーの姿そのままで、しかも調べたところ椅子の下部に明代の小型ロケットの残骸もくくりつけられているのが確認された。これは間違いなくワン・フーだ、ということになり、「そこに山があるから」の名言で知られる登山家マロリーの遺体がエベレストで発見された例とよく似た大発見と騒がれている。

 この発見により、ワン・フーは地上で爆死したのではなく、宇宙空間にまで到達していたことも確認された。もちろん彼は宇宙服も着ていなかったから途中で窒息死したはずだが、当初考えられていたよりはずっと「宇宙」に近いところまで飛んでいたことになる。この発見を受けて国際機関でも彼を「人類初の宇宙飛行士」と公式に認める動きも出ており、中国でも遺骸の博物館展示や巨大銅像建築計画が持ち上がっているという。

 また、これまで地球上の生物で初めて宇宙に出たのはソ連が1957年に打ち上げたスプートニク2号に乗った犬であるとされてきたが、ワン・フーはこれをはるかにさかのぼる記録となり、人類のみならず地球生命体としても宇宙に出た最初の存在ということになった。
 ただ残念なのは、遺骸にも椅子にも名前が書かれていなかったため、「ワン・フー」が漢字でどう書くべきなのかは相変わらずわからぬままだ。



◆四月バカよね、おバカさんよね

 いよいよ4月1日である。昨年秋のアメリカ大統領選以来、熱烈なトランプ支持者たちがこうなる、こうなる、と何度も主張しては毎度毎度外し続けていた事態が、ついにこの日に一挙実現、これまで陰謀論信者だの常識欠如だのトンデモさんだのとさんざ嘲笑されてきたトランプ信者たちもやっと留飲を下げることとなっている。

 この4月1日に何が起こったか、一挙に書いてみると…
 まずトランプ氏が大統領の座に返り咲いた。昨年の大統領選挙は彼とその信者たちの主張通り集計機ドミニオンを使った大規模な不正、外国の介入があり、年末以来公表されるされると言われながらいつまで経っても出なかった「証拠」がやっと開示され、バイデン氏やその陣営、オバマ元大統領やクリントン元国務長官ら政治家、大資産家やメディア関係者が大量に逮捕されてグアンタナモ刑務所送りに。なぜかアメリカだけでなくバチカンのローマ教皇や日本政界でも大量逮捕が起こり、これまで世界を裏から牛耳っていた「ディープステート(DS)」の組織は一挙に一掃されたのである。

 またトランプ氏も元の地位、第45代大統領に戻ったのではなく、「アメリカ共和国」の第19代大統領に就任。これはこれまでのアメリカはDSによる支配を受けていたという考え方で、かつてアメリカ大統領の就任式が行われていた3月4日に就任するとの観測が信者の間で広がっていたが、どういうわけかその日は何も起こらず、4月1日にいきなり就任することになった。一部で1月20日のバイデン氏の就任式はセット撮影されたフェイク映像だとか、就任式後も実はアメリカ軍部がワシントンに軍政を敷いてバイデンを傀儡化しているとか、バイデン政権になって対中強硬姿勢が目立ってきたのは実はトランプが背後にいるからだとかいろんな説が飛び交っていた。

 そしてトランプ再登板と同時に、かねてからあると噂されていた「世界緊急放送システム」が動き出し、世界中の放送を乗っ取って一週間から十日間と言われる暴露放送を開始した。この放送では隠されていた過去の事実があらいざらい暴露されるといい、ケネディ暗殺やら911テロの真相やら東日本大震災が人工地震だった話とか、これまで世界がDSに支配されていた事実がみんな暴露されるという。それに伴う混乱で世界で停電や暴動や食料不足が起こるとされ、トランプ信者たちはそれに備えろと呼びかけたりもしていた。

 そして4月1日から「金融リセット」なるものが世界同時に実行され、これまでの金融システムは全てチャラにされ、量子コンピュータを駆使した不正不可能なシステムで運用されるようになる。これと並行して「ネサラ・ゲサラ」と呼ばれる一種の世直しが実施され、世界の富の偏在は解決されて世界のすべての人に一人当たり六億円とも言われる支給金が出され、今後は税金もなくなり仕事をしなくても楽しく生活できるようになるのだそうな。
 このネサラ・ゲサラでは隠匿されていた技術も開放され、フリーエネルギーの利用でエネルギー問題は一挙解決、なんとかベッドとやらで不治の病も全部治るとか、まさに今年から人類社会バラ色状態である。

 かねてからアメリカにおける「Qアノン」の情報発信源とされてきた「Q」の正体で、1999年に飛行機事故死したとされていたジョン=F=ケネディJrも復活、トランプ政権の副大統領に就任した。彼だけではない、マリリン=モンローエルビス=プレスリージョン=レノンマイケル=ジャクソンジェームズ=ディーンブルース=リーダイアナ元妃など死んだと思われていた人々(それも妙に芸能人に偏った)が次々と姿を現すことになっている。なお、僕はこの人名の列挙を、某ベテラン福井県議(議長経験あり)が執筆した文章を参考に書いているが、この人は孫に向けてテレビや新聞を一切見るなと勧め、ネット上だけで情報を得た結果、このような「真相」を得たといい、この手の人にしばしば見られるワクチン陰謀論も唱えている。まぁネットばかり見てるとこういう人になれます、という、お孫さんにもある意味いい見本になったことだろう。

 この県議のような人々はネット上で自分たちを「先に目覚めた者」とか「光の戦士」だとか自称していて、そのスケールは銀河系規模にまで広がっている。銀河規模の光と闇の戦いが何百万年も続いていて、銀河の大半は光側が勝利して銀河連合を形成、どういうわけか地球だけ闇勢力が最後の抵抗をしている設定である。なにやら幻魔大戦じみた話であるが、彼らの話では「プレアデス星人」だの「オリオン連合」だの、不思議なことに地球からみた星座の枠で銀河連合の宇宙人たちが取り扱われている。そして昨年の時点で光が闇に勝利しているとさんざん繰り返しているがなぜか勝利の形が延期を繰り返していた。まぁ何百万年レベルの話だから一年くらいの延期はなんでもないのだろう。
 ここ数日でも彼らの間ではメキシコに数千機のUFO飛来とか、なぜかソニックブームを起こさない超音速飛行物体とか、直径5000kmの円盤が来たとか、4月1日を前にして大変なことになっていた。

 とまぁ、最近見物してきたトランプ信者たちの主張をまとめて記事にしてみたが、こちとらの頭で考える程度の四月バカネタではとうてい太刀打ちできない内容だなぁと感心するばかりで。もはや異世界だか別次元だか並行宇宙だかの住人となってしまった人々なので、当たるとか外れるとかウソかマコトはもう超越しちゃっているのだろう。と、あまり四月バカ記事でなくなってしまったところでオシマイ。
 

2021/4/1の記事
間違っても本気にしないように!

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