電話03-6262-3959 住所:東京都中央区日本橋室町1-9-4 B1F
ランチ11:00〜15:00 (13:30 L.O.)、ディナー18:00〜23:00 (21:00 L.O.)
定休:水曜
2015年11月
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食べたもの
アミューズ1◎鶏の白レバーとポンデケージョ
アミュー2◎白子、ウニ、みかん、みょうが、紫蘇の花、レモンゼリー
前菜1◎ブリ、ダイコン、小カブ、柿、とんぶり
前菜2◎アワビとキノコのカプチーノ
前菜3◎レモンのスフレ、薫製香のムース、ブーダンノワール
魚料理◎甘鯛のうろこ焼き 海老芋、ねぎ・しょうが・ゆずのスープ
肉料理◎蝦夷鹿 腿肉ロースト 鹿のラヴィオリ、和栗とトリュフピュレ
デザート1◎韃靼そば茶とゲランドの塩のブランマンジェ
デザート2◎洋梨のコンポート キャラメルムース
小菓子◎チョコのシュークリーム
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ディナーはお任せが2種類。ラペコース(10000円)とクラシックコース(12000円)
これに税・サーヴィス料(10%)が加わる。今回いただいたのは前者。
詳しくはお店のHPを参照。
狭い入り口から地下に降りていくと、意外なほど広い空間で驚く。センスよくまとめられた店内の奥にある個室風の席でいただく。
アミューズ1は手でつまんで気楽に食べられ、しかも中身もたっぷり詰まった嬉しい小品。その後の料理に期待が高まる。だけどその後が失速気味。
アミューズ2と前菜1は白子、ウニといったインパクトが強い高級食材が使われているのに素材の組み合わせが悪く、みかんや茗荷の味ばかりが目立ってしまっている。和風食材をどのようにフランス料理に昇華させるかが腕の見せどころなのに、合わせて一つの新しい味になるということがなく「ただ使ってみました」で終わっているように思えた。
前菜2はシェフのユーモアのセンスがうかがわれる一品。アワビとキノコは意外なほど色が似ており、同じような形、大きさに切っているので口に入れるまでどっちがどっちなのかわからず、食感の違いで区別するという面白さがあった。
前菜2以下はフランス料理の定番で、実績があるシェフだけに安心していただける。ただ全体として量が少ないのが残念。
メルヴェイユ時代には、密度は濃いけれど小じんまりとまとまった安定した料理、という印象があったが、今回のコースは実験的な料理とクラシックとが混在していて何となく落ち着かない。実験といっても新しい組合わせ的なレヴェルにとどまり、質的な創造性は感じられない。それなら品数を絞り、一皿一皿をもっと充実させ、ヴォリュームを多くしたものの方が私の好み。
独立して今までの殻を割ろうとしている試行錯誤期なのかもしれない。