深名線廃線跡

2004年8月29日作成
訪れた日 2003年11月2〜3日
 

すれ違う車も少ない、無人の原野のような道央から道北にかけての内陸部。人家は殆どなく、日暮れも近くなり、寂しさで心細くなる。とても鉄道が走っていたと思えないようなロケーション。本当に廃線付近を走っているのかと疑いだした。山間部に入り、川も無いのに跨線橋が現れた。立ち止まって橋の底を眺めるが、土砂で埋まり、線路跡など確認できない。・・・と、橋を見ると「鷹泊跨線橋」、そして橋には「深名線」の文字が・・・。

私が深名線に乗ったのは1986年(17年前)。深名線が廃止されたのが、1995年9月3日。8年の歳月は、鉄道があった事すら忘れさせてしまうものなのか。ただ、車で走っていて、17年前の車窓から見た景色を思い出させるものが幾つもあった。それにしても、こんなに寂しい所を走っていたのかと驚いてしまう。やがて車は「幌加内」に到着する。17年前の乗車した時の印象は桃源郷。高原にある別世界の街・・・。しかし、現実は、コンビニも無い寒村だった。ちなみに、朝食も昼食も摂っていない私はひたすらコンビニを探していたが、何時間走っても、そのような商店は見当たらなかった。

翌日、朱鞠内湖や朱鞠内駅跡を訪れた。僅かに道床跡を確認できたが、深名線の全列車が折り返し運転を行っていた朱鞠内駅は跡形もなくなっていた。この駅で下車して朱鞠内湖を見に行ったのだが、想い出の地だけあって、この変貌はちょとショックだった。しかし、駅や線路が朽ち果てて残っているより、潔く何も無くなってしまった今の方が良かったかもしれない。想い出のある場所が朽ちてしまっているのを見たら今以上のショックを受けただろう。

それにしても、この深名線跡を見ていると、ここに鉄道があった事が信じられない無人地帯が続く。私はシーズンオフのカナディアンロッキーを車で巡った事があるが、その時の景色とそっくりだ。道路にシカが現れたりするのもカナダを思い起こさせる。鉄道があった時は集落や、人の営みがあったのだろうか。

参考:現役時代の深名線


川も無いのに橋があった。
読みにくいが「深名線」の文字が読み取れる
この跡地が深名線跡かどうかは判らないが・・・。
シカをよく見かけた
湖畔駅跡 朱鞠内駅があった跡

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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