Intel PentiumIII(600MHz)搭載!
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の紹介

 

PC-9821Xv20/W30 チップセットに440FX(Natoma)を搭載し、Cバスを3スロット、PCIバスを2スロット装備したデスクトップ型PC-98、PC-9821Ra266/W30Rをついに手に入れました!

 それにSlot1(P6バス)のCPU、ES(エンジニアリングサンプル)品Intel PentiumIII(Katmaiコア)と、Windows2000に限りPC-98最強のVGA、GLADIAC 511 PCI(GeForce2MX400搭載)を搭載し、可変周波数発振装置(PLL回路)のJORDAN PLL Rev.01 additionを使用してベースクロックを80MHzにUPさせ、Intel PentiumIII600MHzで動作させている至高の愛機を紹介します!



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「Intel PentiumIII(600MHz)」CPUStatus表

 CPUStatus表示ソフトのWCPUIDを使用すると、ES(エンジニアリングサンプル)品Intel PentiumIII(Katmaiコア)がFSB80.0MHz×7.5=600MHzで動作している事が確認できます。倍率が7.5倍なのはES(エンジニアリングサンプル)品の最大の特徴である可変倍率だからです。可変倍率とは好きな倍率をユーザーが設定(Ra266の場合はジャンパピン)できる夢の様なIntel PentiumIII(Katmaiコア)で、製造目的はPC開発業者向けに出荷された試作品(評価用)のものです。次にFSBが80.0MHzな理由は、標準で搭載している水晶発振子を「JORDAN PLL Rev.01 addition」という可変周波数発振装置(PLL回路)に換装している為です。通常は決められた周波数の水晶発振子(15MHzや16MHz等)を換装するのですが、これだと希望周波数の水晶発振子が手に入らない場合等があり、容易にFSBを変更する事ができません。ところがこの装置を使用すると、希望通りの周波数を発生させる事ができるので大変便利なものです。
 1Lキャッシュ32KB、2Lキャッシュ512KB(ハーフスピード)を搭載し、MMXテクノロジー、SSEをサポートている事も確認できます。これらにより、PC-9821Ra266/W30R(改)のハイパフォーマンスを数値等により確認する事ができます。

 また、搭載しているES(エンジニアリングサンプル)品Intel PentiumIII(Katmaiコア)は600MHz版なので、倍率を上げる、又はFSBを85MHz付近まで上昇させてIntel PentiumIIIの動作周波数をより上げる事が可能(オーバークロックになりますが)なのですが、Katmaiコアは消費電流が高い為、標準搭載の電源ではHDDが挙動不審になってしまい、断念しました。本来なら600MHz動作はRa266に搭載されているVRMに高負荷がかかり最悪の場合は破損する恐れがあるのですが、発熱対策をしっかり行えば(特に三端子レギュレター)500MHz以上の動作も十分狙えます。逆に発熱対策を行わない場合は450MHz位が上限でしょう。

 Intel PentiumIIIの演算サポート情報です。Intel PentiumやIntel MMXPentium等のP5アーキテクチャーのコアよりはもちろん勝っています。更にAMD-K6-III+より優勢であると言えます。また、Intel PentiumIIIなのでSSE命令をサポートしています。

 WCPUIDを見る限り、PC-98環境で最高部類に相応しいCPUである事が実感できます。特にPC-98で動作しているという事でより感激しますね。


「JORDAN PLL Rev.01 addition」紹介&各種設定

 JORDAN PLL
        Rev.01
addition

■サイズ
  ⇒ 40 × 55
■入力電圧
  ⇒ 5V (3.5FDD用コネクタより供給)
■固定出力周波数 (3.3V)
  ⇒ 14.318MHz * 3
  ⇒ 48MHz   * 2
  ⇒ 24.0MHz  * 2
■可変出力周波数
  ⇒ 約10MHz〜30MHz(3.3V)
■可変ステップ(ロータリースイッチにて)

  
1KHz

 上記で紹介して来た様に、Intel PentiumIIIをFSB80.0MHz×7.5=600MHzで動作させる為に、標準で搭載している水晶発振子を「JORDAN PLL Rev.01 addition」という可変周波数発振装置(PLL回路)に換装しています。この装置を使用すると希望通りの周波数を発生させる事ができるので大変便利なものです。但し、マザーボードにはもちろん個体差がある為、ロットによっては75MHzが上限というものもありますし、100MHzオーバー可能というロットも存在する様です。また、PCIバスの周波数(FSBの半分)も同時に上昇する為、搭載しているPCIバスボードやメモリの限界も考慮しなければなりません。ちなみに、標準搭載VGAのTridentTGUi968xは75MHzを超えると限界を迎える様なので、それ以上のFSBを目指す方は別途VGAボードを搭載した方が良いです。また、一般的にSCSIカードはオーバークロックに弱い(パリティーチェックが厳しい為)とされているので、搭載しない方が宜しいかもしれません。一応参考までに出力周波数設定方法を紹介しておきます。

  ロータリーSW設定値 fosc(出力) FSB=100の場合 foscのup分 FSBのUP分
10進数 16進数     Hz Hz
14318 37EE 14.318 66.6000000000    
14319 37EF 14.319 66.6046514876 0.001 0.005
14320 37F0 14.320 66.6093029753 0.001 0.005
14321 37F1 14.321 66.6139544629 0.001 0.005
14322 37F2 14.322 66.6186059506 0.001 0.005
14323 37F3 14.323 66.6232574382 0.001 0.005
14324 37F4 14.324 66.6279089258 0.001 0.005
14325 37F5 14.325 66.6325604135 0.001 0.005
14326 37F6 14.326 66.6372119011 0.001 0.005
14327 37F7 14.327 66.6418633887 0.001 0.005
14328 37F8 14.328 66.6465148764 0.001 0.005
14329 37F9 14.329 66.6511663640 0.001 0.005
15000 3A98 15.000 69.7723145691 0.671 3.121
16000 3E80 16.000 74.4238022070 1.000 4.651
17000 4268 17.000 79.0752898450 1.000 4.651
18000 4650 18.000 83.7267774829 1.000 4.651
19000 4A38 19.000 88.3782651208 1.000 4.651
20000 4E20 20.000 93.0297527588 1.000 4.651
21000 5208 21.000 97.6812403967 1.000 4.651
22000 55F0 22.000 102.3327280346 1.000 4.651
23000 59D8 23.000 106.9842156726 1.000 4.651
24000 5DC0 24.000 111.6357033105 1.000 4.651
25000 61A8 25.000 116.2871909485 1.000 4.651
26000 6590 26.000 120.9386785864 1.000 4.651
27000 6978 27.000 125.5901662243 1.000 4.651
28000 6D60 28.000 130.2416538623 1.000 4.651
29000 7148 29.000 134.8931415002 1.000 4.651
30000 7530 30.000 139.5446291381 1.000 4.651
31000 7918 31.000 144.1961167761 1.000 4.651
32000 7D00 32.000 148.8476044140 1.000 4.651
33000 80E8 33.000 153.4990920520 1.000 4.651
34000 84D0 34.000 158.1505796899 1.000 4.651
35000 88B8 35.000 162.8020673278 1.000 4.651

 「GeForce2MX400&Windows2000」紹介


※PC-98にDirectX8をインストールした状態の診断ツールです。非対応にも関わらず、「NEC PC-98 シリーズ」と表示されています。

 PC-9821Ra266/W30R(改)にPCI版GeForce2MX400搭載ビデオカードを、OSがWindows2000に限り搭載する事ができるので、ELSA製のPCI版GeForce2MX400搭載ビデオカード「GLADIAC 511 PCI」を搭載させました。更に、PC-98を愛するユーザーの方が作成した「DirectX8.1 For NEC98」というパッチを使用する事でDirectX8.1をインストールする事が可能なので、GeForce2MX400&DirectX8の組み合わせでPC−98環境において脅威のパフォーマンスを発揮させる事ができました。ベンチマークの結果は下記のベンチマークコーナーをご覧下さい。また、搭載方法等の詳細はPC-9800シリーズのコンテンツをご覧下さい。




※Geforce2MX400のディスプレイのプロパティです。

 


※PC-98版Windows2000Proのプロパティです。


愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」スペック表

名称 PC-9821Ra266/W30R(改):Intel PentiumIII化済み
アーキテクチャー NEC PC-9800シリーズ
CPU Intel:PentiumIII with MMX Technology and SSE/600MHz(セカンドキャッシュメモリ512KB内蔵)
チップセット Intel:440FX PCISet(Natoma)
メモリ 60ns-EDO DRAM with ECC:32MB×4=128MB(MAX:256MB)
サードキャッシュメモリ 無し
ビデオメモリ 512KB内蔵
テキスト表示 専用ROMフォント
英数字 80×25,80×20/漢字 40×25,40×20
標準VGA GDC(5MHz/2.5MHz),EGC(5MHz)
640×400 4096色中16色(2画面),1677万色中256色(2画面)
640×480 1677万色中256色(1画面)
ドライブベイ FDDベイ×2(1つ占有済)
3.5インチシャドウベイ×2(1つ占有済)
5インチベイ×1(1つ占有済)
FDDベイ 3モード(640KB/1.25MB/1.44MB)×1
3.5インチシャドウベイ IBM:DTLA-307030(UltraDMA/100:30.7GB)×1
5インチベイ ACER:CD-RW 12X8X32(ATAPI:32倍速読,R12倍速書,RW8倍速書)×1
標準サウンド機能 PCM音源(録音・再生機能:ステレオサンプリング44KHz/22KHz/11KHz)
拡張スロット Cバス×3,PCIバス×2
Cバス
1スロット NEC:PC-9801-86
        (サウンドボート:PCM音源2CH,FM音源6和音,リズム音源,SSG音源3和音)
2スロット Roland:MPU-PC98II(MIDIインターフェイス:MIDIアウト×2,MIDIイン×1)
3スロット サンワサプライ:JY-IF98(ジョイスティックインターフェイス×1)
PCIバス
1スロット I・O DATA:UIDE-66(UltraATAインターフェイス:UltraDMA/66転送)
2スロット ELSA:GLADIAC 511 PCI(ビデオカード:GeForce2MX400,SDRAM32MB)
内蔵インターフェイス RGB IN/OUT×1,パラレル×1,キーボード×1,マウス×1,シリアル(RS-232C)×2,LINE IN×1,LINE OUT×1
RGB OUT SONY:CPD-G400(19インチフラットトリニトロンディスプレイ:最大Ni1600×1200ドット無限色)
パラレル CANON:LBP-220(レーザープリンタ:600×600dpiモノクロ)
RS-232C なし
ソフトウェアセッティング
なし
電源 DELTA社製:DPS-300KB-1A(ATX電源:300W)

ベンチマークプログラム「HDBENCH Ver2.61」の結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★

 
使用機種 PC-9821Ra266/W30R(改)
Processor Pentium II 600.0MHz [GenuineIntel family 6 model 7 step 3]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display NVIDIA GeForce2 MX/MX 400
Memory 130,616Kbyte
OS Windows NT 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2
HDC I-O DATA UIDE-66 PCI IDE Controller
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
CD = IBM DTLA-307030 Rev TX4O
Q = CD-R/RW 12X8X32 9.EB
ALL 浮 動 整 数 矩 形 円 形 Text Scroll  DD Read Write Cache Drive
37741 54274 43638 96153 8893 41647 683 37 35309 21333 46093 C:10MB

ベンチマークプログラム「HDBENCH Ver3.22」の結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.22 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Ra266/W30R(改)
Processor Pentium III 600.01MHz[GenuineIntel family 6 model 7 step 3]
Cache L1_Data:[16K] L1_Instruction:[16K] L2:[512K]
VideoCard NVIDIA GeForce2 MX/MX 400
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 130,616 KByte
OS Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2
HDC I-O DATA UIDE-66 PCI IDE Controller
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
CD = IBM DTLA-307030 Rev TX4O
Q = CD-R/RW 12X8X32 9.EB
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW
18302 27275 27175 5931 3889 7772
DirectDraw Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
37 35000 27000 4335 625 28054 25283 11557 C:\20MB

ベンチマークプログラム「Super πの結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

ベンチマークプログラム「Final Reality」の結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

ベンチマークプログラム「3DMark2000」の結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

※環境設定は全てデフォルト(1024×768,16bitカラー,ハードウェアT&L)での測定です。


※環境設定はカスタム(1024×768,16bitカラー,ソフトウェアT&L(SSE))での測定です。

ベンチマークプログラム「N-Bench」の結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

※環境設定は全てデフォルトですが、計測不能項目が有る為、Overallは測れませんでした。

ベンチマークプログラム「N-Bench V2」の結果

Intel PentiumIII(600MHz)、GLADIAC 511 PCIを搭載した、
愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」の現在の状態です。

※環境設定は全てデフォルトですが、計測不能項目が有る為、Overallは測れませんでした。


愛機「PC-9821Ra266/W30R(改)」フォトギャラリー

 愛機、PC-9821Ra266/W30R(改)のフロントマスクです。本当はPentiumIIIのロゴシールに貼り替えたいのですが、PentiumIIのロゴシールが名残惜しいので保留にしています。PentiumIIのロゴシール自体がレアっていうのもありますけどね(笑)。ちなみに、非常にレアなCD-RWドライブも搭載してあります(秘密)。

 Slot1に搭載されているES品PentiumIII(Katmaiコア)とVRM等の周辺回路です。手前にEDOメモリ(SIMM)も見えます。600MHz動作を実現する為に、右下に見える三端子レギュレータに巨大なヒートシンクを取り付けました。その甲斐もあり、普通では触る事の出来ない三端子レギュレータが触れる程まで放熱されています。

 FSBを80.0MHz付近まで上昇させている為、440FXチップセットが熱暴走する恐れがあるのでヒートシンクを取り付けました。また、写真の上の方に、筐体のフレームに取り付けてある可変周波数発振装置のJORDAN PLL Rev.01 additionが見えます。この装置の基板から水晶発振器とマザーボードのグランドへと伸びる計2本のコードが見えます。

 ELSA製のPCI版GeForce2MX400搭載ビデオカード、GLADIAC 511 PCIです。3DMark2000の3Dmarks値が3132というPC-98環境で驚異のパフォーマンスを発揮します。まさかPC-98に搭載できるとは思いもしませんでした。

今後も引き続き、愛機たちのアップグレード状況を随時掲載していく予定です。お楽しみに!