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昨年の『2025 森高千里コンサートツアー“あなたも私もファイト!!”』から早7ヶ月。 次のライヴは まだまだ先と思っていたら もう今月(執筆当時)。 早かった(笑) 今回のライヴはCOMTEC PORTBASEという 昨年出来たばかりの新しいライヴハウスで行われることになっていたが、近年 Zepp Nagoyaで行われたライヴ(『レッツ・ゴォーゴォー!ツアー』)は尽く落選したこともありチケットが取れるかどうか非常に懐疑的であった。 今回の『2026 森高千里 エスプレッソ SUMMER tour』は6月14日〜7月24日までのわずか1ヶ月強の短期ツアーであったが、埼玉(越谷)、名古屋、大阪、福岡、東京の5箇所で行われる予定になっていた。 埼玉と東京以外は それぞれ2日連続同会場で行われる為、前回よりはチケット落選の可能性は低くなるとは思ったが、それでも全く油断できない。 名古屋公演は6/19(金)と6/20(土)の2日間である。 土曜日は普通に考えても 競争率が高そうというのは誰でも予想がつく。 それなら。と金曜日の6/19公演のチケットを申し込んだ。 当落確定日−2月28日。果たしてチケットは...当選した。 ただ、それはギリギリなんとか...であった(笑) まあ、当選しただけでも幸運だったのかもしれない。 今回のツアーはそのタイトルにある"エスプレッソ"=濃いという意味が込められているように、濃いファン向けのレアな曲を披露することが予告させており、明らかに通常のツアーとは一味も、二味も違うライヴに参加出来ること自体、貴重であったのだ。 ただ、そのセットリストは全く予想が出来ない。 名古屋公演は かろうじて初日の越谷公演から5日後ということで セットリスト対策(いわゆる予習である)が出来ることだけが救いであった。 その結果、いくつかのサイトで初日のセットリストが公開された。 それによると1曲目から驚きの選曲、懐かしい曲がセットインしていた。 2曲目以降も、シングルのカップリング曲、ミニEP収録曲、映画主題歌...と意表をついた選曲で こりゃ予習をしないと到底 認知できないわ。と思ったのだった。 つくづく初日じゃなくて良かったと..。 そしてライヴ当日。 2日目の明日は雨予報であったが、本日は晴天。 しかも30度超えの完全なる夏日である。 雨の中、グッズ購入の為に並ぶことにならなくて良かったが、暑い中、並ぶのはそれはそれで辛い(笑)。 開場前にグッズの先行発売というのが、最近のアーティスト・バンドの恒例だが 森高さんもご多分に漏れずそうであった。 先行発売は15:00〜17:00ということだったので、私は この時間帯に間に合うように出発した。 COMTEC PORTBASEの最寄り駅は 地下鉄 名港線の港区役所である。 名港線自体、ほぼ乗ったことがなく、港区役所など当然 降りたこともない。 港区役所からCOMTEC PORTBASEへどうやって行くのか 公式サイトには簡易的に書いてあるものの 不安は残る。 そんな時、活躍するのがGoogle Mapのストリートビューである。 ストリートビューは実際の風景を使って 実際に歩いているように表示されるので非常に判りやすい。 その御蔭で道に迷うことも、間違えることもなく会場にはたどり着くことが出来た。 ただ 港区役所の駅を出た直後、イヤーなものを見てしまった。 会場への道を北上し始めると 駅にありがちな自転車置場があった。 こちらから自転車に乗ったオヤジが、同じように北上しようと(あるいは自転車を止めようとしていたのか)していた。 其処に向こうから 小柄な女性が足早にやってきた。 するとオヤジとぶつかりそうになり、女性は小声で「すいません」と言って足早に走り去った。 しかし、そのオヤジは大きな声で「オイ!」と何度も叫んで キレていた。 その勢いは明らかにその女性を追いかけようとしているように見えた。 私は1分1秒でも早く会場にたどり着きたいが為に 其処をそのまま離れたが、大分歩いた先で後ろを振り返ると、そのオヤジはまだ叫び続け 突然「ガシャーン」という大きな音が鳴り響いた。 もしかして怒りに任せて 自転車置き場の自転車を倒したのか(それとも自分の自転車を倒したのか?) かなり現場から離れていたため はっきりとは見えなかった(他人の自転車なら確実に器物破損、犯罪だろ)。 目の前で起きたこのアクシデントに、私はもう腸が煮えくり返るぐらいと言ったら大袈裟だが、とても腹が立った。 相手が か弱き女性だと判って 威圧しているのは明らかだし、小声とはいえ謝っていたのはこのオヤジも絶対、聞こえていたはず。 私は心の中で「お前みたいなヤツがいるから、港区は治安が悪いと言われるんだ!」と叫んでいた。 女性がヤツに捕まることがないようにと切に祈りながら、かつ腹立ちの中 会場へ、会場へと急いだ。 やがて会場横に位置するショッピング・モール「ららぽーと名古屋みなとアクルス」が見えてきた。 その横の小道を歩いていくと、小道に沿って運河が現われた。 地図上では この運河が有名な中川運河と繋がる支流のようである。 そしてTOHO GASの巨大なビルが見えてきた。 その奥にようやくCOMTEC PORTBASEの特徴的なフォルムの一端が見え隠れしている。 其処にたどり着くには、短いトンネルを通らなければならないらしい。 トンネルからはCOMTEC PORTBASEから戻ってくるライヴの客が、多く見受けられた。 彼らは もうグッズを手に入れたのだろう。 自分には その姿が羨ましく見えて仕方なかった。 一刻も早くグッズ売り場へと思い そのトンネルをくぐると未来的な、宇宙船のような建造物が視界に入り込んできた。 COMTEC PORTBASEの前には大広場と、壁の向こう側に建造中の新たな巨大なアリーナが存在を主張していた。 徐々にCOMTEC PORTBASEに近づいていく。 入り口のあたりには、横並びでコンサートスタッフが並んでいた。 おそらく物販・コンサートグッズのスタッフなのだろう。 ただ、予想していたようにグッズを求める人の列が 皆無であったのは意外であった。 もしかして、ほとんどのグッズが売り切れてしまったのだろうか。 そんな心配が頭を掠めながら 会場入口へ近づき様子を見てみた。 すると 一部は確かに売り切れている商品はあったが、自分がとりあえず購入しようと考えていたパンフレットとアクリルスタンドは(3種類のうちひとつは売り切れていた)は普通に購入出来る状態であった。 今ツアーのグッズではあと(珍しく)気になるものであったヴィンテージ風Tシャツの購入も考えたが、とりあえずパス(この時 売り切れていたサイズはあったかもしれない)。 まあ、通信販売もあるので後で購入も出来ることだし...。 グッズを無事、購入しこの後 どうするか しばし考えた。 開場までまだ 30分以上はある。 そういえばすぐ近くにショッピング・モールがあるではないか! COMTEC PORTBASE前の大広場に 開場を待つ客がほとんど居ないのは 皆このモールへ移動しているのか。 鈍い自分でもようやく全てを把握したのだった。 そうと判れば 行動は早い。 「ららぽーと名古屋みなとアクルス」へ、向かった。 「ららぽーと名古屋みなとアクルス」館内に入ると、平日ゆえか 週末土日に比べれば客はまばらであった。 でもクーラーによる涼風が 地下鉄の駅からCOMTEC PORTBASEまで急いで火照った身体を冷ましてくれた。 普通のコンサート会場、ライブハウスなら開場まで並んで待つぐらいしか時間を潰しようがなかったが、ここなら快適な空間で開場時間を超えても過ごせるのはうれしい。 COMTEC PORTBASEへのアクセスは大変だが、この点はアドバンテージになるのではないかと思えた。 「ららぽーと名古屋みなとアクルス」は今回、初めて来ただけに新鮮であった。 「ららぽーと名古屋みなとアクルス」は多くのショッピング・モールと同じように3階のフロアを擁していた。 1階は食料品を扱うアオキスーパー、マグドナルドやスガキヤなどのフードコート、カルディなどの多種多様なショップが並び、2階はユニクロ、GU、GAP、H&M、無印良品、ABC-MARTなどファストファッションブランドが立ち並び、3階にはもうひとつのフードコート、ヴィレッジ・ヴァンガード、(管楽器中心の)島村楽器、タワーレコード・ミニなんてのもあった。 そうそう3階には名古屋で唯一の「うんこミュージアム」までもあった。 とりあえず1階〜3階まで一通り見て回り...特に3箇所ほどあったガチャの専門店を丹念に見て時間を潰した。 会場には18:00過ぎに戻ったと思う。 荷物チェックの後、ここ数年 利用している電子チケットを提示し、人でごった返すロビーに足を踏み入れたのだった。 ロビー中央のドリンクスタンドにて、さっそく入場時に貰ったドリンク・コイン(600円)を飲み物に交換した。 ペットボトルLサイズのお茶だったが、コンビニや自販機なら200円弱なので やっぱり高いなあとは思う。 まあライヴハウスの重要な収入源なので仕方ないとは思うけれども。 今回のライヴで予約出来た席は2階席であった。 Zepp Nagoyaでも何度か2階席となったことがあり、なんとなく想像は出来たが、今回のCOMTEC PORTBASEは全く未踏の地。 階段で2階へ上がり、いよいよ客席へと入っていった。 昨年出来たばかりの会場は流石に綺麗で、座席の傾斜も程良くあって観やすそう。 私が座るのは 前から4列目、センターに近かった。 だが、いかんせんステージからは遠い。 これは双眼鏡が手放せそうもないと予想されるのだった。 そのステージは、MORITAKAのMを象ったセットが印象的であった。 開演まではあと15分ほどである。 トイレに行くため、席を外し(反対側に行ってしまい、トイレと間違えて喫煙室に入るという失敗をしてしまった 笑)戻ると静かにその時を待った。 ちなみに開演まで、場内にはSEとして森高さんの曲が流されていた。 それは 例えばビートルズのカバー曲「HERE COMES THE SUN」などだったと思う。 開演前から「チサトー!」というコールが始まった。 だが、誰も追随する様子はない。 しかし「まもなく開演致します」のアナウンス後に始まった「チサトー!」コールは手拍子と共に大きくなっていった。 ほぼ開演時間通り、ステージが暗転すると場内は騒然とした雰囲気となった。 それはバンドメンバーが一人二人と暗闇の中、現れると顕著となった。 湧き上がる拍手。 やがて1曲目が始まった。 森高さんが登場し、スポットライトが当たると歓声は一段と大きくなった。 曲はアルバム「ミーハー」収録の「CAN'T SAY GOOD-BYE」だ。 当時と同じようなアレンジで披露されると、あの80年代末期の風景が思い出され 激しく懐かしい気持ちになった。 私は「ミーハー」リリース当時はまだファンではなかった為、この曲を聞くのは長いファン歴の中でも初めてであった。 2曲目も、コアなファンでないと即座に反応出来ないであろうレア曲「CHASE」。 今ではもうこんな説明も稀であろう シングル「ALONE」のB面/カップリング曲である。 リリースは1988年10月25日。 当時はまだEPレコードはあったと思うがその場合はB面、また短冊型のCDシングルではカップリング曲となる。 私も生で聞くのは今回が初である。 ほぼ、存在さえ知らなかった曲だった為、こんな曲があったのかと新鮮な気持ちとなった。 休みなしに続いた3曲目は またまたコアな曲「海岸」。 1988年7月10日に発売されたミニ・アルバム「ロマンティック」の4曲目に収録された曲である。 夏のツアーということで選曲されたのだろうが この清涼感溢れる楽曲が 森高さんの声で蘇るのがなんとも心地良い。 もちろんこの曲もステージで聞くのは自分にとって初であった。 ここで登場時の森高さんの衣装を説明しておくと−黒いベルベット状の生地の衣装と同じく黒のブーツで 夏とは思えない、冬衣装と言っても通用しそうなものであった。 その後のMCで(ステージ上はライトも煌々と当たる為)暑いと発言もされていたが、あながちこの衣装も体温上昇を招いたのではないかと思えた。 それからギターを担当する鈴木マリアさんの機材も気になる処であったが、この冒頭の3曲は お馴染みのPaul Reed Smithのギター。 アンプはヘッド、キャビネット共にMarshallであった(ヘッドの型番は不明)。 爽やかでトロピカルな「海岸」を終え、大きな拍手が会場を包み込むと、今夜初めてのMCタイムとなった。 「みなさん、こんばんわ 森高千里です」 「「森高千里 エスプレッソ SUMMER tour」にようこそいらっしゃいました」 「名古屋は今日、明日の2日間ですが、盛り上がってくれますよね」 当然ながら会場は大きく湧くのだった。 「今日は初めての会館ということでお客さんも近いということで...近いよね?」と同意を求める森高さん。 「汗かいてくるから、後半、化粧が落ちちゃって変になっていたら教えてね」とステージから近い客にお願いをする珍しい光景も見られた。 森高さんが「今日はCOMTEC PORTBASEということで、来たことある方いらっしゃいますか?」と尋ねると案外、挙手する人が多く見られた。 オープンから1年以上経過すると、既にこの会場が馴染みの人もいるのだなあと思い知らされた(最近、余りにも色んなものが名古屋に出来て全くついて行けていないことも感じた)。 「今回のツアータイトルはエスプレッソ SUMMER tourということで、エスプレッソ.."濃い"とか"早い"という意味がありまして 今回はあっという間に通り過ぎる濃い夏、早い夏というのを表現したくてこういうタイトルにしました」 あらためて このタイトル名はどうですか?と客席に問いかけると、大きな拍手が場内を包んだ。 「内容も濃いセレクトで、普段やらないような曲とか 久しぶりの曲とか 初めての曲とか選曲してやってきたので... こないだ初日、埼玉でやったんですけど、結構 みんなポカーンとしていて...」と言うやいなや 会場は爆笑に包まれた。 「(曲を)予習してきてね。と言ったのに みんなポカーンとして。まあ(持ち歌が)200曲以上あるので、それを全部というのは難しいのかなと思ってたんですけど、私が思っていた以上にポカーンとしていて..」 またまた場内は大爆笑。 どうやら今夜は「ポカーン」という単語が 爆笑のキラーワードとなるようだ。 「でも、この曲やりましたよ、あの曲やりましたよ。と曲を(ネット)に書いている方もいらっしゃいましたが(それで)皆さん 予習してきたんじゃないですか?」 前述したとおり、私も全く同じタイプだ。 森高さんのその言葉に激しく同意して拍手したのだった。 「予習はどっちでも良いのですよ。予習してもいいし、何をやるのかなと思ってドキドキしながら来るのもいいと思います。今回は濃い内容で、来てくださってる方も濃いと思います」 「ポカン顔してもいいですけど、知らない曲もこういう曲があるんだなと思いながら聴いて頂けるとうれしいなと思います」 森高さんは冒頭歌った3曲について解説をしてくれた。 こういう処もレア曲のライヴならではだろう。 2曲目の「CHASE」はレコーディングした当時、あまり好きじゃなかったといきなりの爆弾発言(笑) 「歌えなかったんです。難しくて。あんまり良い思い出がなくて...今回、濃い曲を選びたいということで、歌ったらなんか凄い良い曲だなと思ってイメージが変わりましたので皆さんにもそれが伝わるんじゃないかと思っております」 「3曲目の『海岸』は夏をイメージして選んでみました」 「名古屋は今日、34度らしく暑いですが、(ライヴは)これからもっと暑くなります」 「今回、衣装も新しくなりまして、なんで黒なの?と思われているかもしれませんが、エスプレッソ、濃いということで黒の中でも濃い黒を選んでベルベットっぽい衣装で、だからちょっと暑いんです(笑)」 「暑いんですが、パフスリーブみたいな感じの衣装はやっていなかったんですが、皆さんには(インスタで公開して)好評だったので良かったです」 「それでは皆さん、濃い夏を一緒に楽しみましょう」という森高さんの言葉で、再び歌唱がスタートした。 4曲目は「夢の終わり」。 デビューアルバム「NEW SEASON」2曲目に収録された曲である。 これも非常に懐かしい。 後で調べると どうやら1990年2月14日に見た「森高ランドツアー」以来、36年ぶりに聞く曲であったようだ。 このブロックで 鈴木マリアさんはギターを薄いグリーン?のメイプルネックのストラトに持ち替えていた。 次曲は 森高さんの「ここのマイクですか? ここのマイクですね」という印象的なセリフで始まった。 アルバム「非実力派宣言」に収録された「夢の中のキス」である。 光るタンバリンを手に持った森高さんはリズムを取りながら歌い、そのリズムが場内の大きな手拍子に変換されていった。 ![]() また同時にパーカッションの堀さんが手拍子のリズムを客席に見せて煽ることで 増幅していった。 この曲もおそらく「森高ランドツアー」以来、聞く曲であったのだが個人的には 本日のライヴで楽しかった&良かった曲の一つである。 カントリーっぽいギターソロとか、全体的にビートルズを意識したような曲調が非常に心地良かったのだ。 6曲目は「ロマンティック」はミニ・アルバム「ロマンティック」のタイトル曲。 ボサノバ調の曲は この暑い季節にはピッタリだ。 しかも、森高さんはタンバリンから今度はマラカスに持ち替え、振り鳴らしながら歌っている。 森高さんがマラカスを持って歌うというのは非常に珍しい。 そう考えると 貴重な場面に立ち会っているのではないかと思えてきたのだった。 涼しげで 爽やかな「ロマンティック」は この第2ブロックを綺麗にまとめたのだった。 2回目のMCも まずは今歌った3曲を改めて紹介する処から始まった。 6曲目披露となった「ロマンティック」では 「マラカス使いましたけど、ライブでマラカスやったことあったっけ?(とメンバーに聞いてみるものの)(Keyの山上)佑くんに訊かれても判らないよね。(バンマスの高橋諭一さんにも訊いて?)やったことことないよね」 「夏を皆さんに感じて頂きたいということで選んだんですが、でもマラカス持ってない、どうしようということで私が大好きなAmazonで買いました」 Amazonというワードでどっと沸く場内。 そのマラカスを客席に見せる森高さん。 「これだけじゃなくって…。なかった。インスタで見たでしょ。もう一つちっちゃいサイズのがあってそっちのほうがいいかなと思ったんですが、音がちょっと合わなくてこっちにしたんですが ちゃんと聞こえてましたよね」 「マラカス簡単だと思ってるでしょ。意外と歌いながらやるとリズム取るの難しんですよ。ズレたりするけど、まあそこはドラマーなので....」 ドラマーという言葉が出た刹那、大歓声と拍手で満たされたのだった。 ここからは定例の地元名物紹介コーナーへと移っていった。 昨年のツアーでは大須のスガキヤに(意外にも)初めて行ったことを報告して大きく盛り上がったが、今回は渋い処ということで 円頓寺商店街を訪問したことが発表された。 御本人が仰るように、この渋いチョイスに客席からも「おう」という声が漏れた。 「(円頓寺商店街)もちろん、初めて行かせて頂いたんですけど、昔ながらの商店街で 昔ながらのお店も残っているし、リノベーションして綺麗にして若い人達がお店をやっている感じで古い所と新しい所がミックスされてて 美味しそうなお店がたくさんあったんですけど時間がなくて其処はいけなかったんですけど...」 「よく行くよっていう方いらっしゃいますか?」 すると数人の男性がはい!と手を挙げた。 「そしてその近くにある老舗のお麩のお店。麩柳商店」 と森高さんがお店を紹介するものの、自分も含めて観客の大多数が訊いたことのない店名に戸惑うばかりで、反応は薄かった。 「麩柳商店の生麩みたらしというのがあって、これも凄いんですよ明治からやっているお店らしくて、マツコさんの番組でも出たくらい有名なお店だそうで、知っているかな?と思ったんですけど(苦笑)」 「反応が薄い感じでしたね(笑)」 「でも凄くヘルシーで カロリーを気にしている人にも良いなと思いました」 その後、森高さんの円頓寺のイントネーションが地元民と違ったので、指摘する人がいたけれど、森高さんは理解出来なかった模様であった。 「そして新しいお店のパン屋さん。それはどうしてかというと エスプレッソツアーというタイトルなのでコーヒーに合うものをご紹介したいなということで食べ物ではなくてカフェなどを多めにピックアップしています。珠のかの「生ジャムパン」」 これまた客席で知っている人はおらず、反応は薄い。 「これは知っているかな? ラトリエドゥミッシェルブラン!」 しかし客席の反応はほぼ皆無で、森高さんはその様子に「はあ」と思わずため息を漏らした。 「知らない人も多いと思います。でもね美味しいです。ケーキ屋さんなんですが南フランスにあるのが本店で 名古屋だけにしかないケーキ屋さんなんですよ。凄いでしょ」 「それで何種類か買ってきて、先程食べました。無茶苦茶美味しかったです」 「私、色んなケーキ屋さん行ってますけど 上位に入ります」 これに対し、先程までの"知らない"オンパレードのムーブはどこへやら、まるで自分たちが褒められたように観客は大きな拍手をしたのだった。 「私の売っている(グッズの)コーヒーと一緒に食べていただきたいなと思います」 その後、客席の女性が森高さんに食べて欲しいもの(パン)をアピールするという時間があったものの、森高さんにはよく伝わらず.... 森高さんが「見せて貰っていい?」と言ったものだから 女性からそのパンが伝言ゲームのようにステージへと渡され、森高さんの手に渡ると それは「ヤマザキ 小倉&マーガリン」で 余りにも一般的な商品であった為 笑ってしまった。 その女性はヤマザキではない違うメーカーのものを推していたようだが、いずれにしても普通にスーパーやコンビニで購入できるものであった。 「名古屋の人は、餡を朝から食べるんでしょ」と愛知県民/名古屋市民の特性を言い当てる森高さんであった。 「みなさん準備はいいですか!夏を感じる曲が続きます」とMCを終え、歌唱を再開した。 7曲目はアルバム「PEACHBERRY」収録の「SWEET CANDY」。 この曲も個人的には久しぶりかな。 冒頭の「今年の夏も ああ何もしなかったわ」で、夏の曲だったんだとようやく気付く(苦笑) 続いては「夏の海」、これはアルバム「ROCK ALIVE」収録だ。 曲が始まった瞬間から、規則正しい拍手が大きく鳴り響く。 正に最初からトップギアだ。 2023年の「森高千里 2023ツアー「今度はモアベターよ!」」の夏時期にも披露されたが、自分が参加した名古屋公演は11月の秋だった為、既にセットリストから落ちていた。 それゆえ、聞きたいと思っていた曲であったのだ。 個人的には その2023年にこの曲のギター・ソロの部分をボトルネック(スライドバー)で弾いた動画を上げていたので、鈴木マリアさんのプレイにも注目していた。 私が動画で弾いたのは1992年の「ROCK ALIVE」ツアー・バージョンであったのだが、今回、マリアさんはボトルネックを使わずチョーキングとヴィブラートでメロディを奏でた。 双眼鏡で演奏を覗きながら「これでいいんだ、こういう弾き方なんだ」と納得したのだった。 ![]() メドレーのごとく元気良く始まった9曲目は「私の夏」。 イントロからの「Hey Hey!」の掛け声が自然発生的に始まり、盛り上がりが凄い。 今夜初の最もポピュラーな有名曲というのが、観客の心を掴んだということなんだろう。 それを象徴して 手拍子もとても激しくなっていた。 「SWEET CANDY、夏の海、私の夏、3曲続けてお送りしました」と歌唱を終えた森高さんが客席に語りかける。 そして「「私の夏」だけ盛り上がるのやめてくださいね」と言うものだから、場内大爆笑となった。 後で調べると初日の埼玉公演も 森高さんから同じ言葉が発せられたようですから、みんな同じなんだなと笑ってしまった。 「みなさん顔色が違います。うれしそうな顔しちゃってね」再び爆笑に包まれた。 「ここからグッズのご紹介をするんですが、ちょっと長くなるので皆さんお座りください」 そう言われるやいなや 皆、一斉に着席した。 90年代から ステージ上で積極的にライヴ・グッズを紹介してきた森高さん。 ライヴ・グッズは今や代表的な「推し活」グッズの一つとなったが、私は昔からライヴの熱気がこのコーナーで冷めてしまうような気がして ずっと違和感を持ち続けてきた。 ただ、最近ではその気持に変化が生まれてきたというのも事実である。 「推し活」という言葉が一般化し、身近になったこともその気持を後押ししたのかもしれない。 「今回、グッズはオススメ商品がたくさんあって、メチャクチャ好評で、今日も売り切れがあったみたいで......すいませんね」 「まず今回はTシャツが私の写真入りということで。ヴィンテージ風Tシャツということで色褪せている感じで、黒と赤のヴィンテージ風のTシャツ2枚です。写真が違うのでみなさん2枚買ってくださいね。汗かくから交互に着てね」 「そして今回は長い、タオルもあります。長いんですけど生地がめっちゃいいんです」 「パンフレットがいつもと形状が違います。いつもはめくるパターンが多いんですけど、今回は色んな私がいて 広げるとポスターになってるんですよ」 「そしてスペシャルブレンドコーヒー。あっ(此処には)コーヒーはなかった!持ってる人は上げて下さい。豆屋さんがあって、私の好きな味とか香りを何度も何度もお話しながら作ったものです」 「もう飲んだよと仰ってくれた方もいらっしゃいましたが 美味しかったですか?ちょい濃い目な感じだと思うのですが、甘いものを一緒に飲んで頂きたいと思います」 「今回人気のマグカップ。エンボス加工されていてお洒落なんですよ。そしてこれ、スタッキングカップと言って重なるんです。マグカップ増えていきがちなんですけど 重なるので大丈夫です」 「今回、初めて作ったのかなボールペン。有名なJETSTREAMとのコラボということでメッチャクチャ書きやすいの。会社で勉強というか…お仕事してもらえると捗ると思います」 「アクスタ!(森高さん1個落としてしまい)しょうがないなあ。3種類あります。こないだのファイトツアーの時の衣装とTシャツです」 「缶バッジ。缶バッジも久しぶりに作らせて頂きました。これは普通の缶バッジじゃなくてキラキラしてるんです。バッグや色んな処に付けてください」 「そして生写真もあります(売り切れでしたと客席から声)ありがとうございます。それの生写真ホルダー。赤とブルー。みなさんもう入れて頂いてますかね」 流れるようにグッス紹介を終え 「なんかめっちゃ暑いね。大丈夫ですか皆さん、水分補給してくださいね。本当に今日、暑いね ヤバいね。それでは次の曲。今回は あの曲歌ってないなと思ってる人もいるかと思います。皆さんが大好きな曲だと思います」 「堀くんお願いしまーす」 ここで森高さんが リコーダーを手に取ったと思う。 すると始まったのはやはり「渡良瀬橋」であった。 初日の越谷公演は「雨(ロック・ヴァージョン)」だったが、この10曲目は日替わりのセットリストになるようだ(案の定、名古屋公演2日目はまた「雨(ロック・ヴァージョン)」に戻ったのでその予感は当たっていた)。 そして注目は 森高さんのリコーダー・ソロも何の問題もなく、やり遂げ拍手が沸き起こった。 11曲目もレア曲「青い海」、アルバム「ペパーランド」収録曲である。 「青い海」というタイトル通り、涼し気なややカントリーっぽい曲であるが 森高さんにしては珍しく全編 物語を紡ぐような歌詞が特徴的で 主人公の男に感情移入してしまう。 この曲もステージで聞くのは初めてであった。 80年代末を感じるシンセのメロディーに被さる歪んだギターリフが、当時の記憶を呼び起こす。 12曲目はアルバム「ミーハー」に収録された「47 HARD NIGHTS」である。 記憶は定かではないが、この曲も自分はステージで聞くのは初めてであり、一度は聞いてみたかった曲でもある。 しかも ほぼ当時と同じアレンジで披露されたことが何よりうれしい。 そんな自分の気分を代弁するかのように曲が終わると、大きな拍手が森高さんに贈られたのだった。 「またポカンとしてる人がいる(笑)「青い海」とかはあまり歌ってこなかったですし、私の歌詞の中でもちょっと特別な、物語風な小説風な感じで、中にはちょっとジーンとして頂いた方もいらしゃるかもしれません」 「それではここでメンバー紹介したいと思います〜大きな拍手、声援をよろしくお願いします!」 そして曲が始まった。 「ドラム 坂本龍一!」「パーカーション 堀 守人!」「ベース 横山雅史!」とそれぞれが順番にソロ(演奏)を回す。 「キーボード 山上佑!」と紹介され、バンマスの高橋諭一さんが続くと 最後が「ギター 鈴木マリア!」だったのが、ここにきてマリアさんのギターが明確なメロディーを弾き出した。 単なるセッション曲かと思っていたら、これがアルバム「TAIYO」収録で かってCMとタイアップされた「HEY!VODKA 」であったのだ。 前回のツアーでメンバー紹介時に「OYE COMO VA」を演奏して驚かせてくれたが、その当時を彷彿とさせる。 今回も後半から森高さんの歌も加わり、贅沢なメンバー紹介となった。 「HEY!VODKA 」を歌い終えるやいなや、坂本龍一さんの激しいドラム・ソロ、連打が始まった。 「皆さんまだまだ元気ありますか? 2階の皆さんもまだ元気残ってますか!それではより熱く一緒に盛り上がりましょう!!ワン、ツー、ワンツースリーフォー!」 そう、曲は「夜の煙突」だ。 森高さんが煽ったように、この曲の盛り上がりは凄い。 ![]() 嵐のような手拍子と、間奏の「Hey! Hey!」の拳の突き上げ、サビ歌詞のコール&レスポンス。 ストラトに持ち替えた鈴木マリアさんが、珍しく後ろの定位置からステージ前方に出てきて バンマスの高橋諭一さんと共に森高さんの横でギターを弾きまくっている。 「夜の煙突」は もうずっとライヴ後半の定番曲であるが、この曲があるかないかでライヴ全体の印象は大きく変わるような気がする。 「皆さん大丈夫ですか〜?」 「もっと盛り上がりたいですか〜!」 「もっともっと熱くなりたいですか〜?」 「それでは次の曲、わたしが …オ・バ・さ・ん・に・なっても〜!!」 前回のツアーで、森高さんでも こういう曲紹介をするんだと驚いたが、今回もこのやり方は変わらないようだ。 15曲目「私がオバさんになっても」は大定番。 森高さんのダンス、我々観客が行う振りコピ、森高さんからの手の振りと観客の返し.... もはや見慣れた光景だが、何一つ掛けてもこの曲は成立しなくなっている。 曲が終われば 森高さんへの大声援がさざなみのように湧き上がる。 「みなさん、本当にどうもありがとうございました」 「濃い夏を感じて頂けましたでしょうか?みなさん、わかりやすくて楽しかったです」 「お別れの時間になってしまいました」「ええーっ!」 「最後の曲になってしまいました」「ええーっ!」 「いや、最後です!」(笑) 「ええーっじゃなくて、次の曲はメッチャいい曲なんですよ。あまりライブでも歌って来ていない曲です。これは映画の主題歌にもなった曲です」 「スガシカオさんに書いてもらった曲です。この映画観ましたか?」 しかし、客席からの反応は薄く 「とたんに少なくなる(苦笑)映画の為に一生懸命、作った曲なんですけどライブってなると どの曲とどの曲の組み合わせとか流れもあったりして、選ばれる曲とか今回は歌えないとか色々あって選曲するのが難しいんですけど、今回はいつもライヴに来てくださってる方やファンクラブに入っている方が多いと聞いて、だったら濃い選曲でも皆さんわかってくださるかなということで、最後の曲を選ばさせて頂きました」 「いつもは知ってる曲で盛り上がって終わるんですけど、今日はしっとりで終わりたいと思います。「まひるの星」聴いてください」 「星月童話」という映画の主題歌であるというこの「まひるの星」はその存在は知っていたが、ほとんど聞いた事がなかった。 おそらく事前の予習がなかったら、完全に忘れ去っていた曲である。 それから「星月童話」という映画について−私も見た事はなかったが レスリー・チャンさんと常盤貴子さんW主演の1999年 日本・香港合作映画である。 邦題に「もういちど逢いたくて」とタイトルが付加されるぐらいだから ラヴ・ストーリーであるのだが、レスリー・チャンさんはこの4年後、自死した事もあり なんとなく気分的に避けていたのかもしれない。 そんな事を考えながら「まひるの星」を聞いたのだが、予想外のロッカバラードになっていたのが驚いた。 ちょうど「渡良瀬橋」と入れ替わりとなった「雨」を思い出すようであった。 確かに森高さんの歌や曲調はしっとりとしたものであったが、鈴木マリアさんが奏でるギター・ソロと長めのアウトロのソロがロッカバラードの決め手となったのだ。 アウトロのソロなんて、まるでエリック・クラプトンのような泣きのギターを披露して、マリアさんにとって今宵、白眉の瞬間であったと思う。 「ありがとうございました」 大きな温かい拍手と共に バンドメンバー、森高さんがステージを降りていく。 その姿が見えなくなるやいなやすぐ、アンコールを求めるチサトコールが始まった。 その勢いは手拍子と共に大きくなって場内に拡がっていった。 チサトコールは5分ぐらい続いただろうか。 それが破られたのは場内に森高さんの歌声がふいに響き渡ったからである。 確か、森高さんは歌いながらステージに出てきたのではなかったかと思う。 アンコール1曲目はデビューアルバム「NEW SEASON」トップに収録された「涙Good-bye」である。 衣装はピカピカ光るシルバーのスペイシー(SF映画に出てくる宇宙船の乗組員のような)な服で、アンコールの此処ぞという場面では相応しかった(最初この衣装を見た時、シルバーではなくブルーに見えたのだが それは青のライティングでそう見えたのだと後々判った)。 ボサノバ調の「涙Good-bye」も、ほぼ当時のアレンジのまま披露してくれたのも嬉しい。 「「涙Good-bye」聞いて頂きました」 「また最後にポカーンが出てきましたが(笑)この曲も懐かしい曲ですね」 「最初のアルバム「NEW SEASON」からファンだよ〜という方いらっしゃいますか?」 元気に何人か手を挙げるファンが居た。いるんだなあ やっぱり。 森高さんは「本当に?」と疑っているぐらい、予想以上のその数に驚いたようだった。 「最初のアルバムから聞いて頂いている方は 全曲判ったんじゃないかと思いますが、それでも今日は色んな(観客の)表情があって、ステージから見ていても楽しかったです」 「全国ツアーを回っている時は 初めて見に来てくださる方も多いので、皆さんが知っている曲をやることが多いんですけど それだけじゃあの曲もこの曲も聴きたいと結構メッセージを頂くので こういう濃いセットリストでやらせて頂きましたが 楽しんでいただけましたか?」 「また...いるんですよ。中には あの曲がなかったとか、あの曲を歌って欲しかったとか。色んなことを言う人がいるんですよ。でも まあそうですよね」 「自分の好きな曲を歌って欲しかったというのはあると思うんですよ。また...決まってないですよ、決まってないけど またなんかできそうな気がしますよね!」 おおーと客席からは大きな反応が溢れた。 「いい曲、たくさんあるので 皆さんがポカンとしててもいいんです。そういう表情も そういうライヴもいいのかなと。またやりたいなと思っていますけど、それは皆さん次第です!」 「好評だったという事を世の中に広めないと出来ないので、よろしくお願いしますよ」 「私はメチャクチャ楽しかったです。久しぶりに歌い込み系の曲が多かったですが 今日はとにかく暑かったので汗が止まらなくなっちゃいましたけど、こういうライブができて良かったと思います」 「エスプレッソ SUMMER tourは8本だけなんですけど、また9月から全国ツアーが始まります。名古屋?今のところ発表はなかったけど。でもさ "第1弾"って言ってなかった?ということは"第2弾"もあるでしょ」 先日、その第2弾の発表があった。 気になる名古屋公演は 2027年3月20日(土) 岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール。今の処、ツアー最終日です。 「ということで、ツアータイトルは…"今夜も"…」 「We feel fine!!」と客がレスポンスを返した。 「(ツアータイトルを言ってもらえて)あ、良かった。We feel fineということで、皆さん一緒にいい感じになりましょうというタイトルなので、楽しい皆さんがポカンとしないようなセットリストを...(笑)」 「今日はポカンしか言ってないね。また楽しく色々な所を周りたいと思いますので ちょこちょこと来て頂けるとうれしいなと思います」 その後 福岡公演の直後、北海道の音楽フェス「JOIN ALIVE」に出演する告知もされた。 「楽しい時間はあっという間に...」 客席からは「えーっ!」の大合唱だ。 「ねー。楽しかったですか?本当に」 「ニッポン放送とFM大阪でラジオもやってますので ぜひコンサートを見た感想とか、ここが良かった あそこが良かったとか この曲のここが良かったとか。私の顔については何も言わなくていいです(笑)」 「普段やらない曲をいっぱいやったので この曲のこういう処が良かったと書いて頂けると次の機会にスタッフも含めて参考にさせて頂きたいと思いますので是非メッセージ書いてくださいね」 「大体、元気になって帰ってもらいたいという曲をやるライブが最近、多いんですけど 今回はメッセージ性が強い、次に歌う曲はライブで初めて歌う曲なんですけど 今までなんで歌わなかったんだろうと自分でも思うぐらい素敵な歌詞の曲、今の私なら表現できるだろうと思って選びました。最後に「いつまでも」聴いてください」 シングル「8月の恋」のカップリング曲「いつまでも」。 アニメ「おちゃめなふたご クレア学院物語」のエンディングテーマであったそうだが、正しく埋もれた名曲である。 「みなさん ありがとうございます!また来てくださいねー。ありがとうございましたー!」 大きな拍手を受け、森高さんとバンドメンバーはステージを降りていった。 再びチサトコールが始まった。 今回は最初からフル・スロットルである。 そんなチサトコールは先程よりも短い時間で終わった。 スッとステージに現れる森高さん。 ダブルアンコールはMCから始まった。 「今回、来場者アンケートを実施中でございまして、あんまり悪口は書かないで下さいね。私が凹んでしまいますので(笑)」 「今回のグッズとかも皆さんが欲しいと言っていた物が実際に商品になっていますので 皆さんの声を参考にさせて頂きますので、曲についても是非この曲をやって欲しいというのがありましたら、次の機会にやる時に参考にしますのでじっくり考えて 真剣に考えて、アンケートよろしくお願いしますよ!」 「名古屋もう何度もコンサートで来ていますけど、名古屋の皆さんはいつ元気で。2階席の方も元気ですよね?」 「ちょっと遠かったかな?」 「でも(2階席からも)見えるでしょ?」 「照明が綺麗でしょ」「綺麗ですよね」 「今回皆さん…あ、もういいや。長くなっちゃうので(笑)今日は楽しく過ごさせて頂きました。明日も来る人?」 「はーい」と大勢が手を挙げた。 「めっちゃ多いですね。(内容は)そんなに変わらないです(笑)」 「セットリストはそんなに変わらないんですよ。最初に言っときますけど でも私の気持ちは毎日変わってますから」 「明日は明日で楽しみたいと思います」 「今日がツアー最後という方もいらっしゃるかもしれない。そういう方は9月から始まる「We feel fine」ツアーに来て頂ければうれしいなと思います。お待ちしております」 「さっきもしっとりした曲でしたけど、今回はしっとりした曲で攻めさせてください!」 「この曲は私が顎関節症という病気になって もう歌手をやめないといけないのかなと なかなか治らなくてそう思っていた時期があったんですけど、だんだん良くなっていって、またライブができるようになった時に1曲作りたいなと思って書いた曲です」 「毎日大切に思っていたことも、改めて幸せだなあと思ったり、考えさせられた事が凄く多くて そういうことを歌詞にできればなと思って作った曲です」 「皆さんにとっても嫌なことや辛いことがあったり悲しいことがあったりすると思いますが、毎日ちょっとでも楽しい事とか 森高のライブに来て楽しいなと思ってもらったりとか、少しでも幸せを感じてもらえるようになったらいいなと思って」 「まあそんなに大げさなことを思いながら書いたわけではないんですけど、自分の気持ちを込めて書いた詞があるので それを最後に歌いたいと思い選んでみました」 「それでは「今日から」聴いてください。」 初日の埼玉(越谷)公演のセットリストの最後に この「今日から」が選ばれているのを知った時、驚いた。 同時に絶対、聞きたいと思った。 私がこの曲を生で聞いたのは 1996年11月26日の「Tour 1996 "TAIYO "」での事だった。 ちょうど30年前の事である。 先程のMCでの発言もあるように、森高さんは顎関節症で3年ほどライヴが出来なかったが、治療の甲斐もあり回復。 ライヴ活動を再開して始まったツアーがこの「Tour 1996 "TAIYO "」であった。 そのツアーの(確か)初日が自分も参加した名古屋公演であった。 そしてその時もダブルアンコール最後の曲が「今日から」であったのだ。 復帰ツアーの初日、森高さんは普段以上に気持ちが溢れたのだろう。 歌手活動が出来なかった頃の気持ちを詞に託した「今日から」は 森高さんの涙腺を崩壊。 泣きながら、あるいは途中で歌えなくなった程だった。 当時は、想像もしなかったハプニングでとても驚いたが、この曲が持つテーマやバックボーンを想起して大変感動するに至った。 この日のライヴは 私が今まで経験した多くの森高さんのライヴの中でも とても心に残っている。 またこの日のライヴについて、当時、森高さんが担当していたラジオ番組「森高千里のキイトカナイト」に感想メールを送ると、思いがけず採用されるという幸運もあって余計、想い出として残っているのかもしれない。 残念ながら「今日から」を森高さんが涙して歌ったことは放送ではカットされたが、メール自体は森高さんが目を通してくれたと信じたい(苦笑) そんな個人的な想いもあって「今日から」は自分にとっても特別な曲であった。 30年前に見た光景をダブらせながら「今日から」を聞くと、なぜだか若くして亡くなった友人、知人、従兄弟の顔が思い浮かび 泣きそうになった。 「いつのまにか時は流れ 子供の頃は夢のよう」 「思い出は一つずつ あの空へ溶けていくよ」 「めくるめく時は流れ 夏も秋に変わっていく 今日から毎日を大切に生きていこう そう 今日から」 という歌詞が 涙腺を刺激したようだった。 後の大阪公演でも、森高さん自身もこの曲で目を潤ませていたそうで、30年経っても当時の思いを忘れないことに心震わされたのだった。 曲終了と同時に温かい拍手と、歓声が森高さんを包み込む。 「今日と明日、名古屋でやりますけど、皆さんの笑顔、そしてポカンとした顔(笑)見せて頂き 本当に楽しかったです。本当にありがとうございました」 「暑かったので水分補給して帰ってくださいね。ありがとうございました!またライブで会いましょう!」 「また遊びに来てくださいね!ありがとうございました。風邪 引かないように また元気で会いましょう!」 汗だくになりながら ステージの上手、下手を動き回り笑顔で客席に挨拶をする森高さん。 そんな森高さんに我々も手を振りながら 最後を惜しんだ。 時間は流れるように過ぎていく。 メンバーが居なくなった後、ステージに残った森高さんは ステージを去る際 頭に大きなハートを作っていた。 それが我々ファンにとって置き土産となっていった。 活動再開以降、今まで多種多様なライヴを行ってきた森高千里さん。 もちろん全国ツアーも毎年のように行ってきた。 だが、その合間に全国ツアーとは一味違うライヴも東京を中心に行うこともあった。 今回の「エスプレッソ SUMMER Tour」はそんなライヴの拡大版と云えるだろう。 今まで生で聞いたことのないレアな曲を中心に、個人的には聞いてみたかった曲、そして想い出深い「今日から」を披露するなど充実度が高いライヴとなった。 MCでも アンケートで聞きたい曲を募集し、今後のライヴの参考にするという話があったが、ぜひ今回のような濃い選曲の第二弾ライヴを実施して欲しいと思う。 ちなみに私が次に聞きたいレア曲は「遠い昔」(アルバム「Lucky 7」収録)。 1987年のイベント「大連=尾道・友港博」で尾道を訪れた時の思い出を元にして書かれたと思うこの曲。 大林宣彦監督は「映画、いいひとばかり」という本の中で イベントでの森高さんの印象を語っています。 大林監督は 森高さんデビューのきっかけとなった「第1回 ポカリスエット イメージガールコンテスト」の審査員でした。 「映画、いいひとばかり」の p216〜218【自らの言葉で、自らの心を伝えた森高千里の記憶】の章にて 『ぼくがはじめて彼女と会ったのは、ある新人タレント発掘の旅先のことだった。この子はきっと大きく育つ、とそう信じた通りに成長してくれたのはうれしいが、その千里が数年前、ぼくの古里・尾道へ来たことがある。それはぼくが演出した、大連=尾道・友港博という催しに出演するためだったが、未だ無名時代のことだし、同時に舞台を務めていたのが中国からやってきた雑技団の少年少女たちで、観客のほとんどはその可愛い芸をを見たくて集まったご老人たちだった。そこへロックのあのボリュームいっぱいの音の洪水だ。へきえきしたおじいちゃん、おばあちゃんは、もう耳ふさぎ頭をかかえ、果ては「うるさいぞ、早く止めんか!」とヤジも飛ぶ始末。それでも耐えて数曲を演奏し終えた千里は、舞台の上から静かな口調で観客席に向かって語り始めたのだ』 『「私にも、実はおばあちゃんがいます。小さい頃からとても可愛がってくれて、その私が歌手になるといって東京に出ていくときも、とても心配して、でもがんばるんだよと励ましてくれました。私の最初のレコードが出たとき、私はおばあちゃんにはうるさいだけで分からないだろうと教えなかったのですが、おばあちゃんはひとりで町のレコード屋さんへ行って、私のレコードを買ってきて、毎日毎日聴いてくれたんだそうです。元気でがんばってるの!と安心して、喜んでくれたそうです。きょうはうるさくしてごめんなさい。でもこの歌は、私にとって一生懸命、私の喜びを歌った曲なのです。私はいま歌を歌うことで、こんなに元気で幸福です。その私の気持ちが、少しでもわかってもらえたらうれしいです。聴いてくださって、どうもありがとう」』 『シーンと静まっていた会場から、嵐のような拍手が沸き起こった。先ほどヤジを飛ばしたおじいちゃんが、涙をぬぐい率先して大きな拍手を送っていた。千里は素敵な、賢い娘だった。自らの言葉で、自らの心を伝えたのだ。』 森高さんが一字一句、同じ事を話したとは思いませんが、何かしらステージからお話した事は間違いないと思っています。 だからこそ「遠い昔」という曲が生まれたのではないでしょうか。 私は この曲を生で聞いてみたいです。 MC部分はファンサイト「森高千里の部屋」のレポートを参考にさせて頂きました。 |
| SET LIST | |
| 1 | CAN'T SAY GOOD-BYE |
| 2 | CHASE |
| 3 | 海岸 |
| MC 1 | |
| 4 | 夢の終わり |
| 5 | 夢の中のキス |
| 6 | ロマンティック |
| MC 2 名古屋のグルメトーク | |
| 7 | SWEET CANDY |
| 8 | 夏の海 |
| 9 | 私の夏 |
| MC 3 Goods紹介 | |
| 10 | 渡良瀬橋 |
| 11 | 青い海 |
| 12 | 47 HARD NIGHTS |
| MC 4 バンド「ホワイトクイーン」メンバー紹介 | |
| 13 | HEY! VODKA |
| 14 | 夜の煙突 |
| 15 | 私がオバさんになっても |
| 16 | まひるの星(映画「星月童話」主題歌) |
| ・・・Encore・・・ | |
| 17 | 涙 Good-bye |
| MC 5 | |
| 18 | いつまでも |
| ・・・W Encore・・・ | |
| 19 | 今日から |