第4日目
1997年3月31日
(はまなす) 6:18 札幌
札幌 7:00 (スーパーおおぞら1号) 8:45 新得 9:43 (スーパーおおぞら2号) 11:01 南千歳
南千歳 11:06 (エアポート104号) 11:10 新千歳空港 11:32 (エアポート115号) 11:36 南千歳
南千歳 11:40 (スーパー北斗10号) 14:20 函館
函館 14:45 (134D) 14:57 七重浜 15:11 (1159D) 15:20 函館
函館 15:38 (はつかり26号) 18:04 野辺地 18:35 (南部縦貫鉄道) 19:10 七戸・・・野辺地
野辺地 20:17 (はつかり21号) 20:47 青森 21:05 (はくつる) 6:37 上野
はまなす
目が覚めると、列車は白い原野を走行中であった。東京は桜が満開であったが、北海道は雪である。あらためて、北海道の自然の厳しさを実感する。南千歳付近で、国道36号線と平行するが、道路はアイスバーン状態になっていて、トラックはゆっくりと走行しており、我が「はまなす」は軽快に追い抜いていく。「はまなす」は遅れもなく定刻に札幌駅6番ホームに到着した。
スーパーおおぞら1号(キハ283系)
ただちに、「スーパーおおぞら」の発車する4番ホームへ移動し、自由席の乗車口札を探す。時刻表では、”5〜6号車”が自由席だが乗車口札を見ると5,6号車は指定席である。後ろの方へ移動し8,9号車に自由席の乗車口札を発見する。
向かい側ホームの5番線では「スーパー北斗2号」の乗客が列をなしているが、こちらの方は誰も並んでおらず、あっさり、1番をゲットした。
コンコースの売店で、弁当を購入したあと、しばらくホームで入線を待つ。6:40頃、桑園方面から、ゆっくりとキハ283系が入線してきた。今回の旅で”北海道の目玉”であるキハ283系をじっくり見学する。
運転席のサイドに描かれた「FURICO283」のロゴも真新しいが、前面の愛称板及び、ドア横の方向幕が、LEDになったのはちょっとも物足りない。振り子車だけあって、重心は低いようだが、連結部の構造は、四国の8000系のように盛り上がってはいない。8000系が特殊なのかな?
車内のインテリアは白を基調として、おとなしめだが調和がとれており、明るくてすっきりしている。デッキにある喫煙コーナのカウンターも目新しく、ちょっとしたゆとりを感じる。また、デッキ出るドアの上には、最近の車両ではよく見かけるLEDの案内板が設置されて、列車案内が流れている。
また、キハ281系と同様に、運転台下には、前方ガブリつきの窓があり、迫り来る線路を見るのも楽しい。
7:00ちょうど、「スーパおおぞら」は札幌駅のホームを滑り出すように走り出した。日も注し始めたようで、市内の道路に積もった雪は溶け始めた。カートレインのホームがある白石を通過し、千歳線に進入する。「スーパー北斗」に乗車したときに、加速性能の良さに感激したが、キハ283系も同様の走りである。もっとも、キハ283系はキハ281系をベースに改良されたものなので、当たり前である。新札幌、南千歳と停車するが、自由席は40%程度の乗車率で、石勝線へ入る。
時々、「スーパーおおぞら」に乗務している女性客室乗務員(ツィンクルレディ)が車内をまわり、乗客様子を見に来たり、車内販売に来たりする。JR九州で始まったサービスが、北海道にも広がってきたようだ。時々、ドア上のLEDでは、列車が現在走行している区間を表示する(下図参照)。
点滅&移動する
↓
南千歳 ”□” 新得
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青森−函館間を走行する「海峡」号に設置されている青函トンネル通過位置表示器を応用したような仕組みで、現在どの辺を走行しているのか一目でわかるようになっていて、なかなか面白い趣向である。
石勝線を走行する「スーパーおおぞら」は千歳線内の走行と比較すると、スピード感はあまりないが、あっという間に新得に到着する。もっと乗車していたかったが、スケジュールの都合上、ここで下車する。
スーパーおおぞら2号(キハ283系)
新得では、約1時間の待ち合わせである。駅前に約60km離れたトムラウシ温泉から毎日お湯を運んでいる”新得町営浴場”(一応、温泉か?)があるので、開いていたら入浴しようかと思ったが、14:00〜22:00の営業で閉まっていた。
小雪も舞っており寒いので、駅の待合室に戻る。新得は”駅そば”がうまいと評判であるが、食欲が湧かないのでパス。釧路支社発行の「スーパーおおぞら」のオレカと特急型気動車を集めたD型記念硬券入場券を購入する。
往きの「1号」は空いていたが、帰りの「2号」の自由席は混雑しておいたが、なんとか座ることができた。立ち客も結構いる。上りの場合は自由席が先頭車なので、運転台が近いので、ガブリつきに行く。すでに先客がいて、ビデオカメラを廻していたが脇から覗かせてもらう。しばらく、乗り心地、スピード感等について歓談した。シートで座っている感じでは、千歳線内はスーパー北斗と同様に、激走しているが、石勝線は、それほどスピードが出ているとは感じない。しかし、ガブリつきで見ると迫りくるカーブをスピードを落とさずに走行するシーンはもの凄い迫力であり、スピード感を堪能できる。
11:01 南千歳に到着した。
快速エアポート(721系)
南千歳駅は、以前は北海道の空の玄関口”千歳空港”と跨線橋で結ばれていて、大変賑わっていた。現在は、当時のように乗降客で賑わっていた面影はないが、それでも「スーパおおぞら」から多数の乗客が下車し乗り換える。反対側のホームへ移動するだけで、接続も良く、721系の快速「エアポート104号」に乗り換える。
ほぼ、全席埋まっており、新千歳空港までの4分を立って過ごす。南千歳駅を発車すると、まもなく地下トンネルに進入する。トンネル内は、暗くつまらないのが一般的だが、ここのトンネルには、LEDのCMが流れており、面白い趣向である。
あっという間に、新千歳空港に到着。ターミナルビル内を散歩して11:32 の「エアポート115号」で南千歳に戻る。来たときと違い、飛行機の到着が空いていたのか、結構空いていた。11:36 南千歳に到着。
スーパー北斗10号(キハ281系)
4分接続で、「スーパー北斗10号」に乗車する。自由席はほとんど埋まっており、1カ所空席を見つけて座ることができた。苫小牧で若干空く。雪は止んだり降ったりの中、函館へ向けて激走する。
東室蘭を過ぎると、車内はかなり空き、ゆったりと過ごすことができるようになる。途中、工事中の室蘭大橋が見えたりと、かなり景色は変わったが、噴火湾を横に見ながら洞爺から函館までノンストップで走る。スーパ北斗でも、後ろのガブリつきスペースに行き、流れゆく景色を堪能する。スーパー北斗はほとんどの区間で、130km/h走行なので、
面白い。
14:20定刻に函館に到着
江差線ローカル列車
「はつかり26号」の乗車列には人影が全く無かったので、七重浜を往復する。列車はキハ40の単行であるが、車内はほぼ100%でなので、運転台後ろで前方を観察する。
五稜郭で「はつかり 5号」と交換するため、3分停車。「はつかり 5号」の折り返しが、「はつかり26号」になるので、改造車の 485系3000番台を期待していたら、紫色の車体が目に入った。「3000番台だ!」と思わず声をあげる。14:57分七重浜に到着。七重浜は数少なくなった硬券入場券を発売する駅であるので、入場券の入手が目的である。駅舎は橋上駅に建て替えられており、駅員がいて乗車券の販売をしている。が、休日及び夜間は無人駅になるとの貼り紙があった。JR北海道の小さな有人駅はこの傾向が強いので、入場券の入手の際には注意が必要である。
東日本フェリーの函館港に一番近い駅のはずなので、外に出てみるが、寒いのですぐひき返す。15:11のキハ40単行で函館に折り返す。こちらも良く乗っている。15:20函館に到着。
「はつかり26号」(485系3000番台)
先ほど五稜郭で485系3000番台すれ違ったので、わかっていたが期待を膨らまして乗車する。内装も原形をとどめていないほどに改装されており、ドアの自動化、電光掲示板の設置、トイレ・洗面所の改装、普通車座席のリクライニングの2段化等、新車と見間違うばかりのニューリアルがされている。これで、寿命が15年くらい延びたのであろうか?
15:24 に札幌から「北斗12号」が到着するが、乗り継ぎ客はわずかで、40%程度の乗車率で函館を発車した。青森まで約1時間50分ノンストップであるが、木古内まではゆっくりと走行する。車窓から津軽海峡の厳しい景色が見えるので、好きな区間ではある。
木古内を過ぎると、海峡線に入り、スピードも格段にアップする。「はつかり」の青函トンネルを挟む区間は時速140km/h走行で、在来線ではおととい通った、北越急行のほくほく線と並んで日本一である。一応、今でも青函トンネルを通過する際には車窓の案内放送があるので、いつ進入したかを見逃すことはない。
また、今ではほとんど見かけなくなった、「オレンジカード」の車内販売も行っていた。トンネルに入ってしまえば、暗闇が続くだけでつまらないが、吉岡海底、竜飛海底を通過する。覚悟していた以上に早く通過した。これも140km/h走行の成果であろう!
新中小国信号場で、津軽線に合流。快走もここまでで、また、スピードを落として青森へ向かう。途中、「はつかり」とすれ違う。海側の座席に座っていたので、気が付くのが遅れたが、相手の車両も白く見えたので、ニューリアル車だろうと思われる。
1編成しかないと思われていたが、2編成に増強されて運用にはいっているようである。一般的に、函館直通中心の運用に組み込まれるのが多いようである。
青森で乗客が入れ替わり、60%程度の乗車率で発車した。このまま、乗り通せば、東京に今日中にたどり着くのだが、いったん野辺地で下車し、南部縦貫鉄道に寄り道をする。野辺地で、かなりの乗客が降りたので、南部縦貫鉄道のお別れ乗車か?と身構えたが、私以外は全員JRの改札を出ていった。
駅の構内放送では、大湊線が強風のため運転中止で、バス代行しているとの案内がある。大湊線代行バスに向かった人もいるのだろう。
南部縦貫鉄道(レールバス)
どのくらい乗客が待っているだろうか?と不安を抱きながら南部縦貫の窓口に行くが、誰も並んでおらず、拍子抜けした。楽々と七戸までの乗車券を購入する。しばらくすると、どこからともなく同業者が2人現れ、一緒に折り返しのレ−ルバスを待つ。
すでに暗くなったホームに、レールバスは5分ほど遅れて到着した。車内から20人ぐらいの乗客が下車してきた。ほとんど同業者であり、カメラのフラッシュを浴びせている。
18:35、定刻に本日の最終列車は七戸へ向けて発車した。
乗り心地は、相変わらず上下の揺れが激しい!運転士も車両の振動に併せて体を上下に揺らしている。他の乗客の様子をみると、同様に、上下に振動しているのがよくわかるのがおかしい。
しかし、始めて乗車した時ほどのインパクトはない。乗客は全部で7人(男4人、女3人)。
地元の乗客は年輩の女性と女子高校生の2名で、男4人(私を含む)は同業者である。残りの女性は、かなりご年輩の方で、鉄ちゃんの息子に連れられて、お別れ乗車に来た感じであった。地元の乗客は、西千曳、坪で下車。残りの鉄ちゃんは七戸まで乗車した。沿線は暗いため、カメラの放列はなく、わずかに天間林で数名の鉄が、ノーフラッシュで撮影をしていた程度である。
線路は一部国道4号線と並行して走るが、あっさり車に抜かれるあたりが、この鉄道の利用価値が落ちている原因となっている気がする。
七戸に19:10着。折り返しの列車はなく、到着したレールバスはホームを引き上げ、車庫に入る。さよなら記念乗車券を購入しようとしたが、窓口の営業は終わっていると断られる。この乗車券は、後日再訪したときに購入した
全国からかなり鉄道ファンが来ているようで、駅の案内に十和田観光電鉄バスの七戸営業所の案内図が貼っている。国道4号線に出て野辺地方面へ数分歩くと、七戸営業所に到着する。
待合室を覗いてみれば、南部縦貫鉄道に乗車に来てバスを利用する乗客が多いのか、ご丁寧にも、七戸駅と野辺地駅の接続案内が載っている。ここで、「急行青森駅行き」に乗車した場合、”野辺地病院前”で下車すると、野辺地駅に一番近いことがわかった。 19:50発の「急行青森行き」は5分ほど遅れてやってきた。途中ほとんど乗下車はなく、南部縦貫鉄道と比較にならないくらい速い!あっという間に、野辺地市内に入り、野辺地病院前で下車。次の信号で角を曲がれば野辺地駅まで1本道で約6分ほどかかった。
はつかり21号(485系)
野辺地駅に、思っていた以上に早く着くことができたので、「はつかり21号」に間に合い、「はくつる」には青森から乗車することができる。「はつかり21号」は函館行きだが、乗車した車両はクハ485-1010であった。モックアップは張り替えられているが、昭和52年に奥羽線電化の際に「つばさ」に投入されて以来変更が加えられていない年代物である。(指定席車両は、グレードアップされている)
函館から乗車した、485系3000番台とは比べものにならない位に時代遅れの代物である。20:47に青森着。
はくつる(24系)
この旅最終列車となる「はくつる」に乗車する。その前に、改札を出ると、盛岡支社内で発売されている、秋田新幹線開業記念オレカが、100組発売でまだ、売れ残っていたので、購入する。E2とE3がセットになった2枚組のオレンジカードであった。
「はくつる」は客車になってから初めての乗車である。九州ブルートレインをそのまま東北に持ってきたから、冬場は折戸から、雪が進入し大変と聞いていたが、今夜は大丈夫のようである。ただ、地元客の便宜を図るため、8号車を八戸まで指定席車両として解放し、指定席特急券で乗車できるようにしている。横になってしまえば、疲れもあり、ぐっすりと眠ることができた。目が覚めると、利根川を渡っているところであった。6:37定刻に上野駅の15番ホームに到着。謝恩フリー切符の旅はここで終わりである。
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