内灣線普通列車
内灣線普通列車 機関車がでかい!
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今日の予定は阿里山森林鉄道に乗車し阿里山に向かう予定である。その前に台鐵路線を完乗するためには内灣線に乗車しなけらばならない。
体調も回復し、ホテルを6:30ごろチェックアウト。新竹(シンツー)発6:58の577次に乗車する。駅の発車案内板を確認すると2月台(ユエタイ)から発車であるが、2月台には内灣線専用の切り欠きホームも含めて3線ある。どこで待てば良いかわからないので、うろうろしていると、ごついディーゼル機関車に引かれた2両編成の客車列車が多数の乗客を乗せて入線してきた。時刻から推測して、内灣線の列車らしい。
乗客が下車すると同時に多数の乗客が乗り込むので、この列車が折り返し内灣行きとなるようである。1番先頭の車両に乗り込んだのだが、前に3両の客車が増結される。覗き込むと、客車のロングシートであった。クロスシートの方が良いので腰は上げない。
6:58、定刻に発車。内灣線は昨年の台風で相当の被害を受けたそうであるが、今は復旧している。台鐵のローカル支線は、昨日乗車した集集線と今乗っている内灣線、あと3日後に乗車予定の平渓線の3線あるが、この内灣線だけが、貨物輸送が好調な優良ローカル線だそうである。
はじめは平野部を走行するが、だんだんと山中に入っていく路線である。途中、竹東(ツゥートン)で上り列車と交換する。時刻表を見ると内灣線の列車は客車列車のような列車番号がついているが、交換した列車はディーゼルカー(紫)であった。
7:32、九讃頭(チュウツァントォ)に到着。ホームと駅舎を結ぶ構内踏切をまたぐ形で停車したので、「変な止め方をするなあ〜」と思っていたら、前3両の客車が切り離されて発車していった。一瞬、「置いてきぼりを食らったのか?」と思ったが、他の乗客は平然としている。時刻表をめくると九讃頭の発車時間はまだである。
切り離された客車は側線に留置される。この作業をしたディーゼル機関車は、新竹から577次列車を牽引してきた機関車である。ここから先、代わりの機関車が走るのかなと期待したが、側線への留置作業を終えたディーゼル機関車が戻ってきて連結された。定刻より少し遅れて内灣へ向けて出発。
少し遅れて内灣(ネェーウァン)に到着。改札を出て切符売り場に行くと硬券を発売していた。新竹で去回票(往復割引券)を準備していたが、記念に九讃頭まで、購入する。手帳に書いて窓口に差し出すと、「きゅうさんとう、11げん」と日本語で応じてくれた。しばしば、日本人の鉄道ファンが来て買っていくようである。わずかな折り返し時間の間に、ディーゼル機関車を付け替えて列車は新竹に戻る。
E1000系・自強号
自強号(E1000系)
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次に乗車するのは10:06発の自強号である。指定券は昨日新竹に着いたときに購入しておいた。
徐行の影響か?自強号は今日も数分遅れて新竹に到着。車両は新車のE1000系である。E1000系はフランスのTGVやドイツのICEと同じような先頭と最後尾に強力機関車を連結したプッシュプル方式の最新式特急である。
昨日乗車した100系とは大違いで、自動ドアがきちんと作動している(笑)。車内も全体的にきれいで、シートピッチも広くゆったりとしている。通路ドアの上部には日本でもおなじみのLED案内板があるが、単色表示用のようで橙色しか表示しなかった。もう少し、カラフルかな?と思ったのだが・・・。
床下からモータ音もしないし乗り心地も快適である。昨日通った風景をもう一度観察しようと考えていたが、いつの間にかうたた寝してしまって、一番面白い区間は寝て過ごしてしまった。
11時過ぎに弁当の車内販売がある。「何事も経験!」と購入してみる。値段は100元。
中身は日本の幕の内に似ているが、揚げ物が少し油っぽい。よく見ると弁当の箱のタイトルは「お料理弁当」と日本語が書いてあった。日本人団体向けの余りなのかな?。
少し味が濃いが、全部平らげる。いつの間にか遅れを取り戻し、12:34 嘉義(ジャーイー)に到着した。
森林鐵路・阿里山線
阿里山森林鐵路案内
>阿里山號對快(嘉義寄り)
阿里山號對快(阿里山寄り)

阿里山車站
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阿里山森林鉄道の列車は、嘉義駅の1月台の切欠部から発車する。少し早めに、ホームに入り入線を待つことにする。専用ホ−ムに近づくと日本人のグループや個人客の姿が、ちらほら見られる。
線路を覗き込むとナローゲージだけあって、線路幅がずいぶんと狭い。
13:15頃、ミニDL機関車を先頭に4両の客車を牽引した列車が進入してきた
車両は井川線の1週間前に乗車した大井川鉄道・井川線の車両並で似ている。定員は1両25人である。1両ずつ車両を観察していると、先頭車両に大井川鉄道と姉妹鉄道になったことを示すエンブレムがついていた。ガイドブックを開くと1986年に姉妹鉄道になったそうである。
さて、機関車を先頭に入線してきたし機回し線もあるので、当然機回しがあると思ったがその様子がさっぱりない。走り初めてわかったが急勾配を登るので、客車がはずれて暴走しないように、機関車が山裾から支えて登るためらしい。そう言えば、1997年10月1日で廃止された、信越本線横川−軽井沢間も山裾になる横川寄りにEF63型機関車が連結されていた。
車内にはいると、日本の在来線特急グリーン車並の1+2シートであるが、ナロー客車なので狭い。大井川鉄道・井川線並の車両並の小ささである。しかし、井川線の場合と違い車内には冷房がついている。さすが、観光特急列車である。
早速、乗車して発車を待っていると、謎の婆さんがやってきて、「ホテルある」と叫び乗客に声を掛けてきた。どうやら、ホテルの客引きにやってきたようだ。
「No, Thank you」と言ったのだが、メモ用紙に"1,000元"と記入して来る。再度、断ると"800元"を提示。現地で宿を見て決めたいので強く断る。この婆さん、乗客全員に声を掛けて勧誘し、隣の車両に移っていった。それにしても、客引きのしつこさは凄いものがあった。
なお、すべての会話は筆談である(笑)。
阿里山行きの列車は、13:30定刻に発車。ゆっくりとした歩みで進み出すが、すぐに北門に到着。駅前には大きな駐車場があり、バスで来た団体客はこの駅から乗車するとのことであるが、本日は乗客の姿はほとんどなく、乗車率30%程度で阿里山へ向かう。思った以上に空いている。
ここで、すぐ後ろの席に座っていた日本人女性から声を掛けられる。いろいろと話をすると、埼玉から来たOLで1人で台湾観光に来たとのこと。台湾入国は同じ日で、帰国は私より1日遅いとのこと。また、先ほどの客引きの婆さんと宿の交渉をして500元で交渉をまとめたとのことであった。ずいぶんと交渉達者である。
しばらく、行程や阿里山森林鐵路について歓談する。
竹崎までは、緩やかな上り勾配の平野を走行する。時速は30km/h程度しか出ておらず、平行する道路を走る車に楽々と抜かれて行く。
竹崎を過ぎるとあたりの景色が一変し、上り勾配もきつくなり山岳鉄道の様相が強くなる。時刻表上では樟脳寮(チャンアオリャオ)に停車するのだが、列車は減速もせずに通過。あっという間に、第一のポイント獨立山スパイラル線へアタックする。
このスパイラル線は高度200mを3重のループ線で登るものである。日本でもループ線はあるが、1回転して上るものばかりで、3回転するようなものはない。もの凄いものであるが、あいにく1人掛けのシートからだとその様子がよく見えなかった。
阿里山森林鐵路に乗車するなら2人掛けシートがお薦めである。
しかし、グルグルと同じ所を廻っている様子は体で感じることが出来きた。木々の間から時々広がる車窓は、標高が高くなっていることがはっきりとわかり、一気に山を登ったことを感じることができる。このあたりから植物の分布が変わり、熱帯から暖帯になるそうである。言われてみると、竹が増えてきたようである。
スパイラル線が終わり列車は淡々と山の中を走行する。突然、山の中に集落が現れ、列車は停車する。交力坪(ジャオリーピン)に到着したようである。この駅から、地元の乗客が多数乗車してきた。
この駅で1日1本の下山列車と交換する。阿里山森林鉄道は旅客列車は定期は1日1往復しかないのに交換するとは、運用の無駄が多いように見えるのだが・・・。交換した下山列車は日曜日午後の下山列車というのに、ずいぶんと空いていた。
どうも、阿里山を訪れる観光客は戻ってきていないようである。続いて、沿線最大の集落、奮起湖(フェンチーフー)に停車。交力坪から乗車した乗客はここで全員下車した。1日1往復しかないのにずいぶんと器用な利用である。
この駅では5分間停車するので、地元のオバさんが、お菓子の様なものを抱えて車内販売にやってくる。この地域の特産品のようである。
続いて、阿里山森林鐵路の第2のポイントである3段式スイッチバックにのぞむ。 第一分道、二萬坪のスイッチバックポイントは、あたりに何もない森の中の信号場であった。3つ目の神木は阿里山のシンボル檜の巨木・神木(ジンニー)がある駅である。
神木が線路の上を覆うようにそびえているが、神木は倒れかけておりワイヤーでやっと支えているという状態であった。しかし、列車とご神木の組み合わせは妙であった
神木から阿里山まではすぐで、嘉義(標高:30m)から阿里山(標高:2,274m)まで、走行距離: 71.9km、平均勾配: 31パーミナル、最大: 66.7パーミナルの登山鉄道の旅は終わった。
阿里山(アーリーシャン)
阿里山森林鐵路乗車券
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阿里山入山券(神木)
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阿里山駅で改札を出ようとしたが、改札の外に出るには入山券(100元)を買わない出れない。台湾の鉄道乗り潰しも大変だ。
さてこれから宿探しをしなければならないのだが、その前に明日の朝の御来光見学列車の乗車券を購入し、発車時刻を確認する。御来光見学列車は、阿里山観光のハイライトである祝山山頂から玉山連峰の御来光を見学するために運転されている列車である。
値段は片道100元、往復150元。帰りは歩くつもりなので、片道切符を購入する。発車時間は 4:30であった。
ホテル街に歩いていく途中、ホテルの客引きに誘われる。この交渉で英語が初めて使用できた(苦笑)。
1,000元(約4,000円)と少し高かったがこのホテルに決める。阿里山で1,000元クラスならまあまあであろう。しかし、ホテルは裏口から案内され、しかも領収書もよこさなかった。うさんくさいが、ガイドブックにも載っているホテルである。さては、脱税するつもりなのだろうか?。
ホテルの部屋はツインで広く上々であった。しかし、早速風呂に入ろうとしたがお湯が出てこない!どうやら給湯制限をしているようである。風呂はあきらめて、先に食事に出かける。阿里山らしい名物はなさそうなので、お客でにぎわっていた店に入り、中華料理を食べる。味はまあまあであったが、脂っこい豚肉いためには参った。
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