【トップページへ戻る】

大病院にこそISO9000!!(その2)

  繰り返される初歩的ミス

 
私は、先日、大病院にこそISO9000を!!という題で、医療分野にもISO9000のような品質保証プログラムの導入が必要ではないかと書いたのですが、また事故が起きてしまったので、再度テーマとして取り上げました。
 
つい一ヶ月前に、京都大学病院で誤って蒸留水の替わりアルコールを人工呼吸器に入れて女性患者が死亡する事故があったばかりなのに、またこんどは東海大学病院で初歩的なミスで女児患者が死亡してしまいました。
 
今回も、看護婦さんのチューブのつなぎ間違いという初歩的なミスが原因です。
事故の概要は以下の通りです。
二本のチューブが女児に挿入されていました。一本は点滴として静脈に、もう一本は栄養補給の為に鼻から腸に入っていました。
看護婦さんは、粉末の内服液を水で溶かし注射器にいれ、これを鼻に入っている管の先につなぐべき所を、誤って、点滴の管の先に繋げてしまったのです。
この結果、静脈に内服液が流れ、女児が死亡してしまったのです。
 
点滴のチューブが女児の右手に、鼻に差し込まれたチューブは左手に巻かれていたそうですから、左手に繋ぐべきところを右手に繋いでしまったわけです。
 
看護婦さんも、なぜ間違えたか、「自分でもわからない」と言っているそうです。
 
ポイントはここにありそうです。
看護婦さんが自分でもわからないと言っているように、間違えがわからないような仕組みになっていたのではないでしょうか。
 
まず、粉末を溶かした内服液を入れた注射器は、他と区別するために、内筒が赤くしてあったそうです。つまり内筒が赤い注射器は、点滴ではなく、鼻に向かう管の先に繋ぐものという識別をされていました。
しかし、繋がれる方の、点滴の管の受け口と鼻へ向かう管の受け口も、同じ色の同じ形(三方活栓)だったため、誤って繋げてしまったのです。
 
もし、鼻へ向かう管の受け口が注射器と同じ赤色だったり、形状が異なっていてさしこめなかったら、ここでミスに気づいたかもしれないのです。
 
ISO9000品質保証プログラムでは、製品を作ったり、作業を行ったりする過程で、「識別」について厳しい「要求事項」を、定めています。
材料や作業を間違えないように「識別」する手段や、もし間違えても、それを容易に発見できる手順を厳密に決めなければならないとしています。
 
今回の事故が、ISO9000に定めている、「識別」という「要求事項」を全うすることによって、必ずしも全てを防止できるとは限りません。
でも、少なくとも、事故を少なくする為に効果はあると思います。
ISO9000は、手順を定めることにより、一定の品質を確保しようと言うものです。
 
先日も書きましたが、厚生省が、医療現場へのISO9000のような品質保証プログラムの導入を検討する必要があることを、改めて痛感した次第です。
今回の事故の教訓を無駄にしてはならないと思います。
そして、不幸な事故が繰り返されないよう願ってやみません。


【トップページへ戻る】