第10章 排便について 

 筋ジストロフィー患者さんは,腹筋力の低下,運動量の低下,消化管活動の低下,偏食,水分摂取量の不足により便秘をおこし易くなりますので次のことに注意して下さい.
(1)決まった時間に排便の習慣をつけるようにして下さい(朝食後が良いと思います).
(2)楽な体位で排便できるようにして下さい.

 @背もたれ,肘掛,前もたれ台などの利用.
 Aポ−タブルトイレ,ゴム便器などを患者に合わせて使用して下さい.
(3)便秘時
 @食事は規則正しく繊維を多く含む野菜・果物等を多く取るようにして下さい.
 A水分摂取を促して下さい.
 B腹部マッサ−ジ お腹を手で軽く押さえながら「の」の字を書くように5回程度繰り返します.
 C温罨法 熱いお湯で絞ったタオルをお腹に当ててその上から別のバスタオルで覆い圧迫します.
 D緩下剤の使用 浣腸,座薬など医師の指示に従って使用して下 E摘便 浣腸しても便が十分に出ない場合は行ないます.肛門に力を入れないように口で息をさせます.薄手のゴム手袋か指サックをはめ,グリセリンまたはワセリンをつけ,滑りを良くし便を絞り出します.

(小西 妻恵)

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