2017/01/22:renewal
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『続 リスク管理のテクニック』

 

【危機管理のノウハウ_U】
【スランプに陥ったとき】

  1. 戦略面から検討する
  2. 自信を取り戻す
  3. 辛抱強く頑張る
  4. スランプの原因を見極める;その結果
    @新しいやり方を試みる
    A自分の得意な面を再認識し、伸ばしていく
     のいずれかを確認する
【要点】
 スランプに陥ったときは、戦略達成の意義、価値を再確認し、やり通す精神力を改めて持ち直しをします。
 戦略の再確認は、いままで努力してやってきたことを振り返り「ここでくじけてしまってはいけない」という感じを掴むことです。やり通す精神力を持ち直す「なにくそっ!」という気持ちの奮い立たせです。
 競争相手との客観的な違いを見直し、有利な点を伸ばすよう努力するのですが、有利な点がなかったら、それは、単なる実力不足であって、スランプとは云いません。ただ、イライラして自暴自棄にならないように、無理をせず、自分を充実させる準備期間と見るように、考えを切り替えます。好調なときは誰でも我慢できます。しかし、不調なとき自分を見失わないようにするのは易しくありません


【トラブル/衝突問題の解決法】
  1. 原則的手段としては、次の手順で進む
    情報収集分析と把握戦略の確立戦術の策定<実践
  2. 具体的手順
    @トラブルに関係する人達の立場を列挙する
    Aそれぞれの希望を確認する
    B衝突の中心となる立場を探し出す。
    C前項の衝突が戦略的(原則的)衝突なのか、
     戦術的(非原則)衝突なのか確認する。
    D戦略的衝突レベルであれば戦う、
     戦術的衝突であれば妥協する。
  3. 戦略は極力上位レベルのスケールの大きなものを考え、広い立場からの判断を心がける
〔要点〕
 問題が複雑で、思考の整理がつかなくなったときは、@〜Cの状況を、紙に書き出し下図のように図式化していくと、全体的な姿が容易につかめます。
 例えば、トラブルが生じた場合、課の問題として考え直すというより、部の目的、さらには、会社の目的を考え直すと云ったことが、よい結果を多く生み出します。
具体的手順
 衝突の種類が、戦略的(根本的)または、戦術的(手段の上)に分岐した場合、戦略は固辞しても戦術は柔軟に対応させます。
通常は、戦略的なぶっつかりあいのときは、徹底して戦います。しかし、戦術のぶつかり合いには、妥協の未知を探るなど柔軟性が必要です。


【極限状態におかれたとき】
 得意先の倒産や財テクの失敗、現地での戦争・革命などによる海外事業の崩壊危機。社長や経営幹部の誘拐事件、コンピュータの全面ダウン‥‥等々、会社単位、事業部あるいは課単位で極限状態に追い込まれてしまう場合があります。
 高度なハイテク機器を使い、治安に不安のある国にまで事業網を広げている現代企業には、どんな危機が訪れても不思議ではありません。
 その場合の対処ポイントを次に考察します。
  1. 沈着冷静な判断
  2. 戦略の統一
  3. 体力の維持
    @最大に体力を維持するとともに、無駄な
     エネルギーを使わないよう、体力を温存する
    A睡眠不足、過度の緊張からくる風、下痢に注意
    B食事の量、栄養のバランスに注意
  4. 重要事項にはバックアップの手も必ず同時に打っておく
  5. 余裕を失わない
  6. 何事も中途半端にせず、一つずつスピーディに解決する
  7. 後一歩の突っ込みをする
  8. 相手の話を良く聞く
  9. 連絡網の徹底を図る
  10. 平常時の組織にこだわらない
  11. 現実の枠を外して自由に考える
  12. フレキシビリティを発揮する
  13. 情報収集力を最大限に発揮する
  14. 行動の前に考える
  15. 平静時から(1〜14項について)鍛えておく
〔要点〕
 極限状態に陥ったときは、まず、事態の流れをしっかりと見つめあわてて悪い判断をしないことです。組織全体がバラバラになってしまうと、全く収支がつかなくなります。そのためには、後手に回らないことです。緊急事態の発生に気を取られず、次の事態発生を素早く予測し、先手に回るようにします。

 人間はあわてると中途半端になり勝ちです。極限状態からの脱出には、いくつかの壁を突破する努力が必要です。
 冷静さを失わず相手や当事者からの話をよく聞き、喧嘩はしません。真剣だからこそ喧嘩もあるという論もありますが、戦略(目標)達成のための、心構えとして強い抑制力は大切なものです。とくに、情報の迅速伝達に絡む混乱は避けなければなりません。

緊急組織を作り、重要事項には最適任者を当てます。悪循環からの脱出には、超法規的なことを考える必要性もあります。そして、変化への対応はスピードを要求しますから、できばえが悪くても、素早く対応できる拙速もまた重要です。極限状態では、平常のようにきちっとした仕事の仕方を考えないことです。

 つぎに、極限状態のときに必要なのは、情報収集網の確立です。キーワードとなる情報ルート、それにその信憑性確認のための別のルートの二本立てです。@戦略上プラスかマイナスか、A確定事実にもとづいているのか、B実行した結果、他者がどう出てくるか‥‥等、多角度思考的に考えてから行動します。
 けれども、近頃のメンタルトレーニングのように日頃からイメージトレーニングの心構えを大事にしないと、いざというときはなかなか実行するのは難しいことです。


【パニック/緊急事態の発生】
 このテーマは前出の「極限状態におかれたとき」と、同様の対応になりますが、ここでは、より以上の緊急を要するものについて考察します。

  1. 沈着冷静な判断
  2. 戦略の統一
  3. 余裕を失わない
  4. 相手の話を良く聞く
  5. 事態の流れをよく見る
  6. フレキシビリティを発揮する
  7. 行動の前によく考える
  8. 平静時から鍛えておく(1〜7項について)
〔要点〕
 与えられた時間内(瞬間のときも)に静かに思索し、全体を瞬間的に掴みます。
まず、打つ手を緊急判断と緊急連絡により、混乱を避ける方向にさだめます。その後、つぎつぎに起こる変化に対して対応が後手に回らないようにするため、緊急事態に気をとらわれないようにして、次の事態発生の予測を素早く行います。
 できばえが悪くとも素早くできる手段は、死命を決めます。プラスかマイナスか、事実かどうか、やった結果を、他人はどうしたか、などetc多角度から考えて行動します。
 
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