【極限状態におかれたとき】
得意先の倒産や財テクの失敗、現地での戦争・革命などによる海外事業の崩壊危機。社長や経営幹部の誘拐事件、コンピュータの全面ダウン‥‥等々、会社単位、事業部あるいは課単位で極限状態に追い込まれてしまう場合があります。
高度なハイテク機器を使い、治安に不安のある国にまで事業網を広げている現代企業には、どんな危機が訪れても不思議ではありません。
その場合の対処ポイントを次に考察します。
- 沈着冷静な判断
- 戦略の統一
- 体力の維持
@最大に体力を維持するとともに、無駄な
エネルギーを使わないよう、体力を温存する
A睡眠不足、過度の緊張からくる風、下痢に注意
B食事の量、栄養のバランスに注意
- 重要事項にはバックアップの手も必ず同時に打っておく
- 余裕を失わない
- 何事も中途半端にせず、一つずつスピーディに解決する
- 後一歩の突っ込みをする
- 相手の話を良く聞く
- 連絡網の徹底を図る
- 平常時の組織にこだわらない
- 現実の枠を外して自由に考える
- フレキシビリティを発揮する
- 情報収集力を最大限に発揮する
- 行動の前に考える
- 平静時から(1〜14項について)鍛えておく
〔要点〕
極限状態に陥ったときは、まず、事態の流れをしっかりと見つめあわてて悪い判断をしないことです。組織全体がバラバラになってしまうと、全く収支がつかなくなります。そのためには、後手に回らないことです。緊急事態の発生に気を取られず、次の事態発生を素早く予測し、先手に回るようにします。
人間はあわてると中途半端になり勝ちです。極限状態からの脱出には、いくつかの壁を突破する努力が必要です。
冷静さを失わず相手や当事者からの話をよく聞き、喧嘩はしません。真剣だからこそ喧嘩もあるという論もありますが、戦略(目標)達成のための、心構えとして強い抑制力は大切なものです。とくに、情報の迅速伝達に絡む混乱は避けなければなりません。
緊急組織を作り、重要事項には最適任者を当てます。悪循環からの脱出には、超法規的なことを考える必要性もあります。そして、変化への対応はスピードを要求しますから、できばえが悪くても、素早く対応できる拙速もまた重要です。極限状態では、平常のようにきちっとした仕事の仕方を考えないことです。
つぎに、極限状態のときに必要なのは、情報収集網の確立です。キーワードとなる情報ルート、それにその信憑性確認のための別のルートの二本立てです。@戦略上プラスかマイナスか、A確定事実にもとづいているのか、B実行した結果、他者がどう出てくるか‥‥等、多角度思考的に考えてから行動します。
けれども、近頃のメンタルトレーニングのように日頃からイメージトレーニングの心構えを大事にしないと、いざというときはなかなか実行するのは難しいことです。
【パニック/緊急事態の発生】
このテーマは前出の「極限状態におかれたとき」と、同様の対応になりますが、ここでは、より以上の緊急を要するものについて考察します。
- 沈着冷静な判断
- 戦略の統一
- 余裕を失わない
- 相手の話を良く聞く
- 事態の流れをよく見る
- フレキシビリティを発揮する
- 行動の前によく考える
- 平静時から鍛えておく(1〜7項について)
〔要点〕
与えられた時間内(瞬間のときも)に静かに思索し、全体を瞬間的に掴みます。
まず、打つ手を緊急判断と緊急連絡により、混乱を避ける方向にさだめます。その後、つぎつぎに起こる変化に対して対応が後手に回らないようにするため、緊急事態に気をとらわれないようにして、次の事態発生の予測を素早く行います。
できばえが悪くとも素早くできる手段は、死命を決めます。プラスかマイナスか、事実かどうか、やった結果を、他人はどうしたか、などetc多角度から考えて行動します。
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