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一桁のビジネスマン行動科学

【制度や上役を嫌う理由】

  《反発する前に考えること》
 毎日の仕事の中で、自分の仕事や上役に疑問を感じたり、不安の虜になったり、あるいは、幻滅を感ずることを経験する人は沢山おります。
 自分の情念の内部にあるある何物かが、深刻に矛盾に気づき始めているのです。
「ビジネス社会は、こうあるべきだという若者の期待と、食い違う現実の社会の姿が、徐々にわかってくる途中で出会う矛盾のことです。それは、絶えることがなく、いつも継続するように(恐れを)感じたり、何かが(間違っている)という強い懸念を抱くような状態です。」

 この程度の体験段階では、上司が悪いとか、組織が悪いとなどと、そのせいにして仕舞うのは容易なことです。しかし、自分の感ずる不安が、実際の状況には、ふさわしくないのですが、それは「当たり前のことだ」と、理解することは非常に難しいものです。
 結局のところ、周囲の環境が自分に対して、あまり保障されていない、つまり、間違ったことがなされていると思っていることが、悩みの種の原因となっている場合が多くあります。
 そのためこの点について、何故制度や上役の指示に反対か、賛成かを自分自身で理解しておかなければなりません。

 理解を怠り、こうした習性で時を過ごしていると、本人自身の安全の追求は、すべて上司や、制度に関わっていると思いこんで仕舞っているようになります。
 それだけなら、取り立てて異常なことではありません。実際に誰もが体験する自然なことです。それが異常になってくるのは、自分の考えている安全と、ビジネス社会の制度や上司を混同するという、すべての望みが絶たれてしまう様な、思考状態に陥ったときです。

 そこで「安全」とか「自由」という言葉は、本人自身にどのような意味を、与えているか考えてみるとします。自分を尊敬し、重視することは、人間として大切ななことです。
ところが、それらを無視されると、人間は自尊心や自制心に深刻な脅威を感じ、不安状態になります。する事や考えることのすべてに、落ち着きがなくなり神経質になってきます。

 そのため、いつも気が張りつめるので、ストレスが起きたり、大きな不安を感じるようになります。
 この種の不安に対して人間は、自己防衛のため、ストレスをやわらげることによって、状況に応じようとします。つまり、自分の心の安全や自由を脅かす漠然とした脅威に対して、責めるべき相手を探すようになります。このとき、標的になるのが、制度とか上役など、日常生活においての環境制限にたいすることであることがハッキリしてきます。

 日常の勤務が、上司や上役の気に入れられているか、あるいは、組織内で自分が役立っているのか等、認められてるか、認められていないかということは、愉快や不愉快の感情感覚に、直接関係してくるからです。
 大事なことは、その、気に入られるか入れられないか、という問題要素です。そして、感情感覚の働きに関係のある発育過程では、どの様にして育ったかという点です。
 感情感覚は、本人自身の小さい子供のときから、生活に密着して、指揮監督してきた人々から、気に入られた、あるいは気に入られなかった多くの体験をもっています。そして、そのことが習性として学習され、自分の気質に育成されるとされています。
 一般的に、これらの心理の成育過程に、気がついていない人が多いのです。

自分自身の進歩の状況に満足できなくなった時や、仕事に不安な気持ちを持っているとき、あるいは、自分自身に不満のあるときの問題は、制度や上役などの周辺環境にではなく、本人自身にあることを認識する必要でてきます。          つづく

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