このビジネス心理の資料収集には一つの目的とその理由があります‥‥。
後輩や将来を託するに足る若者達に向かって、問題を起こしているのは、制度とか、管理者を含めた上役でなく、自分自身にその問題の多くがあることを、分かって貰うためです。
その理由は、教育制度の基本的な考え方には、国の施策に従うという、従属的な考えが優先されているからです。
つまり、従属主義が優先されて教育されるため、多くの人達は、ビジネス組織に必要な自立主義について、基本的な理解力を持っておりませんでした。つい最近まで、自立思想は、従属社会においては、破壊活動とか危険行動をとる混乱を起こす原因として、その自立の知識や自立教育の普及が行われていませんでした。
ごく一部の指導者や管理者向けに、帝王学とか、管理者教育などと形で非公開で行われていましたが、一般的には、まだ広く知られていない知識分野です。
そのため、仕事や上役などが、折角用意してくれた機会を、目の前にしながら、自分のために役立たせられないことを、よく理解して貰いたいためです。
その様な都合の良いチャンスに気がついて、やる気がありさえすれば、評価も高くなり、待遇などの保証も大きくなることにつながります。
少しの実績は、次の飛躍に連らなっていますから、実際の成績は、意義のあるものに大きく接続する手続であるのです。
このチャンスを逃す傾向は、年齢にも、性別にも、そして、健康や学歴などなんら制限のない問題です。また、精神的な内向性も外向性も、すべては全く関係のないことです。
チャンスは、目前にあるのに関わらず、自尊心や自重心をもつ自我がノーマルな行動を起こすか起こさないか、それが結果として、自分自身の未来を開く決定的分岐点になることです。
管理者に対する見方を変えることができれば、一個の人間としての可能性を、最大限に引き出せるようになります。
制度についても同じことが言えます。それは、自分自身の人生の目標でもある仕事において、より大きい業績を上げることにも通用する物事の筋道だからです。
その事の原因や結果については、組織や、管理者をはじめとした、制度についての何故、好きなのか?何故嫌いなのか?、などの、理由についての理解から始めなければなりません。上司や上役について「なんとも思わない」などと、胡麻化して済むものとは、目的や調べる意味が違ってきます。
賞賛‥‥軽蔑、尊敬‥‥卑下、親密‥‥疎遠、和合‥‥冷淡、好意‥‥不満、是認‥‥嫌悪等々、自尊や自重など、自我に引っかかる何かがある筈です。
好きとか嫌いと言うのもその一つです。
それでは、つぎに、「制度」「管理者」という言葉の持つ内容、つまり意味するもの、あるいは、私達を仕事に縛り付けている機能を、良く観察することによって、制度上の「管理者を好む理由」または嫌っている理由について考えてみることにします。
つづく
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