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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【叱る方法】

「叱るのは内々ですること」です。
一体、叱るということは、間違いは改めさせることを言うのです。ですから、反則者には、自分が悪いという事実と理由を認めさせると同時に、二度と同じ間違いは繰り返さないと決心させるような、叱り方でなければならないのです。

組織グループのメンバーの前でとがめると、叱られた方は、敵意を燃やすことになりかねません。要するに、公衆の面前での非難は、与える方にも、受ける方にも、破壊的な感情を育てるだけで、叱られたものを良く導くことには決してならないのです。

 叱る必要が生じたときに、待ってましたとばかり日頃の不満をぶちまけ、まるで楽しんでいるかのように、小言を浴びせる者には、無論、リーダーの資格はありません。

 叱る真の目的は、その事件の再発を防ぐとともに、当人とグループとの関係を正常なものにして、やる気を取り戻させることにあるのです。

「○○君、君は十二年間わが社で働いており、その間君の働きは、立派なものです。会社は君のことをもっとも信頼すべき社員の一人だと見てきました。だからこそ、工場長が今度の事故の最終責任は、君にあると報告したときは、本当に驚きました。」

 このように、心のふれあう話し方で進めていけば、直接糾弾するより、ずっと建設的な結果が得られるはずだ。
 叱るときには、とがめているのは人をではなく、間違いをだということを、できるだけはっきりさせるべきです。

慎重に企んだ事件という確証がない限り、誤ちによるものだという態度をとらなければならないのです。暴言や嫌み、ののしりなどは、叱られている当人に口答えや、言い訳をする気持ちを起こさせ、その結果は、悪意と口論だけをもたらし、教育したことにはならないのです。

 叱るという行為と、どのような罰が課されたかを、グループ全員に知らせることは、はっきり区別しなければなりません。

周知の違反に対して、何の懲罰もされていないと、グループのメンバー達に思わせることは、まずいやり方です。

そして、ひとたび懲罰が実施されたならば、それを受けた当人が、罰の厳しさをおおげさにこぼしたりしないように、リーダー自身が、全員に、どのように事後処理したかを知らせるべきです。

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