創造的な人間と言いますと、アインシュタインや、エジソンのように自分一人で研究をしたり、アイデアを生み出すとか、発明をしたりする人のように想像する人が沢山います。 しかし、実際には、多くの想像的概念は、共同作業をする集団から生まれています。つまり、アイデアの相互作用と、交雑が観念構成を促進しています。古い諺に「三人よれば文殊の知恵」と言う俚諺があります。これを拡大解釈すると、頭数は少ないより多いほうがよいと言うことになりますが、これは事実であり、新たに説明を要するものではありません。 近年、独創的なアイデアを、素早く生み出すように、集団思考の新しい利用方法が、開発されています。これはもともと、新しい宣伝計画を捻出する広告代理店が使っていた方法ですが、まもなく、集団創造力を伸ばすため、広告業界以外の各種の団体が利用するようになったものです。 アレックス・オズボーンは、世間に広く知られた広告代理店のバッテン、バートン、ダスティン、オスボーンを率いていた当時、この概念を生みだして、ブレーンストーミングと命名しました。 従来の会議とブレーンストーミングの違いをみると、従来の会議では、アイデアの評価と批判が中心であって、アイデアそのものを、実際に生み出すことがあまり行われませんでした。会議のやり方は、座長が会議を取り仕切り、座長ががボスということで、彼の反対意見はアイデアの多くを封じて込めてしまいました。新しいアイデアが出されても、すぐ分析され判定が下されるので、それ以上のアイデアが発展していくことは、ごくまれであったのです。 ブレーンストーミングの取った方法は、「その価値に関係なく」できるだけ多くのアイデアを生み出すことを目標にしたことでした。要するに、つまらないアイデア、ばかげたアイデア、あるいは、見当違いのアイデアであっても、他の出席者の心の中に、素晴らしいアイデアを、ひらめかせるかもしれないと考えたのです。
オズボーンは次のように述べています。 典型的なブレーンストーミングにおいては、通常5人から10人のグループが、前もって発表された一つの問題に取り組みます。 座長は、常に問題だけを提起してから一般の参加者の席に着きます。そこで、グループのメンバー一人が、出されるアイデアを全て大ざっぱに記録する書記の役目を果たすことになります。(場合によっては、この記録だけを専門にする書記を加えたたり、テープレコーダを使ったりします。)
誰かがアイデアを出すことでブレーストーミングはスタートすることになります。。 しかし、アイデアに関する規制は全くありません。どんなにひどいアイデアであってもも、ほかの誰かが良いアイデアを出すのに役立つものを秘めているかもしれないのです。それぞれ独自に仕事をしている一人一人の人間から、個別にアイデアを出させるより、この様な会議を開いたほうが代替え案をたくさん生み出すことが出きる利点が大きいのです。
ブレーンストーミングは次のような4つの基本原則があります。
参加者の注意事項や心構えとしては、会議の前に、必要なデータを全て理解しておく必要があります。ブレーンストーミングは新しいデータを検討する会議ではありません。参加者全員がブレーンストーミングと言うアイデア創出の方法を認識して、どんなにくだらなく見えても、アイデアを口に出す覚悟と、意欲を持たなければなりません。
不幸なことに、多くの社員は、言わんとすることが、末葉末節に至るまで、固まらないうちは、口を開かないように訓練されてますから、なかなか発言しようとしません。 アイデアが色々出され、その説明が終わりましたなら、そのひとつ一つを慎重に分析することになります。この仕事を担当する管理者は、最も有効と思われるアイデアを選びます。次回に説明するところの提案された解決案の、どれを取るかを決める技術を用いて、これを分析し判断することになります。 「計画化の段階 終わり」
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