「集団行動を理解する」 人間は、公式、非公式をどちらであっても、集団に参加すると、ある種の地位が与えられます。 非公式集団と対立する銀行役員の集団のように、預金者のグループと、銀行の経営陣という具合に、公式には認められた地位があります。非公式集団の場合は、地位は非公式なものですが、それにもかかわらず、両集団のメンバーも、外部の者もこれを認めています。
もし、そのような集団が、企業組織の中で高い地位を占めていると、その集団のメンバーでない人々は、集団に参加したいという強い欲望が生まれます。しかも、集団にたいする忠誠度が高くなります。
例えば、ある病院の看護婦集団の中でも、手術室勤務の集団が、一段高い地位を占めるとします。この集団に属する看護婦さん達は、同僚や他の病院関係者からエリート集団と見なされます。 他の看護婦さん達も、その他の非公式集団に属しているのですが、手術室勤務の看護婦を羨ましく思い、先を争って、手術室勤務になろうとする位です。ですから、同じ給料を貰える特別な職場が空いていても、多くの看護婦さん達は、手術室勤務に加わろうとしています。
このように、影響力を持つ集団には、人を寄せ付ける凝集力があります。そのために、集団内に意見の相違が発生しますと、その場合の集団が、経営組織に及ぼす影響力は、小さくなります。 集団の機能は、反抗的な態度を取ると、服従を強制するように働きます。そして、集団は脱集団に対しては寛容ではありません。例えば、個人行動のため、手段としての離脱は集団行動における大罪ですから、自分の個人感情を、絶えず集団感情に優先させている個人は、やがて集団の傍観者になることになります。
さらに、外部の圧力が、集団に加えられるような場合がありますときは、共通の危険に脅かされるときと同じように、集団のメンバーは、外部の者に対し、個人差を忘れて、結束を固める方向に動きます。 このような集団行動は、しばしば企業経営者が、導入を望んでいる進歩的な技術や合理化などの革新を疎外しております。管理者はこの事を良く認識し、変更を行う際には、そのことを考慮にいれなければならない。
それから、企業組織に良くみられる集団のもう一つのタイプには「派閥」があります。
派閥は、何となく形成される場合もあるし、固い結束のもとに、形成される場合もある。極端な例では、たまたま出会って、互いに励まし合ううちに論争になり、同じ立場に立って議論しているうちに、形成される少人数の集団もある。
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