2017/01/20:renewal
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 実用文書の書き方
 企業、役所などの組織を成り立たせているものは、俗に、人、物、金といわれています。しかし、これらを円滑に動かすために必要を、欠くことのできないものが、あらゆる組織行動の裏付けとなる文書情報です。

 朝出勤すると、机の上には書類が担当者の判断を待っています。書類は、計算するもの、上司、同僚と打ち合わせするもの、OA機器の処理を待つもの、いろいろあります。しかも、その結果によって、手紙をしたためたり、報告書、あるいは、連絡文書を作成しなくてはなりません。

 人間の体に例えてみると、これらの文書情報は体を流れる血液みたいなものです。いわば、人間の活動の原動力です。ですから、情報文書は、例え一通であっても疎かにできません。

 もちろん、情報はレポート・報告書だけで伝わるものではありません。口頭でも電話でも、また映像でも可能です。しかし、組織は確かな記録によってしごとをすすめます。

 誰がこういっているとか、昨日はこういうことを聞いたが、と、言うだけでは仕事になりません。確かな記録とは、つまり、レポート・報告書です。また、いくら素晴らしい企画案を持っていても、それを決められる企画書なり、私的レポートなりに文書化しなければ、企画は明らかになりませんし、結果として実現は不確実になります。

 実際に文書を書くためには、アウトラインを決め、無駄のないように、しかも、十分に考えなり報告なりをまとめます。この様式は、ほかの口頭で電話で話をする場合など非常に役立ちます。

 最初、どのような話になるか、筋道を考え、重要なポイントは、個条書きにして用件に落ちのない、しかも、前後が混同しないように注意するでしょう。この習慣が身についてくると、あたまの中で整理するようになり、電話や口頭の連絡も簡潔明瞭に用件を伝えるようになります。

 このような努力を怠らないことが仕事の能率も上がり、周囲の評価も自然に高くなります。そのためにも、文書作成には常に最大の努力が必要になります。  結局、組織の中で仕事をするということは、様々な文書を読み、それに対してまた別の文書を書いて、一つのものを作り上げていくことだ、と言っても言い過ぎにならないかも知れません。

実用文の書き方は文学的な表現とは異なる 実用文の特長
 ビジネス文には、実用という一つの約束事があります。その特長をあげると、まず、「わかりやすい」こと。つぎに、「おもしろい」こと。最後に「ためになる」こと。この三つの原則が優先されます。

 ようするに、独りよがりの凝った難解な文章では読む人が困ります。また、相手の立場に立って親切で素直な書き方にしませんと、組織の血流に停滞を起こしかねません。上記の三原則を守ることが何よりも大事です。

 

  1. わかりやすいこと
     難解な表現を避けて、文章をみじかくします。そして、適当なところで改行します。長くなるときは「小見出し」を入れるなど、文章上の注意のほか、論旨の展開、見せ方を工夫します。

  2. おもしろいこと
     ビジネス社会では、カタログ、広告のコピーなど、世の中にあふれるほどあります。報告文にしても、日に何十と読まなければならない人がいます。その沢山の情報の中から最後まで読んでもらえるには、まず、工夫が必要になります。

  3. ためになること
     実用的な文章には、目的があります。その目的に読み手を導く”文章による説得術”が必要です。目的の使い道や使い勝手などを、ハッキリしめして、その効果などを具体的に聞き手の理性に働きかけます。

    (註)参考文献:仕事上手になるチェックリスト・桜井雅章著