企画書の書き方
Renewal 2017/01/02
企画書の書き方V
 項  目
要      旨
○企画の環境の書き方 必然性を訴求する/        ポイントだけを表現
○コンセプトの書き方 コンセプトの書き方コンセプト作成は大人の積み木遊びコンセプト作りの主な3手法
○企画の目的の書き方 企画の目的の書き方願望と目的は似て非なるもの目的は、企画の環境に則して科学的な道筋
○企画の内容の書き方 企画の内容の書き方全体企画と個別企画の関連性を明示
○企画の問題点の書き方 企画の問題点の書き方守りの姿勢からの問題点指摘攻めの姿勢から問題点指摘
○ 企画の効果的な 書き方 企画の効果的な書き方企画には見返りが求められる予測される効果でも十分
○企画の予算の書き方 企画の予算の書き方予算の書き方がポイント予算を通すテクニック
○企画の日程の書き方 企画の日程の書き方日程ページに必要な構成要素個別作業の関連性をチャートで示す
○基礎資料、参考事例の書き方 基礎資料や参考事例は別冊にする表紙索引をつけると親切になる
○総花的にならない書き方 なんとしても煩雑にしない省略や合併の可能なケース展開の序列

企画の環境の書き 方

    環境分析についてのコメントは、たとえ、表現は簡潔であっても企画の必然性を説明するためには不可欠な要素になる。

  • 企画の必然性を訴求する
     企画の立案は、まず、現状の観察と、その現実に存在する問題点や矛盾点の発見からはじまります。これは、企業の場 合に は、一般的な経済情勢業界情勢、消費者動向などのビジネス環境の観察と、その 分析という ことになります。

     それらに先立って、企画書をまとめる段階までに達している企画者の頭の中には、沢山の情報や分析結果が渦を 巻く ように活性化しているかもしれません。その要素を「比較対照する」あるいは、「選択して」どうにかコンセプトを作り 上げていきます。この思考の過程はわざわざ述べる必要もないと思います。ただ、自分の考えを信用して、結論だけ を聞 いて欲しい。といった思いもありますが、企画書に環境分析を盛り込む理由は、企画者の出した結論の必然性を、説明す るための根拠そのものになります。

  • ポイントだけを表現する
     表現の方法としては、素直に集めた情報とその分析結果を記せばいいのですが、注意しなければならないことがありま す。 それは、できるだけ簡潔であるということです。
  •  集める情報の量は、必然的に膨大なものになります。また、その分析のプロセスには長いものがあるかもしれません が、 それも当然です。一般に、企画書の中に書かなければならない材料の量の最も多いのは、この環境分析の項目になります。
     しかし、その全てを記入すべきものでもありません。煩雑になりすぎないようポイントだけを記入するように注意しま す。 できれば図表等を用いて示した方が効果的です。

     その場合、付表あるいは参考資料の形で表現しきれなかったものを添付するのが合理的です。 ■ 戻 る

コ ン セプトの 書き方

コンセプトが簡潔で理解を深める言葉で表現されていない企画書は、まだ十分な企画書といえない。
  • コンセプト作成は大人の積み木遊び
     「コンセプトをつくれ」などと命じられると、怖じ気づく人は少なくありません。コンセプトの本来の意味は概念、つ ま り、哲学用語ですから取っつきにくい無理なことと思うかも知れません。
     しかし、実際にコンセプト作りを手がけてみると、その言葉の感じから連想するような難解な作業ではないことが分か りま す。

     それは、ちょうど、子供の積み木遊びのようです。色とりどりで、形や大きさもまちまちな「概念という積み 木」 を、組み合わせたり加工したりする作業になります。ですから、企画作りに慣れてくると、企画書作成の中で、最もクリ エイティブで楽しい作業というように、感じられることと思います。

  • コンセプト作りの主な3手法
     概念という積み木を使った積み木遊びにはフォームがあります。その主な手法には、概念統一法と置換法、それにピク アッ プ法の3つの思考方法があります。
    (1) 概念統一法は、たとえば、カラーテレビ、クーラー、カーのように、元々使用目的の異なる商品を「現在の消費者のステータスシンボル」という概念で統一して みることです。つまり、3Cの誕生です。

     この概念(コンセプト)はCM等で大活躍しています。消費者の購買欲求をかき立てて自動車メーカーや電機 メー カーを大儲けさせたのは、そんなに古いことではありません。

    (2) つぎに、置換法とは、例えばある商品の特性を、別のもう少しユニークな言葉に置き換える手法です。例えば、新しく開発するMTB(マウンテンバイク)の愛 称を、その早い、軽い、敏捷という3つの特性から連想して「カモシカ」と名づける例のようなものです。

    (3) ピックアップ法は、多くの特性の中から、とくに際だつものだけをピックアップして商品のイメージを強くアピールする手法です。
     例えば、初期のコンビニエンスストアが、多くの特性の中から、24時間営業をピックアップしてアピール、近 い、品 数豊富、など、その便利さで注目を集めたような例です。

     このように作られたコンセプトは、広告など多種多様な分野のデザインプラン、販促キャンペーン、に応用され て マーケティング活動の核となります。

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    企 画 の目的の 書き方

    企画の目的と願望は混同しない。混同を防ぐには環境の分析を行ってから、目的を科学的に立案する
  • 願望と目的は性質が全く異なるもの
     たとえば、皆さんが販売会社の営業マンだったとします。そして、その販売会社では、不況下の営業不振を挽回するた め に、1年前から各営業所を競わせて「売上競争」をさせています。

  •  そして、毎月の売上を集計、優秀な成績を上げた営業所には金一封が社長賞として出ているのです。たとえばそれらは、 「トー タル売上NO1賞」とか、「営業所員一人当たりの平均売上No1賞」などです。

     しかし、皆さんの所属する営業所は、所長以下、わずか5名で構成されている全国でも最も小さい営業所だとします と、 残念ながら社長賞を受賞することはできません。ですから、これを何とかしたいのです。
     そこで、営業振興企画書を書きます。その企画書の「企画の目的」の項目には、「トータル売上No1の座の獲得をめ ざ す」 と書きました。

     それでは企画の目的にはなりません。何故なら、所員数5名の全国最小の営業所です。会社の中には数十名の所員を 抱え る営業所も存在するのですから、どう考えても不可能です。

     このように不可能な目標は、「企画の目的」とは呼びません。単なる”願望”にすぎません。ただ、「営業所員一人 当た りの売上平均 NO1」なら、努力次第で達成できることはあり得るでしょう。
    ですから、「一人当たりの売上平均 NO.1の座を獲得する」であれば、立派な「企画の目的」になります。当たり前のことを述べているようですが、これは意外に大事なことです。というのは人 間には目的と願望を往々にして混同してしまうという困った癖があるからです。

  • 企画の目的は、企画の環境に則して
     この困った癖がでないように、皆さん方を守ってくれるのが「企画の環境」であり「企画の前提=制約」です。これこ れの 制約や、これこれの業界事情・地域の消費動向等を分析した結果、やりようによってはこれこれの目的が達成できるかも知れ ないという一種の科学です。ですから、それがなければ企画は成立しません。あるいは、それを無視して強引に企画を立 てて も、人を説得することは出来なくなります。

     そのため、こうした科学的な手順は企画書にも明 記する必要があります。例えば、環境・前提= 制約 と目的の関係を、できるだけ簡潔に表示するとか、チャートあるいは、文章の場合でも、箇条書き程度の簡単なもので表 示するなどの工夫が必要になります。
     なお、企画の目的はなるべく数の少ない方がいいのです。というのは、多くの目的を掲げると注意力も戦力も分散 して 散漫になり、結局、「二兎を追うものは一兎も得ず」ということになりかねないからです。

     この目的の分散もまた、ビジネスでは往々にして陥りやすい困った癖の一つですから、厳しく自己チェックが必 要に なります。

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    企 画の 内容の書き方

    企画書の最も重要な部分である。様々な表現手法を検討して最も効果的な遣り方を採用する。
  • 全体企画と個別企画の関連性を明示
     企画の内容とは、その目的を達成するための具体的な行動提案を意味します。ある意味で企画(企画 書)の 結論部分に相当します。一般に企画とは、この部分のみを示すと考えてしまう人も多く、企画(企画書)の中でも最も重要な 部分ということになります。

     それだけに読み手が理解しやすいように表現する必要があります。その大切なポイントの第一が、全体企画と個 別企 画の関連性の明示することです。
     企画の内容には、単数の項目で成り立っているものと複数の項目で成り立っているものの二通りが考えられます。 単数 の項目とは、例えば、「企画の目的」で紹介した営業振興企画の例、つまり、
    「アフターサービスの徹底による買い換え需要のキャッチ」が

     それに相当します。しかし実際には、その全体的な企画内容は、例えば、アフターサービスを徹底するための時間の捻 出はどうするかなど、より具体的な複数のサブ企画によって支えられていなければ成立しないことが多くあります。
    ですから、企画の内容は「全体企画」とサブ企画である「部分企画」から構成されることが多くなります。

  • 表現技法にも気を配る
     読み手の理解をすすめるには、表現の技法にも気を配る必要があります。
     具体的には文章による表現だけに限定して考えるのではなく、たとえば、フローチャート、図解、あるいは、イラス ト、予 算が許せばビデオなどの使用も考えます。
     そして、その中から、最も効果的な表現技法を採用することにします。何れにしても企画書の最も重要な要点となる項 目で すから、原則的には、いくら凝っても凝りすぎということは少なくなります。最近の企画書は、ビジュアル化へ進む傾向にあ ります。
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    企画の問題点の書き方

    企画書に問題点を記入することはマイナス思考ではない。つぎのステップへ進むため避けることのできない切り口になる。
  • 守りの姿勢からの問題点指摘
     企画書にその企画の問題点を記入することについては、大別して2つの意味があります。1つは受動的 な守 りの姿勢を表示することと、もう1つは逆に能動的な攻めの姿勢を表示することです。
    まず、受動的な守りの姿勢ですが、これは、

    (1) この企画には危険要素も存在する。その危険をあえて犯しても実行する価値があると思うが、どうであるか。

    (2) この企画には、企画立案者の段階では、判定できない問題も存在する。その問題点が許容範囲内にあるかどうか検討して欲しい。

    と、いう問いかけを立案者がするものです。最終的な判断を企画立案者が放棄(あるいは保留)して、クライアン トな り上司なりにそれを任せることを意味します。
     情けない、と思われるかも知れませんが、必要なときもあります。たとえば、その企画が失敗した際に、企画立案 者に 全面的な責任を負わされそうな状況の場合は、自分のみを守る手段となります。しかも、全ての企画環境や企画環境が企 画立案者に知らされていない場合もあります。

     そのような場合、そうした環境や前提に関わる情報・知識を保持している上級の判断機能に、計画を進めるかあ るい は停止するかの最終結論をゆだねることも必要になります。

     それにもう1つ、クライアントや上司に華をもたせるためという理由もあります。これは説明しなくても分かる 事由 のことです。

     例えば、「出る杭は打たれる」例もあります。社内で孤立したくなかったら、このことを一応留意しておくべき で しょう。もちろん、その会社の雰囲気にもよりますが、若い序列的に下位の人間が大きな功績をあげたような場合につい て希有される出来事です 。

  • 攻めの姿勢から問題点指摘
     問題点の指摘には積極的な攻めの姿勢の意味も含まれています。その意味は、
    (1) 企画の成功のためには、どこに精力を注いでほしいか、関係者に明示しておく。

    (2) 今すぐ問題にはならないが、今回の企画が完了した時点で、発生するかもしれない今後の問題点を明示することで、次の段階の課題を提起しておくなどです。

     攻守のいずれの場合も、表現形式は箇条書きなどの簡単な形で構いません。

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    企画の効果的な書き方

     企画立案段階では効果を正確に判定できないことが多い。しかし、予測程度のことは記述をする。
  • 企画には見返りが求められる
     企画倒れ、という言葉があります。一見すると立派な企画ですが、とても実行に移せないとか、または、実行に移した とし ても、実現は不可能なことでまるっきりダメな企画を意味します。
     ではなぜ実行に移せないのか、あるいは、なぜダメなのかには、さまざまな理由が考えられます。そのもっともな理由 に は、成果の上がらない点が注目されます。

     企画は、なにがしかの営利を求めて実行されます。とくにビジネス社会においては、見返り、つまり利益を上げ ない 企画などは、何の意味もないといって言い過ぎではありません。利益を上げない企画を立案する人もまた、有害無益な存 在になります。

     当たり前のことを主張するようですが、意外なことに、効果を、つまり利益という見返りを考慮しないで、立案 され る企画が少なくありません。ということは、それが企画立案の怖いところでもあるです。ある程度企画慣れしてくると、 立案の過程そのものが面白くなってしまいます。そこで、ついつい面白さに引っ張られて、効果の方をないがしろに して しまいます。その結果、前にも述べたように、「企画は成功したが会社は倒産した」という悲喜劇がしばしば生まれるこ とになります。

     この傾向はとくに、クリエイティブな体質の濃い企画関係者に多く見られます。そこで、それを自戒する意味で も、 企画を考える場合には、常に、なぜ、何のためにこの企画を考えるのか意識することが重要に なります。

  • 予測される効果でも十分
     といって、企画立案の段階では効果が正確に予測できない場合が大部分です。そこで、もし予算が潤沢なら経営コンサ ルタ ントなどの外部の専門家に依頼して、客観的な立場から判定して貰うのもよいでしょう。

     それができないのであれば、その段階における予測で構いません。ただし、その場合の項目タイトルは「企画の 効 果」ではなく「予測される効果」のような形の方が無難かもしれません。
     そうまでして企画の効果を表示する必要があるのか、という疑問が生じるかもしれませんが、効果についてのコメ ント が付加されますと、企画書の印象度は必然的に高まることが多くなります。

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    企 画の 予算の書 き方

    企画書に、予算などの施行細目が記述されないケースは、企画の内容が評価されても直に実行は出来ない。
  • 予算の書き方がポイント
     企画書の内容が好意的に評価された場合であっても、予算や日程など、施行細目が記述されていなければ、直ちに実行 に移 せません。予算や日程を改めて案出してから再提出しなければならなくなります。かりに、その手間暇が黙認されたとして も、同じようなレベルの企画書が競合する場合には、
    「内容は良いんだけど具体性が???」などと退けられてしまいます。そこで、企画書には必ず予算の項目を設けます。 予算 の構成要素としては、以下のような項目が考えられます。

    (1) 費用総額
    (2) 個別企画ごとの費用
    (3) 作業項目ごとの費用
    (4) 固定費と変動費の区別

     (1)(2)について説明を省略します。が、(3)の場合、たとえば、パンフレットの製作の場合には、企画 費、 取材費、コピー費、写真撮影費、写真レンタル費、モデル費、デザイン費等々、作業の項目ごとに分けて費用を見積もり ます。(4)は、デザイン費などの固定した(ページ数がきまっている場合ですが)費用と、取材のための旅費など の変 動的な費用を区別して見積もることになります。

  • 予算を通すためのテクニック
     (3)がなぜ必要なのか。それは、このやり方の方が合理的で予算請求が容易であるからにほかなりません。
     何百、何千万という金額がまとめて提示されると、金を払う側はギョッとすることが多いのです。そこで、具体的にこ の作 業にはこれだけの費用がかかるということを明示しますと、「ははあ、これだけかかるか。じゃ、無理はないな」
    と納得して貰えます。とくにその分野における知識が不足してるクライアントを相手にするときには、この細分化した予 算の 書き方が不可欠といっても過言ではないと考えます。

     余談になりますが、ある広告代理店の経営者などは、もっぱらこの方法を採用します。しかも、場合によっては 電話 料金やカラーコピーの料金まで予算の中に書き込んでいるくらいです。ちょっと吃驚するくらいですが、彼の言い分は、 この方法の方が予算(見積もり)を通しやすいということです。ですから、こうした専門家の長い経験から導き出さ れた 結果も大変参考になります。

     また、(4)ですが、これは、実際に企画の実施にはいると、旅費が思った以上かさむなど、予定外の出費が重 なる ことが発生します。その結果、赤字が出てしまっては困ることになります。
     そこで、変動制の強い予算の場合は、固定費と分けてハッキリその旨を明記しておくことが大切になります。たと えば 取材のための旅費なら「取材謝礼+実費」と、あるいはレンタル写真の費用だったら「実費(あるいは時価)」などと明 記しておきます。

     例にあげたのは、社外スタッフによる製作予算ですが、社内で物事を処理する場合でも、これに準じる配慮が必 要で す。思わぬ出費がかさんだ結果、原価計算の出来ない駄目な奴と思われかねません。

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    企画の日程の書き方

    日程には、個々の作業のスケジュールと、個々の作業の関連性(流れ)を明示する。
  • 日程のページに必要な構成要素
     日程も、また、企画書を実行するために、欠くことのできない施行細目の一部です。
     以下の項目は、日程のページを構成するために不可欠な要素を項目順に抽出したものです。

    (1) 総日数
    (2) 開始日
    (3) 最終日
    (4) 個別作業別の所要日数
    (5) 固定作業の固定性、変動制の区分と変動制の対象となる作業の日数算定
    (6) 個別作業同士の関連性(作業の流れ)

     この項目の中の(1)(2)(3)(4)については、とくに説明しなくてもお分かりいただけるでしょう。 (5) の必要性は、「企画の予算の書き方」で説明したのと同じ理由によります。つまり、実際に企画の実施段階にはいると、 思わぬ問題に直面し、解決に貴重な時間が食われることがあります。
     そこで、その可能性がある作業項目についてはその旨を明記、あるいは、個別作業別の所要日数に少しずつ予備費 を” まぎれこませる”形で、総日数の中に”遊び”の部分を確保しておきます。

     いずれにしても、実際作業は頭の中で考えていた(理想的な)形通りにはならないことが多発しますから、その こと を念頭において、日程のページを作成して下さい。
     なお、個別作業別のチャートとしては、日程をビジュアル表示するガンチャートなどの表現方法があります。

  • 個別作業の関連性をチャートで示す
     一般の企画書の場合、日程ページの説明の多くは、前述のガントチャートだけで終わりにしております。しかし、これ だけ では作業別に必要な日数は分かっても、たとえばAという作業が終わらなければBという作業にかかれないなどの、個別作業 同士の関連性が説明できません。

     そこで、そうした関連性を示すために日程に、プラス作業の流れをビジュアルに表示したアロー・ダイアグラム など を付け加えると、日程のページはより完成の域に近づきます。

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    基 礎資料、参考事例の書き方

    基礎資料や参考事例を本文中に挿入すると煩雑で論理の流れが乱れる。できるかぎり別冊の形にする。
  • 基礎資料や参考事例は別冊で
     基礎資料参考事例は、その企画書の
    グラウンド、つまり、必然性を説得するための大事な基盤となるものです。また、その企画を立案するために、いかに多 くの 要素を考慮したか、その努力の過程を物語るに適した選れた資料でもあるのです。

     さらに、沢山の基礎資料や参考事例が付されていると、その企画書がどこか優れたものとして、読み手を従わせ る心 理的な効果もあります。ですから、できるだけ付け加えます。
     ただし、限度があります。基礎資料や参考事例の分量が膨大になる場合、それを企画書の本文中に挿入すると、表 現形 式がいたずらに長く、煩雑になります。そして、せっかくの企画の論理が中断、あるいは乱されてしまう恐れがなきにし もあらずです。

     ですから、原則として、基礎資料や参考事例は適度にし、別冊や別紙の形で添付するようにしたいものです。

  • 表紙をつけ、索引をつければ親切
     さて、そのまとめ方ですが、基礎資料あるいは参考事例であっても、枚数が多い場合には表紙をつけます。表紙には目 次と 索引を忘れないようにします。
     目次をつける意味は説明しなくともお分かりでしょうが、索引については説明を要します。要するに、これは、おのお のの 資料あるいは事例が、企画書本文のどこと関わりがあるかを示すための手引きになります。そこまで丁寧にやれると、もう完 璧に近くなり、申し分のないものになります。
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    総 花的にならない書き方

    今まで説明した項目の全てを企画書に書き込む必要はない。必要なものをセレクトする。
  • なんとしても煩雑にしない
     いままで企画書の書き方について、企画書に求められるさまざまな項目をあげました。それに、それぞれの書き方を説 明し てきました。ここで気がかりなのは、ひょっとしたら企画書にはその全てを盛り込まなければならないのではないか。と、い う誤解を与えてしまったのではないか、ということです。

     そこで、企画書の書き方を終えるにあたって、ハッキリ断言しておきます。
    いままで解説した項目の全てを独立した形で企画書に盛り込む必要はありません。その全てを独立させて盛り込むと 煩雑 になりすぎて、読み手を退屈にさせます。そして、ひいては企画書の価値を減ずることになりかねません。

     筆者自身も、全ての項目を網羅した企画書を書いた経験はありません。省略した方がよい項目は省略し、併合し て1 つにした方がよい項目は併合させます。スッキリしたかたちで企画書を作成、提出しています。

  • 省略や合併の可能なケース
     たとえば、「はじめに」はつけないことがよくあります。というのは、はじめておつき合いさせていただく企業なり、 個人 なりに、企画書を提出する場合には挨拶文に相当する「はじめに」が欠かせません。しかし、何度も一緒に仕事をしているよ うな企業や個人に提出する場合には、いささか空々しくなります。これは、社内企画の場合も同じです。

     ふだん、口を聞いたこともないエライさんに、提出する企画書なら挨拶文は必要かもしれません。しかし、毎日 顔を 会わせている課長や部長どまりの企画書には不要です。また、「はじめに」のタイトルのもとに、企画の目的や要約版を まとめて入れてしまうこともあります。ですからケースバイケースです。
     ただし、そうした省略、簡略化は、あくまで企画書を書く場合だけです。そのことを念頭におくことが大切です。 でな ければプレゼンテーションの場での質問に対応しきれません。

     それにもう1つ、各項目の展開序列(順番)も多種 多様のパターンが考えられます。企画書の書 き方 のの展開序列は、あくまでごく一般的な例です。たとえばコンセプトから入って企画書全体のインパクトをより強烈なも のにするなどの手法もあります。これまたケースバイケースです。要はニーズに対応した臨機応変をおすすめしま す。

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