守りの姿勢からの問題点指摘
企画書にその企画の問題点を記入することについては、大別して2つの意味があります。1つは受動的
な守 りの姿勢を表示することと、もう1つは逆に能動的な攻めの姿勢を表示することです。
まず、受動的な守りの姿勢ですが、これは、
(1)
この企画には危険要素も存在する。その危険をあえて犯しても実行する価値があると思うが、どうであるか。
(2)
この企画には、企画立案者の段階では、判定できない問題も存在する。その問題点が許容範囲内にあるかどうか検討して欲しい。
と、いう問いかけを立案者がするものです。最終的な判断を企画立案者が放棄(あるいは保留)して、クライアン
トな り上司なりにそれを任せることを意味します。
情けない、と思われるかも知れませんが、必要なときもあります。たとえば、その企画が失敗した際に、企画立案
者に
全面的な責任を負わされそうな状況の場合は、自分のみを守る手段となります。しかも、全ての企画環境や企画環境が企
画立案者に知らされていない場合もあります。
そのような場合、そうした環境や前提に関わる情報・知識を保持している上級の判断機能に、計画を進めるかあ
るい は停止するかの最終結論をゆだねることも必要になります。
それにもう1つ、クライアントや上司に華をもたせるためという理由もあります。これは説明しなくても分かる
事由 のことです。
例えば、「出る杭は打たれる」例もあります。社内で孤立したくなかったら、このことを一応留意しておくべき
で
しょう。もちろん、その会社の雰囲気にもよりますが、若い序列的に下位の人間が大きな功績をあげたような場合につい
て希有される出来事です 。