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『創造性開発・問題開発』

【 K J 法 】

◆概要
 KJ法は、ブレイン・ストーミング等によって集めたアイデアカードを書き取り、その内容を、一行見出しに要約するものです。
 この技法の内容は、一行見出しをつけた多数のカードのうち、親近感のあるもの同士を集め、いくつかのチームを作ります。つぎに、チームが出来たなら、これを図解(A型)したうえで文章化(B型)に進める方法です。
 KJ法は、この過程で発想を得るという方法で、文化人類学者川喜田二郎氏(元東京工業大学教授)が考案したもので、その頭文字を取って名付けられた技法です。創造性開発(または創造的問題解決)の技法で、川喜田氏の頭文字をとって“KJ法”と名付けられています。


◆利用方法
 KJ法の利用は、ビジネスなどの問題で、その本質が発見できない場合、それに関連する周辺情報を多量に集め、その中から原因や解決策を考え出していくときに用いられますが、代表的なG−KJ法(グループ式KJ法)は概ね右図のような手順で作業を進めます。
  1. 事前の準備(用意の品)
    @カード(KJラベルの大小を使うと便利)
    A図解用紙(半紙大のコピー可能な白紙あるいは模造紙など)
    B筆記用具、(マジックペンの細いもの太いもの)
  2. 課題の提起(課題の調査・探検=資料調査(内部調査)・観察実験(外部調査))
  1. カードの記入(個人作業) 一つの事柄を記入したコンテキストに、エッセンスを、一行見出しに要約すれば、こうなるということをKJラベル(メモ用紙)に書き込みます。
  2. グループの編成
     メモ用紙をカルタ取りのように、畳あるいは大テーブルに広げてから、グループ(八〜十名で構成)で記入されたカードを眺めるようにして調べ、内容的に近いカードを、一緒のグループに集める作業をします。
  3. 表札作り  グループ化したカードの内容を適切に表現する見出しを考え、グループの表札にします。
  4. グループの階層かと空間配置  表札をグループ化出来なくなるまで、大グループをつくり、表札を命名します。また、その見出しの持つ意味の納得のいくような空間配置(構図=A型)を考えていきます。
  5. 以上の空間配置が終わったなら、これを図解化(B型)します。
  6. AB型の手順は以上の通りですが、メモカード作成→グループ編成→A型図解→小型文章化までを、一サイクルにして、そのサイクルを何回も重ねると、情報全体が良く把握できます。そして、新しいアイデアがつぎつぎに発想されますから、最後に図解化されたものをよく見た上で文書化(累積KJ法)に取りかかります。文章化は図解のどの部分から始めてもよいのですが、グループメンバーが、最初に明らかにしておいたほうがよいと考える部分から進めます。そして、さらに、その隣接部分へと広げていきます。その場合、新しく生まれたアイデアも、文章構成に加えながら表現をしてまとめ上げます。
◆活用事例
 まず、カードの記入方法は、カード一枚に一コンテクスト、つまり、一要件を一項目に20〜30字くらいの字数要領で書き込みます。
 つぎは、グルーピングの留意点です。前項 右図にあげたKJ法図、あるいは、右図のKJ法図解例−図を参照し、KJ法の全体像を理解してください。
 記号詳細図は、カードとカードの関連を示すものです。図解例は、KJ法のA型と称されるものです。カードを関連づけされたものによって、一番最初にグループ化したものに、小表札の見出しをつけます。小表札グループをまとめたグループに中表札の見出し、中表札をまとめたグループに、大表札の見出しというように、ネーミングを行ったものが、図解例−図です。

グルーピングの留意点
 グルーピング作業では、カードを無理にどこかのグループにはめ込もうとさせないことです。何処にも属するところにがないカードは独立させて一匹狼として扱うようにします。(図解例−図)また、一つのグループに、二十枚、三十枚のカードが集まった場合には、それをさらに細分化して五枚〜十枚のグループに組み直します。同じ内容のカードが数枚合った場合にはもちろん一枚にします。
 図解かが終わると完成に近くなります。このとき大切なのは、関連記号の取り扱いです。無造作につけると次の段階の文章化に大きく影響しますから、丁寧に、正確な記号を付与するようにします。

文章化への手順
 文章化は、最後の仕上げです。図解化された模造紙等をじっくり眺め、「この関係があれば、こう考えられる」という関係を読みとっていきます。そして、つぎに、この部分は必要だ、最初に文章化したほうがよいという部分から始め、その隣接へと文書運を進めます。
 この技法の活用は広範囲に及んでいますから、課題の性格によってやり方も変化します。一般的に、創造性開発の場合には、ブレイン・ストーミングからはいるやり方になります。

参考文献;「発想法」、川喜田二郎著、中央公論社刊    
    ;「アイデア創造編」、小林末男著、日本法令刊  
    ;「教育訓練技法」、教育技法研究会編、経営書院刊

注:「下図、NEXTで次ページへ続く」



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