この技法は、集団によって、参加者の創造性を開発しようとするものです。この技法を繰り返し実施することによって、メンバーの創造性を徐々に育て、職場に創造的な雰囲気をつくることを目的にしています。
参加者が気楽な雰囲気の中、固定観念にとらわれずに、自由に思いつきやアイデアを出し合い、そこから想像と連想を働かせて、さらに多くのアイデアを生み出す技法ですから、次の四つの基本的なルールを設けて実施するのが普通です。
◆特徴
ブレーン・ストーミングの特徴は、つぎの三つに分けられます。まずはじめに、集団の構成メンバーの自由な発想や発言を、最大限に保証しなければなりません。このブレーン・ストーミングの思考メカニズムは、集団によるアイデアの連鎖反応です。この連想(他人のアイデアが核になって思いがけないイメージへと発展していく想像)をさまざま生み出すためには、それ以前のキッカケ発言・発想がいろいろと必要になります。4つのルールの中1.2.3を、例えていえば、4の役割を担うものです。
次は、ブレーン・ストーミングの思考の方法です。この方法は、一つのことを深く考えるとか、論理の一貫性・妥当性を競う等、あるものごとを、討論のように、議論の上で判断するような思考ではありません。むしろ、まだなかったこと、誰も考えついていないような解決の糸口や、新しい商品開発について、文字通りアイデアを発想するための方法論です。制約のない「思考の駆けめぐり」が思考の本質です。思いつく、ひらめく、着装する、発想する、突然の名案といったもののも、多様で多角的、かつ多面的な思考の、自由さの中で生まれるものです。
最後は、ソロ・ブレーン・ストーミングです。これは、単独での個人でも行うことが可能です。集団を積極的に使うのは、メンバーの持つ知識・経験・情報・イメージの異質性・多岐性が、より多くの異なったアイデアを発想させてくれる期待があるからです。
◆効果と応用
ブレーンストーミングには次のような効果が期待できます。
- 特定問題の解決策を見出す。
ブレーンストーミングでは、このような直接的な効果を、目的として実施されるケースも多くあります。
- メンバーの題解決能力(創造性)が育つ。
ブレーンストーミング独特の創造的雰囲気を、繰り返し体験することで、知らないうちに、創造的な考えや気持ちを体得できます。
- チームワークの強化。
同じメンバーが、ブレーンストーミングを継続体験することで、同じ考えのものがまとまりますから、一体感や仲間意識が強くなる効果を期待出来ます。
◆活用の仕方
会議に適した問題
この技法の実施は、計画段階と実施段階に分けられますが、効果を上げるには、計画段階が大切です。実際にやってみると、補足や分類、特に評価の段階が非常に難しいことに気がつきます。
- 「‥‥‥‥するには、どうしたらいいのか?」という問題に限ります。
- 紙に書いてみなければアイデアが出てこないような問題は不適です。
- 一般的な問題でなく、具体的なものになります。
- 二つ以上の問題が、混じらないこと。
- 問題が大きすぎたなら、分析して適当な大きさに細分します。
- 出来れば、問題は、前日あるいは、前々日に渡しておきます。