NM法は、研修プログラムの中で訓練技法としてそのステップを習得するより、ビジネス現場の中で関係者が集まって、チームで取り組むべきテーマを設定、その追求のために展開していったほうが、この技法の強みが発揮されます。
幅広く活用された結果、営業、事務分野から研究開発、製品開発から機械設備の改善
に至る生産技術分野に十分活用できています。とくに、最近では、生産技術分野に限らないで、商品開発と合わせた、NM−S法(作戦技法)、にあわせたD型(発見技法)を展開して販売促進やマーケット開発のためのデータ解析を行うビジネス企業が増えてきております。
どちらにしても、大切なのは取り組むべきテーマを現場の中から見つけ、それを絞り込むことです。ぼんやりとした、抽象レベルのテーマでは、この技法の特徴である問題解決のアイデアは生まれてきません。持ち味を生かす活用度をピクアップするとつぎのように大別できます。
@営業スタッフ部門(情報解析、問題発見・把握)
A技術部門(発明技法、情報解析)
B研究部門(問題発見・把握)
このように、NM法のそれぞれ五つの技法を実際的に活用するには、共通の課題認識のある同一担当部署、またはプロジェクト・チーム全員が、一度はNM法の各技法のステップを体得しておくことが必要です。その上で、共通テーマ、プロジェクトの設定とその具体化を図って、いくことになります。
◆活用方法
下図QAとAの評価図は、NM−H型についてその手順経過を示しております。
必要材料はKJ法と同じようにカード模造紙などを用います。しかし、進め方の手順は、先に述べたキーワードにたいする類推方法で展開をしていきます。
課題「身体についた不快なにおいを消す方法」の場合は、テーマを類推分析するとき、最初に思考するキーワードは、「消す」という動詞系になります。この形容動詞系「消す」を動詞系で類推、先に進めて具体化すると「吸い取る」とか「分解させる」というように、キーワードの類推ができます。
ここでは、キーワード「消す・消える」と、つぎの「吸い取る」までについて、キーワードのもつ特質「A」をQA「類推分析」しました。下図は、「消す、消える」について類推したA1〜13の「名詞」を、キーワードに結びつけたものです。つまり、キーワード「消す・消える」には、「消化器」から「墨を塗る」までを選択配置し、キーワード「吸い取る」には、「くちびる」から「電気掃除機」を配置しました。
QAによる選定には、「消す」については、消化器、消しゴム、霧、火消し壺(火を入れると消える)、車のマフラー、灰皿でもみ消す、黒板拭き、殺し屋(手にかかると消される)、忍術で消える、洗剤、スイッチ(明かりを消す)、胃袋()消化、墨を塗る(塗ると字が消える)等が候補になりました。けれども、課題との関連性から関係あるものだけに絞ったものをカード化しました。