■情報項目
「情報を制する者は勝つ‥‥旧世界からの鉄則よ」 ――レーネ・ジーン |
リサーチフェイズ開始時に調べられるのは、以下の項目です。
→『◆映画『星月夜の祈り』』へ
→『◆アンジェ・エヴァーグリーン』
→『◆ニール・スミス』へ
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆“マースカ・ディカーブリ”』へ
→『◆“カリリオーン・クラスタ”』へ
→『◆ミルトン・ブラウン』へ
→『◆レーネ・ジーン』へ
→『◆インディア・セヴン』へ(アレンジしたオルタナティブ導入で『イヌ』が出会っていれば)
ニール・スミスの正体、“カラリエーヴァ”の正体を完全に解き明かすには、神業を必要としています。キャストの人数が少ない場合、情報系神業数に問題がある場合は、達成値21の<交渉>や<電脳>や社会技能で済ますなど、工夫してください。
◆ノート:
本シナリオは題材をスパイや情報機関、遠い過去の出来事に取っているため、また『フェイト』『ニューロ』などの調査系キャストに華を持たせるため、情報項目は多めに、また目標値は総じて高く設定されています。
調査系キャストの達成値が伸びない場合、アクトの進行が手詰まりになってきた場合などは、貴方の判断で目標値を適宜上下させて構いません。
(貴方にもしもRL経験がそれほどなく、迷った場合は、思い返してみましょう。星月夜作戦の完遂に向けた貴方の最優先目標は「アクトが成功すること」であり、貴方の仕事は「プレイヤーを騙すこと」なのです。)
また、情報入手に使用できる技能は全て指針です。これ以外の技能を使えることにしても構いません。プレイヤーが面白いアイデアを思いついた場合は、なるべく採用してアクトを盛り上げる方向に動きましょう。
必要な技能をキャストが所有していない場合は、コネ技能で人物に聞く方法でも代用できます。そのオフィシャルゲストが所有社会技能など詳細データが書いてある顔つきゲストでない場合も、それらしい人物であればまったく構いません。貴方が特定のプレイグループで遊んでいるなら、過去に冒険を共にした別のキャストとのコネでも構いません。
リサーチフェイズが単調な判定の繰り返しにならないよう、クリエイティブなシーン構築を目指して工夫してみてください。
一般的な情報: <社会:N◎VA><社会:社交界><社会:ウェブ><社会:メディア><社会:学生>などなど
12 災厄前の20世紀、東西冷戦時代を舞台にしたクラシックでロマンチックなスパイ映画。大人の女性の魅力を備えた女優に成長した結城あやが主人公のヒロインを熱演、主に若い女性の間に大人気となっている。トーキーに憧れる女性が増えたともいう。CMEの佐村和哉がプロデュース、ブルーベリーが歌う映画主題歌“Starnight Dream”も大ヒット。
15 ヒロインは日本人女性のトーキー。ふとしたきっかけで国家間の陰謀に巻き込まれ、暗号解読装置『女王』の謎を巡る『KGB』の秘密作戦『星月夜作戦』に関する冒険に巻き込まれる。
娘には隠しながら内閣情報調査室に属していた父親が中盤に登場、主人公を助けてくれる父と娘の絆なども描かれたロマンチックな映画。
16 舞台は冬の東京、モスクワ、ワシントン、欧州。20世紀当時の街並みをトロン技術で完全に再現し、話題を呼んだ。
企業系情報: <社会:企業><社会:警察>など
10 北米系企業はいい顔をしておらず、テラウェア社が協賛に名前が載っていない。作中に登場するコンピュータ関係のガジェットは、旧レ・トロン・ド・ルテチア、セフィロト・ソフトウェア、フェニックス・ソフトウェア製のものが使われている。
12 稲垣司政官が結城あやを大絶賛。行政府スタッフにはわざわざチケットが配られ、全員が半ば強制的に観に行かされたという。動員数が好調な理由のひとつはこれである。
なお司政官氏が結城あやの演技を大絶賛しているのか、単に結城あや本人を大絶賛しているのかは、どの記事も語っていない。
その筋の情報: <社会:北米連合><社会:ロシア連邦><社会:軍事>など
12 作中ではソヴィエト連邦の『KGB』のスパイたちがどちらか言うと善、アメリカ合衆国の『CIA』がどちらかいうと悪の側として描かれている。完全なフィクションなのだが、北米筋には苦い顔をしている人もいる。
15 内容はムードのあるロマンチックなラブロマンスが主で、多くの映画と同様、そこに描かれているスパイや情報機関、軍事関係の描写は嘘が多い。
16 脚本は完全なフィクションだが、極秘暗号解読装置『“カラリエーヴァ”』や、『KGB』の秘密作戦『星月夜作戦』は実在の歴史上の固有名詞から名前を拝借しているという噂がある。
18 作中に『モスクワ・ルール』という言葉が出てくるが、これもスパイ小説などに出てくる単語。
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆星月夜作戦』へ
→『◆モスクワ・ルール』へ
→おまけ項目『◆KGB』へ
→おまけ項目『◆CIA』へ
→おまけ項目『◆東西冷戦』へ
ノート:
本アクト中の背景にたびたび登場するこの映画は、雰囲気を出すことが主な目的です。キャストが配給会社や監督、脚本などを調べ出そうとしたら、シナリオ本筋と直接の関係はないことを伝えて構いません。(いわゆる、「ぶっちゃける」というやつです。)
映画のイメージは、『007/ロシアより愛をこめて』などのようなクラシックな作品をイメージしています。
トーキー業界の情報: <社会:メディア>
12 北米でメディア数社と契約したフリーランスのレポーターとして活動中。現在、取材活動のためN◎VAへ来訪。売り出し中の若いトーキーの一人である。
『カリリオーン・クラスタ』のチップを持ち、『カブト』の元へやってきた。
身元、経歴を確認する: <社会:北米><社会:N◎VA><社会:警察><コネ:アンジェリン>、その他の身元を確認する手段
12 北米連合在住、市民IDあり。22歳女性、トーキー◎。写真には耳の下で切り揃えた明るい金髪、水色の瞳をした活発そうな娘が写っている。
15 コロンビア大学でメディア学を専攻後、卒業しジャーナリストへ。成績はかなり良好。
18 よりプライベートな情報。家庭環境に多少の問題あり。父と母は晩婚で結婚し、父は仕事が忙しかったらしく妻子の相手がおろそかになり、別居中。
総合して、経歴になんら不審な点は見られない。
→『◆カリリオーン・クラスタ』へ
ノート:
キャストにトーキーがいれば、アンジェリンはそのキャストが書いた記事を読んだことがあるかもしれません。自分より年上なら尊敬、同輩や年下なら共感し、会えたことを喜ぶでしょう。
身元、経歴を確認する: <社会:北米><社会:N◎VA><社会:警察><コネ:ニール>及び身元確認手段
12 北米連合在住、市民IDあり。55歳、白人。写真には白くなった髪に水色の瞳、ありふれた壮年男性の顔が映っている。ペルソナはカゲムシャ◎。
15 写真を主としたフリージャーナリスト、世界各地の名所を巡る旅行代理店のアドバイザーなどの職業を歴任。資産家。世界を転々とし、ビザの旅行記録などが多い。2年ほど前に退職し、引退中。
勤務先の企業の記録などもあり、経歴に不審な点はない。
21 《完全偽装》で彼の本当の経歴が隠蔽されている。
→『◆ニール・スミスの正体』へ
ノート:
カゲムシャは職業でなくフレーバーであり、《神出鬼没》も使用しないことをプレイヤーに伝えましょう。
彼の人物像を考え直す: <知覚><心理>、<※シャーロック・ホームズ>や知覚系特技など
15 物静かで教養も高く、頭の切れる人物。
語学が得意で記憶力もよく、世界を巡ってきたことを感じさせる。
『フェイト』の元を訪れた時のことを思い返すと、対人観察能力も本職顔負けのようだ。
21 《完全偽装》で彼の何かが隠蔽されている気がする。
→『◆ニール・スミスの正体』へ
その筋の情報から考え直す: <社会:軍事><社会:警察>
12 『ニール・スミス』という名は英語では極めてありふれており、偽名に使われることは十分ありえる名である。
15 昔から、情報機関員が身元を偽装するのにジャーナリストを名乗るのはよく使われた手であった。国境を容易く越えられるもうひとつの職業は、医者。
18 本物のスパイに必要な素質のひとつは映画『星月夜の祈り』で俳優が演じている登場人物のような外見の美醜ではなく、群集と風景に溶け込める“灰色の男”(グレイ・マン)たることである。記憶力や語学、観察能力もポイント。
21 《完全偽装》で彼の正体が隠蔽されている。
→『◆ニール・スミスの正体』へ
ノート:
西暦2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降、米軍の軍事行動が開始されるまで、多くのジャーナリストがイラク入りしました。彼らの中には、偽装したCIA局員や特殊部隊の先遣隊員が多数混じっていたといいます。
TRPGゲーマーが読みそうな作品では、漫画『ガンスリンガー・ガール』6巻から登場するペトラの担当官、元公安のアレッサンドロは高い対人観察能力において、スパイの特質をよく表した人物です。
(本項目は、ニール本人による《完全偽装》の突破によりのみ、調査が可能である。『フェイト』の《真実》を想定している。イベントシーン『●引退した枢機卿』を開始せよ。)
神業 彼の経歴は全て、偽装用に作られた“レジェンド”(伝説)である。(レジェンドとは、工作活動用に作られた架空の履歴のこと)
コードネーム“カーディナル”(枢機卿)と同一人物。北米連合、ネオ・バージニア州ラングレーにあった政府組織『CIA』の職員。
本名、クリストファー(クリス)・エヴァーグリーン。30代に年下の女性と結婚、娘を設けた。子に仕事のことをほとんど話さず、仕事を優先して家を開けることが多かったため、結局離婚し、別居。2年前に『CIA』を退職している。『アンジェリン・エヴァーグリーン』の父親である。
→『◆“カーディナル”』へ
→『◆アンジェ・エヴァーグリーン』
→おまけ項目『◆CIA』へ
ノート:
もしPC1がフェイト以外であった場合は、ニール氏に対する<交渉>あるいはロールプレイで突破できるように調整しましょう。
<社会:北米><社会:軍事><社会:警察><社会:企業>及び思いついた他の手段
15 各国の情報機関や企業情報部で謎めいた噂と共に語られていた『“カラリエーヴァ”』を追っていた人物。詳細を掴めずに終わった模様。カーディナル(Cardinal)は英語で「枢機卿」の意味。
18 北米連合の中央情報局『CIA』、旧作戦本部に所属していた優秀なケース・オフィサー(情報工作官)。
スパイの国の枢機卿を意味するコードネームの元、ラングレーの本部で知略を巡らせ、世界中で活動してきた。知性に富み、人間が行う調査活動(専門用語でヒューミントといいます)の経験に飛んだ人物。
21 2年ほど前、ケント・ブルース大統領と共に『CIA』が『MID』に吸収されたのを機に退職。デスクワークの部署も進められたが、本人は自分の意志で退職したという。
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆MID』へ
→おまけ項目『◆CIA』へ
ノート:
この情報は<社会:ウェブ><電脳>など他の手段を用いても構いません。MIDの前身となったCIAの統合データベースの防壁は相当堅いでしょう。『ニューロ』のアヴァターが電脳空間の北米リージョンに旅し、侵入を仕掛ける様を描写して盛り上げてあげましょう。
CIAの職務区分であるケース・オフィサーとは、本国から各国に飛んで諜報活動を指揮する情報部員のことです。ケース・オフィサーの指示の元に実際の重要情報を取得してくるのはフィールド・エージェントの仕事。彼らは金や国の正しい道などの目的のため、現地で雇用された協力者であり、国の裏切り者です。
施設に侵入して重要書類を奪取してきたりする、TRPGで漠然と語られる「エージェント」という職業は、現実世界では実は存在しないのです。
人間、メディアを媒体とした諜報活動を ヒューミント(HUMINT/HUMman INTelligence)、通信などを使った諜報活動を シギント(SIGINT/SIGnal INTelligence) といいますが、現実世界ではシギントの方が重要視されつつあります。世界で最もヒューミントに長けているのは米国CIA(公式サイト)ではなく、映画『ミュンヘン』にも登場するイスラエルの情報機関、モサドだと言われています。
<社会:テクノロジー><社会:ロシア連邦><社会:N◎VA><社会:企業><社会:警察><社会:軍事><社会:軌道><社会:ウェブ>や噂話を探る手段
10 ロシア語で“女王”の意。
15 映画『星月夜の祈り』に出てくる名詞。作中では世界最強の暗号解読装置だった。名前だけが旧世界から語り継がれているのか、映画や小説などに形を変えて時おり登場する。
旧ロシアの全ての秘密を知っている最重要人物である、新型の超大型輸送機である、ユーラシア山脈に隠された秘密基地の名前である、古い童話に出てくる強大なアヤカシの女王である、などなど、様々な噂がある。
18 その正体は謎に包まれているが、歴史上実在したらしい。過去に何回か、企業情報部や国家機関などが調査したが、空振りに終わっている。
21 北米筋の『“カーディナル”』なる人物が、本件を調査していた。
→『◆映画『星月夜の祈り』』へ
→『◆“カーディナル”』へ
→『◆“カラリエーヴァ”の正体』へ
(本項目は何らかの神業によってのみ解き明かすことが可能である。『ニューロ』の《電脳神》を想定している。イベントシーン『●『ニューロ』:冬の女王の秘密』を開始せよ。)
神業 その正体は1991年末のソヴィエト連邦崩壊直前、『KGB』と空軍の合同作戦『星月夜作戦』によって打ち上げられた人工衛星である。世を賑わせた西側世界のスターウォーズ計画に対抗したものであった。
気象衛星に偽装した完全な軍事用衛星であり、高水準カメラと当時としては最高水準の高性能コンピューターの演算により、地上に向かって極めて高精度のレーザー照射が可能。地上世界のあらゆる場所を破壊可能である。
連邦崩壊後の混乱に紛れたのか、故意に抹消されたのか、ソヴィエト連邦崩壊後に計画自体が破棄され、衛星は放置された。
電波による通信も電脳空間に統合された現在、通信プロトコルが異なるために、『“カラリエーヴァ”』は電脳空間の軌道リージョンではまったく知覚することができない。ウェットな人間が電脳空間から見えないのと同じであり、いわば[電制]の値を持たないウェットな人工衛星とも言える。
光学望遠鏡であれば物理的には見えるが、宇宙はあまりに広く、また周回軌道上には同様のスペースデブリ(宇宙のごみのこと)があまりに多く、100年以上を経た現在まで発見されずにきた。
搭載した原子力電池は稼働中、エンジン燃料も搭載。外部から交信し、冬の女王を眠りから覚ますことができれば、十分に軌道兵器として使用可能である。
通信手段として、『“マースカ・ディカーブリ”』プログラムが存在している。
→『◆“マースカ・ディカーブリ”』へ
→『◆星月夜作戦』へ
もしも『◆“マースカ・ディカーブリ”』について全てを突き止めていれば、以下を付け加えること:
『“カラリエーヴァ”』は完全にスタンドアローン状態で電脳空間からは知覚できないが、現在技術のトロンに『“マースカ・ディカーブリ”』をインストールすれば、そのマシンを通信サーバーとして自由に通信、操作が可能である。
冬の女王から見れば、重力井戸の底にあるそのトロンは12月の冬のソヴィエト基地に、12月の冬の仮面をまとっているように見えるのだ。
ノート:
もしも『ニューロ』が演出で『“カラリエーヴァ”』そのものを登場させたりしたいと言って来たら、上記の理由からそれは無理であることを伝えましょう。
この情報はどこかの電脳防壁が堅いデータベースに格納されているのではなく、一世紀以上昔の事実であるため、情報が世界中に散在し、時の塵の向こうに埋もれていることにしています。
『ニューロ』のプレイヤーにはどんなニューロな方法でそれを解き明かすか、しばらく演出を考えてもらいましょう。
ルール的には、『“カラリエーヴァ”』は、幾分規模は小さいものの、トーキョーN◎VA上空に静止している軌道衛星“アマテラス”と同じような地上攻撃能力を有するものとします。
<社会:ロシア連邦><社会:テクノロジー><社会:ウェブ>
10 ロシア語で「12月の仮面」の意。何かのプログラムの名前らしい。
13 電脳空間上のアーバン・レジェンド(都市伝説)のひとつ。真教浄化派の生き残りの陰謀である、ロシアの鬱屈なゴエルロ製のブラックICEである、超兵器である、超☆兵器である、超AIである、超☆AIである‥‥などなど、根も葉もない噂が多数ある。
15 何らかの特殊な目的のために作られた、アプリケーション+通信コンバータの機能を持つらしい。
18 アーバン・レジェンドでは、その通信先は、現在のニューロエイジ世界には存在しない、あるものだというのだが‥‥?
2回目、上記技能もしくは<電脳>で 22 以上を出す:
22 電脳空間の通信プロトコルが異なる存在と交信するための、通信用プログラムである。アヴァターは舞踏会で用いられるような目を覆う仮面。
現在の技術のトロンにインストールできるアプリケーション+通信コンバータのセットであり、命令を暗号化して電波から飛ばすことで、自由に交信が可能である。通信対象としているのは、『“カラリエーヴァ”』。
作成者は不明だが、ロシア製と言われている。見果てぬ祖国への夢を追った技術者が作ったのか、災厄後に悪意ある人物が作ったのか、謎。
悪用を防ぐためか、起動キーとなるデータ集合体『“カリリオーン・クラスタ”』がなければ起動しない。
この12月の仮面は、ハザード・メモリアルパークの『災厄記念館』のロシア展示ブースの電脳空間上に、電子的に密かに隠されている。
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆“カリリオーン・クラスタ”』へ
→『◆災厄記念館』へ
ノート:
「プロトコル」とは、コンピュータ同士が通信を行う際に相互で決められた約束事のことです。貴方がお友達にトーキョーN◎VAのシナリオを書いて送る際は、書き方のフォーマットをSSS形式に合わせる、というのと似たようなものです。
一般情報: <社会:ロシア連邦><社会:N◎VA>
判定なし 『アンジェリン・エヴァーグリーン』が北米で『“カラリエーヴァ”』を調べるため、ロシアの資料をウェブを漁っていた時に発見したデータ集合体。彼女も電脳にはあまり詳しくないので、内部は分からない。
10 カリリオーンはロシア語で「鐘」。クラスタはこのシナリオではデータ集合体といった意味。
専門家が調べる: <社会:テクノロジー><社会:ウェブ><電脳>
15 自律起動型の暗号鍵を収めたデータ集合体。常にスリープ状態だが、特定の電子的シグナルをキャッチすると自らを解凍、暗号鍵の情報を引き出すことができる。アヴァターの視覚イメージは荘厳な音色を響かせる鐘。作成者は不明である。
18 その特定の電子的シグナルはトーキョーN◎VAウェブコンプレックスの中でも特定のエリアでのみ発信されている。ハザード・メモリアル・パークにある『災厄記念館』のロシア展示ブースのウェブサイドである。
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆災厄記念館』へ
ノート:
プレイヤーが迷うようであれば、この『“カリリオーン・クラスタ”』を所有してイントロンし、電脳空間上の災厄記念館に行けば、鍵としての力が発動し、何かが起こるのであろうということを伝えて構いません。
この『災厄記念館』は、クライマックスフェイズ突入のキーとなる最後のイベントです。これはプレイヤーに伝えましょう。(リサーチフェイズ中盤で行かれると、シナリオ構造上ちょっとまずいことになります。)
<社会:ロシア連邦><社会:軍事><社会:警察><社会:ウェブ>、歴史を調べる何らかの手段
10 ズヴィオーズナヤ・ノーチはロシア語で「星月夜」の意。星が降り、月が輝く夜のこと。
12 映画『星月夜の祈り』の作中では『KGB』の秘密作戦の名だった。歴史上実在したらしいという。
21 真実の『星月夜作戦』は、西暦1991年のソヴィエト崩壊直前、『KGB』と空軍の共同で行われた人工衛星打ち上げ作戦である。12月の星が美しい夜に行われた。
作戦の総指揮官の名は、『KGB』情報将校のリリン中佐。この作戦はその後、何故か完全に破棄され、歴史から忘れられた。
→『◆映画『星月夜の祈り』』へ
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→おまけ項目『◆KGB』へ
ノート:
目標値21の情報はなるべくリサーチフェイズ後半、冬の女王の正体が分かる頃に明かされるようにしましょう。
最初のシーン『●RLシーン:モスクワ・ルール』に登場するのもリリン中佐です。プレイヤーに改めて思い出させて構いません。そろそろ、すべてが繋がってくるはずです。
<社会:ロシア連邦><社会:北米連合><社会:軍事><社会:警察>その他、何らかの調査手段
12 映画『星月夜の祈り』に出てくる言葉。『CIA』の情報分析官たちがロシアの遠き友人たちと自分たちのやり方を指して言った言葉。
15 スパイたちの戦い方にも流儀があり、必要のない暴力や殺人、一般人を巻き込んだ騒動を起こさない。スパイの世界の互いを尊重した無言の紳士協定のこと。
元は災厄前の小説に出てくる言葉だが、世界が変わった後も、冗談交じりに時折使われることもあったという。
→『◆映画『星月夜の祈り』』へ
→おまけ項目『◆CIA』へ
→おまけ項目『◆KGB』へ
→おまけ項目『◆東西冷戦』へ
一般情報: <社会:N◎VA>など
判定なし N◎VA-DルールブックP44参照。ハザード・メモリアル・パークにある記念館。災厄前の様々な展示物も置いてある。電脳空間上にも同じエリアがある。
ニューロ業界の情報: <社会:ウェブ><電脳>
12 金銭的には価値のない骨董品ばかりで、データ盗賊たちは見向きもしていない。
15 ロシア展示ブースに、やけに電脳防壁が堅い一角があると、カウボーイたちの間で噂になっている。災厄前のロシアのクレムリン宮殿を模したアヴァターの構造物だ。中は何もない、電脳空間に背景としてのみ存在しているただの情報構造物だったはずだが‥‥
ノート:
カウボーイとは西部劇のカウボーイではなく、サイバースペース・カウボーイ(≒腕の立つニューロのこと)のことです。
万が一誰も分からなかった場合は、貴方は「お、おまいらラノベばっかじゃなくて『ニューロマンサー』ぐらい読め!」と、古き良きSFファンの痛いロールプレイをしても構いません。ああ、冗談ですよ。
<社会:北米><社会:軍事><社会:警察><社会:企業><社会:ストリート>、<コネ:ミルトン・ブラウン>、コネに調査を依頼する(ブラックハウンド関連ゲスト等)
10 外交官特権を主張し、ブラックハウンド基地を視察に訪れた男。北米連合大使館所属。身長178cm、金髪に茶色の目。ペルソナはクグツ◎。
12 『イヌ』のオープニングで視察に訪れた面々は、ハウンドのデータベースからロシアに関わる事件の記録を探していた。
18 彼の身分は偽装用の“レジェンド”である。正体は『MID』作戦本部・対外工作センター所属の工作官。部下に『レーネ・ジーン』『インディア・セヴン』の2名がいる。
コードネームは“セパレーター”。何をセパレートするのかは、よく分からない。
21 大統領の私兵と化した新生MIDの工作チームを率い、N◎VAにやってきた。秘密作戦の目標は『“カラリエーヴァ”』の探索と確保である。ケント・ブルース大統領と個人的に縁があるという。
アストラル系キャストのみ: <社会:アストラル>や知覚系特技
15 北米連合上層部を覆う悪しき兆しが、彼からも感じられる。
クライマックスの戦闘中、手札でよいので判定: <社会:アストラル>や知覚系特技
12 竜の血を飲んだ者は強大な竜の魔力を手に入れると同時に、徐々に竜の狂気に犯されていくという伝説を思い出す。
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆レーネ・ジーン』へ
→『◆インディア・セヴン』へ
→『◆MID』へ
ノート:
敵ゲスト3名は恐らく、最初に彼らを怪しむ『イヌ』が中心になって調べ始めることでしょう。3名の持つハンドルの意味、ミルトン・ブラウンの奥の手はなるべく戦闘中に明かすようにし、リサーチフェイズ中は様々に想像を逞しくしてもらいましょう。
<社会:北米><社会:軍事><社会:警察><社会:企業><社会:ストリート><社会:テクノロジー>、<コネ:レーネ・ジーン>、コネに調査を依頼する(ブラックハウンド関連ゲスト等)
10 外交官『ミルトン・ブラウン』の部下。身長169cm、20代後半に見える女性。ポニーテールにひっ詰めた金髪に眼鏡、知的なキャリアウーマン風の外見。ペルソナはニューロ◎。
18 その正体はミルトンの率いる工作チームの一員。電脳戦、電子機器や観測機器全般の扱いに長じている。コードネームは“デヴ・ハンドラー”。何をハンドルするのかは、よく分からない。
→『◆ミルトン・ブラウン』へ
→『◆MIDの最近の動向』へ
アストラル系キャストのみ: <社会:アストラル>や知覚系特技
15 北米連合上層部を覆う悪しき兆しが、彼女からも感じられる。
<社会:北米><社会:軍事><社会:警察><社会:企業><社会:ストリート><社会:テクノロジー>、<コネ:インディア・セヴン>、コネに調査を依頼する(ブラックハウンド関連ゲスト等)
10 『ミルトン・ブラウン』の部下。全身義体、モノアイの身長2mの巨漢。ペルソナはカブトワリ◎。
15 名前はコールサインのI-7(I は India の I )から。『MID』の軍事衛星『“オールマイティ・アイ”』の電子支援を受けた射撃戦を得意としている。コードネームは“ドミネーター”。何をドミネートするのかは、よく分からない。
18 トライアンフ企業軍の機械化師団、傭兵組織“ナイトレイヴン”の引き抜きチーム、北米連合陸軍特殊部隊などを歴任。一般人に暴行を加えた咎で除隊。MID特殊活動部隊に拾われ、準軍事作戦に勤しんでいる。多くの作戦でクリーニング・チームとして後始末を行ってきた。
→『◆ミルトン・ブラウン』へ
→『◆MIDの最近の動向』へ
→『◆“オールマイティ・アイ”』へ
ノート:
現実世界のCIAも本作中のMIDも同様ですが、彼らは軍隊ではないため、軍事作戦は一切行いません。行うのはあくまで、ささやかな「準」軍事作戦です。“カラリエーヴァ”探索の今回の秘密作戦も、もちろん「準」軍事作戦です。生身の人間を50口径の大型の対物ライフルで狙ったり、攻撃ヘリが使うようなガトリングガンを夜のメモリアル・パークで撃ちまくっても、当然、全て「準」軍事作戦です。北米連合に栄光あれ!
本来のクリーニング・チームとは、情報機関の活動で都合の悪い証拠を一切消して綺麗にするために派遣されるチームのことです。
もしもプレイヤー陣が、敵が強そうだと盛り上がって来たなら。洒落の分かる人やいまや骨董品の『サイバーパンク2.0.2.0.』の言い回しが好きな人がいたら、こう付け加えても構いません。
「せいぜいお前さんもクリーニングされないように気をつけるんだな、チューマ」
その筋の業界での情報: <社会:北米連合><社会:軍事><社会:警察><社会:企業><社会:ストリート>など
12 Multi-Inteligence Department。北米連合の防諜機関の隠れ蓑を被った情報機関。本部はニューフォート。
15 2年ほど前、ケント・ブルース大統領の台頭と共に設立。警察機構であるFBIを除いた、15ほどあった情報機関を統合した集合体。CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)、DIA(国防情報局)などが傘下に入った。
大統領および近親者の警護は財務省秘密検察局シークレット・サーヴィスの担当だったが、それすらもMIDが進出している。(『GX-D』P38を参照のこと)
18 議会の承認を待たずに大統領の命のみで動くことができ、より大統領の私兵の色合いを強めている。近年はかつてないほどに手段を選ばなくなっており、国内外に危惧する声も多い。
→『◆MIDの最近の動向』へ
アストラル系キャストのみ: <社会:アストラル>
15 北米連合政府上層部が超自然存在に乗っ取られているという噂は、ニューロエイジの魔術師たちの間でまことしやかに囁かれている。ブルース大統領には後ろ暗い噂があり、MIDに関しても同様である。
ノート:
シークレット・サーヴィスは世界で最も優秀なカブト集団でしたが、ブルース大統領閣下は<親衛隊:MID(アヤカシ)>を所有しているため、MIDの愉快な皆さんに職を奪われてしまっています。
MIDはこのシナリオでは完全な敵役です。不気味さや現実世界のアメリカに通ずる強大さを強調し、笑いを取りましょう。
<社会:軍事><社会:企業><社会:警察><社会:ストリート><社会:N◎VA><社会:ウェブ>など
15 電脳空間上にメール傍受プログラムを放ったり偽情報を流したり、N◎VA上空に偵察用無人機を活動させているようだ。
『“マースカ・ディカーブリ”』に関する無責任な噂の幾つかは、MIDが撒いたものである。
16 MIDの偵察用軍事衛星『“オールマイティ・アイ”』のサポートを受けた工作チームが活動している。
18 彼らの目的は『“カラリエーヴァ”』の探索と確保である。
→『◆“カラリエーヴァ”』へ
→『◆“オールマイティ・アイ”』へ
ノート:
“マースカ・ディカーブリ”の正体に関する噂のうち、「超☆兵器である」「超☆AIである」などは、MIDが放った偽情報です。レーネ・ジーン女史は、ああ見えて意外にお茶目なのです。嘘ですが。
<社会:軍事><社会:企業><社会:ストリート><社会:警察><社会:N◎VA><社会:ウェブ>など
10 黄色いひよこの宣伝広告のついたバンに乗っていた。ストリートで千早の後方処理課らしき一団と戦闘があった。
13 彼らは、Rのつく組織の手のものである。
18 Rとは、レイド&ルーラーのことである。残念ながら、Rのつく財団ではないようだ。
21 以上は全て、『MID』の情報操作による偽情報である。正体は、MID作戦本部・対外工作センターから派遣されてきた工作チーム。リーダーは『ミルトン・ブラウン』。
→『◆MID』へ
→『◆MIDの最近の動向』へ
→『◆ミルトン・ブラウン』へ
<社会:軍事><社会:警察><社会:テクノロジー><社会:軌道><社会:ウェブ>など
12 英語でAlmighty Eye、“全能なる瞳”の意。
16 北米の情報機関『MID』が運用している偵察用軌道衛星のひとつ。ピラミッドの中に1つ目が描かれた不気味な紋章を持つ。極めて高精度の光学、電子カメラを備え、地上世界のあらゆる場所の映像を捉えることができる。高度な電子侵入能力と演算能力も保有、電脳戦のサポートが可能。
現在、低軌道上でトーキョーN◎VAを索敵範囲に定め、上空を滞空中。工作チームのバックアップを行っている。
ルール的には“スプートニク”相当品を敵ゲストが所有している。
ノート:
“オールマイティ・アイ”のピラミッドの目のシンボルは、秘密結社フリーメイソンの神秘的なシンボルを想像してください。アメリカの1ドル紙幣の裏、TRPGでは『GURPS』のルールブックやGMスクリーンに出てきます。
あちらのシンボルの正式な名は“オール・シーイング・アイ”(All Seeing Eye, “万物を見通す瞳”の意)というそうです。
冒険小説に登場する現実世界のスパイ衛星は2インチ(約5cm)四方までをも判別でき、新聞の見出し程度まで撮影できるといいます。彼らの目は砂の大地を巡り、中東でアルカイダの影を探し求めています。
オールマイティ・アイが演出的にいかなる強さを持つのかは、貴方の自由です。こんなブキミな目を持った全能のステキ衛星が、遥かな空の彼方からキャストたちを睥睨しているのです。北米連合に栄光あれ。
◆おまけの情報項目:
以下は、アクトの進行にそれほど必須ではない情報です。リサーチフェイズ後半に暇になったり、キャストが自分たちの世界の過去に興味を持ったり、物知りなキャストが語りたくなったり、休憩中にトリビア知識を使いたくなったら調べさせるとよいでしょう。
<社会:ロシア連邦>、<社会:軍事><社会:警察><社会:企業>、ウェブライブラリを漁るなど何らかの調査手段
12 ラテン文字表記では Komitet Gosudarstvennoi Bezopasnosti の略。 ソヴィエト連邦国家保安委員会。世界で最も優秀な秘密警察・情報機関だとも言われていた。数多くの映画やスパイ小説に登場する。
本部はモスクワ市ジェルジンスキー通り2番地。“モスクワ・センター”“クレムリン”といえば、遠回しにKGB本部を指していた。
16 ソヴィエト連邦崩壊後は解散。ロシア連邦では海外情報部門は対外情報庁SVR、国内保安部門は連邦保安庁FSBとしてとして再編された。
職を失った機関員たちのその後は様々。ロシアの一般人民より国勢に通じ知性も高かったため、そのままSVRに移った者、プーチン大統領のように政府で活躍した者、実業界へ転向した者、職歴を生かして保安会社や同業他社へ行った者、犯罪結社へと身を落としてロシアンマフィアの大物になった者など、様々である。
ノート:
TRPGゲーマーが読みそうな作品では、漫画『ブラック・ラグーン』には元KGBのマフィアが登場します。ホテル・モスクワのバラライカと遊撃隊の面々は、描写で特殊部隊スペツナズの元隊員の可能性を匂わしています。暴力教会のシスター・エダも実はCIAの手の者であることが明かされていますね。
TRPG『ガンドッグ』の文庫リプレイ『マリオネット・ネメシス』のPCにも、元SVRのスナイパーが登場します。
<社会:北米連合><社会:軍事><社会:警察><社会:企業>、ウェブライブラリを漁るなど何らかの調査手段
12 Central Intelligence Agency、中央情報局。アメリカ合衆国から続く情報機関。災厄前の1947年、第二次世界大戦の戦略事務局OSSが元となって設立された。アメリカの情報戦略の中央に位置し、内外の敵と密やかな戦いを続けてきた。数多くの映画、小説に登場する。
災厄後の世界で北米連合となった後も若干の規模縮小と共に活動。2年ほど前、情報機関集合体『MID』に統合、解体された。
16 本部はネオ・バージニア州ラングレーに存在。災厄前から、軍事、情報の世界では“ラングレー”といえばCIA本部を指していた。また、CIAを遠回しに指す言い方に“カンパニー”というものもある。
<社会:北米連合><社会:ロシア連邦><社会:軍事><社会:警察>、ウェブライブラリを漁るなど何らかの調査手段
12 第二次世界大戦後、西暦1980年代終わりまで続いた、ソヴィエト連邦を中心とした東側社会主義陣営、アメリカを中心とした西側資本主義陣営の間での対立構造。発展途上国での代理戦争、経済対立、宇宙開発競争、情報機関同士の暗闘など、様々な要素を含む。多くの小説や映画の題材となった。
16 ソヴィエトは宇宙開発競争でも当初一歩先んじたものの、社会主義の理想とは裏腹に国内は疲弊し、西側が恐れたような強大な国家ではなく張り子の虎である一面もあった。
一方のアメリカでもベトナム戦争の失敗を経て反戦ムードが高まり、やがて冷戦は終結する。
『KGB』と激闘を繰り広げたという『CIA』はスキャンダルや財政削減に悩み、東の敵が消滅した後は徐々に人的諜報能力を軽視し衛星を重視、21世紀初頭、米国本土にテロ攻撃を許すという失敗を経験する。
東西冷戦終結後は映画や冒険小説の中でも敵役が消滅し、新しい時代の敵役を探すようになる。そして、より複雑さを増した21世紀以降の世界は新たな敵を迎えることになる。テロリズムである。
さらに災厄が発生、転覆した世界はさらなる混迷の中で、再生まで多くの時間を必要とすることになるのだ。そして、時はニューロエイジへと至る‥‥。
RI-Foundation > Delirium(NOVA) > The Bibliotheca > Scenario > Operation: Starry Night > Information |
POWERED BY: |