歯科矯正あるある

 ウチで初診相談した時によく聞く話のまとめです。


 その3: ここに来て、「初めて出っ歯と言われました。」

 平成23年の歯科疾患実態調査では、オーバージェット(上下前歯の前後的な距離)の調査が行われ、以下のような結果が出ています。

0.5o未満:32名、0.5〜3mm:106名、4mm以上:71名

 この区切り方からすると4ミリ以上は上顎前突(出っ歯)の範疇に入れているように感じます。

 学校歯科健診では8o以上で判定「2」で、歯科医院での相談を勧めております。しかし、8ミリ以上の出っ歯ってほとんどの場合、骨格性です。=手術しないと治せないレベルのひどい症例になります。

 

 歯科矯正の立場としては、上下の前歯の間に隙間があれば(噛んでいなければ)、異常だと考えます。上下前歯がかみ合うのが正常だと考えております。かみ合っていても、骨の位置関係から異常と判定されるものがあります。=上顎骨が下顎よりも前にあっても,上顎前歯が後ろに入っている場合とか、です。

 

 ちなみ、下顎前歯のほうが上顎のそれよりも前にあれば反対咬合ですね。

 さて、「初めて言われた。」という話に戻りますが、それは、

1)学校歯科医が健診していない。

2)あるいは見逃した。

3)あるいは軽度のものと判断した。

のいずれかでしょう。

 しかし、出っ歯の程度が軽くても、学童期に治療すれば治る可能性があるもの、治療しないで大人になるとひどくなるものについては、治療を勧めた方が良い症例もあります。

 我々としては、現実にある問題点を指摘して、治療方法や費用を提示して、治療するかどうか考えてもらうだけです。「治療しなさい。」とは絶対に言いません。ご安心ください。


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