症例11=埋伏歯の歯牙牽引(上顎右側中切歯の場合)
症例写真の加工はしてません。HPにのせるためにファイルサイズ縮小のための切り取りはしてます。どうやって治したかは(治療法は)来院された方にのみ、お教えします。
歯のはえる時期はだいたい決まってます。永久歯の前歯なら6歳ぐらいですね。
しかし、何らかの原因で歯のはえるのが遅れることがあります。この状態を「埋伏」と言います。歯がもぐったままではえてこられない、という意味です。
この場合、歯を動かすという歯科矯正の技術が利用できます。症例を以下にご紹介します。
☆治療開始前(マルチブラケット装着前)
2009年6月14日の写真です。初診時年齢が9歳6カ月で、下顎の第一小臼歯もはえてます。通常、前歯のはえる時期が終わってから小臼歯がはえますから、「これは、おかしい。」となるわけです。近隣の歯科医院では、「もう少し様子を見ましょう。」と、言われていたそうです。
レントゲン写真は以下。見にくいですけど、楕円の中に歯牙腫があり、根尖部に過剰歯もありますね。放っておいたら、支部まで出てきませんよ。
☆動的治療終了時 2010年4月25日
装置をはずしたところです。治療期間は8ヶ月。治療費は25万円ぐらい。中切歯の歯肉の高さが違ってますが、年齢を重ねるウチに目立たなくなる可能性があります。この原因は、埋伏していた右側中切歯の位置が唇側(表側)にあったため、骨が左側に比べて薄かったためだと思われます。
☆保定終了時 2011年6月12日
※料金について:このように1本だけの歯牙牽引ですと総額で25万円ぐらいです。他の不正咬合(叢生とか上顎前突とか、空隙歯列弓)があると場合は通常料金になります。
☆前歯がないと人は笑わなくなります。たかが埋伏しではありませんよ。治療前はなるべく歯を出さないように笑いますが、治療後は思いっきり笑えます。
治療前
治療後