タワー・オブ・テラーでの出来事

タワー・オブ・テラーには通常のアトラクション利用のほか、建物内などを解説する案内ツアーが以前あった。(タワー・オブ・テラー 案内ツアー参照) 非常に面白いのだが、残念ながら今は行っていない。(2018年4月も変わらず)

2017年6月の前半の日曜日、日曜は大抵朝からTDRに出かけるのだが、家でやらなくてはいけないこともあったので朝のうちにひと仕事して10時ちょっと前にTDSに着いた。ファンカストさんのパフォーマンスをしばし楽しんだあと、S.S.コロンビアに向かう。ラウンジで昼食を兼ねて飲みたかったからであるが、その前にふと思いついてタワー・オブ・テラーのファストパスを取った。時刻は16:15~17:15。日曜は大抵15時頃に帰るのだけど、今日は遅らせるようと思ったので丁度良い。ラウンジで飲んだ後にマーメイドラグーンシアターのファストパスも取得。16:00-16:20なのでその前になり、これまた丁度良い時間である。

17:00頃にタワー・オブ・テラーに戻る。書斎の前の小部屋で簡単な案内があるが、そのときキャストさんのすぐ近くに立った。ここは素早く入るのにも都合が良い、と思ったのだがキャストさんになんとなく見覚えがあったので名札を見ると以前案内ツアーで説明してくださった方であった。
話しかけたいところだけど、ここでは時間はかなり限られる。幸い、説明が終わったところで後ろを見るとランプがまだオレンジの点滅だった。ここが緑になったところでドアを開ける。ということはちょっと時間があることになる。素早く“以前館内の解説で案内してくださった方ですよね?”と小声で話しかける。“出張できておられた方?” みたいな返事もあり、かすかに? 覚えられていたようである。正確には単身赴任なので訂正しておいたが、何回か見かけているようにも言われた。覚えてくれたのは非常にうれしいことだし、ここに来ていることを見ている、というのもうれしい。タワー・オブ・テラーはTDSでは2番目に利用の多いアトラクションで、他のアトラクションではキャストさんから声をかけられたりして覚えられていることが分かるが、タワー・オブ・テラーではそれらしい様子は全くなかったので意外でもあった。いずれにしてもうれしいことである。

書斎での案内のあと、シリキ・ウトウンドゥへの投影が気になって上を見ていたら最後になってしまった。この日は2階から乗る。エレベーターは3台のうちCが止まっている。Bへの案内が始まるが人数的に乗り切れないな、と思う。が、半端な空席があるようで1+1の2席があり、離れても良い人は、ということで声がかかるが希望者は誰もいなかった。なので手を上げ、1回分早く乗れた。空き席は5と6、その中で一番前の6に案内された。
並んで案内されるのを待っていると途中から、5番の席の女性がこちらをちらりと見ているのに気が付いた。知っている人ではない。私を見ていると思ってもいなかったので、後ろにある展示品が気になるのかな?と思ってずれてみたけど違うみたい・・・と思っていたら声をかけられた。まず聞かれたのは、乗り慣れている方ですか、みたいな感じだった。さっきのキャストさんとの会話を聞いていたのかもしれない。あれを聞けば何度も来ているのが分かってしまう。アトラクションの内容を聞かれたので、どう答えるのがよいか迷ったが、他にも人はいる、ネタばらし的になるのも気になって“落ちるだけです”みたいに答えた。軽く答えたが、その後の様子で不安そうなのがわかってきた。同行者は海外の人のようで、英語でそのことを話しているのが聞こえる。彼女、ネイティブほど英語は堪能ではないようで日本人にはかえって聞きやすい。落ちる回数も聞かれたので答え、案内ツアーのときに“上を向くと浮遊感が薄れる”というのも紹介した。

いよいよエレベーターへ乗り込む。私は先頭列、彼女の席は1列後ろになる。それも気になったが、隣のカップルもそんなに慣れていないのか、隣にいる男性が座席横のレバーを強く握っている。私の足に手が触れるのだが、不安があるようなのでそっとしておく。座席が動き始める。落下前、鏡の部屋になるが、そのときはつい彼女を見てしまう。不安そうなのは変わらないがその後で“Oh My God”なんて英語で言っているのだからまだ余裕があるのだろう。本当に限界になったら日本語しか出てこないだろうから。でもその後の落下中はいろんな声が混じってしまい、誰の声かわからない。でも英語らしい声は聞こえなかった。

降りた後、彼女はちょっとふらついていた。が、これは隣の男性に甘えるためかもしれしれない。もっとひどかったらキャストさんに声をかけようかと思ったがその必要はないようだ。2人から離れない程度で歩いて行った。“(落下が)3回とわかっていたのでなんとか耐えられました。ありがとうございます”と。あとで3回と言ってしまったこと、他に初めての人がいたらネタバレ的になってしまうかな、とも思ったが、結果としてはそれでよいと思う。“He is my…”を繰り返していたが単語が続かなかった。恩人、でもないしこういうときの表現、日本語でもわからない。彼のおかげで助かった、となるのかな?
“次はもっと楽で楽しめますよ”と声をかけて離れたが、男性にも“ここでもう一度会いましょう!”くらいに英語で声をかけた方が粋だったかな? ちょっと残念である。

最初にキャストさんに話しかけたこと、思いがけない結果になった。覚えてもらえたことでキャストさんの写真を探して、今回のことも含めて手紙にして送った。さて、次会う機会はいつになるだろうか?


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