本の雑誌企画のあと、1時間半ほど間があく。3企画を思いっきり全身全霊かけて聞いたのでさすがに疲れが〜。ロビーで、ださこんな方々とだらだらモードでしゃべる。ヒラノさんが総統にと持ってきた「たこ焼きマドレーヌ」を皆で試食したり(おいしかったよん)。東編集長、タニグチリウイチさん、ちはらさんなどとbk1の話なども。東編集長も大変みたいっす。がんばってくださいませ。ダイジマンは、空き時間はせっせとディーラーズで牧さんのお手伝い。っていうか本屋さんしてた(笑)。いつのまにか、号数ごっちゃになってたSFマガジンなどの雑誌全部が、きちんと全部、号数順に並んでたのには恐れ入りました。いやはや。さすが。
もう疲れちゃってたんだけど、まあ行くか、と18:30からの「書評雑誌対抗・SF編集者座談会」へ。向かって左から、福井健太氏(司会)、「ダ・ヴィンチ」編集長の横里隆氏(おおっ!こんなところでお会いできるとは!うれしい!)、「本の雑誌」編集の松村眞喜子さん、「かつくら」の武井千秋さん。が、万年寝不足と、早朝からの疲れで実は最初のほう、少し記憶が…すみません。もちろん企画は非常に面白かったのでなんとしても聞きたかったんですが、体力が持ちませんでした〜。残念。メモも断念。
途中で、観客側に、小浜夫妻や東編集長など、なんだか濃いぞ!といったメンツがわらわら集まってくる(笑)。おおっ?なになに?このあたりから意識回復。
福井さんがまずお題としてSF本を10冊ほどあげて、その中で御社の雑誌でとりあげるとしたら、何をどういう切り口で取り上げるか、というのが出てました。まず、『アルジャーノンに花束を』だったら?という問いに、
・ダ・ヴィンチ…「ボケ」というテーマで、何冊か本をピックアップし、その中の一冊に加える。
・本の雑誌…「長編と短編の2種類あるぞ!」というくくりでいろいろ集める。
・かつくら…キャラが中心の雑誌なのだが、アルジャーノンではちと苦しい(笑)。ネズミネタでいく。
ふーん、なるほどねえ!雑誌のカラーによって、取り上げ方が全然違うんだねえ!あとは福井さんがあげたSF10冊から選んだ本とその取り上げ方。
・ダ・ヴィンチ…(あーすいません、忘れた!分かる方情報よろしく!)
・本の雑誌…(あーすいません、忘れた!分かる方情報よろしく!)
・かつくら…『鋼鉄都市』。ロボットと人間の恋愛(でいいの?)なので、もろキャラ萌え!
福井さんのツッコミから、だんだん雑誌の輪郭がくっきりしてきました。要するに、
・「ダ・ヴィンチ」は本をあまり読まないような人間に本を手に取ってもらうべく、さながら手相を見るふりをして3日間の合宿にひきこむ新興宗教の勧誘のように(笑)表紙のアイドルやエッチネタ(失礼)などで人をだまして誘い、通行人を引っ張り込むやり方。要するに本へのきっかけづくり。本をもっともっと読んで欲しい!という熱意にあふれた雑誌。
・「本の雑誌」は、書評者の魅力で売ってる雑誌。もう、シーナファンとか目黒ファンとか、ひとにファンがついちゃってるといった雑誌。そんなに「本を広めよう」みたいには思っていない。本好きなひとたち同志でやってる雑誌。
・「かつくら」はキャラ萌え雑誌!(笑)1にも2にもキャラ!好きな本やそのキャラの話で、仲間でわいわいキャーキャー盛り上がってる、みたいな。
が、なぜか話が進むにつれて、福井さんのジャンルツッコミが激しくなる(笑)。福井さんは「幕の内弁当を、きちんと区分けして詰めるのが好き」な方のよう(笑)。「(お弁当)箱が好き」という発言も。他のとごっちゃになるのはどうも許せないらしく、きちんとSFはSF、ミステリはミステリにしたいようでした。「ダ・ヴィンチ」はあえてジャンルにはこだわってるよう。「本の雑誌」は、まあ書評者の色で判断してね、みたいなカンジ。北上さんなら時代小説と恋愛小説、ミステリ、といった分け方かな。「コラム名にはSFってちゃんとつけてますよ!」ときっぱりおっしゃってました。ジャンルで切るより、カラオケ縛り?(笑)みたいな切り方が多かった気が。そのたびに「これじゃボツですね」と自分で突っ込まれてたのが印象的でした。「かつくら」はキャラ萌えというジャンル?(笑)なのかな?でも新刊紹介はちゃんとジャンルで分かれてますよね。
質問コーナーで、またまたワタシ挙手。「ダ・ヴィンチさんは、創刊当時からずっと読んでるんですが、最近やたらエッチネタが目立つんですけど(会場笑)、あれはやっぱり入れると部数が上がるからでしょうか?私は本ネタだけで勝負してほしい気が…」お答えは、「あれは僕の趣味です(笑)。確かに部数は若干伸びます(そうなのか!)。僕は、文学というのはカルチャーだと思うので、ああいったサブカルチャーと近いものがある。だからあえていれてました。最近ちょっとヘビーになりすぎたので、次回からはちょっとこのテはお休みする予定ですが」とのこと。ありがとうございました。
あと「かつくら」さんに質問。「先日の佐々木丸美の記事にびっくりしたのですが、あれはどういう発端で記事になったのですか?」お答えは、「あれは、以前から“佐々木丸美すごくいいです!ぜひ取り上げてください!”というお便りが多かったので、リクエストにお答えしてと言うカンジ」えっ!?でも、彼らはリアルタイムで読んでる方ではないハズ。どっから彼女を知ったのでしょう?「図書館とかみたいですよ」そうなのか!あなどるべからず、図書館!いや、ネットに案外マルミストがいるのは知ってたんですけど、年若き彼女らがどっから情報を得たのかが不思議だったので。お答えありがとうございました。ほかにはヒラノマドカさんが質問。「ダ・ヴィンチの表紙のタレントは、本当にあの本を読んでるのですか?」(会場笑)お答えは「写真を撮るので、一冊は必ずご本人に現物を持ってきていただいてます。その本の話をされるので、たぶんそれは読んでいるハズです」ということでした。
同じ書評雑誌にしても、それぞれのカラーや考え方、目指すものが全然違うというのがよくわかった、非常に意義ある興味深い企画でした。確か質問でだったと思うんですが、「オーパス」や「よむ」なんて雑誌の話も出て、ああ懐かしい〜、と思ったり。これは、雑誌が読者のほうを向いていなかったんでつぶれたんでしょう、といったお答えがあったような。その点では、この3雑誌は、よく読者を把握してると思いました。これからも期待しています。がんばってください!
20時。本日の企画終了。や、長い一日でした。と思ったら大間違いであった。このあと、牧眞司さんのお誘いで、中華街にご飯を食べに行くツアーに参加。私なんぞにもお声を掛けていただき、ありがとうございました。しかし、この顔ぶれがすごかった!牧さんご夫妻、喜多さんご夫妻、に続いてなんとなんと!横田順彌さん!!ってあのお、古典SFや古本の神様みたいな方ではなかったですか!?と、長山靖生さん!!ってえっと、博識な本をたくさん書いてらっしゃる方ではないですか!?おふたりともお名前は存じていましたが、お会いするのは初めて。あとは北原尚彦さん(は存じてます)、天野護堂さん、宮坂さん(このおふたりも初めて)、この超豪華メンツになぜか銀河通信コンビとu-ki総統、当サイトの掲示板の常連さんであるπRさんという異色メンツ。牧さんが全員の紹介をしてくださいました。
コースはどれもおいしくてお腹一杯!苦しいと言いつつも全部平らげる。あれこれ話に花が咲く。主にやっぱり古本路線(笑)!しかし、長山さんの超が3つつくくらいの子煩悩ぶりにはびっくり。北原さんはいきなりライダーカード交換を始めるし(笑)。守備範囲広し。楽しい夕食でした。皆様、ありがとうございました。
タクシーでホテルに戻って、u-ki総統のエヴァ話、『中継ステーション』話などに笑い転げつつ、3時近くに就寝。