2-3.月別予想データの作成と画面操作について


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1.資金繰り予想額の入力画面概説  (画面参照
資金繰り予想額の入力画面は、「参考事項」を表示する画面と「予想額を入力」する画面から構成されています。
【参考事項項目】は自動計算結果を表示し、予想額判断の情報を提供しています。
【予想額を入力する項目】は、内容を7っに区分しています。
@.繰越情報(前月繰越金)
A.販売情報(売掛金・受取手形と関連項目を含む)と現金収入
B.仕入情報(買掛金・支払手形と関連項目を含む)と現金支出T
C.外注情報(未払金・支払手形と関連項目を含む)と現金支出Uと借入返済情報
D.その他の支出情報(手形決済・経費支払・固定資金関連項目や現金支出V 差引過不足額)
E.資金調達情報(割引手形・借入金・増資など)
F.修正処理情報(見込み支払利息割引料の修正)と翌月繰越金

 

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2.予想データの作り方と説明
予想額の入力項目は、次の39項目となります。
 売 上 高  現金売上高 売掛現金回収 売掛手形回収 売掛金相殺 受取手形期日
ソノタノ現金回収 ソノタノ手形収入 投資資金回収  仕 入 高  現金仕入高 買掛現金支払
受取手形支払 支払手形発行 買掛金相殺 加 工 高 現金加工高 未払現金支払
受取手形支払 支払手形発行 未払金相殺 支払手形期日  人 件 費  諸 経 費
支払利息割引 ソノタノ現金支払 ソノタノ手形発行 固定預金預入 短期借入期日 長期借入期日
投資資金支出 固定預金取崩 手形割引額  短期借入金  長期借入金 その他の調達
 割 引 料   支払利息   翌月繰越金   確   認  上の画面へ  前の画面へ 

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【 売 上 高 】売上高の計画額について。
通常的な売上高の計画は、得意先ごとに、過去数年間の月別売上高をもとに、移動平均法による売上高を求め、その売上高がどのように推移してきたか、前年比成長率(後年売上高÷前年売上高×100)および、構成比(月別売上高÷年間売上高×100)を算出してその動向を分析し、当該得意先の動向を把握します。
各得意先に対する売上の動向を把握すると、次は、商品または製品の販売企画と比較検討を行い、今期の売上高に関する計画額を月別に設定していきます。
このような手順を経て企画された、当月の売上高計画額を入力することになります。

[ 現金売上高 ]現金売上高の予想額について。
現金売上高を予想する基準は、当月の売上高を構成している得意先別の売上高を参考にしながら、各現金売上高を集計していく方法と、過去の売上高に占める現金売上高の割合を求め、現金売上高率を算出し、その比率によって予想する方法があります。
事例でいえば、当月の売上高計画額30,000千円を求めた時の資料をもとに、現金売上先だけの金額を集計したら、その金額が300千円となったことを意味します。または、過去の実績から、売上高に占める現金売上高の割合が10%だったと仮定すると、売上高 × 現金売上高率 = 現金売上高
30,000千円 × 0.1 = 3, 000千円..このようにして予想した金額を入力します。

[ 売掛売上高 ]は、現金売上高を入力すると、当月の売掛売上高を自動的に計算し表示します。

[ 売掛現金回収 ]売掛現金回収の予想額は、
@.表示された「売掛売上高」と、過去の売掛金回収率を参照しながら、「売掛現金回収」額を、判断し入力します。
A.もう少し、具体的に判断内容を説明すれば、現在の「売掛金残高」から今月の「売掛売上高」を差引た額が、前回請求分に対する残高となります。
上記事例を例に示すと、次のようになります。
売掛金残高−売掛売上高=前回請求分の残高
41,167−29,700 = 9,817
ここで、前回請求分残高に対する現金回収と、今月の売掛売上高に対する現金回収を、分けて判断することになります。
B.この判断資材を提供するのが、販売管理システムで作られ、出力される「回収予定表」となります。

[ 売掛手形回収 ]売掛手形回収の予想額の判断は、
@.売掛現金回収の場合と同じく、画面に表示された、売掛金残高.売掛売上高.売掛現金回収の金額を参照しながら、判断して入力します。
A.具体的には、売掛金「回収予定表」を作り、売掛現金回収.売掛手形回収・売掛金相殺の関係を明確にし、実態を把握してから予測をたて、「売掛手形回収」額を入力します。

[ 売掛金相殺 ]売掛金相殺の予想額を入力します。
@.売掛金相殺は、相手科目が企業によって異る場合があります。 一般的に考えられる相殺科目は、買掛金・未払金・前渡金.など営業取引の課程で発生するものと、支払手数料・立替金など経費科目と相殺になる場合と、回収時値引・端数値引などの科目が対象となります。
A.原則として、売掛金相殺=買掛金相殺+未払金相殺となっています。

【 受取手形期日 】受取手形期日の予想額を入力します。
@.受取手形とは、手持手形と割引手形を加えたものとなっています。
A.手持手形とは、手元にある「受取手形」のことをいい、この受取手形は、銀行を通して、期日(満期日)に取立てを行い、現(資)金化されて預金に振込まれます。

[ ソノタノ現金収入 ]ソノタノ現金収入の予想額を入力します。
@.「ソノタノ現金収入」とは、「現金売上」及び「売掛金の現金回収」以外の現金収入をいい、経常的に発生しないもの、例えば、受取利息・雑収入・固定預金の解約・固定資産の売却などの収入があり、この他にも数多くの勘定科目が対象になります。

[ ソノタノ手形収入 ]ソノタノ手形収入の予想額を入力します。
@・ソノタノ手形収入とは、売掛金に対する手形収入以外のもののことをいいます。
具体的には、資産の売却等に伴う受取手形や、融手に関する受取手形なども含まれます。
A.「売掛手形回収」額と、この「ソノタノ手形収入」額を加えたものが、貴社(貴部門)の当月の受取手形増加額となります。
(注)受取手形減少額とは、「受取手形期日」と「受取手形支払」(買掛金及び未払金)と「割引手形期日」を加えた額となります。

[ 投資資金回収 ]
資産運用に伴う投資資金の回収予定額を入力します。
[ 現金収入額計 ]は投資資金回収を入力すると、当月の現金収入額の計が自動計算され、表示されるとともに、次の「仕入高」もすでに予想入力されている金額が表示されます。

[ 仕 入 高 ]仕入高の計画額を再確認し入力します。
仕入高の計画は、売上高および適正在庫量との関係で検討されます。(仕入が販売政策上、売上より優先されて検討される企業があります。具体的には、ス―パ―マ―ケットなどがあります。このような考え方をする企業は、例外企業とします。)
したがって、仕入高(入庫)が、売上原価(出庫)より大きくなると、在庫量は増加し、逆に、仕入高が売上原価より小さくなると在庫量は減少します。
この在庫量は、販売政策に従って、増加したり減少したりする性格のものですが、仕入てから販売するまでの期間が、短かければ、回転率は向上し経営上よいと云われています。しかし、現実は、売上に対し仕入が遅れる傾向にあり、納期が遅れると不良在庫に継がりますから注意が必要となります。
このようなことを前提に、売上高と在庫高を参考にしながら(また、仕入先と販売品との両要素を検討しながら)仕入高を計画します。

[ 現金仕入高 ]現金仕入高の予想額を入力します。
現金仕入高の予想は、仕入高を参考にしながら、現金仕入れになるであろう材料や商品の金額を判断し入力します。
現金仕入高を判断する基準は、個々の仕入先を対象に現金仕入額を算出し、集計するか、または、過去の仕入実績額を分析して、現金仕入率を求め、その仕入率を参考にしながら算出する方法があります。

[ 買掛現金支払 ]買掛現金支払額を予想し入力します。
@.現金仕入高を入力すると、当月の買掛仕入高を自動的に計算し表示します。
A.表示された「買掛仕入高」と、各仕入先と結んでいる支払条件を参照しながら「買掛現金支払」額を判断し入力します。
B.支払条件を守って、現金支払いを行なうべきですが、資金繰りに余裕がない時は、各仕入先別に仕入の内容を検討し、支払い金額を決め、その金額を集計して、算出します。
この買掛現金支払額を算出できる表に、仕入管理システムで作られる買掛金「支払予定表」があります。

買掛金に対する[ 受取手形支払 ]
受取手形支払(譲渡手形)額の予想を入力します。
受取った手形に裏書して、債務の支払いに使う場合があります。俗に「回し手形」といっています。この回し手形をする方法は、自社振出しの支払手形を使う方法と深い関係にあります。
具体的には債務に対し、手形による支払方法は、受取手形を回して決済する方法と、自社振出しの支払手形によってする方法があり、大半の企業はこのうち、いずれか一方を採用しています。
このようなことを参考にしながら、受取手形による支払高を予想し、入力します。
受取手形支払額の予想は、「買掛金残高」と「買掛仕入高」、および、「手持手形残高」の残高を参考にしながら判断します。

買掛金に対する[ 支払手形発行 ]支払手形発行額の予想を入力します。
買掛金に対する支払手形の発行は、「買掛金残高」と当月の「買掛支払高」と、参考事項欄の「支払手形残高」を参考にしながら、予想額を判断し入力します。

[ 買掛金相殺 ]買掛金相殺額の予想額を入力します。
買掛金の相殺は、「売掛金」や「前渡金」のように、商売の取引関係で発生したものと、買掛金を支払う過程で発生した経費、例えば、口座振込に伴う「支払手数料」のような経費科目と、支払時に支払金額の端数を値引きする「支払時値引」のような科目が対象になります。
これら相殺科目のうち、売掛金が買掛金と相殺になる場合は、下記の計算式のようになりますので、注意が必要です。
買掛金相殺+未払金(未払工賃)相殺=売掛金相殺
以上 仕入高から買掛金相殺までの入力は、仕入先に発注を行ってから、支払を行うまでの状況を予想し、その金額の入力となります。

[ 加 工 高 ]加工高の計画額を入力します。
加工高の予想入力は、参考事項欄ですでに入力した加工高の金額が自動的に表示されます。
加工高の計画は、売上高と仕入高と適正在庫量との関係で検討されますが、加工高計画は、計画通りにいかない要素を数多く含んでいます。それは、外注先の加工能力が、受注ピ―ク時の80%以下の状態となっているからです。
このような業界特有の加工先(外注先)の状況を認識の上、政治的な配慮を行ない、加工高に対する計画を行ないます。
このように検討し企画された月別加工高の当月分を入力します。

[ 現金加工高 ]現金加工高の予想額を入力します。
現金加工高に対する予想は、未払(工賃)金との関連で判断することが重要です。それは、工賃に対する支払いが、現金払いを優先させたり、または、支払の締回数も、多いところでは月3回または毎週行っているところもあるからです。このような、支払条件の企業は、現金加工高も未払現金支払額も同じような感覚で支払い予想を行ないます。
一方、支払条件の締日と支払日の間隔が長い企業では、現金払いとなる加工先は、ある限られた先となります。従って、それらの状況を判断し、現金加工高を予想し入力します。さらに、これらの状況も把握できない時は、加工高に対する現金加工高の割合である現金加工高率を判断し入力処理します。

[ 未払現金支払 ]未払現金支払額を予想し、その金額を入力します。
@.未払現金支払高を入力すると、当月の「未払加工高」を自動的に計算し表示します。
A.表示された[未払加工高]と過去の未払金精算率を参照しながら「未払現金支払」額を判断し入力します。
B.一方、現実的な資金繰り状況を判断し、関連科目、例えば
未払金残高 ××××千円と未払加工高 ××××千円
の内容を検討しながら、支払うべき金額を予想しながら入力処理をします。
C.この検討資料を提供するのが、仕入管理システムで作られ出力される、未払金「支払予定表」となります。

未払金に対する[ 受取手形支払 ]
受取手形支払(譲渡手形)額の予想を入力します。
受取手形支払の予想額は、支払手形発行の関係および手持ち手形残高との関連によって判断します。具体的には、仕入債権の支払いは、自社振出しの支払手形で行うのか、それとも、受取手形に裏書をして、譲渡する方法で行っているのか、企業の経営方針によって異なります。仕入債権に対する支払額は、支払手形を発行する方針の企業では、受取手形による支払は零となります。
一方、裏書譲渡による支払方法をとっている企業は、受取手形から割引手形を差引いた手持ち手形の残高と、未払金残高を参考にしながら、受取手形支払額を予想し入力します。

未払金に対する[ 支払手形発行 ]支払手形発行額を予想し入力します。
未払金に対する支払手形の発行は、「未払金残高」と、当月の「未払加工高」と、参考事項欄の「支払手形残高」を参考にしながら、予想額を判断し入力します。

[ 未払金相殺 ]未払金相殺額の予想額を入力します。
未払金の相殺は、「売掛金」や「前渡金」のように、商売の取引関係で発生したものと、未払金(未払工賃)を支払う過程で発生した経費、例えば、口座振込に伴う「支払手数料」のような経費科目と、支払時に支払金額の端数を値引する「支払時値引」のような科目が対象になります。
これら相殺科目のうち、未払金と売掛金が相殺になる時は、下記の計算式のようになりますので、注意が必要です。
未払金(未払工賃)相殺 + 買掛金相殺 = 売掛金相殺
以上、加工高から未払金相殺までの入力は、外注先に加工を依頼してから、支払いを行うまでの状況を予想しその金額の入力となります。

[ 支払手形期日 ]支払手形期日の予想を入力します。
支払手形は決済すべき期日を決めて発行します。そして、その期日は、振出日より2か月とか90日とか、取引条件にもとづいて発行されます。この手形の期日管理がしっかりしていればいるほど、また、発行した手形の期日(サイト)が、長くなればなるほど、月別の支払手形期日は正確に長期間、把握することができます。
この支払手形の月別期日額をまとめた表のことを、一般的に、支払手形残高表といっています。
この支払手形残高表の当月期日額をみて、予想額を入力します。

[ 人 件 費 ]人件費の予想額を入力します。
人件費は、損益計算書の中の人件費と、製造業の場合はこれに加えて、製造原価報告書の中の労務費があります。この人件費は、時間外割増賃金と出来高賃金を除けば、固定費の性格が強く、各月の支給額はほとんど変動がありません。したがって、季節変動に伴う変動費的な賃金と、賞与月の賞与額を参考にしながら、毎月の人件費の予想を行い、その予想額を入力します。

[ 諸 経 費 ]諸経費の予想額を入力します。
諸経費は、損益計算書の中の販売費及び一般管理費から、人件費と現金の支出を伴なわない減価償却ひなどを除いた金額、および、製造業の場合は、製造原価報告書の中の製造経費から、これも現金の支出を伴なわない勘定科目を除いた金額があります。したがってこれら2つを加えた額となります。
この諸経費も、季節変動要因(ほんの少し)を除けばほとんど変化のない固定費となっています。
そのようなことから、過去数か月の実績をもとに、毎月の金額を予想し、入力処理します。

[ 支払利息割引料 ]支払利息割引料を予想し入力します。
一般的な企業の場合、「営業外費用」のなかで、最も現金資金の流出が多いものに、「支払利息割引料」があります。したがって予想が必要になりますが、当月の借入や手形割引の予想額を明確にしないと、その支払いを予想する基準が明確でないことになります。
そのようなことから、ここでは、過去の金額を参照しながら『仮に』予想額の入力を行い、借入金や手形割引の予想額が明確になった後で、改めてそれを基準に、割引料と支払利息の予想を行い、その金額を入力し、その後で自動的に修正する方法をとっています。
前月や前々月の支払利息割引料を参考にしながら、当月の金額を「山勘」で予想し、その金額を入力します。

[ ソノタノ現金支払 ]ソノタノ現金支払額の予想額を入力します。
@.ソノタノ現金支払とは、「現金仕入高」と「買掛現金支払」、及び「現金加工高」と「未払現金支払」と「経費関係項目」を除いた現金支払いをいい、経常的に発生しないもの、例えば、雑損失、固定資産の取得に伴う支払やその他にも、数多くの勘定科目が対象となります。
A.資金繰りの実績を入力するばあい、翌月繰越金のところへ、「現金+流動性預金残高」を計算して入力すると、当月の収入と支払の差額を、この「ソノタノ現金支払」と「ソノタノ現金収入」の欄で調整する機能をもっています。
「ソノタノ現金支払」額は、経常的な支出科目以外の科目による支出となっていますので、調整額が多額の時は、その原因を調べ、理由がわからない時は、資金繰り処理上不正の可能性もありますので厳重な監査が要請されます。

[ ソノタノ手形発行 ]ソノタノ手形発行の予想額を入力します。
@.ソノタノ手形発行とは、買掛金と未払金に対する手形発行、以外のものをいいます。
具体的には、資産の取得等に伴う支払手形や、融通手形に関する支払手形などがあります。
これらの金額を予想し、その金額を入力します。
A.買掛金の「支払手形発行」と、未払金の「支払手形発行」と、この「ソノタノ手形発行」を加えたものが、当月の支払手形発行額となります。

[ 固定預金預入 ]固定預金の預入(増加額)を予想し入力します。
@.固定預金とは、定期預金・定期積金・金銭信託などが対象とななります。これらの預金は流動資金が固定されますので、資金繰り上、重要な項目となっています。
A.固定預金の受取利息が、固定預金になる場合は、固定預金預入額に含め、前記の「ソノタノ現金収入」にも含めます。
以上のことと、固定預金の期日や積金の月額などを参考にしながら、固定預金預入額を予想し、その金額を入力します。
B.固定預金預入の参考資料に、固定預金期日帳があります。
※ 別紙 固定預金期日帳参照

[ 短期借入金期日と長期借入金期日 ]借入金期日の予想額を入力します。
借入金には借入れの条件として、返済期日が設定されます。したがって、借入金の期日管理がしっかりしていると、この期日と、期日月の返済額を明確に把握することができます。一般的には、借入金の期日管理は、借入金期日帳で行なっています。
この期日帳を参考にしながら、借入金期日額の予想を行い、その金額を入力します。
[ 現金支出額計 ] と [ 差引過不足額 ]現金支出額計と差引過不足額を自動計算処理します。
借入金の期日額を入力すると、流動資金の支出となった額「現金支出額」を算出し表示します。
同時に、すでに算出されている、流動資金の収入となった額「現金の収入額計」へ当月繰越金を加え、加えた資金から「現金支出額計」を差引いて求めた、「差引過不足」を画面に表示します。
ここで、該当月に対し、資金調達を図らなければならない金額が表示されたことになります。
この「差引過不足額」は、月を単位とした過不足額であり、月中を日を単位としてみた場合は、もっと多額の過不足額が発生する可能性もありますので、その点について、十分な配慮が必要になります。

[ 投資資金支出 ]
余裕の出た資金や計画した投資資金の金額を入力します。

[ 固定預金の取崩 ]
固定預金取崩の予想額は金融機関との受信状態と深い関係に有りますので、その状況を前提に判断して金額を決めます。

割引手形(受取手形)は、手形振出日から期日まで、ある一定期間があります。また、受取手形の管理は期日管理かその中心となっています。したがって、手形管理がしっかりしていると、各月の割引手形落込額(期日)を正確に予想することができます。ここで予想した金額を入力します。
※割引手形期日は、一般的に割引手形表によって、明確に把握することができます。
[ 手持手形期日 ]手持手形期日は自動計算しています。
@.手持手形とは、手元にある「受取手形」のことをいい、受取手形残高から、割引手形と担保手形の残高を、差引いた額となります。
A.手持手形は、最終的には、銀行を通して、期日(満期日)に取立てを行い、現(資)金化されて、預金に振込まれれます。
この金額は「受取手形期日」の金額として入力します。
[ 担保手形期日 ]は受取手形期日に含まれます。
@.担保手形とは、銀行からの借入金の担保として差入れた「受取手形」のことをいいます。
A.担保手形は、受取手形の期日に合わせて、銀行が代金の取立てを行い、借入金返済用資金として、企業(貴社)名の預金口座に一時プ―ルします。そして、その金額が一定額以上になると、借入金の返済に充当されます。
[ 担保手形差入 ]は手持手形残高に含まれます。
@ 担保手形の差入(額)とは、銀行借入れの担保として差入れした受取手形(額)のことをいいます。
A 担保手形差入額に対する設定基準は、まず、不足資金額を示した「過不足額@」と、借入返済期限のくる「借入金期日(額)」や、借入返済可能な金額をあらわしている「担保手形期日(額)」と、再び借入れることの可能な限度額を示した「手持手形残高」を参考にしながら決定します。

[ 手形割引額 ]手形割引額の予想額を入力します。
手形割引の予想は、資金の「差引過不足額」に対し、手持ちの受取手形残高に含まれる手形の回収時期と、割引手形期日を参考にしながら行ないます。
具体的には、割引手形期日(落込み)額に見合う手形割引の依頼は、銀行に対し相談がしやすいので、それを確認します。
次に、手持手形残高がいかに多くても、月末の回収である場合は、月初、月中の手形割引ができないので、それを確認します。
そして、差引過不足額に対し、手形割引でいくら対応するのかを判断し予想金額を入力します。
手形割引額を入力すると、現在まで予想してきた内容に対する資金の「過不足額@」が、自動計算され画面に表示されます。

[ 短期借入金と長期借入金 ]借入金の予想額を入力します。
借入金の借入に対する予想は、上記「過不足額@」と、借入金の返済額と、手形割引額とその日時を参考にしながら、検討を行います。
検討の方法は、次の予想入力項目である「その他の調達」が、増資などの資金調達を主体としていますので、通常の月はこの借入金の借入額が「過不足額@」より多く設定する必要があります。合わせて月中における借入金の返済額や「過不足額@」の変動幅も予測しながら借入額を予想し、その金額を入力します。

[ その他の調達 ]その他の調達額の予想額を入力します。
その他の調達とは、増資額および現金資金の増加を伴う資金調達額をいい、通常的な月ではほとんど発生しません。このような性格の資金ですから、事前に発生月と発生額も把握(予想)することができます。したがって、この金額を入力します。
「その他の調達」が入力されると、
「手形割引額」+「借入金」+「その他の調達」=「資金調達計」
を計算し、画面に表示するとともに、資金収支の「過不足額A」を表示します。
この資金の「過不足額A」は、翌月繰越金に近い金額となります。

[ 割 引 料 ]割引料の予想額を入力します。
割引料とは、受取手形割引料を主体に考えます。この割引料の入力は、すでに入力をした「支払利息割引」の金額を修正するために入力するものです。
この、予想額の算出基準は、次のようになります。
手形割引額 × 割引手形平均サイト × 金利 = 割引料
割引額1,000,000円×<サイト90日×日歩金利2銭8厘=割引料25,200円
上記の算式を参考に、平均手形サイトと金利を調査し、割引料を想し、その金額を入力します。

[ 支払利息 ]支払利息の予想額を入力します。
支払利息とは、借入金に対する支払利息を主体に考えます。この支払利息の入力は、すでに入力をした「支払利息割引」の金額をより正確にするために入力するものです。
この、予想額の算出基準は次のようになっています。
借入金 × 借入期間 × 金利 = 支払利息
借入金1,500,000円×期間90日×日歩金利2.9銭=支払利息39,150円
上記の算式を参考に、 期間と金利を調査し、 支払利息を予想し、その金額を入力します。

「翌月繰越金」の入力機能について、
「支払利息」の予想を、より確率の高い予想額に修正し「現金支出額計」とそれ以降の関連項目の金額を修正して、「翌月繰越金」を計算し直して表示します。

[ 確 認 ]の入力機能について、
確認の位置で「Enter」キーを押しますと、表示されている総ての項目をファイルに書き込みます。
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3.予想額入力とキーボード操作
資金繰り予想データを入力する画面の内容は、入力する予想額を判断するに必要な情報を提供する【参考事項】欄と、予想額を入力する【入力項目】欄に大別されています。
【参考事項】の詳細な内容は、
予想額を入力する時は、各入力項目の金額を入力すると同時に、関連する残高を自動計算し表示を行い、次の予測データ額を判断する情報を提供します。
【予想入力項目】の詳細な内容は、入力科目別に色分けされとおり、
( 予想額を入力する場合 )参考事項とすでに予想額を登録した緑色の金額を参考にしながら、予想額の入力をします。
緑色の項目は、すでに「予想」で登録された項目ですが、ここで修正することもできます。
水色の項目は、データを入力する項目。
白色の項目は、自動計算される項目。
黄色の項目は、自動集計される項目。
これから、月々の実績データや予想データを入力しますが、入力項目に関する、データ作成基準と考え方は、別項(資金繰表の作り方)を参照下さい。
注:ここで、予想額については画面を見ながら判断し入力をします。
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