クロマニョン人(マグダレニアン文化)旧石器時代後期にクロマニョン人は狩猟採集文化の最盛期を向かえた。マグダレニアン文化(マドレーヌ文化)である。 ナイフ・かたな・槍先など多種の石器や、美しく彫刻した骨格器を作っていた。投槍・弓矢を発明し、集団で狩猟を行い、落とし穴やわなを仕掛けて熊・マンモス・馬・となかい・野牛などの巨大な獣も捕らえた。また、弓矢で鳥を射落とし、骨製の銛や釣針で魚も獲ったらしい。 しかし、獲物の獲りすぎから資源が枯渇し、住居をたえず移動させなければならなかったらしい。 スペイン北部のアルタミラやフランス南西部のラスコーに有名な洞窟壁画を残している。 また、石や骨に彫られた丸彫・浮彫・線刻画がみられる。特に、一般にヴィーナス像と呼ばれている女性像の丸彫が、注目される。 【クロマニョン人の特徴】 ネアンデルタール人に比べると、解剖学的にみて現生人類により近く、繊細で上品な顔つきをしている。 【クロマニョン人の化石】 クロマニョン 1868年に、フランス南西部のドルドーニュ地方のクロマニョンの岩陰から、5人分の人骨が発掘された。人骨の配置から、意図的に埋葬されたものと考えられる。 ネアンデルタール人とは別の型の人類であると確認された。後にマグダレニアン文化(マドレーヌ文化)遺物と呼ばれるようになる旧石器とともに発見されたが、その年代の古さが認識されるには時間を要した。 【主な遺跡】 アルタミラ洞穴 スペイン北部。1879年に発見。 洞穴の奥の暗い部分に、彩色画と線刻により、マンモス・となかい・野牛などの動物で肉付きの良い成熟したものばかり描かれている。豊猟を祈って呪術的な目的で描いたものと考えられている。 ラスコー洞穴 フランス南西部。1940年に発見。 描かれているものは、アルタミラ洞穴と同様のもの。 別系統の壁画 赤か黒か黄色の単彩画で単純化されて影絵風に描かれている別系統の壁画が、スペイン南東部やアフリカ北部の岩山地帯の岩陰に残されている。 【マグダレニアン文化(マドレーヌ文化)】 ヨーロッパ旧石器時代末期の文化。にない手は、クロマニョン人。 全ヨーロッパに遺跡があるが、特にフランス南西部に多い。 骨格器の発達が著しく、氷河時代第2〜3小氷期のため岩窟の住居が多い。フランス南西部のラスコーや、スペイン北部のアルタミラなどに、見事な洞穴壁画を残している。 【南フランスでの時代区分について】 南フランスでは後期旧石器時代の文化の変遷が比較的よくわかっており、次の4つの時期を設定している。 ペリゴルディアン文化 オーリニャック文化 ソリュートレ文化 マグダレニアン文化(マドレーヌ文化) 【参考ページ】 ![]() 【LINK】 ![]() ![]() ![]() ![]() 参考文献 「新訂版チャート式シリーズ 新世界史」堀米庸三・前川貞次郎共著、数研出版、1973年 「改定新版 世界史辞典」数研出版、1974年 「人類の起源」エルベール・トマ著、南條郁子訳、河合雅雄監修、創元社「知の再発見双書」、1995年 「ビジュアル版 世界の歴史1 文明の誕生」江坂輝彌・大貫良夫著、講談社、1984年 更新 2003/3/23 |