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 ●2015年4月号〜2016年3月号協議会だより

◇2015年4月号〜2016年3月号の協議会だより◇
3月号  ・国の放課後児童クラブ関係の2016年度予算案が示されました
 ・全国厚生労働関係部局長会議が開催されました
2月号  ・「放課後児童支援員認定資格研修事業」「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の
  実施状況を交流

 ・「一億総活躍国民会議緊急とりまとめ」
1月号  ・全国学童保育連絡協議会 2015年度定期総会を開催しました
 ・「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」が改訂されています
12月号  ・2015年度の「子ども・子育て支援交付金交付要綱」が発出されました
11月号  ・政府の2016年度予算概算要求が発表されました
10月号  ・学童保育数は2万5541か所 入所児童数は101万7429人
9月号  ・学童保育を応援する国会議員でつくる二つの議員連盟が総会を開催しました
 ・第42回全国合宿研究会を開催しました
 ・次年度特集企画会議を開催しました
 ・本誌をより多くの保護者・指導員に読んでもらえるよう、広めていきましょう
 ・『解説と資料』の積極的な活用を
8月号  ・放課後児童支援員等所具改善等事業を申請し、活用しましょう
 ・新刊『解説と資料 新制度で大きく変わる学童保育』を多くの人々に広め、活用を!
7月号  ・要請行動を行いました
 ・都道府県の認定資格研修は2015年秋以降の実施か
6月号  ・子ども・子育て支援新制度が本格実施 市町村のなかには未だ検討中のところも……
 ・各事業の実施要綱、交付要綱が決まる
 ・厚生労働省が事故の把握等で通知
 ・政府が「少子化社会対策大綱」を決定
5月号  ・国として「放課後児童クラブ運営指針」を策定
 ・都道府県が実施する認定資格研修の詳しい内容等が示されました
4月号  ・実施要綱案、交付要綱案の提示は3月10日
 ・新制度本格実施に向けた課題は予算措置
 ・学童保育の運営指針を作成

2016年3月号

国の放課後児童クラブ関係の2016年度予算案が示されました

 2015年12月25日、学童保育関係の国の補助金の2016年度予算案が示されました(予算案は今後、国会での審議を経て採決されます)。国は2016年度の予算案について、「待機児童が多く存在する市町村の子ども・子育て支援事業計画の前倒し実施を含め、受入児童数のさらなる拡大を促し、待機児童の解消に向けた取組のより一層の強化を図るよう、市町村への支援の充実を図る」としています。
 2016年度の予算案のなかで、特徴的な内容をつぎに記します(くわしい内容はこちらのPDFファイル「放課後児童クラブ関係 平成27年度補正予算(案)及び平成28年度予算(案)の概要」〈厚生労働省作成資料をもとに編集部で要約〉を参照してください)。
◆放課後児童クラブ設置促進事業……既存施設の改修、施設の整備・修繕及び備品の購入を行う事業で、新たに民家・アパート等(新設・既存含む)が対象に加わる。補助基準額(案)1200万円(前年度は700万円)。
◆放課後児童クラブ運営支援事業……児童数の増加に伴い、実施場所を移転する際に必要な「移転関連費用」への補助と、民間団体等が学校敷地外の土地を活用して放課後児童クラブを設置する際に必要な「土地借料」への補助が新たに計上。
◆放課後児童支援員等処遇改善等事業……(i)18時半を超えて開所し、家庭・学校等との連絡及び情報交換等に主担当として従事する者を配置する場合に、非常勤職員1名分の貨金改善経費の上乗せ分158万1000円(前年度比4万2000円増)が計上。
(A)18時半を超えて開所し、地域との連携、協力等に主担当として従事する常勤職員を配置する場合に、賃金改善経費、当該常勤職員を配置するための経費の上乗せ分293万2000円(前年度比10万1000円増)が計上。
◆放課後児童支援員認定資格研修事業……研修を実施するための経費の補助が、「厚生労働大臣が認める額」1回あたり98万3000円を目安として、予算の範囲内で必要な経費を補助する」として計上(前年度比17万3000円増)。
◆放課後児童支援員等資質向上研修箏業……初任者研修(1年〜5年未満を目安)と中堅者研修(5年以上を目安)を地域の実情に応じて実施するために必要な経費の補助が、「厚生労働大臣が認める額」2か所あたり、199万2000円を目安として、予算の範囲内で必要な経費を補助する」として計上(前年度比56万8000円増)。
 なお、2016年1月20日に、2015年度補正予算が成立しました。学童保育に関わっては、「放課後児童クラブ環境改善整備推進事業(仮称)」が予算計上されています。補助基準額は1支援の単位あたり年額50万円(案)。補助率は国が4分の3、市町村が4分の1。各市町村の2016年度予算での対応も可とするため、国は2016年度への予算の繰越手続きを行う予定とのことです。また、交付要綱も発出されます。

全国厚生労働関係部局長会議が開催されました

 2016年1月19日、20日、全国厚生労働関係部局長会議が開催されました。会議資料から、特徴的な内容を紹介します(傍線は編集部)。
◆厚生労働省と文部科学省が共同で策定した「放課後子ども総合プラン」にもとづいて放課後児童クラブの整備を進めていくという方針を示したうえで、「『一体型』の留意事項」としてつぎの内容が示されています。
「一体型として実施する場合でも、両事業の機能を維持しながら、取り組んでいただく必要があり、特に放課後児童クラブについては、児童が安心して生活できる場としての機能を十分に担保することが重要であるため、市町村が条例で定める基準を満たすことが必要である。また、放課後児童クラブのニーズがあるにも関わらず、児童が安心して生活できる場としての放課後児童クラブではなく、全ての児童に一律の居場所を提供する。、いわゆる『一体化』の取組は、市町村が条例で定める基準を満たしておらず、本来ならば、放課後児童クラブにおいて対象となる児童に確保されるべき、日常生活に必要となる基本的な生活習慣を習得し、発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができる環境が確保されないおそれもあることから、十分ご留意いただきたい」。
◆「放課後児童支援員認定資格研修」に関わる資料に以下の記述があります。「平成27年度においては、初年度で、国からのガイドラインの発出が遅れたこともあり、都道府県毎に委託先の選定方法や研修の実施方法等に差異が見られ、特に、委託先に運営を任せきりにしたり、当該都道府県外の事業者を委託先として選定し、講師も他都道府県の者が担当するなどの状況も見られた。認定資格研修は、放課後児童支援員という全国共通の認定資格を付与するための研修として位置づけられているものであるため、講義内容や担当する講師等に関して全国共通の一定程度の質が確保されていることが必要である。また、研修科目の講師要件の中には、『放課後児童クラブにおいて、一定の知識、経験を有すると認められる放課後児童指導員』を設けているが、当都道府県内で長年放課後児童クラブに従事してきた者が担当することで、その域内における人材育成に寄与することを想定しているものであるため、こうした趣旨も踏まえて、委託先を選定する必要がある」。国は、2015年度の「放課後児童支援員認定資格研修」の取組状況などを調査しています。
               * * *
 全国学童保育連絡協議会は2015年12月28日に国との懇談を行いました。ひきつづき、各政党・会派や国会議員、地方六団体への要請を行い。学童保育の改善を進めるために、各方面に強く働きかけます。

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2016年2月号

「放課後児童支援員認定資格研修事業」「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の実施状況を交流

 2015年12月5日、6日、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)を構成する連絡協議会が集まる「全国運営委員会」を東京で開催しました。この会議のなかでは、「放課後児童支援員認定資格研修事業」と、「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の実施に関する各県の状況について、情報を交換しました。
「放課後児童支援員認定資格研修事業」の実施主体は都道府県ですが、民間団体等に事業の一部を委託することができます。2015年度は、都道府県の学童保育連絡協議会やそれに由来する団体のほか、これまで学童保育連絡協議会との接点のないNPO法人や一般社団法人、株式会社が受託した地域もあります。当初、全国連協が想定していたよりも受託団体が多様でしたし、実施状況にもばらつきがあるようです。
 なかには国の「都道府県認定資格研修ガイドライン」に示されたシラバスから逸脱していたり、修了評価についても適切に履修したことを確認できるようなレポートが求められていない県があることもわかりました。受託団体の学童保育に対する理解の度あいが、研修の中身に大きく影響しているようです。
「放課後児童支援員認定資格研修事業」の趣旨・目的である「設置運営基準と運営指針に基づく放課後児童支援員としての役割及び育成支援の内容等の共通理解を得る」こと、「職務を遂行する上で必要最低限の知識及び技能の習得と、それを実践する際の基本的な考え方や心得を認識する」ことのためにも、改善が必要です。
「放課後児童支援員等処遇改善等事業」については、2015年度に、この事業を実施するための事前協議を厚生労働省にあげている市区町村数は1割程度にとどまっています。とりわけ、常勤職員を配置するための追加費用(賃金改善に必要な費用を含む)の一部を補助する事業を実施した市区町村数は50にとどきません。予算や実施要綱発出の遅れもあって、自治体からとまどいの声があがっています。
 これらをふまえて全国連協は、厚生労働省に提出する要望書のなかに、「放課後児童支援員認定資格研修事業」については「学童保育と指導員の実情が反映され、私たちの実績と経験が反映される方策を」とるようにと記し、処遇改善については、2016年度もひきつづき概算要求の項目にあがっている「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の運用が単純明快なものになるようにと求めています。学童保育の拡充と改善のために、今後も、地域の連絡協議会と共に、地域での動きを的確に把握し、国や自治体への働きかけを強めていきます。

「一億総活躍国民会議」が緊急対策とりまとめ

 2015年11月26日、一億総活躍国民会議」が「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策――成長と分配の好循環の形成に向けて」をとりまとめました。
「一億総活躍国民会議」とは、「我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、『希望を生み出す強い経済』、『夢をつむぐ子育て支援』、『安心につながる社会保障』の『新・三本の矢』の実現を目的とする『一億総活躍社会』に向けたプランの策定等に係る審議に資するため」に設置された会議です。議長に安倍晋三首相が就き、議長代理に加藤勝信一億総活躍担当大臣、構成員に塩崎恭久厚生労働大臣や馳浩文部科学大臣をはじめ、関係閣僚13名ほか、有識者15名が選ばれています。
厚生労働省内にも「厚生労働省一億総活躍社会実現本部」が設置され、第2回の会議では、塩崎厚生労働大臣から「『一億総活躍』社会の実現に向けた厚生労働省の考え方」が配布されています。
 塩崎大臣の提出したこの資料では、「夢をつむぐ子育て支援」の「基本的な考え方」の項で、「希望実現阻害要因」として「放課後児童クラブの不足」があげられています。また、「保育の受け皿拡大、保育士の確保・処遇改善、放課後児童クラブの拡充」が「働き方改革・両立支援」と「総合的子育て支援」の両方の「対策の方向性」とされています。また、「児童虐待の防止、社会的養護を必要とする子どもへの支援」では、児童福祉法等の改定が視野に入れられています。
 緊急対策としては、「2.『ニッポン一億総活躍プラン』に向けて検討すべき方向性」の「(2)『夢をつむぐ子育て支援』」の項で、「仕事と家庭の両立ができる環境づくりのため、結婚から妊娠・出産、子育てを望む全ての人の希望をかなえる環境整備」があげられています。しかしその対策としては、「出産後・子育て中も就業が可能な多様な保育サービスの充実」の項で「保育の受け皿40万人分→50万人分」が示されるにとどまっています。また、待機児童解消策として「家族の支え合いにより子育てしやすい環境を整備するため、三世代同居・近居の環境を整備する」ことが併記されていますが、このことが、学童保育を不要とする考え方につながらないか、注視が必要です。
 このように、「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策――成長と分配の好循環の形成に向けて」には、「放課後児童クラブ」の文言がないなか、「ひとり親家庭の支援」「子どもの貧困への対応」などが提起されていますが、これらの実現には、学童保育の拡充も必要です。

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2016年1月号

全国学童保育連絡協議会 2015年度定期総会を開催しました

 2015年11月6日、大阪府大阪市内で全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)の2015年度(2015年11月から2016年10月まで)の定期総会を開催しました。
 総会では、2014年度の活動報告、決算報告が行われ、会計監査報告を受けた後、いずれも承認されました。ついで、2015年度の活動方針(抜粋した内容を後述します)、予算が討議された後、決定されました。
 また、第51回全国学童保育研究集会を、2016年秋に愛知県で開催することが決定されました。愛知学童保育連絡協議会からは、「愛知の学童保育の発展と結びつけて全国研の準備をしていきたい」と意気込みが語られました。
 なお、選出された2015年度の全国学童保育連絡協議会の役員はつぎのとおりです。
会 長 木田保男(三多摩・保護者・再)
副会長 出射雅子(京都・保護者・再)、江尻彰(東京・保護者・再)、
    小野さとみ(三多摩・指導員・再)、角野いずみ(岡山・指導員・新)、
    嘉村祐之(岩手・指導員・再)、賀屋哲男(愛知・専従職員・再)、
    亀卦川茂(埼玉・指導員・再)、木村美登里(神奈川・指導員・再)、
    河野伸枝(埼玉・指導員・再)、鈴木美加(千葉・指導員・新)、
    高橋誠(東京・指導員・新)、早川雅代(石川・指導員・再)、
    平野良徳(兵庫・保護者・再)、前田美子(大阪・役員・再)
事務局長 池谷潤(神奈川・保護者・再)
事務局次長 佐藤愛子(職員・再)・志村伸之(職員・再)千葉智生(職員・新)

【全国学童保育連絡協議会2015年度の活動方針(抜粋)】
◆全国連協が行う学童保育の実施状況調査では、2015年5月1日現在の学童保育数は2万5541か所でした。2014年4月に制定された厚生労働省令「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下「省令基準」)にならい、多くの市町村でも学童保育の基礎的な単位(「支援の単位」)を「おおむね40人以下とする」と定めたことにより、この条例にもとついて学童保育を新設したり、大規模な学童保育を分割したことが、今回の調査結果に反映されていると考えられます。
 入所児童薮は101万7429人で、はじめて100万人を超えました。どの学年でも児童数が前年比で増加していますが、4年生の児童数の増加が顕著です。これは、2012年の児童福祉法改定によって学童保育の対象児童が小学生(6年生まで)に引き上げられたことにより、4年生になった子どもが継続して利用できるようになったことが反映されていると考えられます。
学童保育の量的・質的拡充には課題があるなか、「省令基準」につづいて2015年3月に厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知「放課後児童クラブ運営指針」(以下「運営指針」)が発出されました。今後は「省令基準」や「運営指針」の内容が実際にいかされ、子どもの生命と生活を守る責任を果たせる条件整備がよりいっそう求められます。
 学童保育の実施に際しては、全国連協が作成した『私たちの求める学童保育の設置・運営基準(改定版)』『学童保育の保育指針(案)改定版』を参考にしながら、市町村や都道府県に働きかけ、学童保育の拡充に結びつけましょう。
 また、「放課後子ども総合プラン」で示された、「放課後児童クラブについて、30万人分を新たに整備」する計画においても、放課後子供教室や『全児童対策事業』と学童保育とを一つの事業として行う「一体化」ではなく、固有に必要な事業として、学童保育の役割が十分に果たせるように保障させましょう。
◆私たちはこれまでも、「共働き・一人親家庭等の小学生の放課後(学校休業日は一日)の安心・安全な生活を継続的に保障する」「毎日の生活を通して子どもの健やかな成長を図る」、そしてそのことを通して「保護者の働く権利と家族の生活を守る」という学童保育の役割を具体的に果たすのが指導員の仕事であり、それには専門的な知識や技能が求められる。それにふさわしい位置づけが必要と国や自治体に働きかけてきました。
「省令基準」や「運営指針」に示されている指導員の仕事・役割を具体的に果たすにあたっても、専門的な知識や技能がなければ困難です。「子ども・子育て支援新制度」(以下、「新制度」)の実施により、指導員には「放課後児童支援員」という資格が必要になりました。この資格を得るためには、保育士などを含む9項目の要件のうちのいずれかを備えている者が、2015年4月から都道府県が実施している放課後児童支援員認定資格研修を5年の問に修了することが必要です。希望するすべての指導員が資格を得ることができるよう、代替要員や交通費など十分な予算措置を自治体に求めましょう。同時に、指導員に必要な専門的な内容を身につけていくために、市町村にまで国の補助対象が広げられた指導員の資質向上のための研修を有効に活用していきましょう。
 また、「放課後児童支援員等処遇改善等事業」として、非常勤職員に係る賃金改善をするための費用が年額153.9万円予算計上されたとともに、「常勤職員」を配置している場合には、年額283.1万円の加算ができる予算が計上されています。指導員の処遇改善が図られるように働きかけましょう。
 学童保育の役割が果たせるように、指導員の配置・勤務の体制、労働条件等を改善し、指導員が働きつづけられる環境を整備していきましょう。
◆「新制度」では、市町村が学童保育の実施主体となり、大きな役割と責任を持つことになります。よりいっそう、市町村連絡協議会の役割が重要になっています。
 指導員の認定資格研修や現任研修などの人材養成に対する責任、交付金の都道府県分の負担(補助金のような義務ではなく、「できる」となった)など、都道府県が果たす役割も重要です。都道府県に働きかける運動の中心的な力となる都道府県連絡協議会の必要性と重要性もますます大きくなります。
 父母会(保護者会)をつくり、その活動を充実させることによって、はげましあって働きながら子育てをする力、学童保育をつくり、維持し、発展させるさまざまな活動に取り組む力を生みだすことができます。すべての学童保育で父母会(保護者会)をつくり、活動を豊かにしていきましょう。その際にはぜひ、全国連協が作成した冊子『父母会ハンドブック』『連絡協議会ハンドブック』などもご活用ください。
◆学童保育の量的・質的な拡充に向けた課題は山積しています。月刊『日本の学童ほいく』を読み、自らの実践や保護者との信頼関係づくり、学童保育をよりよくするための運動に役立てていくことも大切です。今年度は購読数を減少させずに、年間を通じて各号4万部を上回ることをめざします。
◆全国連協は、今後も被災した地域と共に、指導員を支える研修などにも継続的に取り組みます。さらに、被災した地域の指導員と保護者をはげまし、子どもたちの安全と安心を保障するために、「東日本大震災学童保育募金」への協力を、引き続き呼びかけていきます。

「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」が改定されています

 2015年8月31日付で、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」が改定されています。
 厚生労働省令第133号「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令」第8条によって、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」の第10条第3項1号文中の「保育士」の下に、「(国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第12条の4第5項に規定する事業実施区域内にある放課後児童健全育成事業所にあっては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士)」との文言が加えられました。

【厚生労働省令第133号】
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律(平成27年法律第56号)の施行に伴い、及び関係法令の規定に基づき、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令を次のように定める。
  平成27年8月31日
    厚生労働大臣 塩崎恭久
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の一部改正)
第8条 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)の一部を次のように改正する。
第10条第3項第1号中「保育士」の下に「(国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第12条の4第5項に規定する事業実施区域内にある放課後児童健全育成事業所にあっては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士)」を加える。
附則
 この省令は、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律の施行の日(平成27年9月1日)から施行する。
なお、厚生労働省はこの改定にともない、「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律の施行及びそれに伴う関係政省令告示の改正について(通知)」(雇児発0901第2号平成27年9月1日)という局長通知を出しています。
「国家戦略特別区域隈定保育士」(以下「地域限定保育士」)は、「保育士不足解消等に向け、都道府県が保育士試験を年間2回行うことを促すため、2回目の保育士試験の合格者には、3年程度、当該区域内のみで保育士として通用する資格を付与」するものです。
保育士試験はこれまで、全国で年1回、8月に実施されていました(2016年からは4月に実施)。このたび国は、この保育士試験の2回目を実施することとしました。保育士になるために受験すべき科目の最後の一つを、この2回目の試験で合格した者が、「地域限定保育士」となります。
 試験の内容、実施方法などは、これまで行われていたものと違いはありません。受験すべき科目の最後の一つをその年の1回目の試験で合格した者は「保育士」として全国どこでも働くことができますが、「地域限定保育士」の場合は、資格取得後3年間は受験した自治体内でのみ働くことができます。なお、3年以降は地域の限定なく働くことができます。
*「当該事業実施区域」とは…国家戦略特別区に指定されているのは、2015年11月現在、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市)、関西圏(大阪府、兵庫県及び京都府)、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市、沖縄県、秋田県仙北市、宮城県仙台市、愛知県ですが、2015年度に「地域限定保育士」の試験を実施するのは、神奈川県、大阪府、沖縄県、千葉県(対象地域:成田市)の4府県です。

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2015年12月号

2015年度の「子ども・子育て支援交付金交付要綱」が発出されました

 2015年9月11日に、2015年度の「子ども・子育て支援交付金交付要綱」が発出されました(もとの資料は内閣府のホームページに掲載されています)。単価そのものについては、本誌2015年3月号の「協議会だより」でお知らせしていた「案」から変更はありませんでしたが、いくつか項目名などに変更がありましたので、あらためて一覧を掲載します。
 「子ども・子育て支援新制度」施行にあたって、学童保育への補助金は、「市町村子ども・子育て支援事業計画」(以下、「事業計画」)にもとづいて支出される交付金となりました。学童保育の運営費は、学童保育を含めて13事業が法定されている「地域子ども・子育て支援事業」の一つとして、市町村に出されます(「子ども・子育て支援交付金」の名称で13事業分一括で出される)。また、施設整備費は、「子ども・子育て支援整備費等交付金」から出されます。今年度は、国から交付要綱が発出される時期が例年より遅くなりましたが、交付金の「変更申請」の締め切りは12月中ということですので、ぜひ申請に向けて積極的に取り組みましょう。
「放課後児童健全育成事業実施要綱」(2015年5月21日発出)の別添6に示された「放課後児童支援員等処遇改善等事業」は、2014年に行われた「放課後児童クラブ開所時間延長支援事業」(どちらの事業もその趣旨は、指導員の処遇改善ですが、事業の名称が変更され、補助金の対象が拡充されています)とは、申請の様式が大きく変更されています。放課後児童支援員等処遇改善等事業を実施する、または実施を予定している行政と共に、必要な書類や提出方法を早急に確認することが必要でしょう。
 なお、国が使途を定めていたこれまでの補助金と異なり、一括交付金の使途は市町村の裁量に委ねられるため、当初は「自治体の理解や判断によっては、学童保育に予算がつけられず、地域に格差が生まれるのではないか」ということが懸念されていました。しかし実際には、「交付金」はすでに策定された「市町村子ども・子育て支援事業計画」にもとづいて、「補助単価」「か所数」が決まった形で国に申請されることになりますので、個々の事業にとっては「補助金」と同じ意味あいで費用が出されることになります。
 ただし、これまでの補助金は、市町村に都道府県が補助し、そこにさらに国が補助をする「間接補助」という方式で出されていました(都道府県は3分の1を負担することが義務づけられていた)。今後、学童保育への交付金は、実施主体である市町村に、国が直接補助する仕組みで出されます(都道府県は、「交付することができる」とされている)。補助単価で示された国の補助額を満額受け取れるように、都道府県にも確実に負担してもらうよう働きかけましょう。

2015年度 放課後児童健全育成事業関係の補助単価PDFファイル)

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2015年11月号

政府の2016年度予算概算要求が発表されました

 2015年8月28日に、学童保育(放課後児童クラブ)に関係する2016年度予算の概算要求が発表されました。概算要求とは、各省が財務省に予算を要求するものです。今年末に財務省の査定があり、政府予算案が決まります。その後、来年の通常国会で審議が行われて、予算が決定します。
 国は、「放課後子ども総合プラン」にもとついて、2019年度末までに、「放課後児童クラブについて、約30万人分の受け皿を新たに整備することを目指して、『量的拡充』及び『質の向上』に必要な経費を計上し、市町村における子ども・子育て支援事業計画に基づく取組を支援する」としています。そのうえで今回の学童保育関係の概算要求では、2016年度の内閣府予算に計上される「社会保障の充実(「量的拡充」及び「質の向上」)に係る費用」については、年末までの予算編成過程で検討するとして、機械的に2015年度予算額と同額で要求しています。具体的な内容は以下のとおりです。

子ども・子育て支援交付金(内閣府予算に計上)
◆運営費等 431.7億円+事項要求(*事項要求とは、概算要求時に内容等が決定していない事項について金額を示さずに要求し、予算編成過程でその内容が明らかになった際に追加で要求するもののことです)
(1)量的拡充
@放課後子ども環境整備事業の充実
ア 一体型の放課後児童クラブ・放課後子供教室の強力な推進[継続]……補助基準(加算)額(2015年度)100万円
イ 幼稚園・認定こども園等の活用の促進[継続]……補助基準(加算)額(2015年度)五〇〇万円
A放課後児童クラフ運営支援事業[継続]……補助基準額(2015年度)308万円
B放課後児童クラブ送迎支援事業[継続]……補助基準額(2015年度)43.5万円
(2)質の向上
@放課後児童支援員等処遇改善等事業[継続]……補助基準額(2015年度)153.9万円、または283.1万円
A障害児受入強化推進事業[継続]……補助基準額(2015年度)171.2万円
B小規模放課後児童クラブ支援事業[継続]……補助基準額(2015年度)53.2万円

子ども・子育て支援整備交付金(内閣府予算に計上)
◆整備費 143.3億円……補助基準額(2015年度)@放課後子ども総合プランに基づく学校敷地内での創設整備の場合は4885.9万円、Aそれ以外の場合は2442.7万円

 なお、厚生労働省育成環境課健全育成係から2015年8月28」28日付で都道府県の担当課宛てに、事務連絡「『放課後児童支援員等処遇改善等事業』等に係る平成28年度概算要求について」が出されています。ここには、2015年度は「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の「国への協議件数が197自治体に止まっている状況」であること、2016年度以降も、本年度の事業内容を継続して実施することになったこと、今回、情報提供された資料をぜひ活用して、「事業化に向けて積極的に取り組んで」ほしい旨が記されています。

子ども・子育て支援対策推進事業費補助金(厚生労働省予算に計上)
 「職員の資質向上・人材確保等研修事業」として、「16.6億円の内数」(前年度予算は「15.7億円の内数」)が予算計上されており、指導員の認定資格研修や現任研修の費用もここに含まれます。以下、それぞれについて見ていきます。
◆指導員の認定資格研修(「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」に基づいて、放課後児童支援員として認定されるために修了が義務づけられている研修。都道府県が実施)を実施するための経費の補助として、「放課後児童支援員認定資格研修事業」が継続して計上されています。
 2015年度額は1回あたり81万円でしたが、2016年度は98.3万円に増額されています。
◆指導員の現任研修を実施するための経費の補助である「放課後児童支援員等資質向上研修事業」は、2015年3月にまとめられた「放課後児童クラブに従事する者の研修体系の整理―放課後児童クラブの質の向上のための研修企画検討会まとめ―」のなかで、「放課後児童支援員等の資質の向上を図るためには、個々の職員の経験年数や保有資格、スキルに応じて、(略)計画的に育成していくシステムを構築していくことが必要」と指摘されたことをふまえて、都道府県及び市町村に向けて、現任の指導員に対する初任者研修と中堅者研修を実施するために必要な経費の補助を行うものです。
 2015年度は1か所あたり142.4万円でしたが、2016年度は263.1万円に増額されています。
◆2015年度から「都道府県認定資格研修講師養成研修」が開始されており、2016年度もひきつづき実施するための費用「指導者養成等研修事業 1.3億円の内数」が示されています(「子ども・子育て支援対策推進事業委託費」として厚生労働省予算に計上)。

 全国学童保育連絡協議会は年末までに政府や国会議員への要請を行い、学童保育に関する国の補助金の抜本的な引き上げや、確実な財政措置がなされるよう要望します。

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2015年10月号

学童保育数は2万5541か所
入所児童数は101万7429人

 全国学童保育連絡協議会が毎年行っている「学童保育実施状況調査」の結果がまとまりました。学童保育数、入所児童数ともに大幅に増えていました。
 調査結果は以下のとおりです。

●学童保育数は二万五五四一か所に
 学童保育数は、前年比3445か所増加しました。前年は461か所増(ここ5年間の年平均は約730か所増)でしたから、かつてない増え方でした(表1参照)。

表1 学童保育数と入所児童数の推移
 年 学童保育数  入所児童数 
 2006年 15,858 683,476人
 2007年 16,668  744,545人
 2008年  17,495  786,883人
 2009年  18,475  801,390人
 2010年  19,744  804,309人
 2011年  20,204  819,622人
 2012年  20,846  846,967人
 2013年  21,635  888,753人
 2014年  22,096  933,535人
 2015年  25,541  1,017,429人

 その第一の要因は、市町村が条例で「支援の単位はおおむね40人以下」と基準を定めたため、大規模な学童保育を分割して基準にあわせたところがあったことです。
*「支援の単位」とは、専用室と専任指導員〈国の基準で2人以上配置と定められている〉と固定したメンバーの子どもたちで構成される、学童保育の基礎的な単位です。
 加えて、入所児童数の急増に見られるように、新しい学童保育が開設されたことも要因と見られます。
 児童数が46人以上の規模の学童保育が大幅に減っていて(表2)、児童数45人以下の学童保育が増えています(表3)。

表2 入所児童数の規模(学童保育数)
児童数 2014年調査  2015年調査  2014年比 
9人以下  653(2.9%)   683(2.7%)  -0.2%
10人-19人  2,130(9.6%)   2,168(8.5%)  -1.1%
20人-35人  5,875(26.6%)   8,306(32.5%)  +5.9%
36人-45人  5,232(23.7%)   6,883(26.9%)  +3.2%
46人-70人  6,589(29.8%)   6,020(23.6%)  -6.2%
71人-99人  1295(5.9%)   1,204(4.7%)  -1.2%
100人以上   322(1.5%)  277(1.1%)  -0.4%
合計   22,096(100.0%)  25,541(100.0%)  

表3 市町村内の学童保育に占める「児童数45人以下」の学童保育の割合(市町村数)
 児童数 2014年調査  2015年調査  2014年比 
 100%  471(29.2%) 544(33.8%)  +4.6 
 75%〜99%  298(18.5%)  339(21.0%)  +2.5
 50%〜74%  457(28.4%)  374(23.2%)  -5.2
 25%〜49%  215(13.3%)  192(11.9%)  -1.4
 1%〜24%  43(2.7%)  40(2.5%)  -0.2
 ゼロ  127(7.9%)  122(7.6%)  -0.3
 合計  1611(100.0%)  1611(100.0%)  

 分割の実態は、専用施設(場所)を明確に区分けして分割したところがある一方で、その区分が明確でなかったり、あいまいな方法で分割しているところもあるようです。
 そのなかには、名簿は二つの「支援の単位」に分けられているが、施設(場所)は同じところで保育を行っているところ、職員を「支援の単位ごとに二人以上」配置しているとしているものの、実際には合同保育のような形で運営しているところもあるようです。
 このようなあいまいな方法による「分割」では、「支援の単位」を「おおむね40人以下」にしたことの意味はなくなってしまい、「放課後児童クラブ運営指針」に記されているような、「子どもが相互に関係性を構築したり、一つの集団としてまとまりをもって共に生活したり、放課後児童支援員等が個々の子どもと信頼関係を築いたりできる規模」とはなり得ません。学童保育の役割が果たせなくなるという問題が生じてしまいます。
 市町村には、新しい制度に変わったことに対応して、実態としても基準を守り、学童保育が運営指針にもとついて実施されるように条件整備を図る(施設、指導員、子どもを明確に区別して、それぞれが基礎的な単位として実施できるように整備を図る)ことが求められます。

●入所児童数は101万7429人
 入所児童数は、前年比8万3894人増で、かつてない増え方です。
 児童数が大幅に増えた第一の要因は、児童福祉法が改定されて、学童保育の対象児童が6年生までに引き上げられたことにより、これまで対象児童を「3年生まで」としていた市町村で、4年生になった子どもが継続して利用できるようになったためです。4年生は約2万4000人増えました。
 加えて、1年生〜3年生もかつてなく増加していることから、共働き・ひとり親家庭等の増加とともに、学童保育を必要とする家庭が増えていることも要因と考えられます(表4)。

表4 学年別の入所児童数と割合の推移(人)
 児童数 2014年調査  2015年調査 
 1年生  325,834(34.9%) 343,502(33.8%) 
 2年生  281,518(30.2%) 298,806(29.4%) 
 3年生  207,294(22.2%) 224,715(22.1%) 
 4年生  67,992(7.3%) 92,173(9.1%) 
 5年生  30,753(3.3%) 37,007(3.6%) 
 6年生  17,246(1.8%) 19,711(1.9%) 
 その他  2,898(0.3%) 1,515(0.1%) 
   933,535(100.0%)  1,017,429(100.0%)

 学年別に増加数を見ると、つぎのとおりです。
・1年生 1万7668人増
・2年生 1万7288人増
・3年生 1万7421人増
・4年生 2万4181人増
・5年生 6254人増
・6年生 2465人増
・その他 1383人減
 それでもまだ、母親が働いている低学年の子どもの4割程度しか学童保育を利用できておらず、「潜在的な待機児童」は低学年にかぎっても40万人以上いることが推測されます。高学年も含めると、「潜在的な待機児童」はさらに多くなるでしょう。

●市町村が把握した待機児童数は1万5533人で過去最高に
 市町村が一つの学童保育の児童数を「おおむね40人以下」とする基準をつくったことにあわせて必要数を設置しなかったこともあって、新たに待機児童が増えた地域もあります。また、これまで待機児童の状況を十分に把握していなかった市町村もありましたが、児童福祉法の改定に伴って、待機児童の有無も含めた情報の収集を行うことが市町村の役割とされたことにより、市町村が把握した待機児童数が増えたという側面もあると考えられます。
潜在的な待機児童をなくし、待機児童が生まれないよう、学童保育を必要な数だけ増やしていくことが求められます。

●どこが学童保育を運営しているか(運営主体)
 運営主体(表5)は、公営の学童保育が減り、法人等が増える傾向がつづいています。なお、「法人等」にある「民間企業」の多くは、市町村の委託事業、指定管理者制度を受託して学童保育を運営している企業です。「学童保育」と称して、民間企業などが運営する学習塾や習いことの教室との違いがはっきりしない事業は学童保育ではありませんので、調査結果の2万5541か所に含まれていません。

表5 学童保育の運営主体
 運営主体 か所数  割合  2010年比  備考 
 公立公営  9,471 37.1%   -4.2%  市町村が直営している
 社会福祉協議会  2,544  10.0%  -1.0%  半数は行政からの委託
(1261か所)
 地域運営委員会  4,327  16.9%  -1.6%  多くが行政からの委託
(2547か所)
 父母会・保護者会  1,477  5.8%  -1.7%  行政からの委託が多い
(857か所)
 法人  7,339  28.7%  +8.8%  私立保育園(1270か所)
私立幼稚園等の学校法人
(402か所)
保育園を除く社会福祉法人
(1381か所)
保護者等がつくるNPO法人
(2030か所)
民間企業(767か所)
その他(1429か所)
 その他  383  1.5%  -0.3%  
 合計  25,541  100.0%    

●どこで学童保育を実施しているか(開設場所別の学童保育数)
 開設場所(表6)については、学校施設の活用がさらに進んでいます。国は2014年に発表した「放課後子ども総合プラン」において、新しくつくる学童保育の8割は、学校施設を活用していくことを目標としています。学童保育を増やしていく場合に、学校施設の活用は一つの方法だと思われますが、その場合も、「毎日の生活の場」にふさわしい施設として、整備していくことが欠かせません。

表6 開設場所(実施場所)
開設場所  か所数  割合  2010年比  備考 
 学校施設内  13,857 54.2% +3.3%  余裕教室活用(6,347)
学校敷地内の独立専用施設
(6,018)
校舎内の学童保育専用施設
(684)
その他の学校施設を利用
(808)
 児童館内  3,101 12.1%  -1.6%  児童館・児童センター内の
専用室
 学童保育専用施設  1,855  7.3%  -0.6%  学校外にある独立専用施設
 その他の公的施設  2,100  8.2%  -1.6%  公民館内(511)
公立保育園内(132)
公立幼稚園内(210)
その他の公的な施設内
(1,247)
 法人等の施設  1,575  6.2%  -0.3%  私立保育園や社会福祉法人の施設内
 民家・アパート  1,659  6.5%  -0.1%  父母会等が借りたアパート・借家など
 その他  1,394  5.5%  +0.9%  自治会集会所・寺社など
 合計  25,541  100.0%    

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2015年9月号

学童保育を応援する国会議員でつくる二つの議員連盟が総会を開催しました

 現在、学童保育を応援する国会議員でつくられている議員連盟が二つあります。一つは、自民党の国会議員でつくる「自由民主党学童保育(放課後児童クラブ)推進議員の会」、もう一つは超党派の国会議員でつくる議員連盟「公的責任における放課後児童クラブ(学童保育)の抜本的拡充を目指す議員連盟」です。
2015年5月27日、自民党の議員連盟が、また、7月6日に超党派の議員連盟が総会を開催しました。
 それぞれの総会では、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)や地域の連絡協議会からも役員が参加し、制度拡充や来年度予算に関する国への全国連協の要望を伝えました(総会が私たちの陳情の機会となっています)。内閣府子ども・子育て支援本部、厚生労働省育成環境課、文部科学省社会教育課からも出席があり、学童保育(放課後児童クラブ)に対する国の方針(運営指針の策定など)や、2015年度の予算、文部科学省がすすめる学校・家庭・地域の連携協力推進事業などについて説明がありました。
 議員から質問や発言などもあり、国として、学童保育を拡充していく必要性などを確認できた総会でした。

第42回全国合宿研究会を開催しました

 2015年5月10日〜11日、大阪市にて、「新制度導入後の課題」をテーマに全国連協の全国合宿研究会が開催されました。
 2015年4月から、政府が進める子ども・子育て支援新制度が施行されています。国は、子ども・子育て支援法の制定と児童福祉法の改定によって、学童保育の制度を大きく変えました。市町村が実施主体となって実施していく仕組み、国の省令と市町村の条例による基準づくり、事業計画の策定、指導員の処遇改善、運営指針の策定などが行われました。合宿研究会当日は、市町村が新しい制度のもとで学童保育の量的な拡大や質的な拡充をどのように計画し、方針化しているのかなどを確かめながら、市町村の動向も交流し、学童保育の拡充を着実に図っていくうえでの課題を学びあいました。
 議論のなかで、制度が大きく変わったこと(とくに市町村が実施主体となったこと)、条例で定めた基準に基づいて実施していくこと、指導員の常勤化・処遇改善のための予算措置をすること、国が定めた運営指針に基づいて学童保育を実施していくことなどについて、市町村の理解がまだまだ十分ではない実態も明らかになり、今後の私たちの働きかけの必要性と課題を確かめあいました。

次年度特集企画会議を開催しました

 本誌は、全国連協が編集・発行している月刊誌です。毎月の特集は、地域の学童保育連絡協議会から選出された編集委員の方々が、年3回行われる編集会議で内容の具体化をはかる議論を行い、それをもとに制作されています。
 2015年7月9日、次年度特集企画会議を開催しました。当日は、編集委員、全国連協の役員・職員が出席して、1年間の特集テーマや定例の企画などについて検討を行いました。学童保育でいま課題になっていることはなにか、子どもの成長や働きながらの子育てに関わってどのような課題があるのかなど、みんなで考えあいたいこと、学びあいたいことを議論しました。ここで検討された特集テーマは、9月に開催する全国運営委員会での確認を経て、次年度の編集作業がはじまります。

本誌をより多くの保護者・指導員に読んでもらえるよう、広めていきましょう

 本誌は、全国の学童保育に関わる方々に向けて、よりよい学童保育をつくっていく課題を考えあい、働きながらの子育てを応援していくためにつくっている、唯一の学童保育月刊誌です。指導員が仕事のあり方を学んだり、保護者が子育てを交流したりと、役立つ情報がたくさん載っており、現在、4万人以上の方々に定期購読をしていただいています。
 全国連協では、年間平均でも4万部以上の購読、そして7月号では4万2000部の購読数をめざそうという目標を立て、地域の学童保育連絡協議会の皆さんと購読を広げる取り組みを行っています。
 ぜひ一人でも多くの学童保育関係者の方々に購読していただけるよう、読者の皆さんも本誌を広めていただければ幸いです。

『解説と資料』の積極的な活用を

 全国連協は、2015年5月に『解説と資料 新制度で大きく変わる学童保育』を刊行しました。学童保育の制度や施策、財政措置がどのように変わるのかを解説した資料集です。学習会で学びあったり、行政へ届けたりするなどして、今日までに
約3000冊が各地で活用されています。このたび、市町村の学童保育の施策、実施の方法や内容が大きく変わりましたが、さまざまな課題が明らかになってきています。「放課後児童クラブ運営指針」についての理解も、まだまだこれからです。
 国や市町村、都道府県の学童保育の制度などがどのように変わったのか、今後どのように学童保育を実施していかなければならないのか、市町村の行政担当者、議員の方々、そして、学童保育関係者自身も含めて理解を深めていくことは、今後もひきつづき大きな課題です。ぜひ積極的な活用をお願いします。
*A4判、170ページ、頒価1000円。全国連協、または地域の学童保育連絡協議会にご注文ください。

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2015年8月号

放課後児童支援員等処遇改善等事業を申請し、活用しましょう

 2015年度の国の学童保育予算では、「放課後児童支援員等処遇改善等事業」として、18時30分以降も開設していて常勤の指導員が配置されている学童保育一施設あたりに年額283.1万円、指導員人件費の上乗せができる交付金(補助金)が予算化されています。これを受けるには、市町村と都道府県が、3分の1ずつの額を負担をして、国に補助申請をすることが必要です。
 市町村から国への事前協議は2015年6月5日で締め切られていますが、「変更申請」は2015年12月まで受け付けています。当初は予定していなかった市町村が申請することに変更した場合も、「変更申請」に含まれます。市町村が9月議会で負担分を補正予算で組み、それから国に申請しても十分に間にあいます。これを受けることができれば指導員の常勤化や処遇改善に役立てることができますので、申請するよう市町村に要望していきましょう。
 なお、厚生労働省の定義によると常勤職員とは、「雇用契約を締結して」「運営規程に記載されている『開所している日及び時閻』に従事している」(嘱託職員等の非常勤職員を除く。)「『家庭、学校等との連絡及び情報交換等』に加え、地域との連携、協力等の育成支援に主担当として従事する」者とのことです。
 厚生労働省が策定した「放課後児童クラブ運営指針」(2015年3月31日公布、以下、運営指針)にもとづいた運営を行うには、常勤職員の配置は必要不可欠です。運営指針では、「放課後児童クラブの運営 1 職員体制」の項目において、「子どもとの安定的、継続的な関わりが重要であるため、放課後児童支援員の雇用に当たっては、長期的に安定した形態とすることが求められる」「放課後児童支援員等の勤務時間については、子どもの受入れ準備や打合せ、育成支援の記録作成、開所時間の前後に必要となる時間を前提として設定することが求められる」と記されています。
*2015年6月18日、厚生労働省から地方自治体に「放課後児童健全育成事業に係るQ&A」が示されました。添付されていた資料には以下の図が示されています。

新刊『解説と資料 新制度で大きく変わる学童保育』を多くの人々に広め、活用を!

 全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)は、学童保育の制度や施策、財政措置が今後、どのように変わるのかを解説した資料集『解説と資料 新制度で大きく変わる学童保育』を新たに刊行しました。
子ども・子育て支援新制度の本格施行に向けて、国はこれまで、制度の骨格や事業計画策定指針を作成し、必要とされる法律や省令の公布、財源措置の仕組みづくり、実施する事業に対する実施要綱や交付要綱の制定、運営指針の策定や、実施体制の整備を行ってきました。さらに、地方自治体も、法律や省令にもとついて、条例や規則の制定、事業計画の作成、実施要綱などの整備、財源措置、実施体制の整備を行ってきました。
 これらにより、市町村の学童保育の施策、実施の方法や内容が大きく変わりましたが、さまざまな課題が明らかになってきています。例えば、国が定めた法律や省令、基準、運営指針、財政措置などに対する地方自治体の受けとめ方がさまざまで、定められたことに十分にもとづかない形での実施がされていたり、必要な財政措置が行われていないなどの問題も生まれています。「放課後児童クラブ運営指針」についての理解もまだまだこれからです。
 学童保育の制度・施策がどのように変わるのか、どのように学童保育を実施していかなければならないのか、まず、私たち自身がそれらを理解し、市町村や運営者、指導員、保護者などと共に、広範な人々のなかでの理解と合意を形成していくことが必要です。ぜひこの資料集を広めて活用してください。
 *A4判、170ページ、頒価1000円。全国学童保育連絡協議会または地域の学童保育連絡協議会へ注文してください。

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2015年7月号

要請行動を行いました

 2015年5月27日、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)は、「公的責任による学童保育の制度の拡充と財政措置の大幅増額を求める」要望を国に届けました。2015年度から、子ども・子育て支援新制度が施行されています。実施主体である市町村の、学童保育への理解と方針・財政措置によって、その取り組みは大きく異なります。全国連協は、内閣府、厚生労働省、文部科学省などの関係省庁、各政党や議員連盟などに、「自治体間で大きな格差が生まれないよう国の制度をさらに拡充すること」「十分な財政措置が必要であること」などを伝えました。内閣府と厚生労働省に届けた要望内容の概要はつぎのとおりです。
1 学童保育の国の制度の拡充を要望。
・学童保育を児童福祉施設として位置づけ、量的拡大・質的拡充が図られるよう整備を進めること。
・児童福祉法の、市町村の責任を「利用の促進の努力義務」にとどめず、市町村の責任をさらに明確にするよう改正すること。
・省令で定めた学童保育の基準は、さらに質的な向上が図られるよう改善をはかること。
・安定的な財政措置の仕組み、国の責任と負担を強めること。
2 学童保育の量的な拡大、質的な拡充が図られるよう、国として十分な財政措置を要望。
・国の負担割合を少なくとも2分の1に引き上げること。
・省令の基準や市町村の条例の基準を満たすために必要な施設整備費、その他の財政措置を行うこと。
・運営費に十分な財政措置を行うこと。
・指導員の資質向上にかかわる財政措置の拡充を図ること。
3 学童保育の省令基準の改善・拡充とそのために必要な児童福祉法改正を図ることを要望。
・「従うべき基準」は、職員についての項目だけでなく、施設設備(広さを含む)、支援の単位などの項目にも広げること。「子どもの人数」「専用室」「専任職員」は一体のものであり、この三点の関係を明確にすることで、子ども一人ひとりにとって安全・安心な「生活の場」となる。
4 学童保育の質的な拡充が図られるよう、指導員の処遇の改善、運営内容の向上、保育内容の向上を図るために必要な措置を要望。
・指導員の実態・欠員・ニーズについて調査などを行い、指導員にかかわる課題を賜確にして改善方策をたてること。指導員の処遇の改善を強力に推進すること、指導員の資格制度の拡充を図ること、現任研修体系化の整備と必要な財政措置と市町村への支援を行うこと、放課後児童クラフ運営指針のさらなる改善と市町村への周知をはかること、など。
5 国として以下の制度を新しく創設し、財政措置をはかることを要望。
・母子家庭・父子家庭等の経済的に厳しい家庭への保育料の減免制度を創設すること、学童保育を日本スポーツ振興センターの「災害共済給付」の対象にすること。6 施行後の検証を行い、制度の見直しの検討を要望。
・市町村が実施主体として取り組む事業計画について、基準に基づく実施を行うこと、市町村の十分な財政措置を図ること、放課後児童クラブ運営指針に基づいて実施することなどについて検証を行い、財政措置も含め、法制度上の課題を検証し、必要な制度の見直しをはかること。
7「放課後子ども総含プラン」においては、「放課後子供教室」事業と学童保育が「同じ場所で同じ職員が子どもたちを一緒にして」行われる「一体化」ではなく、それぞれの事業が拡充されるものとすること。
8 東日本大震災で被災した地域の学童保育の復旧・復興を進め、学童保育を必要とする家庭・子どもが安心して利用できるよう国としての支援行うことを要望。

都道府県の認定資格研修は2015年秋以降の実施か

 2015年4月20日に開かれた内閣府の「子ども・子育て支援新制度地方自治体担当者向け説明会」で示された資料によると、多くの都道府県は、指導員が「放課後児童支援員」の資格を取得するために受講する認定資格研修を、2015年秋以降に実施する意向(厚生労働省のアンケート調査より)だということがわかりました。
 4月15日時点の調査結果では、開始予定について、「2015年8月以前」と回答している都道府県は4県。「2015年9月や10月、11月以降(「秋頃」や「秋以降」含む)」と回答しているのは27都道府県。「12月や2016年1月、2月以降」と回答しているのは2県。「検討中・未定」が14県でした。また、都道府県が研修をすべて直接実施するのは2県のみで、ほとんどが「民間団体等に一部委託する予定」と回答しています(未定が1県)。
 この研修は、都道府県認定資格研修ガイドラインにもとづいて実施されます。その主な内容は、「省令基準」「放課後児童クラブ運営指針」を理解することとされています。全国一律・共通の認定資格ですから、研修も全国一律のものが行われる必要があるとされています。今後、国から「放課後児童クラブ運営指針」の解説書などが発行される予定とのことです(2015年7月、「放課後児童支援員認定資格研修教材編集委員会」が編集する『認定資格研修のポイントと講義概要』が刊行される予定です。この編集委員会は、「放課後児童クラブ運営指針」の作成に携わった委員が中心となって構成されています)。

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2015年6月号

子ども・子育て支援新制度が本格実施
市町村のなかには未だ検討中のところも……

 2015年4月1日から、「子ども・子育て支援法」や児童福祉法改定などにもとづいて推進される、国の子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートしました。
市町村では、子ども・子育て支援事業計画にもとづいて、学童保育の施設整備や受け入れ児童数の増加を図ること、対象児童を6年生まで引き上げての受け入れ、条例で定めた基準に基づいて学童保育を実施することなどがはじまっています。
 しかし、市町村や都道府県への国の交付金(子ども・子育て支援交付金、子ども・子育て支援整備費交付金など)については、国の予算案や補助単価などの提示が市町村・都道府県の2015年度予算編成時期には間にあいませんでした。多くの自治体では、国の実施要綱をふまえてどのような予算措置を行うのかを検討し、補正予算を組まなければならない状況になっており、条例で定めた基準にもとづいてどのように実施していくのかについては、検討中のところもあるようです。
 学童保育は制度・施策が大きく変わることになりますので、確実に拡充が図られるよう、実施主体としての市町村の責任と役割を明確にすることが必要です。子ども・子育て支援新制度で学童保育の制度・施策をどのように変えていく必要があるのかも含めて市町村との協議を深めながら、よりよい学童保育をつくるための私たちの取り組みが必要です。
 とくに、市町村が条例で定めた基準にもとづいて実施すること、国の交付金も活用した学童保育への十分な予算措置、国が定めた「放課後児童クラブ運営指針」をふまえた運営や保育の質の向上などへの働きかけが重要です。

各事業の実施要綱、交付要綱が決まる

 国の2015年度予算が国会で可決されたことを受けて、国からの交付金を受けて実施する事業、法律や省令にもとづいて市町村や都道府県が実施する事業などについて、実施要綱、交付要綱などが正式に自治体に通知されました。
 学童保育関係では、つぎの実施要綱、交付要綱が通知されています(以下、「継続」は2014年度から継続して交付されるもの。「新規」「拡充」は2015年度から新しく交付、もしくは拡充されたもの)。
1 放課後児童健全育成事業等実施要綱
(1)放課後児童健全育成事業(継続・拡充):学童保育の運営や実施に必要な要件を明記
(2)放課後子ども環境整備事業(継続・拡充):余裕教室等を学童保育施設に転用する際の整備費の補助金
(3)放課後児童クラブ支援事業(障害児受入推進事業)(継続):障害のある子どもを受け入れた場合の指導員の加配のための補助金
(4)放課後児童クラブ支援事業(放課後児童クラブ運営支援事業)(新規):民家・アパートなどを利用して新たに実施する学童保育への賃借料への補助金
(5)放課後児童クラブ支援事業(放課後児童クラブ送迎支援事業)(新規):児童の安全な移動のための送迎費用への補助金
(6)放課後児童支援員等処遇改善等事業(継続・新規):2014年度に設けられた指導員の処遇改善のために加算される補助金に、常勤職員の配置で加算される補助金を追加
(7)障害児受入強化推進事業(新規):障害のある子どもが5人以上に増えた場合に指導員をもう1人加配するための補助金
(8)小規模放課後児童クラブ支援事業(新規):学童保育の基準で「おおむね40人以下」の学童保育にも複数指導員の配置が必要になったことにより、19人以下の小規模な学童保育にも複数の指導員を配置できるようにするための補助金
2 放課後児童支援員等研修事業実施要綱
(1)放課後児童支援員認定資格研修事業(都道府県認定資格研修ガイドライン)(新規):都道府県が行う放課後児童支援員の認定資格研修を実施するための補助金
(2)放課後児童支援員等資質向上研修事業(継続・拡充):指導員の資質向上をめざした研修を実施するためにこれまでの都道府県に加えて市町村に出される研修費への補助金(2015年度から、すべての市町村に対象が拡大された)
3 子育て支援分野の各事業等に従事する職員を対象とする、「子育て支援員」の認定を受けるために受講する基本研修と専門研修(放課後児童コース)を行うための補助金(新規)

4 子ども・子育て支援整備交付金交付要綱(放課後児童クラブの創設整備費)(継続・新規):学童保育施設の創設・拡張などのための補助金。2015年度からは、学校施設内で創設する場合には4885.9万円(これまでの約2倍)の補助金が交付される。

市町村が国からの交付金を受けるためには、実施要綱に沿った運営や実施が必要です。また、2015年3月31日には、「一定の水準の質を確保した放課後児童クラブの全国展開を図」り、「放課後児童クラブにおいて集団のなかで子どもに保障すべき生活環境や運営内容の水準を明確にし、事業の安定性及び継続性を確保していく」ために国が定めた「放課後児童クラブ運営指針」が、市町村・都道府県に通知されています。
*全国学童保育連絡協議会が2015年5月中に発行する資料集『子ども・子育て支援新制度で大きく変わる学童保育(仮)』にも実施要綱・交付要綱、放課後児童クラブ運営指針の全文を掲載する予定です。

厚生労働省が事故の把握等で通知

 厚生労働省は、2015年3月27日に「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)における事故の報告等について」という育成環境課長通知を市町村に出しました。厚生労働省は、2009年の国民生活センターの提言を受けて、2010年から重篤な事故について市町村に報告を求めています。子ども・子育て支援新制度においても、「子ども・子育て会議」のもとに「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」が開催されており、放課後児童クラブも含めた「重大事故の情報の集約のあり方」や「集約した情報の分析、フィードバック、公表のあり方」「事故の発生・再発防止のための支援、指導監督のあり方」等について検討が行われました。
 課長通知は、その検討会が3月6日に「中間取りまとめ」を行ったことを受けて、地方自治体に出されたものです。今後、市町村は、重大な事故の報告だけでなく、「事故発生の要因」の把握なども行い、再発防止の方策に取り組んでいくことが求められます。

政府が「少子化社会対策大綱」を決定

 2015年3月20日、政府が「少子化社会対策大綱」を閣議決定しました。これは、2003年に制定した少子化社会対策基本法に基づく総合的かつ長期的な少子化に対処するための施策の方針で、2004年、2010年に続いて発表される三つ目の大綱です。
 大綱の副題に「結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現をめざして」とあるように、「結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じた切れ目のない取組」を行うとしています。
重点課題として「子育て支援施策を一層充実させる」が第一に掲げられています。そのなかで、「子ども・子育て支援新制度の円滑な実施」「待機児童の解消」「『小一の壁』の打破」を三点の柱としています。そして、「施策の具体的内容」では、「『小一の壁』の打破」について、つぎのように明記されています。
○「放課後子ども総合プラン」の実施
・共働き家庭等の「小一の壁」を打破するとともに、次代を担う人材を育成するため、平成31年度末までに、放課後児童クラブについて、約30万人分を新たに整備し、受入児童数の拡充を図り、利用できない児童の解消をめざす。また、全小学校区(約2万か所)で放課後子供教室と放課後児童クラブが一体的に又は連携して実施し、うち1万か所以上を一体型で実施することをめざす。
・放課後児童クラブについては、平成27年4月から、対象となる児童の年齢を「おおむね10歳未満」から「小学校に就学している」児童とするとともに、放課後児童クラブを生活の場としている児童の健全な育成を図るため、職員の資格、員数等の具体的な基準を定めた設備及び運営に関する基準の策定等により、質の向上を図る。

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2015年5月号

国として「放課後児童クラブ運営指針」を策定

 厚生労働省は、2015年3月31日、「放課後児童クラブ運営指針」(以下、運営指針)を策定しました。これは、2014年4月に厚生労働省令「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下、基準。各市区町村は、この省令を踏まえて条例で基準を制定することが義務づけられていて、すでに条例を制定済み)が定められたことを受け、2007年10月に策定した「放課後児童クラブガイドライン」を見直したものです。学童保育の今後の運営にあたっての望ましい方向を示しています。
 厚生労働省は、2015年4月から本格的に施行される子ども・子育て支援新制度において、学童保育の量的拡充と質的な向上を図っていくために、基準と運営指針をもとに、「一定の質を確保した放課後児童クラブの全国展開を図る」としています。
運営指針は、国の調査委託事業として案が作成され、3月2日から「パブリックコメント」(広く国民から意見を募集すること)にかけられました(3月16日終了)。寄せられた意見を踏まえて、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会児童部会のもとに設置された「放 課後児童クラブの基準に関する専門委員会」が検討・確認を行い、国から各地方自治体に通知されました。
 全国学童保育連絡協議会はこれまで、提言「私たちが求める学童保育の設置・運営基準」をもとにした基準をつくること、「放課後児童クラブガイドライン」を改定すること、新たに保育指針を作ることを厚生労働省に要望していました。
 厚生労働省は、運営指針の策定および見直しの視点としてつぎの3点をあげています。
@放課後児童クラブの運営実態の多様性を踏まえ、「最低基準」としてではなく、望ましい方向に導いていくための「全国的な標準仕様」としての性格を明確化。
A子どもの視点に立ち、子どもの最善の利益を保障し、子どもにとって放課後児童クラブが安心して過ごせる生活の場となるように、放課後児童クラブが果たすべき役割を再確認し、その役割及び機能を適切に発揮できるような観点で内容を整理。
B子どもの発達過程や家庭環境なども考慮して、異なる専門性を有して従事している放課後児童支援員等が子どもとどのような視点で関わることが求められるのかという共通の認識を得るために必要となる内容を充実。
また、ポイント(現行ガイドラインとの相違点)としてつぎの四点をあげています。
@放課後児童クラブの特性である「子どもの健全な育成と遊び及び生活の支援」を「育成支援」と定義し、その育成支援の基本的な考え方等を第一章の総則に新たに記載
A児童期の発達の特徴を三つの時期区分ごとに整理するとともに、子どもの発達過程を踏まえて集団の中での子ども同士の関わりを大切にして育成支援を行う際の配慮すべき事項等を第二章に新たに記載
B放課後児童クラブにおける「育成支援」の具体的な内容を子どもの立場に立った観点から網羅的に記載するとともに、障害のある子どもや特に配慮を必要とする子どもへの対応については、より具体的な受入れに当たっての考え方や留意すべき点なども加味して、第三章に新たに記載
C運営主体が留意すべき点として、子どもや保護者の人権への配慮、個人情報や守秘義務の遵守及び事業内容の向上に関することなど、放課後児童クラブの社会的責任と職場倫理等について、第七章に新たに記載
運営指針は、学童保育の保育指針とも言える内容となっています(表1参照)。厚生労働省は、都道府県が実施する「放課後児童支援員」の「認定資格研修」の内容を、運営指針を踏まえたものにするとしています。
 今後、学童保育の実施や運営は、市区町村で制定した条例と運営指針にもとついて質の確保を図りながら実施していくことが市区町村に求められます。

2015年8月号

放課後児童支援員等処遇改善等事業を申請し、活用しましょう

 2015年度の国の学童保育予算では、「放課後児童支援員等処遇改善等事業」として、18時30分以降も開設していて常勤の指導員が配置されている学童保育一施設あたりに年額283.1万円、指導員人件費の上乗せができる交付金(補助金)が予算化されています。これを受けるには、市町村と都道府県が、3分の1ずつの額を負担をして、国に補助申請をすることが必要です。

表1 放課後児童クラブ運営指針の目次・構成
第1章 総則
 1.趣旨
 2.放課後児童健全育成事業の役割
 3.放課後児童クラブにおける育成支援の基本
第2章 事業の対象となる子どもの発達
 1.子どもの発達と児童期
 2.児童期の発達の特徴
 3.児童期の発達過程と発達領域
 4.児童期の遊びと発達
 5.子どもの発達過程を踏まえた育成支援における配慮事項
第3章 放課後児童クラブにおける育成支援の内容
 1.育成支援の内容
 2.障害のある子どもへの対応
 3.特に配慮を必要とする子どもへの対応
 4.保護者との連携
 5.育成支援に含まれる職務内容と運営に関わる業務
第4章 放課後児童クラブの運営
 1.職員体制
 2.子ども集団の規模(支援の単位)
 3.開所時間及び開所日
 4.利用の開始等に関わる留意事項
 5.運営主体
 6.労働環境整備
 7.適正な会計管理及び情報公開
第5章 学校及び地域との関係
 1.学校との連携
 2.保育所、幼稚園等との連携
 3.地域、関係機関との連携
 4.学校、児童館を活用して実施する放課後児童クラブ
第6章 施設及び設備、衛生管理及び安全対策
 1.施設及び設備
 2.衛生管理及び安全対策
第7章 職場倫理及び事業内容の向上
 1.放課後児童クラブの社会的責任と職場倫理
 2.要望及び苦情への対応
 3.事業内容向上への取り組み

都道府県が実施する認定資格研修のくわしい内容等が示されました

 2015年3月24日、厚生労働省の「第9回放課後児童クラブの質の向上のための研修企画検討会」で、2015年度から実施される「放課後児童支援員」の「認定資格研修」と、「子育て支援員専門研修(放課後児童コース)」のくわしい内容(シラバス)、2015年度から地方自治体が国の補助金を受けて実施することが期待されている「放課後児童クラブに従事する者の研修体系」が確認され、今後、都道府県と地方自治体に実施要綱等で示されることになりました。
「認定資格研修」は、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」に基づき、都道府県が実施します。シラバスは、16科目24時間の研修において、どのような内容を講義するのかを国が示したものです。多くの科目が、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」「放課後児童クラブ運営指針」に記載されている内容にもとづいて学び、理解を促すものとなっています。また、「子育て支援員専門研修(放課後児童コース)」の内容も同様です(改定される放課後児童健全育成事業実施要綱では、放課後児童クラフの「補助員」は、「子育て支援員専門研修(放課後児童コース)」を「修了していることが望ましい」としています)。
 さらに、「放課後児童クラブに従事する者の研修体系」については、都道府県と区市町村、事業者につぎの役割が示されました。
◆都道府県の役割「より専門的な知識・技術が求められるものや管内の多くの放課後児童クラブで共通の課題になっているものが想定されるが、区市町村と連携して、放課後児童クラブ全体のレベルアップが図られるような体制の整備に努める必要がある」
◆区市町村の役割「放課後児童クラブの日常的な活動の中から生じる課題や困難な事例などに適切に対応するためのより実践的な知識や技術等の共有を図るための研修内容が想定され、その内容によっては、いくつかの区市町村が合同で実施するなど、効果的な実施方法を検討していくことが求められる」
◆事業者の役割「事業者の責務として、職員の資質の向上のための研修機会の確保義務を担わせて、第一義的に事業者の責任の下で、各種の研修に参加させなければならないこととされており、ここには、職場内での教育訓練(OJT)のみならず、職場を離れての研修(OFF・JT)を含めた現任研修の機会を確保することが求められている」「職員は、利用者のために、常に自己研鑽・自己啓発に励み、自らの資質の向上に努めることが求められており、事業者には、規模の大小や職員の数など様々な形態が存在することも踏まえ、運営に支障が生じないことを前提として、職員が自発的かつ継続的に研修に参加できるように、研修受講計画を策定し、管理するなどの環境を整備していくとともに、その職員の自己研鎖・自己啓発への時間的、経済的な支援や情報提供も含めて取り組んでいくことが求められる」(一部略)。
 厚生労働省の2015年度予算案では、都道府県・区市町村が実施する指導員の研修には、「放課後児童支援員等資質向上研修事業」として一自治体当たり142.4万円の補助単価(国と自治体が2分の1ずつ負担)を上限として補助金が出されるとしています。

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2015年4月号

実施要綱案、交付要綱案の提示は3月10日

 2015年4月からの子ども・子育て支援新制度(以下、新制度)の本格施行が直前にせまっています。国には、これから実施される指導員の認定資格研修や現任研修の実施などについて、必要とされる予算措置や具体的な実施方法を示すことが求められています。
 放課後児童健全育成事業実施要綱、交付金要綱などは2015年3月10日に内閣府が開く「子ども・子育て支援新制度地方自治体担当者向け説明会」で示される予定です(これまでの実施要綱の改定、新規の「放課後児童クラブ開所時間延長支援事業」「放課後児童支援員認定資格研修事業」「放課後児童支援員等資質向上研修事業」などを含む)。
 また、厚生労働省と文部科学省は、2015年度の4月から、「放課後子ども総合プラン」による学童保育の量的拡大や、放課後子供教室事業の推進を図っていく方針です。2015年度の予算案、補助単価案等が決まったことを受けて、「『放課後子ども総合プラン』等に係るQ&A」にも項目を追加して、2015年2月中に新たに示すとしています。

新制度本格実施に向けた課題は予算措置

 2015年度からの新制度の本格実施にともなって、学童保育の量的拡大、質的な拡充が図られることが期待されています。市町村が学童保育を実施していくうえで欠かせないのは、財政措置です。
 2015年1月15日、国の予算案が示され、1月23日には補助単価案も示されました。国からの補助金(交付金)のほとんどは、補助率が3分の1(国と都道府県と市町村が3分の1ずつ負担する)ですので、国が示した補助単価で財政措置をするには、都道府県も市町村も負担分を予算化しなければなりません。
 一般的に都道府県や市町村の予算は、前年の10月頃から編成作業がはじまり、翌年の3月議会で審議され決められていきます。このたび国が示した2015年度の予算案や補助単価案は、3月議会の審議には間にあいませんでしたので、今後、市町村は、6月議会などで補正予算を組むことが必要です。
 内閣府は、地方自治体への説明会等では「子ども・子育て支援新制度の円滑な施行のためには、子育て支援の量と質の充実に必要な予算の確保をしてほしい」と必ず依頼しているそうです。また、新制度の施行のための財源は消費税の増税分から確保されており、地方自治体にも地方消費税として財源が渡されていること、総務省が地方自治体の負担分を地方交付税で見ていることなども説明されています。
 市町村が6月議会で補正予算案を審議するためには、3月上旬から補正予算編成作業をする必要があると言われています。私たち学童保育関係者には、市町村、都道府県の予算が、学童保育の量的拡大、質的拡充につながるものとなるよう、働きかけていくことが求められます。

学童保育の運営指針を作成

 厚生労働省は、2015年3月末までに、放課後児童支援員の認定資格研修の内容、現任研修の体系、国の「放課後児童クラブ運営指針(仮称)」などを示す予定です。
 厚生労働省は、学童保育の基準が省令で定められたことを受け、これまでの「放課後児童クラブガイドライン」を見直し、学童保育の「運営指針」的なものにつくりかえていくとしています。このことについて「『放課後子ども総合プラン』等に係るQ&A」には、「その見直しに当たっての基本的な考え方として、@『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準』に基づき、放課後児童クラブの質の担保を図り、運営主体が自己点検・自己評価するための指針となるもの、A放課後児童クラブの機能・役割を示した全国的な標準仕様となるもの、B異なる専門性を有して従事している放課後児童クラブの職員が共通認識を得るためのもの、との位置づけを明確にし、運営に関する具体的な内容を盛り込んだ『運営指針(仮称)』的なものとしていく考えである」と示されています。
 また、この「放課後児童クラブ運営指針(仮称)」に盛り込まれている内容は、都道府県が実施する認定資格研修の内容(シラバス)にも組み込まれ、現任研修体系にも盛り込むことが予定されています。

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