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 ●WEB版協議会だより

 協議会だよりは、『日本の学童ほいく』のコーナーの1つです。国の動き、全国学童保育連絡協議会の活動、情報などを毎月載せています。

 ●過去の協議会だより

2016年4月号〜2017年3月号
2014年4月号〜2015年3月号 2015年4月等〜2016年3月号
2012年4月号〜2013年3月号 2013年4月号〜2014年3月号
2010年4月号〜2011年3月号 2011年4月号〜2012年3月号
2008年1月号〜2008年12月号 2009年1月号〜2010年3月号
2007年1月号〜2007年12月号 2006年1月号〜2006年12月号
2005年1月号〜2005年12月号 2004年1月号〜2004年12月号
2003年1月号〜2003年12月号 2002年1月号〜2002年12月号 

 ●最新の協議会だより 

◇2017年4月号〜2018年3月号の協議会だより◇
11月号  ・実施状況調査の結果がまとまりました
 ・「地方分権改革」についての学習リーフレットをつくりました
10月号  ・「保育合研」が開催されました
 ・内閣府地方分権改革推進室に要望書を提出しました
9月号  ・要請行動を行いました
 ・内閣府地方分権改革推進室にも要望書を届けました
8月号  ・地方公務員法と地方自治法が改定されました
 ・個人情報保護に関する取り組みについて
7月号  ・全国合宿研究会を開催しました
 ・「教育・保育施設等における事故報告集計」が公表されました
6月号  ・放課後児童健全育成事業実施要綱が発出されました
 ・「放課後児童健全育成事業等に係るQ&A(新規分)」が発出されました
 ・『テキスト学童保育指導員の仕事』を改訂しました
5月号  ・2017年度予算案の新規・拡充事項――指導員の処遇改善を!!
 ・2017年度全国学童保育指導員学校のご案内
 ・「放課後児童クラブ運営指針解説書」が公表されました
4月号  ・全国児童福祉主管課長会議が開催されました

2017年11月号

実施状況調査の結果がまとまりました

 全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)は毎年、5月1日現在の学童保育の実施状況について、全国連協から直接、あるいは都道府県の学童保育連絡協議会から、全国すべての市町村(特別区を含む。以下、同じ)に調査票を送り、回答を得ています。2017年は1741市町村に調査を依頼し、すべての市町村から回答をいただきました。今年度の調査結果はつぎのとおりです。報道発表資料は全国連協のホームページでごらんになることができます。
◆「支援の単位」数……2万9287でした(表1)。2014年4月に策定された厚生労働省令「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下、設備運営基準)で、学童保育の基礎的な単位(支援の単位)が「おおむね40人以下とする」と定められたことにもとづいて、多くの市町村では最低基準となる条例を定めました。新制度施行3年目の今年、前年度に比べて、「支援の単位」数、入所児童数ともに増加したことは、市町村が設備運営基準にもとづいて定めた条例に従って学童保育を増やし、それを推進する国の補助金も活用して、保護者の要望に応えたことの表れと考えられます。しかし、学童保育に入所できずにこまっている家庭があること、大規模な学童保育で過ごしている子どもがいるなど、供給が需要に追いついていないのが現状です。「子どもを守る」事業そのもののあり方として、子ども集団の規模や有資格者の配置など、保育の質を守りながら、量的拡大をめざしていくことが必要です。

表1 支援の単位数と入所児童数の推移
年  支援の単位数  入所児童数 
2008年   17,495  786,883人
2009年   18,475  801,390人
2010年   19,744  804,309人
2011年   20,204  819,622人
2012年   20,846  846,967人
2013年   21,635  888,753人
2014年   22,096  933,535人
2015年   25,541  1,017,429人
2016年   27,638  1,076,571人
2017年   29,287  1,148,318人

◆入所児童数……114万8318人でした(表2)。どの学年でも児童数が前年比で増加しています。割合ではとくに4年生、5年生、6年生が増加しています。新制度施行以前から、高学年を受け入れていた学童保育はあり、国の実施要綱でも、対象児童に「その他に健全育成上指導を要する児童(特別支援学校の小学部の児童及び小学校4年生以上の児童)も加えることができること」としていました。しかし、児童福祉法で対象児童が「おおむね10歳未満」と定められていたために、対象児童を「3年生まで」「4年生まで」としていた市町村も少なからずありました。児童福祉法改定によって、2015年4月からは「小学校に就学している児童」が対象とされました。4年生、5年生、6年生の児童数増には、このことが影響を与えていると考えられます。

表2 学年別の入所児童数と割合(人)
  2016年  2017年  前年比 
 1年生  351,666(32.7%)  368,336(32.1%) 104.7% 
 2年生  312,310(29.0%)  324,858(28.3%) 104.0%
 3年生  237,975(22.1%)  251,512(21.9%) 105.7%
 4年生  106,057( 9.9%)  122,006(10.6%) 115.0%
 5年生  45,433( 4.2%)    54,201(4.7%) 119.3%
 6年生  21,933( 2.0%)  26,497(2.3%) 120.8%
 その他  1,197( 0.1%)  908(0.1%)  75.9%
   1,076,571  1,148,318  

把握できた待機児童数……1万6929人。学童保育にはこれまで「定員」「人数規模」などについての国の基準がなかったため、入所に制限を設けていない施設や自治体もありました(この場合、「待機児童」は「ゼロ」とカウントされます)。
 また、学童保育では入所申し込みの方法が市町村によってさまざまです。全体の約4割にあたる公営の学童保育では市町村がその情報を集約しますが、約6割の公営以外の学童保育では運営者や施設に直接申し込むことが多いため、市町村が実態を正確に把握できていないことも推測されます。市町村のなかには、申し込みを受理せず、口頭で断ったものは待機児童として数えていないところもあります。
 児童福祉法改定によって、2015年4月からは「必要な情報の収集」(待機児童の有無も含む。第21条の11)を市町村が行うことになりました。今回、待機児童数が増えたのは、「必要な情報の収集」を行った市町村が増えたという側面もあると考えられます。
なお、「待機児童ゼロ」は、必ずしも、「学童保育が充足している」ことを表しているとはかぎりません。市町村のなかには、「全児童対策事業」や「放課後子供教室」などの事業を、学童保育の待機児童の受け皿として利用し、その結果、「待機児童ゼロ」としている場合もあります。目的が異なる事業では、学童保育の役割を果たすことは不可能です。
集団の規模……これまで学童保育については「定員」「人数規模」が定められておらず、児童数が非常に多い大規模な学童保育が生まれて、子どもたちに過酷な状況で過ごすことを強いていました(表3)。設備運営基準に子ども集団の規模が「おおむね40人以下」と示されたのは、「子どもが相互に関係性を構築したり、一つの集団としてまとまりをもって共に生活したり、放課後児童支援員等が個々の子どもと信頼関係を築いたりできる規模」を実現するためです。
 子どもが負担に思うことなく学童保育に通いつづけるためには、一時的な「受入児童数拡大」などによる「待機児童解消」ではなく、「人数規模の上隈を守りながら必要な数だけ学童保育を増やすこと」「支援の単位ごとに、子どもの所属を明確に区分し、それぞれに施設を整備し、二人以上の適切な指導員数を配置すること」が不可欠です。

表3 入所児童数の規模(「支援の単位」数)
 児童数 2015年  児童数  2016年  2017年  前年比 
9人
以下
  683
( 2.7%)
1人
-19人  
 2,694
( 9.7%)
 2,560
( 8.7%)
 -1.0%
10人
-19人
2,168
( 8.5%) 
20人
-35人 
8,306
(32.5%) 
20人
-30人 
 5,502
(19.9%)
 5,657
(19.3%)
 -0.6%
31人
-35人 
 3,761
(13.6%)
 4,132
(14.1%)
 0.5%
36人
-45人 
6,883
(26.9%) 
36人
-40人 
 4,570
(16.5%)
 4,826
(16.5%)
 -0.1%
41人
-45人 
 3,300
(11.9%)
 3,653
(12.5%)
 0.5%
46人
-70人 
6,020
(23.6%) 
46人
-55人 
 3,717
(13.4%)
 4,165
(14.2%)
 0.8%
56人
-70人 
 2,718
( 9.8%)
 2,691
( 9.2%)
 -0.6%
71人
-99人 
1,204
( 4.7%)
71人-100人   1,114
( 4.0%)
 1,205
( 4.1%)
 0.1%
100人
以上 
 277
( 1.1%)
101人
以上 
 262
( 0.9%)
  398
( 1.4%)
 0.4%
 合計 25,541  合計  27,638 29,287   

運営主体……割合として、公立公営が減少し、社会福祉協議会、NPO法人、民間企業による運営が増えています。これまで公立公営だった学童保育が、民間委託、指定管理者制度の導入、民営化されるなど、運営主体が変更したものと考えられます。
 民間企業が運営している学童保育は増えています。この多くは、市町村の委託事業、指定管理者制度を受託して運営されているところです。「学習塾」や「習いごと」などの事業は、「学童保育」と自称していても「放課後児童健全育成事業」には該当しないので、今回の調査対象・結果には含めていません。
開設場所……余裕教室活用が増えており、学校施設内が全体の半数です。国は、2014年7月に策定した「放課後子ども総合プラン」のなかで、放課後児童クラブの受入児童数を2019年度末までに約122万人に増やすために、新規開設分の8割を「学校施設を徹底活用した実施促進」で整備していく方針を決めました。学童保育を増やしていく際に学校施設を活用する場合も、毎日の「生活の場」にふさわしい施設としての設備を備えたものとして、整備することが欠かせません。

「地方分権改革」についての学習リーフレットをつくりました

 本誌2017年9月号、10月号「協議会だより」(ともに82ページ)でお知らせしたとおり、「地方分権改革」のなかで、指導員不足の解消策を、「従うべき基準」の緩和もしくは廃止に求めようとする動きがあります。
 国は現在、内閣府に地方分権改革推進室を設けて、「地方分権改革」を進めています。「地方分権」を前面に押し出すことで、福祉事業全般の国の基準が切り下げられようとしています。
 2017年度、学童保育に関わっては、設備運営基準で「従うべき基準」とされている「放課後児童支援員の資格と配置」を廃止、もしくは緩和することが検討されています。
 設備運営基準が定められる以前、学童保育指導員の資格や配置は各自治体任せになっていたことにより、学童保育の状況は地域によって大きな格差がありました。設備運営基準策定後も、いまなお、その状況はつづいています。設備運営基準で「放課後児童支援員の資格と配置」が「従うべき基準」と定められたことは、全国すべての学童保育を利用する子どもたちに「全国的な一定水準の質」を保障するうえで必要不可欠なことであり、この基準を廃止・緩和することは現状の放置につながります。
 現在、提案団体、関係府省、地方三団体を対象にヒアリングが行われており、関係府省との調整を経て、12月中下旬には対応方針が閣議決定されます。
このたび、全国連協では「学童保育の拡充に向けて私たちにいま、できること」と題した、学習リーフレットをつくりました。都道府県・市町村の学童保育連絡協議会は、11月上旬までにつぎの取り組みを行いましょう。
◎各学童保育連絡協議会は、なるべく早い時期に懇談を行うなどして、私たちの要望内容を市町村・都道府県に伝えることが重要です。
◎懇談などを行った際には、私たちの意見を伝え、市町村・都道府県の考えを確かめるのみならず、つぎのことを要望しましょう。「都道府県・市町村として、「現行の設備運営基準の引き下げを行わないこと」「『指導員不足の解消や学童保育数の拡充のための財政的保障の拡充』を国(内閣府地方分権改革推進室・厚生労働省)に求めること」。
保護者・指導員をはじめ、多くの方に、現在の状況と取り組みの課題を伝えるために、学習リーフレットを活用してください。お問い合わせは全国連協まで。

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2017年10月号

「保育合研」が開催されました

 2017年8月5日〜7日、第49回全国保育団体合同研究集会(略称、保育合研)が埼玉県で開催されました。この研究集会は、全国保育団体連絡会をはじめとした実行委員会形式で開催されており、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)も全国幹事団体として関わっています。
 今回の集会では、「学童保育の制度と実践上の課題」をテーマにした分科会が設けられ、全国連協が世話人を担当しました。分科会では冒頭に世話人から、働きながら子育てをする保護者の思い、学童保育で子どもたちが指導員と過こす様子なども紹介しながら、学童保育の現状と課題、学童保育に関する国の施策の変遷などについて報告しました。
 つづいて、3名が実践レポートの提案を行いました。さいたま市の指導員は、保育実践を交えながら学童保育の役割について述べました。大阪市の指導員は、数年ぶりに保育現場に戻ったところであらためて見えてきた課題を指摘しました。名古屋市の保護者は、保護者と指導員が学童保育連絡協議会の活動を通じてつながり、市の施策を改善させてきた経験を報告しました。分科会には、世話人・提案者のほか、指導員、施設長、認可保育園園長など、30名の参加がありました。
 参加者は、学童保育に関わるようになってからの年数はさまざまでしたし、関わりを持つ学童保育の運営形態も異なっており、さまざまな立場からの意見交換となりましたが、それぞれの現状を共有することができました。参加者からは、「子どもへの思いが強い方々の話を聞けて、勉強になりました」「2017年11月に兵庫で開催される全国学童保育研究築会にも参加したいと思いました」などの感想が寄せられています。

内閣府地方分権改革推進室に要望書を提出しました

 本誌2017年9月号「協議会だより」(82ページ)でお知らせしたとおり、2017年7月7日、内閣府地方分権改革推進室が開催した、「第29回地方分権改革有識者会議・第53回提案募集検討専門部会合同会議」に出された資料に、重点事項(内閣府と関係府省との間で調整を行う提案)として、「放課後児童健全育成事業に係る『従うべき基準』等の見直し」があけられています。
 2017年8月7日には、「第58回提案募集検討専門部会」において、厚生労働省へのヒアリングが行われました。
 厚生労働省がヒアリングに提出した資料では、放課後児童支援員認定資格研修の受講義務について、「子どもを巡る現状や児童福祉関係の制度・法令はここ10年近辺でみても大きく変化しており、一定の経験を積んでいる方も受けて頂き、最新の状況に習熟して頂くことが必要と認識」との考え方が記されています。
 また、放課後児童支援員を二人以上配置する必要があることに関わっては、社会保障審議会児童部会「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書」(2012年12月)の記述と、2017年3月に大分県宇佐市の放課後児童クラブに不審者が侵入した事件が参考資料としてあげられています。今後2017年10月までに、提案団体、関係府省、地方三団体を対象にヒアリングが行われ、関係府省との調整を経て、12月中下旬には対応方針が閣議決定される予定とのことです。
 こうした動きを受けて、全国連協は、2017年8月9日、内閣府地方分権改革推進室に要望書を提出しました。
 放課後児童健全育成事業の配置基準と資格要件について、「現在『従うべき基準』とされているものを『参酌すべき基準』等に見直す」「『従うべき基準』とされているものを、廃止又は参酌すべき基準に見直す」という地方自治体の意見に対しては、つぎのように考えを述べました。
【金国学童保育連絡協議会の考え】
「全国的な]定水準の質」を確保するという事業のあり方の根幹として、これまでどおり、放課後児童健全育成事業に従事する者の資格及び人員配置については「従うべき基準」として堅持することが不可欠だと考えます。
【理由】「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下、省令基準)が定められる以前、放課後児童クラブに従事する者の要件そのものは、各自治体によってさまざまであったことにより、各自治体の事業内容にも大きな格差がありました。いまなお、その状況は続いています。
 現行の省令基準に示された、人員資格及び人員配置の内容、および、「従うべき基準」という位置づけは、全国すべての放課後児童クラブを利用する子どもたちが「全国的な一定水準の質」を確保された育成支援を受けられるようにするためには必要不可欠のものです。
 供給を急いで、資格要件を軽視することは、現状を放置することであり、認めるべきではありません。放課後児童支援員の確保が困難であることの背景には、「放課後児童クラブで働く指導員の処遇が大変低いこと」「省令基準」「放課後児童クラブ運営指針」についての理解が不十分なことがあげられます。こうした根本的な問題に取り組むことが必要と考えます。
 また、「第29回地方分権改革有識者会議・第53回提案募集検討専門部会合同会議」には、このほかにも学童保育に関わる論点がいくつか提案されており、それらについても全国連協としての考えを述べ、政策に反映するよう要望しました。
そして、今回の地方分権改革について内閣府へ提案をあげた全国知事会、全国市長会、全国町村会にも、同様の要望を届けました。
さらに、地域の学童保育連絡協議会には、地方分権改革の提案団体もしくは追加共同提案団体に名を連ねている自治体に私たちの考えを伝えるため、懇談を申し入れるよう呼びかけています。
 今後も、地域の学童保育連絡協議会と共に、「規制緩和」を進めることは、「全国的な一定水準の質」への引き上げをさまたげるものであり、指導員の離職者の多さや人手不足の解消策にはなり得ないことを、社会的にさらに広く訴えていきます。

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2017年9月号

要請行動を行いました

 2017年6月30日、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)は、「公的責任による学童保育制度の拡充と財政措置の大幅増額を求める」要望を、厚生労働省、内閣府子ども・子育て本部、各政党に届けました。
 例年、この時期の要請行動は、政府・各省の来年度の予算編成に向けて、8月末に発表する概算要求をまとめる時期にあわせて行っています。厚生労働省と内閣府子ども・子育て本部、政党に届けた、全国連協の要望書の概要はつぎのとおりです。
1 学童保育の国の制度の拡充を……「学童保育を児童福祉施設として位置づける法的整備を行うこと」「市町村の責任を『利用の促進の努力義務』にとどめず、明確にする法改正をすること」「省令で定めた学童保育の基準(以下、「基準」)は質的な向上を図ること」「安定的な財政措置の仕組みをつくること、財政措置における国の負担割合を増やすこと」「建物の公設化を奨励する、国としての財政措置を強化すること」「指導員の資格と業務に見あう処遇改善を進めるため、抜本的な処遇改善策を示すこと」
2 量的な拡大、質的な拡充が図られるよう、国としての十分な財政措置を……「『基準』にもとつく運営が可能となるよう補助額を大幅増額し、施設改善に利用できるよう措置すること。少なくとも、国の負担を2分の1に引き上げること」「運営費に対する財政措置を講じること。具体的には、『児童数19人以下の場合も含め、常勤・專任の指導員の2名以上を配置』『労働時間を考慮したうえでの有資格者の確保』『事務量とその高度化に対応する事務経費の算定基準の改善』の実現を」「施設整備に対する財政措置を講じること。具体的には、『補助単価のさらなる引き上げ』『補助要件から[待機児童が存在]の一文を外す』『借地・借家も対象とする増改築に対する補助制度の新設と財政措置』の実現を」
3 指導員の処遇の改善、保育内容の向上を図るための必要な措置を……「指導員の処遇の改善をいっそう強力に推進すること。具体的には、『放課後児童支援員等処遇改善等事業』と『放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業』の運用の改善を行うこと」「自治体の非正規職員として働く指導員の処遇改善に向けて、総務省と連携すること」「『放課後児童支援員認定資格研修』の対象となる、すべての現任指導員が有資格者となることができるように市町村へ援助、財政措置を講じること」「『資質向上研修』の受講に必要な財政措置を講じること」「都道府県および市町村の学童保育担当職員にも『認定資格研修』を受講させること」
4 「基準」の改善・拡充を……「『職員』についての項目のほか、施設(広さを含む)、支援の単位(子どもの人数を含む)などの項目も『従うべき基準』とすること。また、『子どもの人数』『専用室』『専任職員』の三点の関係を明確にして、子ども一人ひとりにとって安全・安心な『生活の場』となるようにすること」「委託や代行で運営される場合の事業の収支等について、事業者からの報告が必要である旨、市町村に周知すること」
5 現行の『放課後児童支援員認定資格研修事業」を最低限維持し、これ以上の規制緩和を行わないこと。資格要件から、「類似の事業に従事」している者を外すこと
6 国として以下の制度の創設と財政措置を設けること……「母子家庭・父子家庭等の経済的に厳しい家庭への保育料の減免制度を創設すること。具体的には、『母子及び父子並びに募婦福祉法』および『子供の貧困対策に関する大綱』に明記されている『特別な配慮』が実行できる制度や仕組みをつくること」「指導員の資格について、将来的な方針を明確にし、段階的に近づけていく方策を検討すること。大学での養成課程の整備を図り、そのために必要な法令を整備すること」「障害のある子どもの受け入れにあたって、現場で相談や指導を受けることができる制度を創設すること」「『放課後児童支援員等処遇改善等事業』の要件から『18時半を超えて』を外す、もしくは地域特性を勘案する制度とすること」「学童保育を日本スポーツ振興センターの『災害共済給付』の対象にすること」
7 「市町村子ども・子育て支援事業計画」についての調査と改善を……「『市町村子ども・子育て支援事業計画』の見直しについて、財政措置も含めた法制度上の課題を調査し、改善すること」「学童保育を利用したくてもできない『待機児童』を総合的に把握したうえで、量的目標を設定すること」
8 「放課後子ども総合プラン」においては、「放課後子供教室事業」と学童保育を、「同じ場所で同じ職員が子どもたちを一緒にして」行う「一体化」ではなく、それぞれの事業として実施すること
9 「東日本大震災」「平成28年熊本地震」で被災した地域の学童保育の復旧・復興を進め、学童保育を必要とする家庭・子どもが安心して利用できるよう国としての支援を行うこと

*     *     *
 要請行動には、全国連協および全国各地の連絡協議会から計24名が参加し、要望書に記した項目にそって、地域の参加者が現状を報告し、要望を伝えました。

内閣府地方分権改革推進室にも要望書を届けました

 前述の2017年6月30日の要請行動では、内閣府地方分権改革推進室にも、「『放課後児童支援員認定資格研修事業』のあり方と公的責任による学童保育制度の拡充」を求めて、「現行の『放課後児童支援員認定資格研修事業」を最低限維持し、これ以上の規制緩和を行わない」ことに特化した要望書を届けました。
 地方分権改革推進室は、「放課後児童クラブについては質の向上が大切」「地方の実情にあわせて、地域の声を聴いて、現場がこまらないようにする」「基準をみだりに下げること、質を下げることは本意ではない」と述べつつも、「経験を積んだ指導員が有資格者になるにあたって、高等学校卒業者等の要件の範囲を中学校卒業者まで拡大する」「放課後児童支援員一人で放課後児童クラブを実施可能とする」などの提案が地域から寄せられていることが示されました。
 これに対して、私たちからはつぎのような意見を述べました。
・資格を取得することで、指導員の意識改革・自覚が生まれている。
・資格取得にむけて、高等学校卒業程度認定試験を受験するなど努力している方もいる。
・認定資格研修の内容は、全国通じて均一の質の確保がされるべき。
・認定資格研修の受講科目は免除すべきではない。免除は、必要な学びが欠落することになる。
・認定資格研修の受託団体により質のばらつきがあってはこまる。
・指導員が一人しかおらずに子どもの安全を守れないことが実際に起きている。複数の職員で子どもを守ることを崩してはいけない。
*     *     *
 2017年7月7日、内閣府地方分権改革推進室が開催した、「第29回地方分権改革有識者会議・第53回提案募集検討専門部会合同会議」に出された資料には、重点事項(内閣府と関係府省との間で調整を行う提案)として、「放課後児童健全育成事業に関わる『従うべき基準』等の見直し」があげられています。具体的には、以下のとおりです。
「全国的に放課後児童支援員の確保が困難であり、国が定めた基準通りに放課後児童クラブを運営することが困難なことから、その人員資格及び人員配置について、現在『従うべき基準』とされているものを『参酌すべき基準』等に見直す。【28年フォローアップ案件含む】」「放課後児童支援員となるための認定資格の実施主体に指定都市を追加する【28年フォローアップ案件】」。
今後は、2017年7月から10月にかけて、提案団体、関係府省、地方三団体を対象にヒアリングが行われ、関係府省との調整を経て、12月中下旬には対応方針が閣議決定される予定とのことです。
 全国連協では、内閣府地方分権改革推進室、提案した地方自治体や地方三団体へ意見書を提出すると同時に、「規制緩和」を進めることは、「全国的な一定水準の質」へのひきあげをさまたげるものであり、指導員の離職者の多さや人手不足の解消策にはなり得ないことを社会的にも広く訴えていきます。

「平成29年7月九州北部豪雨」の被害と支援募金のお願い
 2017年7月5日からの大雨により、九州北部の各地で多くの被害が出ています。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 2017年7月31日現在、全国学童保育連絡協議会では、福岡県・大分県の学童保育連絡協議会と連絡を取り、情報収集を行いつつ、支援の方法についても相談を進めています。
福岡県朝倉市内で大きな被害が生じている地域には、4つの学童保育があります。学童保育施設の建物自体は被災していませんが、地域が断水しているため、学童保育でも水が使えない状況にあるそうです。なかには、学童保育の入っていた施設が地域の災害対応の拠点になり、急遽、別の場所をお借りして、保育を行っているところもあるなど、厳しい状況がつづいています。
学童保育に通う子どもたち、指導員のなかには、自宅が被災した家庭もあるそうです。また、市内全体で復旧・復興活動が進められるのにともなって、子どもの活動内容や場所が制限されざるを得ないなどの状況が生まれています。
大分県日田市では、「学童保育における人的および物的被害はない」が「指導員の数が足りずに、保育を行ううえで支障が出ている」とのことでした。
福岡県学童保育連絡協議会・大分県学童保育連絡協議会は、「学童保育に通う子どもたちや指導員に必要な支援を」と募金を行い、協力を呼びかけています。ぜひ、皆様のご協力をお願い申し上げます。

「平成29年7月九州北部豪雨学童保育支援募金」の擬込先は下記のとおりです
・ゆうちょ銀行 ・記号 17400 ・番号 83108171
・名義 福岡県学童保育連絡協議会
*他金融機関からは・七四八店(ナナヨン八チ店) 普通 8310817

◆連絡先 福岡県学童保育連絡協議会
〒805-OO67 北九州市八幡東区祇園2-4-22 電話:093-662-6000

 

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2017年8月号

地方公務員法と地方自治法が改定されました

 2017年5月17日、地方公務員法と地方自治法の一部が改定され、公布されました。今回、改定されたのは、つぎの点です。
・地方公務員の特別職・臨時・非常勤職員について、特別職の任用の要件を「学識・経験のある人」、臨時的任用の要件を「常勤に欠員が生じた場合」に厳格化し、これにあてはまらないものは労働者性の高い「一般職の非常勤職員」とあわせて、新設される「会計年度任用職員」とし、採用方法や任期などを明確にすることとした。
・今回、多くの非常勤職員は「会計年度任用職員」へ移行され、期末手当、費用弁償等の支給ができるようになった(自治体の判断による)。ただし、雇用は1年ごとになる。

国は、2014年度から指導員の処遇改善のための予算を設け、2015年度からは、「放課後児童支援員等処遇改善等事業」を実施しています。しかし、学童保育が公立公営で運営されていて、指導員が地方公務員の非常勤職員として雇用されている自治体では、「放課後児童支援員等処遇改善等事業」がなかなか予算化されない実態もあります。全国学童保膏連絡協議会(以下、全国連協)はこれまで、総務省自治行政局公務員部公務員課と懇談の機会を持ち、「学童保育現場では非常勤職員だけで事業運営が組み立てられていること」「自治体の条例などで雇用条件や給与表が定められているため、非常勤職員のなかで指導員だけ処遇改善するのがむずかしい実態があること」など、地域での状況をお伝えしてきました。
国の「設備運営基準」や「放課後児童クラブ運営指針」にもとついて、指導員の仕事には「放課後児童支援員」という固有の資格が必要であることが示されました。しかし、自治体のなかには、「ただ子どもを見守っているだけの仕事」といった誤まった認識から脱却せず、指導員の離職者の多さや人手不足の解消策を、「規制緩和」に求めようとしているところもあります。
 「放課後児童クラブ運営指針」には、「職員体制」についで、「子どもとの安定的、継続的な関わりが重要であるため、放課後児童支援員の雇用に当たっては、長期的に安定した形態とすることが求められる」と記述されています。
 私たちはこれまで、「学童保育に通う子どもと働きながら子育てをする保護者のために、学童保育施策を拡充し、それを支える指導員の働く環境をよりよいものに」と要望しています。2017年度は、指導員の処遇改善に活用できる国の補助金の予算が新設・拡充されました(本誌の2017年5月号の「協議会だより」参照)。これらも活用して、指導員の処遇改善が行えるよう、それぞれの市町村に働きかけていきましょう。

個人情報保護に関する取り組みについて

 2015年9月、「個人情報保護法」が改定され、2017年5月30日から全面施行されています。改定前の個人情報保護法(2005年施行)では、5000人分以下の個人情報を取り扱う事業者は法の対象外とする「5000件要件」がありましたが、今回の改定によって「5000件要件」が撤廃され、およそすべての事業者(営利・非営利であるか、法人格の有無を問いません)に個人情報保護法が適用されるようになりました。
 学童保育関係の団体・組織に関しても、2017年5月30日からは、ほとんどの連絡協議会や指導員組織、学童保育、父母会・保護者会などが、個人情報保護法の適用対象になっています。
 個人情報保護法では、個人情報の取り扱いに関する、以下四つの基本的なルールを遵守することが求められています。
(1)取得・利用に関するルール……勝手に使わない!
・利用目的を特定して、その範囲内で利用する。
・利用目的を通知又は公表する。
(2)保管に関するルール……なくさない! 漏らさない!
・漏えい等が生じないように、安全に管理する。
・従業者・委託先にも安全管理を徹底する。
(3)提供する際のルール……勝手に人に渡さない!
・第三者に提供する場合は、あらかじめ本人から同意を得る。
・第三者に提供した場合・第三者から提供を受けた場合は、一定事項を記録する。
(4)開示請求等への対応……お問い合わせに対応!
・本人から開示等の請求があった場合はこれに対応する。
・苦情等に適切・迅速に対応する。
(出典「はじめての個人情報保護法〜シンプルレッスン〜」2017年3月、個人情報保護委員会事務局)
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各連絡協議会等や各学童保育でもつぎの資料などを参考にしながら、個人情報保護法にもとついた取り組みをすすめてください。
◆個人情報保護委員会ホームページの「中小企業サポートページ(個人情報保護法)」(https://www.ppc.go.jp/personal/chusho_support/)に掲載されている各種資料。ここには、上記の「はじめての個人情報保護法〜シンプルレッスン〜」や、後述する「会員名簿を作るときの注意事項」も掲載されています。
◆「福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン」(2013年3月29日、
2016年2月15日改正、厚生労働省)
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 なお、2005年に「個人清報保護法」が施行された当初は、制度への誤解などもあり、それまで行われていた各種団体の名簿づくりなどを自粛する動きが見られました。今回、多くの父母会・保護者会なども個入情報保護法の適用対象になると考えられますが、名簿などを作成し、全世帯に配布することなどは、個人情報保護に留意しつつ、会の取り組みとして行うことになんら問題はありません。くわしくはつぎの資料などを参考にしてください。
◆「会員名簿を作るときの注意事項」(2017年5月、個人情報保護委員会)
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 全国連協は、2017年5月に開催された全国運営委員会で、今回の「個人情報保護法」改定の内容を確認し、全国連協の取り組み方針をあらためて共有するとともに、全国連協としての「個人情報保護方針」を改定し、法の趣旨にそって個人情報保護に取り組んでいくことを確認しました。
全国連協の「個人情報保護方針」は、会のホームページでごらんになることができます。今後も個人情報保護に関する動向をふまえて、必要な情報をおとどけしていきます。

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2017年7月号

全国合宿研究会を開催されました

 2017年5月13日・14日、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)は、兵庫県にて、「『子どもにとって』という視点で考える『集団の規模』の実現」をテーマに、全国合宿研究会を開催しました。その概要を報告します。
 はじめに全国連協から、「全国には、子どもたちの『毎日の生活の場』としての環境が整っていない大規模な学童保育もあり、子どもたちにとって、大変過酷な状態になっている」と現状を報告し、「今回の合宿研究会では、『子どもにとって』という視点に立ち返って、この問題を考えることが大切であること」「子どもたちが負担に思うことなく学童保育に通いつづけるためには、『子ども集団の規摸の上限を守りながら、必要な数だけ学童保育を増やすこと』が不可欠であること」を提起しました。
 つづいて、大阪府寝屋川市、山形県天童市から、「大規模学童保育を解消するための取り組み」「子ども集団の規模の上限を守るための取り組み」が報告されました。
その後、三分散会に分かれて、「子どもの人数が『40人』を超えることで、子どもの生活にとって望ましくないと感じていること」「子ども集団の規摸の上限を守るうえで、もっとも困難なこと(困難だったこと)、そのことにどのように取り組んだか」「『おおむね40人以下』を実現させるなかで、大切だと感じたこと」「『子ども集団の規模の上限を守りながら、必要な数だけ学童保育を増やすこと』を、市町村の施策にどう実現させていくか」などについて、各地域の状況を交流しました。
 全国連協は、大規模化した学童保育を分割したり、学童保育を新設したりする際には、子ども集団の規模の上限を守り、それぞれにつぎの要件を満たすことが必要であると提言しています。
ア、生活をおくるうえでの基礎的な単位(生活集団)が、継続的に分けられていること
イ、基礎的な生活をおくる空間、場所、施設・設備が継続的に分けられていること
ウ、子どもの保育に責任を待つ指導員が、それぞれの単位ごとに複数人配置されること
 また、「子ども集団の規模の上限は『30人まで』と提言しています。
 2日間の議論をとおして、大規模の学童保育では、「狭さや音の問題など、子どもたちに負担を強いることが多い」「一人ひとりの子どもの声に指導員が耳をかたむけられず、子どもたちが安心して過ごせる居場所になることができない」などの問題点があげられ、だからこそ、「子ども集団の規模の上限を守りながら、必要な数だけ学童保育を増やす」ためには、保護者と指導員、あるいは保護者同士の共通認識を育み、協力する関係を築くこと、地域や行政との連携・協力などが必要であることが確かめられました。
 2017年度は、5年ごとに策定される市町村子ども・子育て支援事業計画の中間年の見直しが行われます。子どもが安心して学童保育で過ごすことができるよう、保育の質の向上、指導員に関わる条件整備をはかるうえでは、省令で定められた「おおむね40人以下」を実現することが必要不可欠です。このことは、「量的拡充の実現」に向けた取り組みと両輪で進めなくてはなりません。
「学童保育を必要とする子どもを受け入れる」「子どもが負担に思うことなく、学童保育に通いつづける」ために、学童保育関係者が地域の人々や行政と力をあわせ、取り組みを進めていきましょう。

「教育・保育施設等における事故報告集計」が公表されました

 2017年5月12日、内閣府が、「教育・保育施設等における事故報告集計」を公表しました。
 これは、教育・保育施設などで発生した死亡事故や、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病をともなう重篤な事故等について、2016年1月1日から2016年12月31日の期間内にあった報告をとりまとめたものです。
 学童保育における事故の報告件数は、288件でした。死亡事故についての報告はありません。負傷等の報告288件のうち、259件が骨折によるものでした。事故の発生場所は、施設内が260件、そのうち182件が施設内の室外で起きています。
 内閣府は、内閣府・文部科学省・厚生労働省に報告のあった教育・保育施設等における事故の情報を、集約・データベース化し、ホームページで公表しています。
 国民生活センターが2008年に行った「学童保育の安全に関する調査研究」によると、「児童数の多い施設で発生したケガ・事故による通院日数や入院日数が長くなる傾向にあること」「子ども同士がお互いの安全に気配りすることができないために起こる出会い頭の事故やケガ、トラブルが多く発生していること」などが指摘されています。
「子ども・子育て支援新制度」のもと、2014年9月に「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」が開催され(出席者は有識者や関係者など)、放課後児童クラブも含め、事故の発生やその再発を防止するための措置について検討が行われました。
 そして2014年11月の検討会中間とりまとめを受けて、事故報告制度の全般的な見直しが行われ、「重大報告の対象となる施設・事業について拡大」「重大事故の範囲の明確化」「報告様式、報告方法の改正と明示」が改正されました。
 現在、学童保育で重大事故が生じた際には、運営主体から市町村、都道府県を通じて、厚生労働省および消費者庁に報告することが求められています(平成27年3月27日雇児育発0327第1号「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)における事故の報告等について」)。
 なお、2015年12月の検討会最終報告をうけて、とくに重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項や、事故が発生した場合の具体的な対応方法などについて、各施設・事業者、地方自治体における事故発生の防止等や事故発生時の対応の参考となるよう「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインについて」が発表されています。また、2016年3月には内閣府から地方自治体に対して、重大事故の再発防止のために、死亡事故等の重大事故については、事後的な検証を実施するよう「教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事後的な検証について」(府子本第191号)という通知が出されています。
 ガイドラインは、施設・事業者、地方自治体向けに出されたもので、念頭に置いている対象施設・事業に学童保育は含まれていませんが、各学童保育でも、事故防止や危機管理の際の参考にしてください。

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2017年6月号

放課後児童健全育成事業実施要綱が発出されました

 2017年4月3日付で放課後児童健全育成事業実施要綱の一部が改訂され、厚生労働省は、各都道府県宛てに「『放課後児童健全育成事業』の実施について」という局長通知を発出しました。これまでに本誌でお知らせしたことと重複する部分もありますが、以下、実施要綱の内容をいくつか紹介します。
放課後子ども環境整備事業……小学校の余裕教室、民家・アパートなどを借りて実施されている放課後児童クラブが、既存施設の改修、設備の整備・修繕及び備品の購入を行う際の費用を補助します。これまでは、「児童数増」にともなって施設の改修などを行う場合が対象とされていましたが、「防災対策の実施」のために改修などが行われる場合も対象となりました。なお、1か所につき、「児童数増」への対応と「防災対策」それぞれ1回かぎりが対象となります。
放課後児童クラブ支援事業(放課後児童クラブ運営支援事業)……民家・アパートなどを借りて実施されている放課後児童クラブが移転する際の費用を補助します。「児童数増」にともなう移転の実施に加えて、「防災対策」としてより耐震性の高い建物に移転する場合も対象になりました。
放課後児童支援員等処遇改善等事業……18時半を超えて開所する放課後児童クラブで、「放課後児童クラブ運営指針」に示された育成支援を行う職員の処遇改善を行うとともに、保育所との開所時間の乖離を縮小し、就学後も放課後児童クラブを円滑に利用できるようにするために補助を行う事業です。
 これまでは、つぎに示す「(i)もしくは(A)すべての業務」に主担当として従事する職員が補助の対象となっていましたが、「いずれかの業務」に従事する職員に変更になりました。さらに、(A)については、これまでは常勤職員の賃金改善分と、常勤職員を配置するために上乗せしてきた経費に対してのみが対象とされていましたが、これらの業務を担っている非常勤職員の賃金改善分も、対象とされることになりました。
(@)学校との情報共有/保護者への連絡・惰報共有/防災・防犯対策/要望・苦情への対応/児童虐待早期発見への取組
(A)地域組織との情報交換や相互交流/児童館やその他公共施設等の積極的活用/地域住民との連携、協力/地域の保健医療機関等と連携/虐待ケースの具体的な支援内容等を関係機関と検討・協議/放課後子供教室との打ち合わせ、協議会への参加。
障害児受入強化推進事業……放課後児童クラフでは、障害のある子どもを一名以上受け入れる場合、専門的知識などを有する指導員一人分の人件費が補助されています(障害児受入推進事業)。
 さらに、「障害児受入強化推進事業」により、5人以上受け入れた場合には、さらに一名分の加配に必要な人件費が補助されていました。2017年度からは、これが「3人以上」受け入れた場合に拡大されました。なお、医療的ケア児を受け入れる場合には、看護師、准看護師、保健師または助産師の配置などを行うことができます。
放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業……放課後児童支援員(2020年3月31日までに放課後児童支援員認定資格研修を修了することを予定している者も含む)を対象に、経験年数や研修受講の実績に応じて、月額最大3万円が賃金費用として補助される事業です。修了予定者も対象となったのは、認定資格研修の会場のキャパシティや、優先順位を設けて順次受講している場合があることなどが考慮されたものです。この事業は原則、放課後児童支援員が対象とされていますが、それ以外の職員の賃金改善にも使うことができます(次項を参照)。
 なお、経験年数を換算する場合は、現在勤務している放課後児童クラブの勤続年数に加え、つぎの@〜Fに該当する施設・事業所における経験年数を合算することができます。
@認定こども園、幼稚園、保育所などの教育・保育施設、家庭的保育、小規模保育、居宅訪問型保育、事業所内保育などの地域型保育事業を行う事業所。
A幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校、専修学校。
B第二種社会福祉事業、第二種社会福祉事業を行う施設・事業所、児童福祉法にもとづく乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設や、地域子育て支援拠点事業、小規模保育事業のほか、生活保護法にもとづくもの、高齢者や障害者を対象とするもの、婦人保護施設など。
C児童相談所におかれる、児童を一時保護する施設。
D地方公共団体における単独保育施策による認可外保育施設、認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書の交付された施設および幼稚園に併設された施設。教育・保育施設または地域型保育事業に移行する前の認可外保育施設。
E病院、診療所、介護老人保健施設及び助産所(保健師、看護師又は准看護師に限る)。
F放課後児童健全育成事業に類似する事業を行う施設・事業所。

「放課後児童健全育成事業等に係るQ&A(新規分)」が発出されました

 2017年3月31日、厚生労働省が自治体に向けて「放課後児童健全育成事業に係るQ&A(新規分)」を発出しました。
そのなかから2点紹介します。
◆「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」の対象は、原則、放課後児童支援員とされていますが、経験年数や研修実績などに応じて段階的な賃金改善の仕組みを設けることをめざしている、もしくはすでに設けている場合には、放課後児童支援員以外の職員も対象とすることができる、とされています。その際には、「放課後児童支援員一入あたりの国庫補助基準額に対象人数を乗じて算出した合計額」と、「2016年度からの全員の賃金改善分(補助対象経費という)」を比較して、低いほうの額が補助されます。
[例]おおむね経験年数1年以上5年未満の放課後児童支援員2人(Aさん、Bさん)・おおむね経験年数5年以上の放課後児童支援員一人(Cさん)・おおむね経験年数5年以上の補助員一人(Dさん)が配置されている放課後児童クラブの場合は、@「国庫補助基準額に対象人数を乗じて算出した合計額……12.4万円(Aさん分)+12.4万円(Bさん分)+24.8万円(Cさん分)=49.6万円」、A「補助対象経費……Aさん10万円+Bさん10万円+Cさん20万円+Dさん5万円=45万円」。したがって、@とAを比較して低い方の額、45万円が補助される。
◆「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の、「常勤職員を配置するための追加費用」を算定するうえで必要な数字が示されました。「常勤職員を配置するための追加費用」は、国が年度ごとに示す、「運営費補助基準額」から算出される「運営費における人件費相当分」の数字を用いて算定されます。
、今年度は、「運営費補助基準額」が大幅に増額されましたが「常勤職員を配置するための追加費用」の算定に関わっては、「激変緩和のため、平成28年度の額を据え置くものであり、今後3ヶ年以内に段階的に引き上げる予定である」として、「運営費における人件費相当分」の数字は据え置きとされています(『日本の学童ほいく』2016年10月号を参照)。

『テキスト学童保育指導員の仕事』を改訂しました

 全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)は、『テキスト学童保育指導員の仕事』(以下、『テキスト』)の大幅な改訂を行い、5月中旬に完成しました(頒価800円〔税込〕)。
『テキスト』は、これまで全国各地の研修・学習会などで活用され、多くの指導員に読まれ、指導員の力量を向上させるための学習を支えてきました。1999年の発刊以降、そのときどきの状況に応じて何回か資料の追加・差し替えを含めた改訂を行ってきましたが、今回は、2012年に全国連協が作成した「学童保育の保育指針(案)」(以下、「保育指針(案)」)にあわせて、大幅改訂を行いました。「保育指針(案)」の構成に沿って全体を組み替えるとともに、厚生労働省が発出した「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」「放課後児童クラブ運営指針」の内容も参考にして加筆を行っています。
 改訂した『テキスト』を、ぜひそれぞれの地域での研修や学習に活用してください。そして、学童保育現場で深められたことや気づき、学びなどを指導員間で共有するとともに全国連協にも届けていただいて、さらなる内容の拡充をはかれればと願っています。

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2017年5月号

2017年度予算案の新規・拡充事項――指導員の処遇改善を!!

 2017年3月23日、「自由民主党学童保育(放課後児童クラブ)推進議員の会」の総会が開催され、全国学童保育速絡協議会(以下、全国連協)および厚生労働省少子化総合対策室が出席しました。
 当日は、厚生労働省少子化総合対策室長が「平成29年度放課後児童クラブ関係予算(案)」「平成28年度放課後児童クラブの実施状況調査結果」について説明を行ったのち、全国連協から厚生労働省への要望の内容を説明しました。
 2017年度予算案などについては、『日本の学童ほいく』2017年3月号、4月号でお知らせしていますので、ご参照ください。この日、厚生労働省から、あらためてつぎのことが説明されましたので、ご紹介します。
◆2017年度の新規事業「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」では、「(i)放課後児童支援員の資格を取得した者」「(A)経験年数が概ね5年以上の放課後児童支援員で一定の研修を受講した者」「(B)経験年数が概ね10年以上の放課後児童支援員で一定の研修を受講した事業所長的立場にある者」を対象に、それぞれ(i)年額12.4万円(月額約1万円)、(A)年額24.8万円(年額約2万円)、(B)年額37.2万円(月額約3万円)の処遇改善を行うとされています。
 厚生労働省がこれまでに示した資料によると、前述の(@)〜(B)の事業の対象とされている「放課後児童支援員」とは、「経過措置対象者(認定資格研修を平成31年度末までに修了することを予定している者)を含む」とあります。これは、認定資格研修の会場のキャパシティや、職場のなかで優先順位を設けて順次受講している実情などがあることも考慮して、現時点で認定資格研修を修了していなくても、厚生労働省令「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」第10条3項に示された項目に該当すれば、今回の処遇改善の対象になるとのことでした。
 また、「常勤職員・非常勤職員の別は問わない」ともされており、勤務時間などは補助要件として問われないそうです。
*     *     *
 私たちはこれまで、「学童保育に通う子どもと働きながら子育てをする保護者のために学童保育施策を拡充し、それを支える指導員の働く環境をよりよいものに」と要望してきています。この間、示された「運営費基準額の見直し」(本誌2017年3月号参照)、「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」「放課後児童支援員等処遇改善等事業の見直し」は、私たちの要望してきたことからすると、さらなる改善・拡充が必要ですが、指導員の処遇改善に向けた一定の方向性が示されたと言えるのではないでしょうか。ぜひこれらの予算も活用して、指導員の処遇改善が行えるよう、それぞれの市町村に働きかけていきましょう。

2017年度全国学童保育指導員学校のご案内

 「全国学童保育指導員学校」(全国連協主催)を、2017年度も全国8会場で開催します。くわしい開催要項については、巻末の案内をごらんください。「全国学童保育指導員学校」は、学童保育指導員の資質向上と学童保育の内容充実を目的として開催しています。
 2015年度から、都道府県が実施する「放課後児童支援員認定資格研修」(以下、認定資格研修)がはじまっています。認定資格研修の目的は、「放課後児童支援員」として必要な知識・技能を補完し、省令基準と「運営指針」にもとづく「放課後児童支援員」の役割と育成支援の内容などについての共通理解を得るため、職務を遂行するうえで必要最低限の知識と技能の習得と、それを実践する際の基本的な考え方や心得を認識してもらうことです。
それに加えて、専門的な技能や知識の求められる学童保育指導員にとって、学習や研修を継続的に積み重ねることは不可欠です。全国連協では、これまで折々に、「資格を取得することは学童保育で仕事をするうえでのあくまで入り口であること」「学童保育指導員の質と力量を高めるには自己研鑽と現任研修が必要であること」を確認してきています。
 2017年度の「全国学童保育指導員学校」も、現任指導員の資質向上を主な目的として、日常不断・継続的に実践や地域の実情を都道府県域を越えて交流し、学ぶ場として、規模・内容をさらに拡充することをめざして開催します。各会場ではそれに応じるべく、準備が進められています。
自発的・主体的・継続的に学ぶことができる場であることを伝えて多くの受講を呼びかけ、都道府県域を越えて集いましょう。

   日程   会場 
南関東会場   6月4日(日) 東京都板橋区・大東文化大学 板橋キャンパス 
西日本(大阪)会場   6月4日(日) 大阪市・大阪市立大学 杉本キャンパス 
西日本(石川)会場   6月11日(日) 石川県金沢市・金沢市文化ホールほか 
北関東会場   6月18日(日) 栃木県宇都宮市・帝京大学 宇都宮キャンパス 
九州会場   6月18日(日) 福岡県春日市・クローバープラザ 
北海道会場   6月25日(日) 北海道札幌市・北海道立道民活動センター(かでる2.7) 
四国会場   6月25日(日) 香川県高松市・高松テルサ 
東北会場   7月9日(日) 宮城県仙台市・宮城学院女子大学 

*どの会場でも受講できます。複数の会場を受講することもできます(受講料はそれぞれ必要です)。
*連絡協議会等の加盟・未加盟にかかわりなく、どなたでも受講できます。保護者や行政職員の方も受講できます。
*お問い合わせは、全国連協または開催地の連絡協議会まで。
*くわしい案内・申込書は、全国連協または地域の連絡協議会で取り扱っていますので、お問い合わせください。

「放課後児童クラブ運営指針解説書」が公表されました

 2017年3月31日、厚生労働省が作成した「放課後児童クラブ運営指針解説書」(以下、解説書)が公表され、厚生労働省少子化総合対策室から、各自治体宛てに送付されました。厚生労働省のホームページで、解説書の全文を読むことができます。
 2015年3月に策定された「放課後児童クラブ運営指針」(以下、運営指針)は、「子どもの発達過程や家庭環境なども考慮して、異なる専門性を有して従事している放課後児童支援員等が、放課後児童クラブが果たす役割や機能を再確認し、子どもとどのような視点で関わることが求められるのかという共通の認識を得」るために策定されたものです。解説書に添付されていた事務連絡には、つぎのように記されています。
「運営指針の内容が広く都道府県、市町村担当者や事業者(運営主体)及び実践者に浸透し、その趣旨が正確に理解されるように、また、運営指針の基本的な考え方を踏まえた上で、放課後児童クラブの多様性を生かしつつ、放課後児童クラブにおける育成支援の一定水準以上の質の確保を図るために、『放課後児童クラブ運営指針解説書』を作成いたしました」。
解説書は、今後、書店等で流通する書籍にまとめるよう、調整中とのことです。
 *     *     *
 先に紹介した事務連絡にもあるように、国は運営指針の内容を広く浸透させる対象として、「事業者(運営主体)及び実践者」に加えて、「都道府県、市町村担当者」をあげています。
 本誌2017年4月号で、「放課後児童支援員認定資格研修事業」において、地方からの要望にもとづき、2点の要件変更があったことをお伝えしました。この変更を機に、さらなる要件緩和や受講科目の免除を求める声が、いくつかの都道府県や市町村から出されていることがわかりました。「規制緩和」が進められては、学童保育そのものの質が低下することが懸念されます。
全国学童保育連絡協議会は、内閣府地方分権改革推進室と懇談し、2017年3月30日に意見書を提出しました。そのなかでは「放課後児童支援員認定資格研修事業」の規制緩和について、つぎのように意見を述べました。
「全国すべての学童保育を利用する子どもたちが『全国的な一定水準の質』を確保された育成支援を受けられるようにすることを目的として行われる『放課後児童支援員認定資格研修事業』は、資質向上の研修とは目的・役割が異なります。したがって、現行の『放課後児童支援員認定資格研修事業』は最低限維持すべきものであり、これ以上の受講対象者の要件緩和や受講科目の免除は、放課後児童クラブの質の低下に直結するものであるため、行うべきではありません」。
全国学童保育連絡協議会は各地の学童保育関係者と共に、学童保育の役割や指導員の仕事について、運営主体や指導員、都道府県と市町村に十分な理解を得るよう、ひきつづき取り組みます。
 *     *     *
 なお、2017年3月31日、「『放課後児童支援員に係る都道府県認定研修ガイドライン』に係るQ&A」および「放課後児童健全育成事業等に係るQ&A」の新規分が公表されました。いずれも、厚生労働省のHPで読むことができます。

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2017年4月号

全国児童福祉主管課長会議が開催されました

 2017年2月20日に厚生労働省(以下、厚労省)が、全国児童福祉主管課長会議を開催しました。会議資料から特徴的な内容を紹介します(当日資料は厚労省のHPに掲載。『日本の学童ほいく』2017年3月号の80頁も参照してください)。
◆地域子ども・子育て支援事業の見込量を含む「子ども・子育て支援事業計画」について、内閣府から2017年1月27日に事務連絡「市町村子ども・子育て支援事業計画等に関する中間年の見直しのための考え方について」が出されたことが紹介され、「特に、放課後児童クラブの平成31年度末までの見込量については、小学校就学児童数の見込、利用申込や待機の実績、潜在ニーズを含めた利用希望の動向などを踏まえつつ、検討をお願いしたい」と述べられています。
◆2017年度予算案では、学童保育の運営実態をふまえて職員の人件費を見直し、運営費補助基準額が増額されました。これまでは、最低賃金による日額単価で算出されていた職員(一人当たり年額約150万円)3人分の人件費のうち、一人分が福祉職俸給表にもとづき、月額単価(年額約310万円)で算出されることになりました。
◆2017年度の新規事業「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」では、「経験年数が概ね5年以上の放課後児童支援員で、一定の研修を修了した者」を対象に、年額24.8万円(月額約2万)の処遇改善が行われます。このなかの「一定の研修」についての考え方が示されました。
 2017年度については、「放課後児童支援員等研修事業実施要綱」の「U 放課後児童支援員等資質向上研修事業」にもとづく研修と同程度の内容の研修が想定されており、都道府県・市町村が実施する研修で、市町村が処遇改善の補助を行うのに適当と認める研修を修了したことを要件とすることが検討されています。
◆「放課後児童支援員等処遇改善等事業」の、常勤職員配置のための追加的費用を補助する事業(補助基準額290.4万円)では、これまで、常勤のみの賃金改善分(配置する経費を含む)を補助対象としていましたが、2017年度は、常勤職員以外の職員の賃金改善分についても補助対象とされました。
◆2017年度から新たに予算化された「長期休暇甲の受入れ支援」は、「年間を通じて開所している放課後児童クラブにおいて、長期休暇期間中の一時的な利用児童の増に対応するため、支援の単位を新たに設けて運営するクラブに対し」ての補助であることが明確にされました。
◆厚労省は、2016年度中に「放課後児童クラブ運営指針解説書」を作成する予定で準備を進めています。今回の会議では、運営指針の「趣旨が正確に理解されるように、また、運営指針の基本的な考え方を踏まえた上で、(中略)放課後児童クラブにおける育成支援の一定水準以上の質の確保を図る」ために、運営指針の内容を広く浸透させる対象として、「事業者(運営主体)及び実践者」に加えて、「都道府県、市町村担当者」があげられました。
◆「都道府県認定資格研修」(以下、認定資格研修)についてはこれまで、「放課後児童支援員」という全国共通の認定資格を付与するための研修であることから、講義内容や担当する講師等には「全国共通の一定程度の質が確保されていることが必要」「域内における人材育成にも寄与することを想定」していることが述べられてきました。
 しかし、2016年12月20日に閣議決定された「平成28年の地方からの提案等に関する対応方針」では、要件をつぎのように変更することが示されました。
「・認定資格研修を受講しようとする者が認定資格研修の科目と同等以上の内容を放課後児童支援員等資質向上研修等において受講した場合には、実施主体の判断により、当該者が当該認定資格研修の科目を受講したこととみなすことができる。
・認定資格研修を受講していない者であって認定資格研修の講師となった者が講義した課目については、実施主体の判断により、当該者が当該認定資格研修の科目を受講したこととみなすことができる。」
「実施主体の判断」とある実施主体とは、「委託先」ではなく、「都道府県」を指します。
「放課後児童支援員」の資格については、2015年4月から5年間の経過措置が設けられており、途についたばかりです。都道府県によっては、この閣議決定を機に、規制緩和の方向に進むことも懸念されます。子どもたちの安全・安心な生活を保障するために、「全国共通の一定程度の質の確保」の実現に向けて、全国学童保育連絡協議会は各地の学童保育関係者と共に、ひきつづき取り組みます。
2017年度の放課後児童健全育成事業の補助単価は、こちら

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