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 ●WEB版協議会だより

 協議会だよりは、『日本の学童ほいく』のコーナーの1つです。国の動き、全国学童保育連絡協議会の活動、情報などを毎月載せています。

 ●過去の協議会だより

2016年4月号〜2017年3月号 2017年4月号〜2017年3月号
2014年4月号〜2015年3月号 2015年4月等〜2016年3月号
2012年4月号〜2013年3月号 2013年4月号〜2014年3月号
2010年4月号〜2011年3月号 2011年4月号〜2012年3月号
2008年1月号〜2008年12月号 2009年1月号〜2010年3月号
2007年1月号〜2007年12月号 2006年1月号〜2006年12月号
2005年1月号〜2005年12月号 2004年1月号〜2004年12月号
2003年1月号〜2003年12月号 2002年1月号〜2002年12月号 

 ●最新の協議会だより 

◇2018年4月号〜2019年3月号の協議会だより◇
5月号 超党派と自民党の議員連盟の総会が開催されました
日本共産党・宮本岳志議員が衆議院地方創生特別委員会で質問
「放課後児童対策に関する専門委員会」が開催されました
全国児童福祉主管課長会議が開催されました
4月号 「放課後児童対策に関する専門委員会」でヒアリングが行われました
「基準の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントが実施されました

2018年5月号

超党派と自民党の議員連盟の総会が開催されました

 2017年12月26日の閣議決定では、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下「省令基準」において「従うべき基準」として定められた放課後児童支援員の「資格」と「配置基準」を「参酌化」することを、「地方分権の議論の場において検討し、平成30年度中に結論を得る」とされています。
 現行の「省令基準」に示された、「資格」と「配置基準」の内容、および、「従うべき基準」という位置づけは、全国すべての学童保育に通う子どもたちに「全国的な一定水準の質」を保障するためには必要不可欠のものです。これらを参酌化することは、子どもたちに困難を強いている現状を放置することであり、全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)としては、断固として反対します。
現在、学童保育に関わる議員連盟が二つあります。この間、全国連協から議員連盟にこれらのことについて働きかけを行い、それぞれの総会が開催されましたので、報告します。
〈公的責任における放課後児童クラブ(学童保育)の抜本的拡充を目指す議員連盟〉
 超党派の国会議員で構成される議員連盟で、会長を自由民主党の馳浩・衆議院議員、幹事長を希望の党の泉健太・衆議院議員、事務局長を公明党の石川博崇・参議院議員が務めています。
 2018年2月20日に行われた総会には、厚生労働省子育て支援課、文部科学省社会教育課、内閣府子ども・子育て本部が出席したほか、地方自治確立対策協議会(地方六団体)、内閣府地方分権改革推進室、全国運協も同席しました。当日は、厚生労働省・文部科学省からの説明のほか、議員からの質問もあり、一時間以上、議論が行われました。
 馳会長はまとめのなかで、「『公的責任における……』という議員連盟の名称には、法的な位置づけの確立、社会的認知の向上という意味が込められている。職員の確保、育成、配置、認定資格研修と、1センチずつでも向上させていく。公的支援の拡充の一点にしぼって取り組んでいきたい」と述べました。
〈自由民主党学童保育(放課後児童クラブ)推進議員の会〉
 代表を吉川貴盛・衆議院議員、事務局長を大塚高司・衆議院議員が務めています。同年3月15日の総会には、厚生労働省子育て支援課、文部科学省社会敦育課、内閣府子ども・子育て本部が出席したほか、地方自治確立対策協議会(地方六団体)、内閣府地方分権改革推進室、全国連協も同席しました。
吉川代表はまとめのなかで、「地方分権の議論では、地方の裁量に任せてほしいというが、国の施策として『省令基準』ができたことは大きい。基準を守ってもらいたい。全国どこに住んでいようと、子どもは等しく守られる必要がある。『従うべき基準』を緩和してしまって、子どもの安全を守ることができるのか?」と発言しました。

日本共産党・宮本岳志議員が衆議院地方創生特別委員会で質問

前述した超党派の議員運盟総会に出席した日本共産党の宮本岳志・衆議院議員が、同年3月16日の衆議院地方創生特別委員会で、「従うべき基準」の参酌化にかかわって、厚生労働省審議官、内閣府・地方分権改革推進室次長に質問を行いました(衆議院インターネット審議中継で動画を観ることができます)。
 そのなかで内閣府・梶山弘志特命大臣(地方創生 規制改革)に対して、「地方は『円滑な事業運営に支障が生じている』というが、緩和することによって生まれる支障は、命を落とすとか大けがをするという支障になる。子どもの安全性の確保に関わる問題だから、『従うべき基準』は大事なのだ」「担い手が増えないことから、いま働いている職員が展望を持てずにやめていくという悪循環になっているということも聞く。専門職にふさわしい処遇に引き上げることこそ、人手不足解消、ひいては制度の拡充につながる」と意見を述べました。
*     *     *
今後も全国連協は、あらゆる機会をとらえて情報を発信し、多くの方々に参酌化の問題点を広め、「従うべき基準」を守る取り組みを進めていきます。

「放課後児童対策に関する専門委員会」が開催されました

 「放課後児童対策に関する専門委員会」(以下、専門委員会)の第6回(2018年2月27日)、第7回(2018年3月19日)が開催されました(資料全文は厚生労働省のホームページに掲載されています。
 第6回からは、全国知事会から静岡県こども未来課課長、全国市長会から東京都三鷹市児童青少年課課長、全国町村会から新潟県聖籠町教育委員会子ども教育課課長が正式に委員に就任しました。会議では、この三自治体と、地方三団体から紹介された三自治体のヒアリングが行われ、「資格取得しても、勤務時間や賃金の低さなど、処遇の問題から離職する人も多い。人材確保に苦慮している」「県内都市部では主に中高年女性が、この事業を担っている。短時間勤務で安定した収入が得られない。資格取得のための従事時間数(2年以上、かつ2000時間程度)を満たすことが困難」「県内山間部では、主に65歳以上の高齢者がこの事業を担っている。有資格者になっても、資格を生かした長期間の勤務が期待できない」「採用できる職員の多くが50代以上であり、若い世代の応募が少ない」などの発言がありました。
 第7回の専門委員会では、「これまでの議論を踏まえた論点整理と検討の方向性」をふまえて、「中間まとめに向けて当面御議論いただきたい事項が示されました。
 「放課後児童対策のあり方に係る基本的な視点(案)」として、
(1) 児童の権利条約の精神の尊重(児童の最善の利益を第一に考える)
(2) 共生社会の実現
(3)子どもたちの「生きる力」を育む
の三つの柱と、これまでの議論の主な発言要旨が示されました。
 なお、この日の会議の資料のなかには、「小規模な放課後児童クラブ(家庭的学童)」「家庭的保育に類似した在り方は考えられるか」との記述がありましたが、当日の議論ではこのことに関わって、「(児童数が小規模という点では)現行の施策で対応することが可能」「家庭のなかで個人が保育することには慎重であるべき」「家庭での子育ての経験やその際に得た知識だけでは対応しきれず、専門的な知識や技能を必要とするもの」との発言がありました。
 2018年4月中旬に開催される第8回の専門委員会で、中間取りまとめ(骨子)が出される予定です。

全国児童福祉主管課長会議が開催されました

 2018年3月20日、全国児童福祉主管課長会議が開催されました(資料全文は厚生労働省のホームページに掲載されています)。
 子ども家庭局長は冒頭のあいさつのなかで、厚生労働省の課題としてつぎの4点をあげました。
1.待機児童の解消は取り組むべき最重要課題、そのための保育人材確保
2.地域の子育て支援の需要が変化していくなかでの放課後対策
3.法令改正に伴い、その趣旨に沿った児童虐待防止対策
4.妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援
 なかでも、人材確保に関わっては、「どの分野も人材の養成、確保が大切な時期になっている。地域からは、『人材確保ができない』『養成や研修がむずかしい』という声を聞く。現場で地道に取り組んでいかなければ、いまだけでなく、これからの大きな問題となってくるので、留意していただきたい」と述べました。
 子育て支援課課長は、以下の9項目について、資料に沿って説明しました。
・保育所を利用する子どもは、数年後には放課後児童クラブを必要とすること。
・放課後子ども総合プランにおける一体型の推進に関わって、「一体化」ではいけないということ。
・10人未満の放課後児童クラブは、2015年度から国庫補助対象になる場合があるが、厚生労働大臣への事前協議が必要。遡っての協議は受け付けないので、注意すること。
・社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会について。
・「平成29年の地方からの提案等に関する対応方針」について。
・都道府県認定資格研修の実施について。
・「放課後児童クラブ運営指針解説書」の活用について。
・放課後児童クラブの運営内容の評価等について。2019年度子ども・子育て支援推進調査研究事業で検討を行う予定であること。
・放課後児童クラブにおける安全確保について。
*     *     *
 例年、この会議では放課後児童健全育成事業の新たな補助単価が示されていますが、今回の会議資料には掲載されていませんでした。くわしいことがわかりしだい、皆さんにお知らせします。

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2018年4月号

「放課後児童対策に関する専門委員会」でヒアリングが行われました

 第4回の「放課後児童対策に関する専門委員会」(以下、専門委員会)が2018年1月29日に、第5回が同年2月8日に開催されました(『日本の学童ほいく』2018年1月号・3月号の「協議会だより」もお読みください。当日資料は厚生労働省のホームページに掲載)。この2回では「関係者からのヒアリング」が行われており、第5回では、「学童保育に子どもを通わせる保護者」「全国学童保育連絡協議会(以下、全国連協)」「事業者」がヒアリングを受けました。
 まず、学童保育に子どもを通わせる保護者の方が、ご自身の経験と実感を交えつつ、「学童保育には子どもが信頼でき、安心して共に過こすことのできる指導員が絶対に必要」「すべての学童保育で、専門的な知識と技能、子どもや保護者から信頼される資質を持った指導員が常時複数配置され、継続して子どもと関係をつくれるようにしていただきたい」「必要としている家庭の子どもが、必要としている期間、経済的な理由に左右されることなく学童保育に通いつづけられること、保護者や子どもが信頼できる指導員を安定的に長期的に雇用できることを実現できるような制度の充実を求めます」と話されました。
 全国連協からは、「『質の確保』について、私たちが考えること」「学童保育を必要とする子どもが、必要とする期間、学童保育に通いつづけることを支えるために、指導員に関わる諸条件が整えられる必要があること」「現状と課題の解決にむけて、私たちが要望すること」を発言しました(発言要旨と全文を資料として提出)。
 2017年12月26日に発表された閣議決定では、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下「省令基準」)において「従うべき基準」として定めされた放課後児童支援員の「資格」と「配置基準」を「参酌化」することを、「地方分権の議論の場において検討し、平成30年度中に結論を得る」とされています。これもふまえてヒアリングでは、「質の確保」、とりわけ指導員に焦点を当てた発言をしました。とくに強調したのは、つぎの点です。
・子どもたちに安全で安心して過ごせる生活を保障するにあたって、全国共通に子どものために守らなければならない質の確保がある。運営者や自治体の都合ではなく、「子どもの最善の利益」を守るという視点で考えるべき。
・1997年の法定化以降も、学童保育の事業内容は各自治体によってさまざまで大きな格差があり、「省令基準」策定後もその状況はつづいている。「全国一定水準の質の確保」がされた学童保育を、「量的拡大」していくことが急務。
・指導員不足の背景である「指導員の処遇が大変低いこと」「『省令基準』と『運営指針』の理解が不十分なこと」などの根本的な問題に取り組むことが必要。
・学童保育をはじめとした放課後の施策について、どのステージを「議論の場」とするにしても、児童福祉の理念、「子どもの最善の利益」を尊重して議論されることが最低隈求められると考える。国は、後退することなく、質の確保に努めながら、量的拡大を図ってほしい。
 事業者からは、愛媛県久万高原町で保育園を運営する社会福祉法人が、児童館・学童保育・放課後子供教室を広く展開している経験を報告しました。
 2018年2月27日の第6回専門委員会では引き続き「関係者からのヒアリング」が行われ、同年4月中旬に開催される第8回で中間取りまとめ(骨子)が出される予定です。

「基準の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントが実施されました

 前述した閣議決定では、放課後児童支援員の資格要件を「一定の実務経験があり、かつ、市町村長が適当と認めた者に対象を拡大することとし、平成29年度中に省令を改正する」としています。これをふまえて厚生労働省は、2018年1月29日より、「『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準』の一部を改正する省令案についての意見募集」(締切は同年2月27日)を行っています。
 今回検討されている改定は二点です。一つは、放課後児童支援員の基礎資格が教諭有資格者である場合の教員免許更新講習の取り扱いについてです。2009年4月から教員免許更新制が導入されていますが、放課後児童支援員は、更新講習の受講対象者ではありません。「更新講習を受けなくてよい」という取り扱いを明確にしました。全国連協は、このことは評価しています。
 質に大きく関わるのは、つぎの点です。放課後児童支援員の資格要件を「一定の実務経験があり、かつ、市町村長が適当と認めた者に対象を拡大する」としており、「省令基準」の改定が行われれば、2018年度から、市町村の判断によっては、「高等学校を卒業していない者」も、認定資格研修の受講対象者となります。「5年以上の実務経験者」とされてはいるものの、これでは、放課後児童支援員の基礎要件を担保していた、保育士や教諭をはじめとする有資格者などの九項目が無意味になってしまうと言っても過言ではありません。全国連協は、この基礎要件の切り下げを不適切と考え、絶対に認めることはできないと考えています。
 今回の改定は、基準で定められた指導員の資格のあり方、そして学童保育の質に大きく関わるものです。全国連協は、「私たちの意見・考え・要望を発信する貴重な機会として、このパプリックコメントに積極的に取り組んでほしい」と呼びかけました。
 なお、閣議決定ではこのほかにも、「平成30年度中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずる」「地方分権の議論の場において検討」として、「放課後児童健全育成事業に従事する者及びその員数に係る『従うべき基準』について、子どもの安全性の確保等一定の質を担保しつつ地域の実情等を踏まえた柔軟な対応ができるよう、参酌化することについて検討・結論」「放課後児童支援員の配置について、登録児童数や地域の人口が少ない場合又は学校との連携が可能な場合等の特例を検討・結論」をあげており、全国連協は大きな危惧を抱いています。
現行の「省令基準」に示された、「資格」と「配置基準」の内容、および、「従うべき基準」という位置づけは、全国すべての学童保育に通う子どもたちに「全国的な一定水準の質」を保障するためには必要不可欠のものです。これらを参酌化することは、子どもに困難を強いている現状を放置することであり、全国連協としては、断固反対です。今後の検討状況を注視し、あらためて皆さんに学童保育を守るための取り組みを呼びかけていきます。

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